クレジットカードの多重申込みのリスクは?事例や回避方法と合わせてご紹介!

クレジットカードの多重申込みのリスクは?事例や回避方法と合わせてご紹介!

クレジットカードの審査で照会がおこなわれる信用情報機関には、クレジットカードの申込み情報などが一定期間登録されます。

そのため、複数枚のクレジットカードを同時、もしくは短期間に申込みした場合は「多重申込み」となり、審査で不利になる可能性があります。

ポイントを貯める活動している、いわゆる「ポイ活」をされている方にもご覧いただきたい内容となっています。

クレジットカードの多重申込みにあるリスクについて解説します。多重に申込んでしまいがちな事例や、リスクを回避するために必要なこともあわせて紹介しますので、参考にしてください。

多重申込みの最大のリスクは審査に通りにくくなること!

クレジットカードで多重申込みをする最大のリスクは、「クレジットカードの審査が通りにくくなること」にあります。

クレジットカード会社にとって、申込み数が増えることは歓迎すべきことです。しかし、1人で多くのクレジットカードを申込む方は、不正利用や貸倒れの危険が大きいと判断され、審査に通りにくくなる傾向にあります。

多重申込みの特徴には、下記のようなことがあるといわれています。

多重申込みの特徴
  • 短期間に複数枚のクレジットカードを申込むこと
  • 一般的に、1ヵ月間のうちに3枚以上の申込みをすると、多重申込みと認識されやすい
  • クレジットカードだけでなく、消費者金融カードローンの申込みも含まれる

とくに注意したい点は、クレジットカードへの申込みだけでなく消費者金融カードローンも含まれることです。

緊急に現金が必要だからといって、クレジットカードや消費者金融カードローンにやみくもに申込んでいると、 審査落ちして逆にお金が借りられないことにつながりかねません。

専門家からのコメント

木村 由香里
木村 由香里

審査基準は会社によって異なり公開されていませんが、多重申し込みをしてしまっただけで機械的に否認されたと考えられる事例も見受けられます。

特に気を付けたいのは、延滞歴がある人とクレジットカードを作るのが初めての人。

どちらも、信頼できるクレジットカードの利用履歴がないため、少ない枚数の申し込みでも否認される可能性が高くなります。

クレジットカード会社はどうやって多重申込みと判断するのか

クレジットカード会社が申込みの重なりに気づくのは、審査のときに信用情報機関へと照会するためです。

クレジットカード会社が照会する主な信用情報機関には、下記の3つの機関があります。

主な信用情報機関
機関名 主な会員
CIC クレジットカード会社、信販会社
JICC 消費者金融、信販会社
KSC 銀行、農協、信金などの金融機関

上記の信用情報機関には、クレジットカードの申込み情報、契約内容に関する情報、返済情報、金融事故情報が登録されています。

クレジットカードの申込み情報には、「申込んだカードの種類」、「申込み回数」、「審査の合否」、「審査通過回数」などの申込み履歴も含まれているため、カード会社は個人の申込み状況を容易に把握できるというわけです。

信用情報機関では申込み履歴を6ヵ月間保存する

CIC、JICC、KSCといった信用情報機関では、クレジットカード会社などから登録された情報を一定期間保存しています。

登録された情報の保存期間は、各信用情報機関および情報項目により異なります。各信用情報機関で申込み履歴が保存される期間をピックアップすると、下記のとおりです。

申込み履歴の保存期間
機関名 保存期間
CIC 6ヵ月
JICC 6ヵ月
KSC 6ヵ月

このように、各信用情報機関におけるクレジットカード申込み履歴の保存期間は6ヵ月間です。

そのため、6ヵ月の間にいくつものクレジットカードを申込んでしまうと、信用情報機関の情報を元に、多重申込みと判断される可能性が高まります。

多くのクレジットカード会社は複数の信用情報機関に加盟・提携している

多くのクレジットカード会社は、複数の信用情報機関に加盟・提携しています。よくある加盟・提携のパターンが、CICとJICCが提携しているかたちです。

さらに、申込み履歴は両機関の情報を共有するシステム「FINE(ファイン)」でも共有されています。そのため、クレジットカードへの申込みも、消費者金融カードローンへの申込みも、すべて把握されると考えてください。

同日中の多重申込みもリアルタイムでわかるのではと想定されているため、注意しましょう。

多重申込みとなりやすい事例

ここから、よくある多重申込みの事例を紹介しますので、知らないうちにリスクを負ってしまわないようにしましょう。

事例1:新規入会キャンペーンやポイ活を目当てにカードを複数枚申込んでしまった

クレジットカードでは、各カードで魅力的な新規入会キャンペーンが展開されています。

そのため、できるだけ多くのキャンペーン特典を得ようとして、複数のクレジットカードへ申込んでしまい、知らないうちに多重申込み者となってしまうケースがあります。

とくに、クレジットカードなどのポイントを貯めている「ポイ活」をおこなっている方は、要注意です。

新規入会キャンペーンは、大量のポイントを獲得できるチャンスなので、ポイ活をおこなっている方は複数のキャンペーンに申込みしてしまう傾向があります。

ポイ活のために多重申込み者になってしまっては意味がありませんので、ポイントが欲しいからといって複数の新規入会キャンペーンに申込むことはやめましょう。

専門家からのコメント

木村 由香里
木村 由香里

多重申込の他にも、多数のクレジットカードを保有するデメリットに注意しましょう。

まず、管理が複雑になってしまうこと。カードを使い過ぎる、不正利用に気づくのが遅れる、銀行残高不足で信用情報を傷つけるといったリスクを高めてしまいます。

次に、カード1枚あたりの利用額が小さくなってしまうこと。できるだけ自分の生活スタイルに最適なメインカードを中心に利用した方が、利用限度額を増額したり、ゴールドやプラチナカードにアップグレードしやすくなります。

ある程度の利用額がないと、ポイント還元で年会費の元を取るのも難しくなるかもしれません。

事例2:審査落ちしてすぐに次のカードへの申込みを繰り返した

次の事例としては、クレジットカードの審査に落ちてしまい、すぐに次のカードを申込むことを繰り返してしまうことがあげられます。

たとえば、ネットショッピングなど、クレジットカードでしか支払えないサービスを利用するためにカードを申込み、審査落ちしてしまったようなケースです。この場合、審査を通過するまで次々申込んでしまうこともあるでしょう。

クレジットカードは今や生活に欠かせないツールで、なかにはクレジットカードでしか支払えないサービスも多数存在します。

クレジットカードでしか決済できないサービス(一例)
  • 格安simを提供する携帯会社
  • インターネットのみで商品を販売する店舗
  • インターネットのプロバイダ料金やケーブルテレビの料金
  • アメリカ系航空会社の機内販売

国内では、インターネットに関するサービスでクレジットカード決済のみのものが多くみられます。また、機内販売を含め、海外旅行時にはクレジットカードは必須です。

このように必要に迫られてクレジットカードを申込み、審査落ちしてしまうと多重の申込みにつながる危険性があります。

事例3:いろいろな特典を利用したくて、同時に複数枚申込んでしまった

クレジットカードには、カードごと、ランクごとにさまざまな特典が用意されています。

たとえば、マイルが貯まりやすいクレジットカード、スターバックスなど特定の店舗で非常にお得になるクレジットカード、というように、魅力的な特典が並んでいます。

そのため、それぞれのクレジットカード特典を利用したいと思って短期間に申込んでいたら、いつのまにかにクレジットカードを多重に申込んでしまったという事例が多く見受けられます。

近年のクレジットカードは、店舗の会員カードのような感覚で手軽に作成することが可能です。しかし、短期間に多くのクレジットカードを申込むと、審査に通過しにくくなってしまいます。

多重申込みを回避し、問題なく申込みをするために必要なこと

クレジットカードでの多重申込みの怖いところは、上記のように知らないうちにリスクを負ってしまうところです。

意図せず多重に申込んでしまうと、いざ必要なときにクレジットカードを発行できない事態に陥りかねません。そのため、下記で解説することには十分に注意してください。

1.短期間に複数のクレジットカードに申込まない

まずは、クレジットカードを短期間に複数枚申込まないことが必要です。

前述のように、信用情報機関では、申込み履歴を一定期間保存します。そのため、次のクレジットカードを申込むときには、短期間に複数申込まないことがベストな選択です。

しかし、個人的にクレジットカードを申込んだあとで、勤め先や就学先からの指定で別のクレジットカードをつくらなければならないこともあるかもしれません。

その場合、2枚ほどであれば、クレジットカードの入会審査にあまり影響はないと考えられます。ただし、そのあと、新規のクレジットカードや消費者カードローンを申込まないように注意してください。

2.クレヒスを良好な状態に保つ

事例でも紹介したように、クレジットカードの審査を落ちてしまうと、多重の申込みへとつながりやすく、できるだけ審査落ちは避けたいところです。

そのために、クレジットカードヒストリーはできるだけ良好な状態を保つようにしましょう。

クレジットヒストリー(クレヒス)とは
  • クレジットカードやカードローンの利用履歴のことで、各契約内容、申込みに関する情報、延滞や事故情報などの記録を指す

クレヒスは、クレジットカードの審査で重視される要素で、クレヒスが良好な状態であれば、審査で落ちる可能性を大幅に軽減してくれます。

クレジットカードを良好に保つためのポイントは、「毎月の支払いを遅れないこと」です。クレジットカードを利用し、返済することを繰り返すことで、クレヒスを良好な状態を保ち、育てていくことが可能です。

3.信用情報機関に情報開示請求をする

もし、自分が何社のクレジットカードに申込んだか把握できないときは、信用情報機関に開示請求をおこなうことで、申込み履歴を確認することが可能です。

信用情報機関で開示請求をするためには、3つの方法があります。

開示請求方法
  • 信用情報機関の開示窓口で申請する
  • スマートフォンなどからインターネットを通じて申請する
  • 郵送で申請する

CICやJICCでは、上記のすべての方法で開示請求を受け付けています。KSCは、郵送でのみの受付です。

また、開示請求には「本人確認書類」と「手数料」が必要となります。手数料は窓口で500円、インターネットや郵送であれば1,000円で申請可能です。

デビットカードの利用を検討する

多重申込みでクレジットカードが作れない可能性が高い場合は、デビットカードを検討しましょう。デビットカードは銀行口座を利用した先払い制の決済ができ、クレジットカードに近い決済能力を持っています。

三菱UFJ-VISAデビットなど、利便性に優れたデビットカードが多数提供されているので、クレジットカードを利用できない状況では強い味方となってくれます。

クレジットカードの多重申込みまとめ

本記事のまとめ
  • クレジットカードの多重申込みには、審査が通りにくくなるリスクがある
  • 次のクレジットカードを申込むまでに、数ヶ月空ける
  • 審査落ちとなってしまわないために、クレヒスを良好に保つ

クレジットカードを多重に申込んでしまうことには、大きなリスクがともないます。それは、次にクレジットカードや消費者金融カードローンを利用しようと思ったときに、審査が通りにくくなるリスクです。

意図的に多重の申込みを考えていなくても、結果的に複数枚のクレジットカードを申込んでしまうことがあります。本記事では具体的な事例を提示しているため、参考にしてください。

リスクを回避するためには、まず、いつクレジットカードを申込んだかをしっかりと覚えておくようにしましょう。また、クレヒスを良好に保っておくと、審査を通過する可能性が高まり、多重に申込むことを回避できます。

木村 由香里

専門家からの一言

木村 由香里

多数のクレジットカードを作ったところで、利用限度額が大きく増えることはありません。

割賦販売法によって年収に応じた計算式が決められているからです。利用限度額が少ないカードを数多く持つよりも、厳選した数枚を使いこなす方が、ポイントも貯まりやすく家計管理も楽になります。

ポイ活に夢中になっているうちに多重申込をしてしまう人も後を立ちません。申込み履歴は6か月間保存されるため、いざという時に審査落ちしないように気をつけましょう。

officeFITPlus代表ファイナンシャルプランナー。10年のシステムエンジニア職から転身したFPのため、副業や起業に必要なお金とITの相談をまとめて引き受けられるのが強み。サイト制作やSNS運用から働き方の悩みまで丸ごとご相談ください。横浜在住の中高生の母でもあり、教育費や子育ての悩みも実体験とデータの両面から解決の糸口を見つけます。稼ぐ力とお金を使う力のバランスを整えながら、これからの激動の世の中を一緒に乗り越えていきましょう。

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食品や雑貨商品などを扱うライター・編集を経て、マネ会を担当。クレジットカードのポイント還元や特典だけでなく、各カード会社の戦略やマーケティングにも興味あり。普段使っているクレジットカードはJALカードで、実家への帰省の際には、貯めたマイルを特典航空券に交換している。ヤフオクやヤフーショッピングで買い物をする際には、ヤフーカードも使用。体を動かすことが好きで、定期的にジムで筋トレ。機会あれば、山へハイキングに出かけ、帰りの温泉を楽しむ。

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