マル経融資の審査に通る方法は?事業資金を借りる条件や審査に落ちた際の対処法まで解説

マル経融資の審査に通る方法は?事業資金を借りる条件や審査に落ちた際の対処法まで解説

マル経融資とは、小規模事業者の方向けに設けられた日本政策金融公庫の融資制度のひとつです。

日本政策金融公庫は財務省が管轄する金融機関ゆえ、審査基準が厳しいのではないかと懸念されています。

しかし、マル経融資には小規模事業者を救済する目的があるため、条件を満たし審査に通れば、収益の少ない個人事業主の方でもお金を借りることができます。

マル経融資のよい点は、銀行や信用金庫などの民間金融機関よりも金利が低いことです。

本記事では、マル経融資の概要や審査基準、融資を受けるメリットとデメリットなどを徹底解説しています。

審査に落ちた際の対処法や新型コロナウイルス対策マル経融資についても解説しているため、利用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

この記事の結論
  • マル経融資の融資限度額は最大2,000万円、金利は年1.09%
  • 申込むためには、商工会議所の経営指導を6ヶ月以上受ける必要がある
  • 創業1年未満の方はマル経融資に申込めない
  • 信用情報に傷がついている場合は審査に落ちる可能性がある
  • マル経融資の審査に落ちてもビジネスローンや制度融資など別の資金調達方法がある

マル経融資とは小規模事業者の商工業者が融資を受けられる制度

マル経融資とは、小規模事業者の商工業者のために設けられた公的な融資制度です。

資金繰りの難しい小規模事業者を救済する目的があり、日本政策金融公庫が融資をおこなっています。

小規模事業者の方の悩みといえば、利益が安定しにくい傾向にあり銀行や信用金庫から融資を受けにくい点です。

しかし、マル経融資であれば小規模事業者でも借り入れができる可能性は十分あり、担保や保証人なしで融資を受けられます。

商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者の商工業者が、経営改善に必要な資金を無担保・無保証人でご利用できる制度です。

お金を借りる際に住宅を担保にしたり、家族や知人に連帯保証人を頼んだりする必要はないため、ご安心ください。

現在赤字続きで資金繰りが厳しい小規模事業者の方は、条件を満たしているなら今すぐにでもマル経融資に申込みましょう。

小規模事業者を救済するための制度であるマル経融資であれば、収益が少ない方でも融資を受けられる可能性が十分あります。

すでに商工会議所の経営指導を受けている方であれば、最短2ヶ月で最大2,000万円の借入れが可能です。

マル経融資の融資限度額は2,000万円

マル経融資を利用すれば、事業資金として最大2,000万円まで借入れできます。

高額融資が可能な理由は、国が出資している金融機関ゆえに財源が十分確保できており、貸し倒れのリスクがないからです。

マル経融資の融資条件

マル経融資の融資条件は次のとおりです。

融資限度額
最大2,000万円
金利 年1.09%(※1)
担保、保証人 不要
返済期間
運転資金:7年以内
設備資金:10年以内
据置期間(※2)
運転資金:1年以内
設備資金:2年以内
審査期間 最短1~2ヶ月ほど
(※1)2023年6月1日時点
(※2)必ずしも据え置き期間を設ける必要はありません

マル経融資の返済期間は資金の種類によって異なりますが、最長10年です。

運転資金は1年以内、設備資金は2年以内の据置期間も用意されています(※)。

売上金が手元に入るまでに時間がかかる方でも、マル経融資なら安心して利用することが可能です。

ただし、融資を受けるまでには最短でも1~2ヶ月ほどかかるため、今すぐにお金が必要な方には向きません。

(※)必ずしも据え置き期間を設ける必要はありません

マル経融資の据置期間について

マル経融資の据置期間とは、元本の返済を回避できる期間のことです。

据置期間中は利息のみの返済でよいため、通常の返済方法と比較して月々の返済金額を安く抑えられます。

ただし、据置期間も返済期間の中に含まれる点に注意が必要です。

たとえば返済期間を7年、据置期間を1年として運転資金としてのお金を借りた場合、最初の1年間は利息のみの返済とすることができますが、残りの6年間で元本を返済することになります。

1年間分が追加になるわけではないことを認識しておきましょう。

マル経融資で借りられるのは運転資金と設備資金の2種類

マル経融資で借りられるお金は、運転資金設備資金の2種類です。

運転資金と設備資金の具体例を次にまとめました。

運転資金
・給料やボーナスの支払い
・電気代、ガス代、電話料金などの支払い
・テナント家賃の支払い
・仕入資金
・掛金、手形決済資金など
設備資金 ・パソコンやコピー機など事業に必要な設備の購入
・機械、設備、什器などの購入
・店舗または工場の改装費
・営業車両の購入
・重機の購入

マル経融資で認められている資金使途は、各商工会議所の公式サイトにも記載されているため、事前に確認しておきましょう。

【運転資金】
・商品(材料)仕入資金
・買掛金(手形)決裁資金
・諸経費支払い資金 など

 【設備資金】
・店舗、工場等改装資金
・営業車両輌等購入資金
・機械設備等購入資金 など

(※)一例

注意点として、マル経融資での借入金を生活費に充てることはできません。

生活費が足りない場合は、別途ほかの融資制度に申込みましょう。

マル経融資は借り換えには利用できない

マル経融資での借入金は、債務の借り換えには利用できません。

国の金融機関である日本政策金融公庫が借り換えに応じてしまうと、民間金融機関の利益を奪うことになるからです。

債務の借り換えを希望する場合は、借り換えローンのような商品を別途検討してみてください。

借り換えローンであれば、借入金額が多くても低金利で融資を受けられます。

マル経融資の年率は1.09%と低金利で利息が増えづらい

マル経融資は年率1.09%と低金利になっており、利息が増えにくい点が強みです。

低金利で貸付をおこなっている銀行や信用金庫よりもさらに年率が低く、利息の支払いを最小限に抑えられます。

マル経融資の金利が低い理由は、公的な融資制度で利益を目的としていないからです。

民間金融機関とマル経融資の金利を比較した結果を、次にまとめました。

借入方法
年率
2,000万円を7年借りた場合の利息
マル経融資 1.09%(※) 152万5,999円
銀行カードローン 4.0%~15.0% 559万9,999円~2,099万9,999円
(※)2023年6月1日時点

マル経融資の年率は、銀行や信用金庫と比較して最大15分の1ほどです。

7年間借りた場合の利息を比較すると大きな差があるため、お得に事業資金を借りたい方にはマル経融資をおすすめします。

利子補給制度に申し込めば最大12ヶ月間の利息が半分に

マル経融資には利子補給制度を設けている自治体があります。

施策をおこなっている自治体で事業を営んでいる場合、申込みをおこなえば最大12ヶ月間の利息を半分にすることが可能です。

たとえば岡山県岡山市の場合、利子補給制度を利用すると、支払った利息の初回から12回目までの年利1%相当額を受給できます。

利子補給の内容
日本政策金融公庫へ支払った約定利息の初回から12回目までの年利1%相当額を補給します。ただし、延滞利息は補給対象外です。

市町村のような自治体は国の政策に則って活動しているため、個人事業主の方に対しても積極的な支援をおこなっています。

資金繰りが難しくて困っている方は、ぜひ活用してみてください。

マル経融資の据置期間と利子補給制度を併用した場合、融資限度額の2,000万円まで借りても、1ヶ月に支払う利息が2万円以下になります。

資金繰りが非常に厳しく利息を払うことが難しい場合は、他の公的融資制度も検討してみましょう。

国や自治体からお金を借りる公的融資制度の中には、無利子の融資制度もあります。

資金繰りが難しい方や環境や情勢の変化で経営が厳しくなった方は、無利子の融資制度を利用できる可能性があるため、ぜひ検討してみてください。

注意点として、無利子の公的融資制度は申請の倍率が高いため、審査に落ちるケースが多い傾向にあります。

審査通過率の高さを重視する方は、マル経融資に申込みましょう。

コロナの影響を受けている場合は通常の融資額に1,000万円上乗せされる

新型コロナウイルスの影響を受けている場合は、マル経融資に拡充措置が適用され、融資額が1,000万円上乗せされます。

さらには、融資を受けてから3年間は金利が1.09%から0.9%引き下げられ、0.19%で利用可能です(※)。

(※)2023年6月1日時点

新型コロナウイルス対策マル経融資は、返済期間も通常枠とは異なります。

通常枠に上乗せされる最大1,000万円の返済期間は、運転資金・設備資金ともに20年以内で、そのうち据置期間は5年です。

新型コロナウイルス対策マル経融資を利用するためには、通常枠の融資要件を満たしたうえで、次のいずれかの要件を満たしている必要があります。

新型コロナウイルス対策マル経融資の融資要件
  • 最近1ヶ月の売上高または最近1ヶ月を含む過去6ヶ月の平均売上高が、前5年のいずれかの年の同期と比較して5%以上減少しているか、同様の状況にある
  • 債務負担が重くなっている

注意点として、新型コロナウイルス対策マル経融資は、2023年9月末日までの取り扱いであり、中小企業基盤整備機構が行う特別利子補給制度 については既に終了しています。

新型コロナウイルスの影響を受けている小規模事業者の方は、なるべく早めに申込みましょう。

マル経融資の審査について

マル経融資の審査基準は一切公開されていないため、審査難易度を判断することはできません。

事業の状況や借入状況、今後の見通しなどを総合的に考慮したうえで、審査がおこなわれると予想されます。

審査基準が非公開だと聞くと、審査が厳しいイメージを持つかもしれません。

しかし、マル経融資は日本政策金融公庫の融資制度のひとつで、資金繰りの厳しい小規模事業者を救済する目的があります。

民間金融機関の審査に通らない方でも、マル経融資の要件さえ満たせば融資を受けられる可能性はあるため、ご安心ください。

中小企業庁の資料にも、次のような記載があります。

(1)マル経融資の政策背景
小規模事業者向けの融資は、情報の非対称性に加え、
・事業の規模が小さい=必要資金が少額(小口融資)であるが故の高コスト性
・利益率が低い=償還能力(返済能力)が低いが故の高リスク性
という民間金融機関では対応困難な課題が多いために、政府系金融機関によ
る融資制度としてマル経融資を講じてきた。

審査通過率を高めるためには、マル経融資の審査に通るための要件を満たしたうえで申込みましょう。

マル経融資の審査に通るための要件

マル経融資の審査に通るためには、次の要件をすべて満たす必要があります。

規模要件
従業員20人以下の法人、個人事業主であること(商業、サービス業の場合は5人以下※1)
指導要件 商工会、商工会議所の経営指導を6ヶ月以上受けていること
居住要件 最近1年以上、商工会、商工会議所の地区内で事業をおこなっていること
納税要件 所得税、法人税、事業税および都道府県民税や市町村民税(※2)をすべて完納していること
業種要件 商工業者であり、かつ日本公庫(国民生活事業)の非対称業種(※3)でないこと
(※1)宿泊業および娯楽業を除く
(※2)均等割りを含む
(※3)貸金業、競輪競馬パチンコなどの娯楽業、取り立て業、社会保険・社会福祉・介護事業など

マル経融資を利用するためには、商工会議所の推薦を受けなくてはいけません。

1年以上の事業実績も必要な点に注意しておきましょう。

経営する会社の業種が日本政策金融公庫の融資対象である

マル経融資の審査に通るためには、経営する会社の業種が日本政策金融公庫の融資対象でないといけません。

商工会議所のサイトにも、次のように記載されています。

●商工業者であり、かつ、日本政策金融公庫の非対象業種等に属していない業種の事業を営んでいる方

しかし、日本政策金融公庫の融資対象業種は幅広く、ほとんどの場合は融資対象になるためご安心ください。

日本政策金融公庫の融資対象外になる業種を、次にまとめました。

業種 具体例
金融業 ・協同組織金融業
・補助的金融業
・銀行業
・クレジットカード業
・信金業
・損害保険業
・少額短期保険業
・金融商品取引業
・共済事業
一部の娯楽業 ・競輪、競馬
・パチンコ
・射的場
・芸妓場
・ビンゴゲーム場
裏社会との関わりが強い業種 ・取り立て業
・集金業
風俗業 ・ソープランド
・デリバリーヘルス
・ピンクサロン
一部の社会福祉、社会保険、介護事業 ・介護事業社会保険事業団体
・福祉事務所
・更生保護事業

上記に当てはまる場合、マル経融資を利用することはできません。

従業員数は20名以下、または個人事業主

マル経融資の審査に通るためには、従業員数が20名以下の法人、または個人事業主でないといけません。

小規模事業者のための制度であるマル経融資では、審査を公平におこなうために従業員数を制限しているからです。

小規模事業者かどうかは従業員数で決まります。具体的には「製造業」、「宿泊業」、「娯楽業」の場合は従業員20名以下、その他の「商業」、「サービス業」の場合は5名以下となっています。また、法人のみならず個人事業主の方も対象になります。

マル経融資では、中小企業や大手企業は貸付対象になりません。

年収や収益が同程度の人が申込むため、年収が低いために審査で不利にならないか過度に心配する必要はありません。

従業員数20名以上でマル経融資を利用できない場合は、小規模企業共済の貸付制度を検討してみましょう。

小規模企業共済の貸付制度では、自身で積み立てたお金から借入れをおこなうため、マル経融資のような審査はありません。

商工会議所にて1年以上経営している人

商工会議所の地区内で直近1年以上経営していることも、マル経融資に申込む際の条件です。

商工会議所の公式サイトにも、次のように記載されています。

 ●最近1年以上、商工会議所地区内で事業を行っている方
 (商工会地区の方は「商工会地区内」となります)

マル経融資の申込み条件に商工会議所地区内での経営が含まれている理由は、日本政策金融公庫と商工会議所が連携している融資制度だからです。

審査の際には、これまでの会社の経営状況を考慮します。

商工会議所の地区外で経営している方や創業して間もない方は、マル経融資を利用できないため注意が必要です。

商工会や商工会議所の経営指導を6ヶ月以上受けている

マル経融資の審査に通るためには、商工会議所の経営指導を6ヶ月以上受けていないといけません。

経営指導とは、商工会議所に任命された指導員から経営に関するアドバイスを受けることです。

6ヶ月間の経営指導では、指導員によって仮審査のようなものがおこなわれています。

きちんと6ヶ月間経営指導を受けていても、会社が成長する見込みがないと指導員に判断された場合、マル経融資の推薦を受けられません。

商工会議所は2ヶ月に一度経営指導をおこなっている

商工会や商工会議所の経営指導は、2ヶ月に1回ほどの頻度でおこなわれており、指導員が会社に訪問します。

プロから指導を受けられる貴重な機会なので、積極的に質問すると良いでしょう。

審査で確認されるのは事業者の業績や資金の使い道など

マル経融資の審査では、事業者の業績や資金の使い道などが確認されます。

審査の際に提出する書類を、次にまとめました。

法人
・前期、前々期の決算書と確定申告書
・最近の残高試算表(※1)
・法人税、事業税、法人住民税の領収書または納税証明書
・商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
・見積書やカタログなど(※2)
個人事業主 ・前年、前々年の決算書(※3)と確定申告書
・所得税、事業税、住民税の領収書または納税証明書
・見積書やカタログなど(※2)
(※1)決算後6ヶ月以上経過している場合
(※2)設備資金として申込む場合
(※3)または収支内訳書

審査の際に資金の使い道が確認される理由は、マル経融資が一般的な借入方法とは異なり、小規模事業者の救済を目的とした融資制度だからです。

返済能力よりも資金を有効に利用できることが重視されているため、審査通過率を高めるためにも資金使途を明確にしておきましょう。

資金使途が明確であれば借入金を有効に利用できると判断される可能性が高く、審査に通りやすくなると期待できます。

効果的な方法は、借入金の具体的な使い道を記載した書類を提出することです。

従業員に支払う給与額や購入する設備の価格が明記されていれば、信頼性が高まります。

書類はエクセルやワードでまとめても問題ありませんが、見積書の添付があると、より書面の信ぴょう性は高まります。

ただし、審査を有利にするために、実際に導入する気もない設備の見積書を手に入れるなどということは絶対におこなってはいけません。

なお、設備資金として融資を受ける場合は、設備の価格がわかるカタログも提出しなければなりません。

スムーズに融資を審査を進めるためにも、事前に見積書やカタログを用意しておきましょう。

注意点として、申込者の状況や推薦を受ける商工会議所によっては、追加で書類が必要なケースもあります。

実際に必要な書類に関しては、推薦を受ける商工会議所に問い合わせて確認しておきましょう。

詳細な返済計画書を提出することで審査に有利に働く可能性がある

マル経融資の審査を少しでも有利に進めたい方は、詳細な返済計画書を作って提出しましょう。

返済計画書とは、毎月の返済金額や完済までの支払い回数などを記載した書類のことです。

返済計画書があると申込者の返済能力を確認できるため、審査で有利に働く傾向にあります。

提出が義務づけられているわけではありませんが、作成しておくことで自らのビジョンを明確にすることにもつながるでしょう。

また、返済計画書の内容が現実的であれば、計画的な資金運用ができると判断してもらいやすくなります。

返済計画書の書き方に関しては、Web上で検索すると無料のテンプレートが見つかるため、迷うことはありません。

テンプレートを参考に手書きで作成しても問題ないため、マル経融資に申込む際はぜひ返済計画書を作ってみてください。

審査にかかる時間はおよそ1〜2ヶ月

マル経融資の審査結果が出るまでには、およそ1~2ヶ月かかります。

提出した書類や事業状況の確認などに時間がかかるからです。

また、マル経融資に申込むためには、商工会議所の経営指導を6ヶ月間受けていなければいけません。

経営指導の期間と審査の期間を合わせると、融資を受けるまでに8ヶ月ほどはかかるため、逆算して申込みの準備を進めましょう。

税金を滞納していると審査落ちする可能性がある

これまでに税金の支払いを滞納している人はマル経融資の審査に落ちる可能性があります。

商工会議所によっては融資の条件として「税金の滞納がないこと」と記載している場合があるためです。

マル経融資で融資を受ける方法と手順 | 窓口は商工会議所

マル経融資で融資を受ける際の窓口は、商工会または商工会議所です。

商工会議所にて6ヶ月間の経営指導を受けたら、事業を営んでいる地区の商工会または商工会議所に電話で連絡をしましょう。

マル経融資を利用したい旨を伝えると、申請手続きを進めてもらえます。

融資を受けるまでの流れは次のとおりです。

マル経融資の申込み手順
  1. 居住地区の商工会議所に電話をかけ、マル経融資を利用したい旨を伝える
  2. 6ヶ月間の経営指導が完了している場合は、商工会議所が日本政策金融公庫に融資の推薦をおこなう
  3. マル経融資の必要書類を提出する
  4. 日本政策金融公庫が審査をおこなう
  5. 審査に通過したら、日本政策金融公庫と融資契約を結ぶ
  6. 融資を受ける

申し込み時の必要書類は記入漏れに注意

マル経融資に申込む際は、必要書類に記入漏れがないよう十分注意しておきましょう。

提出する書類は法人と個人事業主で異なるため、事前に確認しておくことも大切です。

法人、個人事業主いずれの場合も、法人税や所得税や住民税や事業税などの領収書を提出する必要があります。

マル経融資を提供する日本政策金融公庫は国が管轄する金融機関で、税金を支払っていない方には融資をおこなっていないからです。

必要書類を破棄しており提出できない場合は、経営指導員に相談してみましょう。

代替となる書類を案内してもらえます。

法人の場合の必要書類

法人の方がマル経融資に申込む際の必要書類は、次のとおりです。

法人がマル経融資に申込む際の必要書類
  • 前期、前々期の決算書と確定申告書
  • 最近の残高試算表(※1)
  • 法人税、事業税、法人住民税の領収書または納税証明書
  • 商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 見積書やカタログなど(※2)
(※1)決算後6ヶ月以上経過している場合
(※2)設備資金として申込む場合

個人事業主の場合の必要書類

個人事業主の方がマル経融資に申込む際の必要書類は、次のとおりです。

個人事業主がマル経融資に申込む際の必要書類
  • 前年、前々年の決算書(※1)と確定申告書
  • 所得税、事業税、住民税の領収書または納税証明書
  • 見積書やカタログなど(※2)
(※1)または収支内訳書
(※2)設備資金として申込む場合

マル経融資の審査に落ちた場合の対処法

マル経融資の審査に落ちてしまった場合は、日本政策金融公庫が提供するほかの融資制度を利用しましょう。

日本政策金融公庫が提供する融資制度の中には、中小企業経営力強化資金一般貸付などもあります。

いずれもマル経融資より金利が高くなるケースが一般的ですが、民間金融機関と比較して好条件で融資を受けることが可能です。

日本政策金融公庫の融資制度を利用できない場合は、次のような資金調達方法も検討してみましょう。

事業資金調達方法の一例

ビジネスローンとは

ビジネスローンとは、事業資金専用のローン商品のことです。

公的融資や銀行融資よりも融資スピードが速い傾向にあり、少しでも早く事業資金を調達したい方でも安心して申込めます。

ビジネスローンの難点は、公的融資や銀行融資と比較して金利が高く、融資限度額は低めな点です。

低金利でお金を借りたい方や、高額融資を希望する方には向きません。

制度融資とは

制度融資とは、地方自治体と金融機関と信用保証組合が連携し、提供している融資制度のことです。

小規模事業者の資金調達を支援する目的があり、長期かつ低金利で借入れできます。

ただし、融資を受けるまでに3ヶ月前後かかる傾向にあるため、お急ぎの方には向きません。

ベンチャーキャピタルとは

ベンチャーキャピタル(VC)とは、スタートアップやベンチャーなど高い成長が見込まれる未上場企業に対し、出資をおこなう投資会社です。

投資先の企業が上場して成長した際に株式や事業を売却して、当初の投資額と売却額との差額を得ます。

なお出資を受ける場合、経営がベンチャーキャピタルの支配下におかれる点に注意が必要です。

ファクタリングとは

ファクタリングとは、売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却することで、手数料を引いた現金を得る方法です。

売掛金の支払い期日よりも先に資金を調達できるため、売掛金の回収に時間がかかり、たちまち資金繰りが厳しい方に適しています。

ただし、ファクタリング会社への支払いは、全額一括送金になる点に注意しておきましょう。

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、Web上で自身の事業について発信し、不特定多数の人から少額ずつ資金を調達する方法です。

魅力的なプロジェクトとリターンを考えられる場合は、多くの方からの支援を得られ、十分な事業資金が集まると期待できます。

ただしプラットフォームの使用料がかかる点に注意が必要です。

マル経融資に関するよくある質問

マル経融資に関する、次の疑問への回答をまとめました。

マル経融資のQ&A
  • マル経融資のメリットは?:低金利で借入れできる、無担保・無保証人で融資を受けられる、据置期間が用意されている
  • マル経融資のデメリットは?:創業1年未満の方は利用できない、融資を受けるまでに時間がかかる
  • マル経融資は借り換えに利用できる?:利用できない
  • 新型コロナウイルス対策マル経融資はいつまで?:2023年9月末日まで

それぞれ詳しく解説します。

マル経融資のメリットは?

マル経融資のメリットは、年1.09%の低金利で借入れできるうえに、担保や保証人も不要な点です(※)。

(※)2023年6月1日時点

それでいて、運転資金または設備資金として最大2,000万円まで借入れできます。

据置期間が用意されている点も、マル経融資のメリットです。

資金使途ごとの返済期間と据置期間を、次にまとめました。

資金使途
返済期間
据置期間(※)
運転資金 7年以内 1年以内
設備資金 10年以内 2年以内
(※)必ずしも据え置き期間を設ける必要はありません

返済期間のうち、最初の1年間または2年間は利息の返済のみでよいため、売上金が手元に入るまで時間がかかる方でも安心して融資を受けられます。

マル経融資のデメリットは?

マル経融資のデメリットは、創業して1年未満の方は利用できない点と、融資を受けるまでに時間がかかる点です。

融資を受けるためには直近2年分の決算書が必要なうえに、直近1年以上商工会議所の地区内で事業をおこなっていなければいけません。

マル経融資を受けるための要件を、次にまとめました。

規模要件
従業員20人以下の法人、個人事業主であること(商業、サービス業の場合は5人以下※1)
指導要件 商工会、商工会議所などの経営指導を6ヶ月以上受けていること
居住要件 直近1年以上、商工会、商工会議所などの地区内で事業をおこなっていること
納税要件 所得税、法人税、事業税および都道府県民税や市町村民税(※2)をすべて完納していること
業種要件 商工業者であり、かつ日本公庫(国民生活事業)の非対称業種(※3)でないこと
(※1)宿泊業および娯楽業を除く
(※2)均等割りを含む
(※3)貸金業、競輪競馬パチンコなどの娯楽業、取り立て業、社会保険・社会福祉・介護事業など

創業して1年未満の方は、日本政策金融公庫の中小企業経営力強化資金制度を検討してみましょう。

審査結果が出るまでにかかる期間がおよそ1~2ヶ月と長い点も、マル経融資のデメリットです。

これからマル経融資に申込む場合、まずは商工会議所の経営指導を6ヶ月間受けなければいけません。

経営指導の期間と審査結果が出るまでの期間を合計すると、融資を受けるまでには最短でも8ヶ月ほどかかります。

緊急で事業資金が必要な場合は、ほかの方法を検討しましょう。

マル経融資は借り換えに利用できる?

マル経融資は、債務の借り換えには利用できません。

国の金融機関である日本政策金融公庫が借り換えに応じてしまうと、民間金融機関の利益を奪うことになるからです。

ただし、すでに日本政策金融公庫から借入れしている場合は、追加融資を受けることはできます。

民間金融機関から借入れしており、債務の借り換えのために融資を受けたい方は、借り換えローンのような商品を別途検討しましょう。

借り換えローンであれば、借入金額が多い場合でも低金利で融資を受けられます。

新型コロナウイルス対策マル経融資はいつまで?

新型コロナウイルス対策マル経融資の取り扱いは、2023年9月末日までです。

マル経融資の利用を検討しており、新型コロナウイルス対策マル経融資も受けたい場合には、事業所のある自治体の商工会議所へ相談しましょう。

まとめ

マル経融資は、資金繰りの厳しい小規模事業者を救済する目的で設けられた融資制度です。

申込み条件さえ満たしていれば、個人事業主の方でも融資を受けられます。

マル経融資のメリットは、民間金融機関よりも金利が低いうえに、無担保・無保証人で借入れできる点です。

融資限度額は最大2,000万円で、年収に関係なく借入れ可能なため、高額融資を希望する方でも納得して申込めます。

注意点として、創業1年未満の方はマル経融資には申込めません。

直近1年以上商工会議所の地区内で事業をおこなっていることが、マル経融資の申込み条件に含まれているからです。

マル経融資に申込む際は、事前に商工会議所の経営指導を6ヶ月間受けておく必要があります。

加えて審査完了までにかかる期間はおよそ1~2ヶ月と長く、今すぐお金が必要な方にも向きません。

難点が多いように感じるかもしれませんが、借入れを急いでいない方にとっては、マル経融資は非常に便利な融資制度です。

資金繰りが厳しい小規模事業者の方で低金利での高額融資を希望する方は、ぜひ検討してみてください。

<参考>
お金を借りる方法一覧!|ドットマネー

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