クレジットカードの審査でCICのみ照会するカードは?信用情報が共有される仕組みも解説
過去に任意整理や自己破産などの金融事故をおこしてしまい、クレジットカードの申込みにためらいを感じている人もいるのではないでしょうか。
ただ、過去の金融事故でカード発行をあきらめてしまうのは早計です。クレジットカードのなかには、CICにのみ照会をおこなっているカードが存在し、審査落ちの原因によっては、審査に通る可能性があります。
本記事では、審査時にCICにのみ照会するクレジットカードを紹介しています。過去に金融事故をおこして審査が不安な人は、ぜひ参考にしてください。
審査のときにCICのみを照会するクレジットカードはこれ!
クレジットカードの審査時の照会で、CICにだけ照会するクレジットカードには、下記のようなクレジットカードがあります。
- ビューカード
- TOYOTA TS CUBICカード
- 東武カード
- ダイナースクラブカード
- SuMi TRUST CLUBカード
- マジカルクラブTカード
CICとは、CREDIT INFORMATION CENTERの略で「割賦販売法・貸金業法における指定信用情報機関」の略称です。主に、クレジットカード会社が加盟しています。
カード会社は、審査のときに、複数の信用情報機関へと信用情報を照会することが一般的です。CICとともに、消費者金融や信販会社が加盟するJICC、銀行が加盟するKSCなどへ照会し、審査に利用しています。
しかし、上記のCICにのみ照会するクレジットカードが審査に利用している情報は、基本的にCICの信用情報です。
そのため、過去に消費者金融や銀行の借入れが原因でカードが発行できなかった人でも、審査に通る可能性があるといわれています。
上記のカードのなかでも、Suica機能が付帯しているカードが多く、利便性が高いクレジットカードが、ビューカードです。
「ビューカード」Suica機能つきでさまざまなシーンで活躍
- 普段の電車利用が便利!オートチャージ機能
- Suica定期券機能付き!しかも、定期券購入でポイントが通常の3倍貯まる!
- 国内・海外旅行傷害保険付き!(利用付帯)
年会費初年度 | 524円(税込) |
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年会費2年目〜 | 524円(税込) |
ポイント還元率 | 0.5 〜 5% |
発行スピード | 最短1週間程度 |
国際ブランド |
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電子マネー |
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- 付帯サービス
ビューカードは、JR東日本のグループ会社が発行しているクレジットカードです。上記の「ビュー・スイカ」カードをはじめ、合計11種類のクレジットカードを発行しています。
ビューカードの最大の特徴は、クレジットカードとICカードのSuicaが一体となっている点です。Suicaは、JR東日本の改札口をタッチするだけで通過できるうえ、電子マネーとしてコンビニなどでも利用できます。
カードの利用でポイントが貯まり、JR東日本の定期券やみどりの窓口などで使用すると3倍のポイントがもらえることも魅力的です。
そもそもCICにはどのような情報が登録されている?
クレジットカード会社が個人情報を照会するCICには、そもそもどのような種類の情報が登録されているのでしょうか。登録されている情報を把握することにより、審査への影響を知ることができます。
そこで、CICに登録されている信用情報について紹介します。
CICに登録されている信用情報の種類
CICに登録されている情報は、「申込情報」と「クレジット情報」、「利用記録」の3つに分けられます。申込情報は、カードを新規申込みしたときの情報で、クレジット情報は契約締結後に登録される情報です。
また、カードで支払ったり返済したりした記録は、利用記録として登録されます。
信用情報の種類 | 主な信用情報 |
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申込情報 | 本人情報(氏名、生年月日、電話番号など) |
申込内容情報(照会日、商品名、契約予定額など) | |
クレジット情報 | 本人情報(氏名、生年月日、住所など) |
契約情報(契約日、支払回数など) | |
支払状況情報(残債額、請求額、入金額など) | |
利用記録 | 利用事実の情報(利用日、利用目的など) |
カードの審査のときに重要視される点は、クレジット情報や利用記録です。過去に返済の延滞や金融事故を起こしている場合、審査へと影響があります。
JICCやKSCでも同様の情報が登録されています。CICにのみ照会するカードを選ぶことで、審査への影響を回避できる部分はありますが、一点留意しておきたいポイントがあります。
それは、信用情報機関同士が実施している情報の共有についてです。
専門家からのコメント
最近トラブルが発生しているのが、携帯(スマホ)の割賦販売です。購入者は月々の携帯代に上乗せで請求されるので意識が低いのですが、あれは立派な割賦(ローン)契約で、信用情報に載ります。
滞りなく携帯代を支払っていれば問題ないですが、銀行口座の残高不足や支払いに使っていたクレジットカードを解約して決済できなかったということがあると、それも事故として信用情報に記載されます。
たかが携帯代と思わずきちんと毎月支払いましょう。携帯代の支払いで信用情報に傷を付け、夢のマイホームのための住宅ローンが組めないとなっては、後悔しても仕切れません。
信用情報機関が情報を共有しているCRINやFINEとは
信用情報機関では、多重債務者の発生や過剰な貸付、カードの不正利用を防ぐために、CRIN(クリン)やFINE(ファイン)などのネットワークにより信用情報の共有をしています。
ただし、これはあくまで上記のような多重債務を防ぐための措置です。過去に金融事故を起こした人を完全に排除することが目的ではないため、共有される信用情報の特徴を知っておきましょう。
CRIN(クリン)とは?
CRIN(クリン)とは、3つの信用情報機関(JICC、CIC、KSC)の相互情報共有ネットワークのことです。Credit Infomation Networkの頭文字をとって、CRIN(クリン)と呼んでいます。
このCRINによって、カード会社は本人情報(氏名、住所、電話番号、生年月日、勤務先など)、クレジットカードやキャッシングの有無などの契約情報、支払状況(延滞を含む)や契約終了したときの情報を共有しています。
CRIN(クリン)で共有される信用情報の特徴
CRINでは、カードの不正利用を防止する本人申告情報や、延滞情報を中心とした事故情報が共有されています。
ポイントは、CRINでは債務整理情報は共有されていないことです。債務整理には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4つの手続きがあります。
つまり、過去に任意整理や自己破産などの金融事故を起こしていたとしても、CICにその情報が登録されていなければ、CICにだけ照会するカード会社にはその情報が把握できない可能性があります。
注意点は、債務整理に伴って、延滞や代位弁済が生じていれば、その情報はCRINにより共有されてしまうことです。
どの信用情報機関にどのような情報が登録されているかは、信用情報の開示請求により、知ることができます。
FINE(ファイン)とは?
FINE(ファイン)とは、JICCとCICの相互情報交流ネットワークです。貸金業法に基づく総貸入残高を共有することを目的として設立されています。
FINEは、総量規制(年収の1/3まで)を越えていないか確認するために利用されています。
FINE(ファイン)で共有される信用情報の特徴
FINEで共有している情報は、氏名や生年月日などの本人情報と、貸付残高や延滞情報といった契約情報、そして、申込みのときの照会履歴などの申込み情報です。
FINEでも、任意整理や自己破産などの債務整理情報は共有されていません。あくまで、貸金業法による総量規制に違反しないよう、総貸付残高を把握するために情報を共有しています。
注意したいポイントは、FINEでも延滞情報は共有されていることです。また、クレジットカードのキャッシング枠や消費者金融などからの借入れが年収の3分の1を超えるときには、審査を通過できないことも留意しておきましょう。
専門家からのコメント
クレジットカードを作ると、ショッピング枠のほかに「キャッシング枠」といったものも付随してきます。ショッピング枠は店舗での支払い、公共料金や光熱費の支払いに使える限度額です。
それに対してキャッシングは、カード会社提携のATM経由でお金を「借りられる」制度です。借金です。その借金の限度額がキャッシング枠です。
注意点としては、このキャッシング枠は実際の利用がなかったとしても、限度額が30万円50万円と設定されている時点で総量規制に影響するということです。
キャッシング枠はいつでもお金を借りられる制度ですので、金融機関はその限度額分をいつも借り入れしている状態として見なします。
今の時代一人で複数枚のクレジットカードを持つことはさほど珍しくありませんが、このキャッシング枠の総額が大きいと、新たにクレジットカードを発行したい時や、カーローン・住宅ローンを借りたい時にマイナスになりかねません。
不要なキャッシング枠は後から減額したり0にすることも可能ですので、不要な方は申請しましょう。
クレジットカードの審査が不安ならデビットカードを検討しよう
このように、CRINやFINEでは債務整理情報は共有されていないため、CICにだけ照会するカードを選べば、審査を通過できる可能性があります。
しかし、延滞情報などは共有されるので、やはり審査に不安を感じる人もいるでしょう。
その場合は、デビットカードを検討してみましょう。デビットカードはクレジットカード同様に実店舗やショッピングサイトで決済ができ、審査がありません。
また、預金口座からの即時引き落としのため、使いすぎて金融事故をおこすリスクを防げます。
「三菱UFJ-VISAデビット」国際ブランドつきのデビットカード
- 年会費無料
- 口座から即時払いなので、使いすぎの心配なし
- ショッピングのご利用金額に応じて、自動キャッシュバック!
年会費初年度 | 無料 |
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年会費2年目〜 | 無料 |
ポイント還元率 | 0% |
発行スピード | 7営業日程度 |
国際ブランド |
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電子マネー |
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- 付帯サービス
三菱UFJ-VISAデビットは、三菱UFJ銀行から発行されているデビットカードです。国際ブランドのVISAが付帯しているため、VISA加盟店であれば、世界中の実店舗およびショッピングサイトで利用できます。
海外旅行で現金に困った場合でも、提携ATMから現地通貨を引き出すことも可能。利用した分だけ三菱UFJ銀行の口座から即時引き落としされるシステムなので、使いすぎの心配もありません。
また、Google Payに対応しているため、カード情報をスマホに登録すると、スマホのみで買い物することができます。
注意点は、デビットカードのため、三菱UFJ銀行の口座が必要となることです。もし三菱UFJ銀行の口座を持っていないときは、申込みのときに一緒に口座を開設しましょう。
三菱UFJ-VISAデビットカードは、買い物で利用した際に手数料がかからないのがとても便利です。
お財布にあるお金をそのまま出す感覚で使えます。特典で、キャッシュバック制度があります
クレジットカードで審査をCICのみ照会するカードのまとめ
過去に任意整理や自己破産を起こしてしまった人にとって、カードの審査に通るかということは、不安なことだと思います。
カードのなかには、CICにだけ照会するカードもあるため、そのようなカードを選択することもひとつの手段です。CRINやFINEでは債務整理情報までは共有していないからです。
しかし、CRINでは延滞情報などは共有しているため、過去の返済状況により、それでも審査通過が難しいケースがあります。
その場合は、デビットカードを検討してみましょう。国際ブランドつきのデビットカードなら、クレジットカード同様の決済が可能です。
専門家からの一言
クレジットカードはうまく活用すると、とても便利でお得です。
各種ポイントや航空会社マイレージが付与されたり、なかにはキャッシュバックしてくれるカード会社もあり、現金払いや口座引き落としには無いメリットがあります。
反面、デメリットとしてはついつい使いすぎたり、返済をうっかり忘れると信用情報を傷つけてしまうというデメリットがあります。
このデメリットが怖くてカードを一切使わない方もいますが、その方に提案するのは「贅沢品ではなく必ず支払いが発生するものだけカード払いされてはどうですか?その場合カードは持ち歩かず自宅にしまって置いてください」というやり方です。
普段持ち歩かなければ使うことはないのと、公共料金や光熱費、家賃や自宅の通信費などに絞り込めば使いすぎることもありません。
直接銀行口座から引き落とされるか、それともカード会社を経由して銀行口座から引き落とされるかの違いです。
その代わり、カード会社から届く明細には必ず目を通し、可能であればカードの利用明細と付き合わせて金額に相違がないか確認してください。
そうすれば使った金額の把握ができるのと、不正利用があった場合に発見することができます。
数多くの失敗をし、でもその経験を決して無駄にせず、貯金30万円から始まった起業から11年目、今では自由を手にする。郵便局⇒保険会社⇒保険代理店と金融の仕事に携わり、2010年に独立。国内外の金融情報を調査し、自らが実践した上で顧客に有益な情報提供を行う独立系FP。2018年には念願の収益一棟マンションを手にし、不動産賃貸業も開始する。挑戦こそが人生のモットー。好きなことは旅行とグルメとお酒と新規事業に関わること。
食品や雑貨商品などを扱うライター・編集を経て、マネ会を担当。クレジットカードのポイント還元や特典だけでなく、各カード会社の戦略やマーケティングにも興味あり。普段使っているクレジットカードはJALカードで、実家への帰省の際には、貯めたマイルを特典航空券に交換している。ヤフオクやヤフーショッピングで買い物をする際には、ヤフーカードも使用。体を動かすことが好きで、定期的にジムで筋トレ。機会あれば、山へハイキングに出かけ、帰りの温泉を楽しむ。