カードローンとフリーローンの違いを解説!選ぶべきローンはどっち?
「欲しいものがあるけれどお金が足りない」「生活費が足りない」などの状況では、カードローンやフリーローンなどの使い道自由なローン商品が便利です。
しかし、カードローンとフリーローンの違いがよく分からず「どっちのローン商品を選べばいいのか分からない…」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カードローンとフリーローンの具体的な違いや、それぞれのローン商品に向いている人の特徴について詳しく紹介します。
カードローンとフリーローンの違いとは?
カードローンとフリーローンは、どちらも原則使い道自由なローン商品なので「似たようなローン商品」と思われがちですが、サービスの内容や仕組みは大きく異なります。
とくに代表的な違いが下記の5つです。
- 借入れ回数の違い
- 返済方法、期間の違い
- 用途の制限の違い
- 金利の違い
- 追加で借入れするときの違い
順番に詳しい内容を見ていきましょう。
借入れ回数の違い
カードローンとフリーローンの大きな違いのひとつが、借入れできる回数の違いです。
カードローンは、契約時に決められた借入れ金額の範囲内であれば、何度でも借入れすることが可能なローン商品。例えば「50万円の借入れ枠がある」という場合は、50万円までは何度でも借入れすることができます。
一方、フリーローンで借りれる回数は、契約時の1回のみ。カードローンとは違い一括で借りるタイプのローン商品です。
返済方法、期間の違い
カードローンとフリーローンでは、返済方法や返済期間も異なります。具体的な違いは下記のとおりです。
ローン商品 | 返済方法 | 返済期間 |
---|---|---|
カードローン |
残高スライド方式 |
上限あり |
フリーローン |
元利金等返済方式 |
上限なし |
とくに特徴的な違いがそれぞれの返済方法の違いです。
カードローンでは「残高スライド方式」という返済方法が採用されているケースが多く、現在の借入れ金額によって毎月の最低返済額が変動します。
基本的には、借入れ金額が多ければ多いほど最低返済額も増え、借入れ金額が少ない場合はその分最低返済額も少額になる、という仕組みです。
一方、フリーローンでは毎月の返済額が一定(元利金等返済方式)となっており、借入れ金額にかかわらず毎月決まった金額を返済していくことになります。
用途の制限の違い
カードローンは原則使い道自由なローン商品がほとんどです。
しかし、フリーローンは事業用資金や投資目的では利用できないなど、利用する用途に制限があるケースがあります。
ただ、ローン商品によって内容は異なるので、申込む際は使い道が制限されているかどうかをしっかり確認するようにしましょう。
金利の違い
ローン商品ごとに金利は異なりますが、カードローンよりもフリーローンのほうが低金利で利用できるケースがほとんどです。
例えばですが、よく利用されているカードローンとフリーローンの金利を比較してみると、下記のようになります。
金融機関 | 金利 |
---|---|
みずほ銀行多目的ローン | 年6.65% |
三井住友銀行フリーローン | 年5.975% |
りそなプレミアムフリーローン | 年6.0%~年14.0% |
三井住友銀行 カードローン | 年1.5%〜年14.5% |
プロミスカードローン | 年4.5%~年17.8% |
アコムカードローン | 年3.0%~年18.0% |
最低金利だけ見ると、金利に大きな違いはないようにも感じますが、初回の借入れでは最高金利が適用されることがほとんどです。例えば年4.5%~年17.8%の金利だとすると年17.8%の金利が適用される、というイメージですね。
それを踏まえた上で上記の表を見ると、カードローンの最高金利はフリーローンよりも高めに設定されていることが分かります。
もちろん、ローン商品によって金利は異なるので一概には言えませんが、基本的にはフリーローンのほうが低金利であることが多いです。
追加で借入れするときの違い
上記でも少し触れましたが、カードローンは借入れ限度額の範囲内であれば審査なしで何度でも借入れすることが可能です。
ですが、フリーローンは契約時に一括してお金を借りる仕組みなので、2回目以降の借入れを希望する場合は、1度完済した後に再度審査を受ける必要があります。
カードローンとフリーローン、どっちを選べばいい?
「結局どちらのローン商品を選べばいいの?」と疑問な方も多いかと思いますが、カードローンとフリーローン、どちらのローン商品を利用するかは、お金を借りる目的や、希望の条件によって異なります。
以下では、それぞれのローン商品に向いている人の特徴を紹介するので、ローン選びに迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
カードローンの利用に向いている人の特徴
まずは、カードローンの利用に向いている人の特徴からみていきましょう。
- 早めに融資してほしい
- 将来的に再度お金を借りる可能性がある
- 金利はそこまで気にしない
- 浪費癖がない
上記に該当する方は、フリーローンよりもカードローンの利用がおすすめです。
借入れ限度額の範囲内なら何度でもお金を借りられるので、急な出費にも対応しやすく、万が一のときに備えられるなどのメリットがあります。
また、消費者金融のカードローンであれば即日融資してもらうこともできるので「今すぐお金が必要」などの緊急性が高い場面でも、安心して対応することが可能です。
フリーローンの利用に向いている人の特徴
続いて、フリーローンに向いている人の特徴を紹介します。
- 低金利で利用したい
- 浪費癖がある
- 急いでお金を借りる必要はない
- しっかりとした返済計画を立てたい
上記に該当する方はカードローンではなく、フリーローンの利用を検討するようにしましょう。
カードローンには、借入れ限度額の範囲内なら何度でも借りられるなどのメリットがありますが、金利が高い、借金が膨らみやすいなどのデメリットもあります。
とくに浪費癖がある方がカードローンを利用すると「いつの間にか多額の借金を抱えている」という状況に陥りやすいので、そのような方はお金の借りすぎを防ぐためにも、フリーローンの利用がおすすめです。
専門家からのコメント
お金を借りる人の中には「今すぐ必要」と急いでいる人が多いようです。この場合、即日融資に対応しているカードローンが前提となります。
もし、少し時間に余裕があればフリーローンも対象となるため、選択肢が増えることでより適した借り入れを検討できます。
よって「いつお金が必要になるのか?」ということを前もって確認する習慣をつけておいてください。
来週や来月に大きな支出がないか?今月の収入で対応できるか?など、結果として家計管理への意識が高まり、借りる金額を抑えることができる、あるいは借りなくてもやりくりができる。こんな効果も期待できますよ。
カードローンとフリーローンの返済時の違い
上記でカードローンとフリーローンの具体的な違いについて紹介しましたが、実際にお金を借りるときの違いがイメージしづらい…という方も多いかと思います。
そこで、メガバンクの三井住友銀行カードローン、フリーローンを例に「50万円を借りて24回払いで返済する」という設定で、具体的な返済額や金利の違いを比較してみました。
ローンの種類 | 毎月の返済額 | 金利 | 支払う利息の総額 |
---|---|---|---|
カードローン | 24,124円 | 年14.5% | 78,982円 |
フリーローン | 22,154円 | 年5.975% | 31,694円 |
フリーローンの方が低金利なため、カードローンのほうが返済額、支払う利息の総額が高いことが分かります。
この結果だけ見ると、フリーローンを利用したほうがいいような気にもなりますが、上記でもお伝えしたとおりカードローンとフリーローンはそれぞれ特徴が異なるローン商品です。
そのため、ローン商品に申込むときは、金利や返済額だけではなく、融資までの早さや使い勝手など、それぞれのローン商品の特徴をしっかり把握した上で申込むようにしましょう。
カードローンとフリーローン、審査にとおりやすいのはどっち?
金融機関が実施している審査の詳細は公開されていないので、一概に「こっちのほうが審査にとおりやすい」とは断言できません。しかし、一般的にはカードローンのほうが審査にとおりやすいとされています。
これには、それぞれのローン商品が定めている申込み条件の厳しさが関係しているのですが、カードローンは年齢制限をクリアしている方であれば、アルバイトなどでも申込めるケースがほとんどです。
ですが、フリーローンでは申込み条件のひとつに「年収〇〇万円以上の方」など、一定の年収があることを条件としているケースが多く、ある程度の社会的ステータスがある方を対象としています。
このことからも、フリーローンはカードローンよりも審査の難易度が高いと予想することができます。そのため、審査が不安な方はカードローンの利用を検討するようにしましょう。
専門家からのコメント
審査の通りやすさも重要ですが、審査の過程で多くの人が気にしているものに「在籍確認」があります。
職場に連絡がいくため、できれば同僚や上司にお金を借りることを気付かれたくないと思うのは当然です。
原則、カードローンもフリーローンも在籍確認がおこなわれますが、その対応はそれぞれです。
なかには事前に本人の携帯に連絡の上、都合の良い時間帯であればその後すぐに職場に連絡を取るという会社もあります。
このような情報サイトや実際に利用した人の口コミなどを参考にし、少しでも在籍確認が負担にならないような会社を選ぶというのも1つです。
ローン商品を利用する場合は、銀行と消費者金融の違いにも注意しよう
ローン商品を選ぶときには、カードローンとフリーローンの違いのほかにも、銀行と消費者金融が提供しているローン商品の違いも把握しておくことが重要です。
自分に合ったローン商品を選ぶためにも、以下の3つの違いは把握しておきましょう。
- 総量規制の違い
- 融資できるまでの早さ
- 審査時間の違い
以下で詳しく解説します。
総量規制の違い
消費者金融が提供しているローン商品を検討する際には、自分が総量規制に引っかかっていないかどうか確認しましょう。
ちなみに総量規制とは「年収の3分の1までしか借りられない」というルールのことです。そのため、すでに他社での借入れが年収の3分の1以上ある場合は、消費者金融を利用することができません。
一方、銀行のカードローンやフリーローンは総量規制の対象外なので、現在の借入れ金額にかかわらずお金を借りることが可能です。
ただ、総量規制の対象外とはいえ、他社での借入れがある場合は、その分審査も不利になってしまいます。
銀行カードローンでは即日融資ができない
銀行では暴力団への融資や、お金の過剰貸付を金融庁に指摘されたことが原因で、2018年から即日融資ができなくなりました。
現在もスピード融資を強みとした銀行カードローンはありますが、どんなに早くても翌営業日の融資になってしまうのが現状です。
そのため「今すぐお金が必要」などの急ぎの事情がある方は、消費者金融のカードローンを利用するようにしましょう。
審査時間の違い
申込む時間帯にもよりますが、消費者金融では申込んだその日に審査が完了するケースがほとんどです。早い場合は、申込みから30分ほどで審査が終わることもあります。
ですが、銀行の審査は時間がかかることが多く、審査の結果がわかるのは最短でも翌営業日です。そのため「早く審査結果を知りたい」という方には向いていません。
ちなみに、消費者金融と銀行の具体的な違いについては、以下の記事も参考にしてみてください。
カードローンとフリーローンの違いを解説!まとめ
今回は、カードローンとフリーローンの具体的な違いについて解説しました。
カードローンとフリーローンはよく混同されてしまいがちですが、実はそれぞれ異なる特徴をもったローン商品です。
ぜひこの記事を参考に、カードローンとフリーローンの違いを把握し、自分に合ったローン商品を探してみてください。
専門家からのコメント
借りるまでのスピードや審査の厳しさなど、カードローンとフリーローン、それぞれ特徴があります。
また銀行のフリーローンは総量規制の対象外ではありますが、独自に同様の基準を設けているフリーローンが増えてきていますので、いずれにしても年収の3分の1が借入額の1つの目安となります。
ただし、あくまでこれは借りることができる金額です。「いくら借りられるか?」と同時に「きちんと返せるかどうか?」ということも考えながら検討してください。
どうしてもお金が必要な局面では冷静な考えが及ばないことも少なくありません。借りた後を想定することがとっても大切です。
内山FP総合事務所株式会社代表取締役。九州共立大学経済学部非常勤講師。大学卒業後、証券会社の本社部門に勤務後、2006年に独立。FP相談業務を中心に、セミナー、金融機関研修、FPや証券外務員の資格対策講座などを担当。専門誌や情報サイトでの執筆も。また、中小企業の経営者向けに経営と家計を融合したコンサルティング業務や、日本での生活やお金のことに疑問を抱える外国人向けのFP相談業務(英語)を開始するなど、FPとしてできることは何でも挑戦すべく、日々活動中。
作曲・編曲などの仕事を経て、専業ライターに。音楽系の記事が得意と思われがちですが、金融・ビジネスに関するテーマが一番得意です。自身が経済的に苦労した経験を活かし、誰よりも分かりやすくお金の知識をお届けします。他にもプログラミング、webデザイン、VODなど様々なジャンルの記事を執筆しています。趣味はプログラミング・アニメ・旅行・ギターの演奏・ミルクティーの飲み比べ。投資にも興味があり、お金の上手な使い方を勉強中です。