アコムからの借入れが住宅ローンに与える影響を解説!不安な方は申込み前に解約しよう
アコムを利用していると、住宅ローン審査にマイナスの影響が及ぶ可能性があります。
しかし、借入れがあるからといって、かならず審査に落ちるというわけではありません。審査で重視されるのは、十分な返済能力があるか否かです。
つまり、借入金額が多すぎたり、支払いを延滞していたりすると、その記録は信用情報に残るため、審査に落ちやすくなるということです。
この記事では、アコムの利用が住宅ローンの審査に与える影響や、住宅ローンの審査に落ちた場合の対処法について詳しく解説していきます。
カードローンの借入れが住宅ローン審査に与える影響について
アコムなどの消費者金融を利用していると、住宅ローン審査にマイナスな影響を与える可能性があります。
まず、アコムでの借入れが多い場合には、審査落ちの可能性が高くなります。なぜなら、住宅ローン審査では「年収に占める年間返済額の割合=返済比率(返済負担率)」がチェックされるからです。
返済比率が0%に近いほど審査に通りやすく、20〜30%を超えてくると審査に落ちやすいといわれています。
返済比率は、「1年間に返済する金額÷年収×100」という式で計算できます。
たとえば、年収400万円の方が毎月8万円の返済で住宅ローンを借りるとすると、返済比率は「96万÷400万×100=24%」となります。
しかし、アコムで毎月2万円の返済をおこなっていたとすると、「(96万+24万)÷400万×100=30%」となり、借入れがない状態よりも返済比率が高くなってしまいます。
つまり、アコムでの借入れが多い方は返済比率が高まるため、審査で不利になる可能性があります。
専門家からのコメント
住宅ローン審査でチェックされる返済比率の上限は、30%が一般的です。
アコムなどのカードローンで借入をしている方は、その分、借りることができる住宅ローンの金額は少なくなるので、希望するマイホームに影響が出ます。
ただし、返済比率の上限は、各銀行によって様々です。25%の銀行もあれば、年収が400万以上だと35%が上限となるフラット35などさまざまです。
返済比率は公表している銀行や商品も多いので、気になる方は事前に確認して住宅ローンの申し込みをしましょう。
返済に遅れた場合もローン審査にマイナスの影響が及ぶ可能性が高い
さらに、アコムの返済で遅延・延滞などをしている場合も、住宅ローン審査にマイナスの影響を与えます。
消費者金融やクレジットカードの支払い遅延・延滞は「信用情報」として、第三者機関である信用情報機関に記録されます。住宅ローン審査では、申込者の信用情報がかならず照会されます。
そのため、信用情報に遅延・延滞履歴が記録されていると「この人は支払い態度が悪い」と判断され、審査に落ちる可能性があります。
アコムの利用を他社のローン審査で隠すことはできる?
結論からいうと、アコムを利用していることを、他社のローン審査で隠すことはできません。
消費者金融での借入状況は信用情報機関に記録されています。そして、金融機関が申込者について審査をするときには、かならず信用情報を照会します。
他社での借入状況は、信用情報を見ればすぐに分かるので、審査で借入れを隠蔽することは難しいといえるでしょう。
虚偽の申告をすると審査落ちの原因になるので注意
他社からすでに借入れがあることを隠したいがために、申込時に虚偽の申告をしたことが判明したときには、審査に落ちる可能性が高いです。
さらに、その金融機関が提供するローンを二度と利用できなくなる可能性もあります。審査を不安に感じたとしても、かならず正確で誤りのない情報を申告するようにしましょう。
もう使わないカードローンは住宅ローン審査の前に解約しておこう
もし、過去にカードローンの契約を結び、今現在は利用していないのであれば、ローン審査の前に解約しておきましょう。
信用情報を照会すると、借入状況だけでなく、契約状況も確認することができます。
現在は借入れがなくても、契約が残っていると住宅ローン審査が慎重におこなわれる可能性があります。必要が無ければ早めに解約して、信用情報をクリーンにするように心がけましょう。
契約している間は信用情報は削除されない
現在進行形でお金を借りていなくても、カードローンを契約しているという状態は信用情報に記録され続けています。
契約が残っているということは、利用限度額内の金額ならいつでも引き出せるということですよね。
そのため、カードローンを契約しているだけでも、返済能力に懸念が生じてしまい、住宅ローンの審査で不利になる可能性があるのです。
解約から5年間は記録が残るので注意
もし住宅ローンに申込むのであれば、早めにカードローンの契約を解約することをおすすめします。カードローンの利用履歴は信用情報に記録され、解約しない限り残り続けます。
すでに借入れたお金を完済していたとしても、解約をしない限り信用情報に記録し続けられます。一般的に、申込みの記録は約6ヵ月間は保有されます。
さらに、CICでは契約期間中および契約終了後5年以内、JICCでは契約継続中及び契約終了後5年以内、全国銀行個人信用情報センターでは契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間は、契約内容に関する情報が保有されます。
もし遅延・延滞などをした場合の記録は、5年〜10年程度の長期間にわたって残ります。
信用情報に記録が残っている間は、住宅ローンやクレジットカード審査で不利になる可能性があります。
そのため、利用していないカードローンは早めに解約しましょう。
専門家からのコメント
借入がなくても、利用限度額が設定されているカードをたくさんお持ちの方は注意が必要です。
使わないカード契約は解約したいが、何枚かはカードを持っておきたい、そのような方は、銀行の窓口で、既存の借入を申告する際、カードローンの利用限度額(極度額といいます)もあらかじめ銀行員に伝えておきましょう。
事前にご自身の借入を整理して、遅延・延滞履歴も含めて正確な情報を銀行員に伝えることは審査上の心証もよくなります。
住宅ローンの審査に落ちた場合の対処法
この章では、住宅ローンの審査に落ちた場合の対処法について解説します。
- 自分の信用情報を確認する
- 半年以上期間を空けて別のローンに申込む
1.自分の信用情報を確認する
まずは、自分の信用情報を確認してみましょう。なぜなら、信用情報が原因で審査に落ちたのであれば、保有期間が過ぎるまで待機することで、次は審査を通過できる可能性があるからです。
個人の信用情報は、信用情報機関で開示請求することができます。
代表的な信用情報機関としては、下記の3社が挙げられます。
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
- 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
- 株式会社日本信用情報機構(JICC)
各社の公式サイトから本人開示手続きの申請方法が記載されているので、その方法にしたがって開示請求をおこないましょう。
もし信用情報に問題がなければ、収入や勤務先などの属性が原因で審査に落ちた可能性があります。その場合は、収入を増やしたり、勤続年数が長くなるまで同じ勤務先で働いたりして、属性を高めることを心がけましょう。
2.半年以上期間を空けて別のローンに申込む
もし自分の信用情報になにも問題がなかった場合は、別の住宅ローンに申込みましょう。ただし、住宅ローンの申込状況も信用情報として記録されています。
短期間に複数の住宅ローンに申込むと、「申込みブラック」となり、審査落ちの原因になる可能性があります。
つまり、「なにか問題があるから、短期間に複数のローンに申込んでいる」という印象になるということです。住宅ローンへの申込みは、申込時点から約半年間は信用情報に記録されます。
そのため、別の住宅ローンに申込む場合は、半年以上の期間を開けてから申込むようにしましょう。
まとめ
- アコムの利用は住宅ローンの返済にマイナスの影響を与える可能性がある
- とくに返済に遅れた場合は注意が必要
- 利用しないカードローンは早めの解約がおすすめ
住宅ローンの審査では、返済能力が重要視されます。
「アコムを利用していると絶対に審査に通らない」というわけではありませんが、借入れが多額だったり、支払いに遅延したりすると印象が悪くなり、審査落ちの原因となるかもしれません。
そのため、利用していないのであれば解約したり、利用を続けるのであれば返済に遅れないように気をつけたりと、信用情報に傷をつけないように注意しましょう。
専門家からの一言
これから住宅ローンの審査を受ける方は、アコムも含めて他のカードローンの返済状況を確認しておきましょう。
不安がある方は、信用情報機関に開示請求の手続きをおすすめします。
もし住宅ローンの審査に落ちてしまった場合、信用情報に原因があることが多いです。
ご自身の借入について反省をすると同時に、これを機に、家計管理についても見直をしてみてはいかがでしょうか。
1975年鳥取県生まれ。下関市立大学経済学部を卒業後、平成11年に地方銀行に入行。8年間、住宅ローン業務など銀行業務に携わる。その後、外資系生命保険会社を経て、平成22年に(株)FPシモムラを設立。ファイナンシャルプランナーでもあり、住宅ローン専門コンサルタントとして活動中。住宅ローンについてのアドバイス、生命保険の見直しなどの個人向けのコンサル業務を展開。同時に、工務店や婚礼会社、地元新聞社の主催でお金や住宅ローンを中心とした各種セミナー、相談会を開催してきた。中でも平成27年より「鳥取マイホームお金の相談室」の代表として開催している自社セミナー「住宅購入7つのルールセミナー」は大変好評で、地元を中心に継続して行っている。近年は、住宅ローンのコンサル以外に、法人の融資コンサルやローンを使ったマンション投資の正しいやり方の普及に努めている。趣味は音楽・バンド活動。
31歳。クレジットカード系270記事以上、ビジネススキル記事100記事以上、書籍執筆、などなど金融系・経済系のライティングが好き。ガジェット・旅行・音楽・ゲーム・芸能・心理学など多数のライティングを経て現在にいたる。読書好きで月に30冊は読破。読書の経験から「読みやすさ・わかりやすさとは」を常に研究中。作成文章でも経験読者さんにとって分かりやすく、読みやすい、求めている正確な情報をお届けすることをモットーに執筆しています。