アコムは保証会社としての一面も持つ!担当する銀行カードローン30社をご紹介

アコムは保証会社としての一面も持つ!担当する銀行カードローン30社をご紹介

大手消費者金融のひとつであるアコムでは、主力のカードローン事業以外に銀行などの金融機関の保証業務も実施しています。

親会社である三菱UFJフィナンシャル・グループの三菱UFJ銀行が展開する「三菱UFJ銀行カードローン(バンクイック)」のカードローン事業でも、アコムが保証業務をおこなっています。

加えて、そのグループ金融機関や地方銀行、ネット・流通系銀行など、多くの金融機関のカードローン事業の保証業務をアコムが担っているのです。本記事では、アコムの保証業務について詳しくご説明します。

アコムの保証会社としての一面とは?

大手消費者金融のアコムでは、カードローン事業のほかに銀行カードローンなどの保証業務(代位弁済業務など)をおこなっています。銀行カードローンの利用条件に「アコムの保証を受けられる方」という文面があるのを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。

保証とは、融資したお金が返済できなくなったときに、借りた方に代わって弁済(代位弁済)をおこなうことをいいます。すなわち、銀行カードローンの利用者が返済できなくなった時に、利用者に代わって残りの債務を支払うことなのです。

アコムの保証業務は、銀行などの金融機関がカードローン事業に参入するようになった1990年代からおこなわれています。現在のアコムの保証残高は、下記のように2020年3月期で1兆円(1,631千件)を超えており、大きな事業のひとつとなっています。

アコムの親会社である三菱UFJフィナンシャル・グループのメガバンクである三菱UFJ銀行をはじめ、提携先は30社にのぼるなど、アコムは保証業務でも全国をカバーしています。

アコムの保証残高・件数(※)
保証残高 10,598億円
件数 1,631千件
提携先数 30社
(※)出典元:アコム公式サイト「2020年3月期 第3四半期 決算プレゼンテーション資料(5ページ)

このように、アコムでは保証事業をもうひとつの収益の柱としているのです。ちなみにアコム自身は、もともと消費者金融事業をおこなっているだけに、他会社からの保証は利用していません。これは大手消費者金融も同様です。

専門家からのコメント

大西 勝士
大西 勝士

銀行が保証会社に保証業務を任せている理由は、貸したお金が不良債権となるのを防ぐためです。

無担保無保証人で融資を行うカードローンは貸し倒れリスクが高くなりますが、保証会社が代位弁済してくれるので、銀行は安心して融資できます。

また、保証会社は消費者金融として個人融資に関する審査のノウハウを持っており、保証会社を通すことで審査の効率化を図っています。

アコムが担当する保証業務

銀行などの金融機関がカードローン事業をおこなう場合に、次のような保証業務をおこなっています。もともと銀行などの金融機関では無担保無保証人での個人融資はおこなっていなかったため、個人を対象とした審査、回収に関する経験を持つアコムの実績に対する需要は高いのです。

保証業務とは
  • カードローン申込者の審査
  • 返済が一定期間遅れた場合に債務を立て替え(代位弁済)

銀行などとの契約内容によってその関与度は違ってくるものの、おおむね上に挙げた業務を中心におこなっているのです。アコムでは、それぞれの金融機関のカードローン事業の規模・マーケティング戦略に応じて、必要な業務メニューを提供しています。

銀行などの金融機関がカードローン事業に参入したのは最近であり、審査ノウハウが乏しいいっぽう、事業のリスク抑制も重要視しています。そこで、消費者金融事業としてカードローンのノウハウを蓄積してきた大手消費者金融に保証業務を委託することで貸し倒れのリスクを軽減させているのです。

アコムグループには保証事業専門の「エム・ユー信用保証」という会社もある

三菱UFJフィナンシャル・グループでは、アコムの完全子会社でもある「エム・ユー信用保証」でも保証事業をおこなっています。

両社はもともと別々に保証事業をおこなっていた会社で、アコムの子会社化された現在でも、それぞれの業務は別々におこなわれています。同じ事業でも、担当している金融機関は異なっているのです。

ただ、グループとしては、提携先金融機関のニーズに応じてオーダーメイドで代弁スキームを提供していく方式は同じです。提供する業務内容に違いがあるため、同じ金融機関と両社が提携している場合もあります。

アコムが保証提携をおこなっている銀行カードローンをご紹介

アコムは、親会社である三菱UFJフィナンシャル・グループが提供する銀行カードローン、三菱UFJ銀行カードローン(バンクイック)だけでなく、多くの地方銀行カードローンやネット銀行、流通系銀行の保証業務を担当しています。

金融機関との提携エリアは全国にわたっており、メガバンクと呼ばれる大手銀行やネット銀行だけでなく、ネットを通じて全国展開している地方銀行カードローンなども含まれています。提携している金融機関は、アコム公式サイトでも確認することができます。

全国展開が中心になっているメガバンクやネット・流通系銀行については下表の金融機関と提携しています。エリアにかかわらず一律の融資が可能な、ネットやコンビニATMでの融資を中心に展開されている銀行と提携しているのが特徴です。

アコムと提携している金融機関(※)
メガバンク 三菱UFJ銀行カードローン(バンクイック)
ネット銀行 ソニー銀行、auじぶん銀行
流通系銀行 セブン銀行

また、地方銀行が提供するカードローン商品の保証業務も担当しており、下表のように全国さまざまなエリアの地方銀行と提携しています。

なかには地方銀行でありながらネット展開で全国での申込みが可能になっている青森銀行「あおぎんカードローン」も含まれるなど、全国規模で事業を展開している銀行のサポートもおこなっています。

アコムが提携している地方銀行
北海道・東北地方 北海道銀行、青森銀行、山形銀行、岩手銀行
関東・甲信越地方 群馬銀行、足利銀行、常陽銀行、武蔵野銀行、山梨中央銀行、八十二銀行、
東海・北陸地方 北陸銀行、スルガ銀行、十六銀行、中京銀行、第三銀行
近畿地方 南都銀行
中国地方 鳥取銀行、広島銀行
四国地方 百十四銀行、伊予銀行、四国銀行
九州・沖縄地方 西日本シティ銀行、宮崎銀行、長崎銀行、大分銀行、琉球銀行
(※)2019年3月末日時点

このように、メガバンクのバンクイックから、地方銀行、ネット・流通系銀行など広く30社と提携し、保証業務を通じてそれぞれの金融機関のカードローン事業を支えているのです。

アコムの利用、審査落ち経験は保証提携している銀行カードローンにどう影響するか

アコムと提携先銀行は同じカードローン事業を展開しているので、アコムでお金を借りている方が追加融資を提携先銀行に申込んだり、反対に提携先銀行を利用している方がアコムへ借入れの申込みをおこなうこともあります。

アコムでは、カードローン業務と保証業務がおこなわれていますが、それぞれの部門は別になっており、審査も個々の部門でおこなわれています。そのため、提携先銀行とアコム双方に借入れを申込んだ場合も、両社ともに別個で審査が進行します。

また銀行カードローンの審査では、アコムの基準に加えて、銀行独自の基準を交えた審査がおこなわれます。そのため、アコムの審査を通過できた方が、アコムが保証業務を担当する銀行カードローンの審査にも通過できる、というわけではありません。

アコムで延滞や審査落ちを経験している方は注意が必要

ただし、別事業とはいえ同じアコムではあるため、審査のノウハウは社内で共有されています。アコムが保証業務を担当する銀行カードローンの審査においても、アコムでの利用経験はチェックされる可能性が高いといえます。

たとえばアコムへ申込みをおこない審査落ちした場合、なぜ審査に落ちたのかは信用情報機関の情報ではわかりませんが、アコム社内では共有できる情報としてデータが残っていることが考えられます。そのため、社内で注意すべきユーザーとなっているケースもありえるのです。

また、現在アコムで返済に延滞がある場合には、その期間や回数、理由などが詳しく記録されている可能性があります。そのため、銀行カードローンの審査において返済能力や債権に対する姿勢についてネガティブな印象を持たれてしまうと考えられる場合もあるのです。

つまり、アコムが保証業務を担当している銀行カードローンに申込んだ際には、過去、あるいは現在アコムを利用した経験があったり、審査落ちしたりといった経験をチェックできることに注意しておくべきでしょう。

過去の履歴に不安があるという方は、申込む前に保証会社を確認しておくのがおすすめです。できれば、他社が保証業務をおこなっている銀行カードローンか大手消費者金融他社に申込むことをおすすめします。

アコムの審査に落ちたときに考えられる理由と審査に落ちないための対応策をご紹介

専門家からのコメント

大西 勝士
大西 勝士

銀行カードローンの保証会社は、公式サイトの商品案内ページやパンフレット、契約書などで簡単に確認できます。

審査に通過する可能性を高めるためにも、過去に延滞や審査落ちを経験している場合は、必ず保証会社を確認してから申込みをしましょう。

また、短期間で複数の銀行の審査を受けてしまうと、たとえ保証会社が違っていても信用情報に履歴が残ってしまうので注意が必要です。

アコムの保証業務と提携先についてのまとめ

大手消費者金融のアコムは、カードローン事業だけでなく、保証業務をおこなっています。保証先銀行の申込みに対する審査と一定期間以上遅れた債権の代弁返済をおこないますが、それぞれの提携先金融機関に応じてオーダーメイドでサービスを提供しています。

アコムが保証業務を提携している金融機関は、親会社である三菱UFJ銀行が展開するバンクイックをはじめ、全国の地方銀行やネット・流通系銀行など30行にのぼります。

なお、アコムで審査に落ちた場合には、審査そのものは別におこなわれるものの、社内での情報が共有されていることもありえるため、アコムが保証業務をしていない銀行カードローンか、ほかの大手消費者金融に申込むようにしましょう。

<参考資料>
アコム:2020年3月期第3四半期決算プレゼンテーション資料(5ページ)

大西 勝士

専門家からの一言

大西 勝士

銀行カードローンでは、アコムをはじめとする大手消費者金融が保証会社として重要な役割を担っています。

銀行は保証会社に対して手数料を支払う必要がありますが、その手数料は金利に上乗せされるため、実質的にはカードローン利用者の負担となります。

銀行カードローンの利用を検討しているなら、銀行と保証会社の関係を理解しておきましょう。

フリーランスの金融ライター。1979年三重県生まれ。早稲田大学卒業後、食品メーカー、会計事務所、一般企業の経理職を経て学習塾経営で独立。その後、2017年10月にWebライターに転身。10年以上の投資経験とFP資格を活かし、複数のメディアで金融系記事の執筆・監修を行っています。得意分野は個人の資産形成。お金に関する疑問・不安を解消していただけるように、お金の知識をわかりやすく伝えることを心掛けています。

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長く1部上場の消費者金融で経営企画課長をして、カードローン事業にかかわってきました。経営計画の担当が中心でしたが、カードローンのスコアリングシステムなどを担当するリスク管理や審査、回収などをおこなう集中センターの構築にも携わった経験があり、比較的カードローンに関しては詳しいと自負しております。また、子会社のクレジットカード会社に行っていたことがあり、カード事業の方面もいろいろ情報を提供できるかと思います。宜しくお願い致します。

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