クレジットカードの年会費は経費として計上できる?勘定項目や税区分についても解説

クレジットカードの年会費は経費として計上できる?勘定項目や税区分についても解説

会社の経営者や個人事業主は、節税のためにも、経費として落とせるものはできるだけ落としたいしたいですよね。

また、カードの年会費を経費として計上できる場合、勘定項目や税区分は何になるのかわからないという人もいると思います。

仕事で使っているカードの年会費は、経費として計上することが可能ですし、勘定項目や税区分の考え方はそれほど難しくありません。

今回は、クレジットカードの年会費を経費として計上する際の注意点や年会費の勘定項目、税区分について紹介していきますので、参考にしてください。

ビジネス専用で使うクレジットカードの年会費は経費にできる

クレジットカードによっては年会費がかかるものがあります。

会社の経営者や個人事業主は、仕事で利用するカードの年会費を経費として計上できれば節税になるため、カードの年会費が運営費用の一部として認められるのか気になるところです。

結論を先にいってしまうと、仕事で使う場合に関しては、カードの利用料金や年会費を運営費用の一部とすることができます。

とくに、法人カード(ビジネスカード)は、そもそも株式会社や有限会社をメインターゲットとして発行し、運営費用の支払いができるカードなので、年会費を経費として計上しやすくなっています。

ただし、法人カードをプライベートで利用している場合は、プライベートとビジネスの利用割合によって計上できる年会費の金額が異なることに注意が必要です。

たとえば、法人カードを仕事で7割利用し、プライベートで3割利用している場合は、年会費も7割分しか計上できませんので覚えておきましょう。

個人名義のクレジットカードも経費として計上できる?

一般向けの個人名義のカードでもビジネス専用で使っている場合に関しては、基本的にカードの年会費を運営費用の一部として計上することが可能です。

ただ、一般向けのカードはビジネス専用で利用したとしても、プライベートとビジネスのどちらで利用したのか判断が難しくなるため、年会費を経費として計上すると税務署に指摘される可能性が高くなることを覚えておきましょう。

ですので、カードの年会費を経費として計上するのであれば、先に紹介したような法人カードを利用したほうが無難です。

近年は、個人事業主向けの法人カードを発行しているカード会社も増えているので、カードの年会費を経費として計上する際に税務署からの指摘が心配な人は、法人カードを検討してみてください。

クレジットカードの年会費の勘定科目は?

クレジットカードの年会費を経費として計上する場合、どの勘定項目に入れるのか迷ってしまう人もいると思いますが、基本的にカードの年会費は、「支払い手数料」や「諸会費」とするのが一般的です。

支払い手数料と諸会費の概要
勘定項目 概要
支払い手数料 銀行振込手数料などの手数料や弁護士、税理士などへの報酬の支払いを管理する勘定項目
諸会費 会社の業務に関わる団体や組合への会費、協賛金などを管理する勘定項目

一般的にカードの年会費は上記の勘定項目とする会社が多いものの、カードの使い道は会社の業務によって異なるので、カードの使い道に適した勘定項目に年会費を入れるとよいでしょう。

ただし、企業の会計処理には「継続性の原則」といって、一度決めた勘定項目を毎期継続して適用しなければならない原則があります。

そのため、基本的に一度決めた勘定項目は、正当な理由がない限り変更ができないことを覚えておいてください。

年会費の消費税の税区分は?

消費税は、下記の4つの税区分があり、取引に応じて決められています。

税区分
税区分 内容
課税取引 国内で対価を得ておこなう取引(サービス利用料の支払いや商品の購入など)を含めた課税要件を満たす取引
非課税取引 課税要件を満たしているが、社会保険診療などの課税対象にならない取引
不課税取引 課税要件を満たさない取引
免税取引 課税要件を満たしているが、商品の輸出や国際輸送など消費税が免除されている取引

クレジットカードは、カード会社が提供するサービスを利用することになるため、年会費の消費区分は「課税取引」になることを覚えておきましょう。

ちなみに、勘定項目の「諸会費」は、商工会議所への会費などが該当するため、基本的に不課税取引になるものが多いです。

クレジットカードの年会費を「諸会費」として計上する場合は、税区分を不課税取引にしてしまわないように注意してください。

まとめ

仕事で使っているカードの年会費に関しては、基本的に経費として計上することが可能です。

しかし、一般向けの個人名義のカードに関しては、年会費を経費として計上する際に、税務署から指摘される可能性があるので、ビジネス専用で使うのであれば法人カードの利用を検討するとよいでしょう。

また、勘定項目に関しては、「支払い手数料」や「諸会費」で問題ありませんが、諸会費の場合は税区分が不課税取引となるものが多いです。

クレジットカードの年会費は課税取引ですので、勘定項目を諸会費にする場合は、税区分を間違わないように注意してください。

この記事のまとめ
  • 仕事で使うカードの年会費は経費として計上できる
  • ビジネス専用で使うのであれば法人カードがおすすめ
  • 勘定項目は一般的に「支払い手数料」や「諸会費」が多い

食品や雑貨商品などを扱うライター・編集を経て、マネ会を担当。クレジットカードのポイント還元や特典だけでなく、各カード会社の戦略やマーケティングにも興味あり。普段使っているクレジットカードはJALカードで、実家への帰省の際には、貯めたマイルを特典航空券に交換している。ヤフオクやヤフーショッピングで買い物をする際には、ヤフーカードも使用。体を動かすことが好きで、定期的にジムで筋トレ。機会あれば、山へハイキングに出かけ、帰りの温泉を楽しむ。

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