ETCマイレージサービスを徹底解説!お得にポイントを貯めて高速料金を節約しよう
高速道路や有料道路の利用者にとって、いまやETCカードは欠かせないない存在。カードを車載器に挿入しておくだけで、料金所で停車することなくスムーズに通行することができます。
ETCカードを発行したらまずやっておきたいのが、ETCマイレージサービスの登録です。これをしないと、ETCカードを使っていくら通行料金を支払っても、ポイントがつかないので要注意です。
こちらの記事では、ETCマイレージサービスのメリットや登録方法、貯めたポイントを通行料金の還元額(無料通行分)に交換する方法、利用時の注意点などについて徹底解説していきます。
ETCマイレージサービスとは
ETCマイレージサービスとは、ETCカードで支払った通行料金の額に応じて、ポイントが付与されるサービスです。
ETCカードを使って通行料金を払うと、クレジットカードのポイントとは別に、ETCカードのポイントが貯まります。
後者については、事前にETCマイレージサービスに登録する必要があります。登録をせずに利用しても、一切ポイントがもらえないので気をつけましょう。
具体的な登録方法については、後ほど詳しく解説します。
貯まったポイントは通行料金の還元額に交換できる
ETCマイレージサービスで貯めたポイントは、還元額に交換することで、通行料金の支払いに充当することができます。
ETCのポイントは、通行料金の支払い以外には利用することができません。クレジットカードのポイントのように、ショッピング利用や他社ポイントへの交換などはできないのでご注意ください。
平日朝夕割引は50%オフ!ETCマイレージサービスの3つのメリット
ETCマイレージサービスには、支払額に応じてポイントが貯まる以外に、以下の3つのメリットがあります。
- 平日朝夕割で、通行料金が最大50%オフ
- 登録料・年会費は無料
- インターネットでラクラク登録
それぞれどのような内容なのか、順番に見ていきましょう。
①最大約50%オフ!平日朝夕割引ってどんなサービス?
「平日朝夕割引」とは、平日6〜9時、17〜20時にETCカードを使って有料道路(一部適用外の区間あり)を通行すると、通行料金が割引される時間帯割引サービスです。
正確にはその場で割引されるのではなく、割引された額が1ヶ月後に還元額としてキャッシュバックされる仕組みになっています。
平日朝夕割引を実施している事業者は、以下の3社です。
- NEXCO東日本/中日本/西日本
- 宮城県道路公社
- 本州四国連絡高速道路
平日朝夕割引は、ETCマイレージサービスに登録している人にしか適用されません。上記の事業者が管轄している有料道路を利用している方は、事前に登録しておくようにしましょう。
対象区間の「走行回数」によって還元率が決まる
平日朝夕割引は、対象区間の1ヶ月の走行回数によって還元率が決まります。
1ヶ月間の走行回数 | 還元額 |
---|---|
4回以下 | なし(割引対象外) |
5〜9回 |
通行料金の約30% (※)最大100km走行分まで |
10回以上 |
通行料金の約50% (※)最大100km走行分まで |
走行回数が4回以下だと割引対象外ですが、5〜9回で通行料金の約30%、10回以上で約50%が還元されます。最大100km走行分までという上限はあるものの、最大で利用料金の50%がキャッシュバックされるというのは嬉しい特典です。
1日に受けられる割引回数には制限(※)があり、「朝夕それぞれ最初の1回限り」となっています。また、東京・大阪近郊など一部適用外の区間もあるので注意が必要です。
平日朝夕割引で獲得した還元額は、利用月の翌月20日に付与されます。還元額の残高や利用履歴は、ETCマイレージサービスのホームページ内にある「マイページ」から確認することができます。
平日朝夕割引以外にも、ETCカードにはさまざまな割引特典があります。ETCカードの割引に関しては、以下の記事で特集しています。
②登録料・年会費は無料
ETCカードの場合、カード会社によっては年会費がかかるものもありますが、ETCマイレージサービスは登録料・年会費が無料です。
平日朝夕割引などのお得なサービスが無料で受けられるのも、ETCマイレージサービスのメリットの1つでしょう。
もちろん、ETCカードの中にも年会費が無料で利用できるものも多数あります。年会費無料のETCカードについては、以下の記事で詳しく解説しています。興味のある方はぜひご一読ください。
③インターネットでラクラク登録
面倒な手続きをすることなく、インターネットで簡単に登録できるのも嬉しいポイントです。しかも、申し込み当日の走行からポイントが付与されるので、「登録が完了するまでポイントを貯められない」というようなこともありません。
登録方法は、インターネットのほかに郵送があります。それぞれの詳しい手順については、次章で解説します。
ETCマイレージサービスの登録方法
ETCマイレージに登録するには、ETCカードと車載器が必要になります。車載器はカー用品店やカーディーラーなどで購入し、セットアップをおこなってください。
また、登録時には個人情報を含む以下の情報を求められます。
- 名前
- 生年月日
- 住所
- 電話番号
- ETCカード番号および有効期限
- 車両番号(ナンバープレートの4桁)
- 車載器管理番号(ETC車載器の19桁)
先ほども説明しましたが、登録の申し込みにはインターネットと郵送の2通りの方法があります。それぞれの手順について、簡単に説明していきます。
インターネットから申し込みする場合
インターネットで手続きするには、ETCマイレージサービスの公式サイトにある「新規登録」をクリックし、次の順番にしたがって手続きを進めていきます。
- 「お申し込みの前に」(注意事項)の確認
- 利用規約の確認
- 必要事項の記入・申込
- 登録内容の確認
- 完了
申し込みが完了すると、約1週間後にマイレージIDとパスワードが記載された「ご登録完了のお知らせ」が、登録住所あてに郵送されます。
お知らせが届くのは1週間後ですが、インターネットで登録した場合、申し込み当日の利用額からポイントが付与されます。
郵送で申し込みする場合
郵送で申し込みをする際の手順は、以下の通りです。
- 高速道路のSA・PAにある登録申込書を手に入れる
- 登録申込書を記入し、郵送する
- 「ご登録完了のお知らせ」が自宅に届いたら登録完了
郵送で申し込みをするには、まず高速道路のサービスエリアやパーキングエリアなどで配られているパンフレット(登録申込書)を取りに行く必要があります。
また、郵送後に登録完了のお知らせが届くまで、インターネットの場合は約1週間なのに対して、郵送の場合は約2〜3週間かかります。
以上のように、インターネットに比べると郵送での申し込みは手間と時間がかかるので、あまりおすすめできません。特別な理由がない限り、ETCマイレージサービスの登録はインターネットから申し込みましょう。
貯めたポイントを還元額に交換する方法
前述の通り、ETCマイレージサービスで貯めたポイントは、還元額に交換することで通行料金の支払いに利用することができます。
還元額に交換できるポイントの単位と交換レートは、下の表のように道路事業者によって異なります。
道路事業者 | ポイントの交換単位 |
---|---|
NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社・本州四国連絡高速道路株式会社 | 1,000ポイント→500円分 |
3,000ポイント→2,500円分 | |
5,000ポイント→5,000円分 | |
阪神高速道路株式会社 | 100ポイント→100円分 |
名古屋高速道路公社 | 100ポイント→100円分 |
愛知県道路公社 | 100ポイント→100円分 |
神戸市道路公社 | 200ポイント→100円分 |
広島高速道路公社 | 100ポイント→100円分 |
福岡北九州高速道路公社 | 100ポイント→100円分 |
還元額は、ポイントを発行した道路事業者に関わらず、還元額が使える道路で共通して利用することができます。
また、還元額には有効期限がないため、期限までに焦って使い切らなくてはいけないということはありません。
ただし、2年間(730日)以上、ETCマイレージサービスのポイントおよび還元額に増減がない場合、「ご登録取消し予定のお知らせ」が届きます。
さらに、お知らせ発行日から90日間ポイントおよび還元額に増減がない場合は、マイレージサービスの登録を抹消されてしまい、それに伴い還元額も消滅してしまうので気をつけましょう。
交換方法は4通り
ポイントを還元額に交換する方法には、次の4つがあります。
- ポイント自動還元サービス
- インターネットのマイページから手続きする
- 自動音声ダイヤルで手続きする
- ETCマイレージサービス事務局に電話をして手続きする
4つの交換方法のうち、1番のポイント自動還元サービスのみ自動で、残りの3つは手動で交換する必要があります。
自動還元サービスは、ポイントの交換忘れを防いでくれる便利なサービスです。自動還元サービスの利用方法については、後ほど詳しくご紹介します。
ポイントの貯まり方は道路によって違う?道路事業者ごとのポイント還元率
前述の通り、ETCマイレージポイントを還元額に交換する際の交換レートは、道路事業者ごとに異なります。
また、通行料金をいくら支払えば何ポイントもらえるかというポイント還元率についても、以下のように各事業者ごとに異なります。
道路事業者 | ポイント還元率 |
---|---|
NEXCO東/中/西日本・宮城県道路公社・本州四国連絡高速道路株式会社 | 10円につき1ポイント |
阪神高速道路株式会社 |
100円につき3ポイント+ボーナスポイント |
愛知県道路公社 | 100円につき1ポイント+ボーナスポイント |
神戸市道路公社 |
50円につき3ポイント+ボーナスポイント |
名古屋高速道路公社、福岡北九州高速道路公社、広島高速道路公社 |
100円につき1ポイント+ボーナスポイント |
各事業者のポイント還元率について、以下で詳しく解説していきます。
NEXCO東/中/西日本、本州四国連絡高速道路株式会社、宮城県道路公社
NEXCO東日本/中日本/西日本、本四高速と宮城県道路公社が管轄する有料道路では、10円につき1ポイントが貯まります。還元率は10%です。
たとえば1ヶ月間に20,000円分走行した場合、2,000ポイントがもらえることになります。これらの事業者の交換レートは「1,000ポイント→500円分」なので、2,000ポイントだと1,000円分の還元額と交換することができます。
また、通常ETCマイレージサービスのポイントは道路事業者ごとに集計され、合算することはできないのですが、NEXCO東/中/西日本と宮城県道路公社については、合算が可能となっています。
阪神高速道路株式会社
阪神高速道路では、1回の利用ごとに100円につき3ポイントが付与されます。還元率は3%です。
さらに、月間利用額に応じて、以下のようにボーナスポイントが加算されます。
月間利用額 | ボーナスポイント(100円につき) |
---|---|
10,000円まで | 0ポイント |
10,000円超〜35,000円 | 3ポイント |
35,000円超〜70,000円 | 5ポイント |
70,000円超〜 | 10ポイント |
1ヶ月間に20,000円分走行した場合、通常ポイント600P(3×200)+ボーナスポイント600P(3×200)=1,200Pがもらえることになります。
阪神高速道路の交換レートは「100ポイント→100円分」なので、1,200ポイントだと1,200円分の還元額と交換することができます。
愛知県道路公社
愛知県道路公社は、100円につき1ポイントが貯まります(※)。還元率は1%です。
こちらも、月間利用額によってボーナスポイントが加算されます。
月間利用額 | ボーナスポイント(100円につき) |
---|---|
5,000円まで | 0ポイント |
5,000円超〜10,000円 | 4ポイント |
10,000円超〜20,000円 | 8ポイント |
20,000円超〜30,000円 | 12ポイント |
30,000円超〜 | 18ポイント |
月に20,000円利用した場合、通常ポイント200P+ボーナスポイント1,600P(8×200)=1,800Pが付与されます。
愛知県道路公社の交換レートは「100ポイント→100円分」なので、1,800ポイントだと1,800円分の還元額と交換することができます。
神戸市道路公社
神戸市道路公社は、50円につき3ポイントが貯まります。還元率は6%です。
また月間利用額に応じて、以下のようにボーナスポイントがプラスされます。
月間利用額 | ボーナスポイント(100円につき) |
---|---|
10,000円まで | 0ポイント |
10,000円超〜35,000円 | 3ポイント |
35,000円超〜70,000円 | 5ポイント |
70,000円超〜 | 10ポイント |
月額20,000円の場合、通常ポイント1,200P+ボーナスポイント600P(3×200)=1,800Pを獲得することができます。
神戸市道路公社の交換レートは「200ポイント→100円分」なので、1,800ポイントだと900円分の還元額と交換できます。
名古屋高速道路公社、福岡北九州高速道路公社、広島高速道路公社
こちらの3社は、100円につき1ポイントが付与されるため、還元率は1%です。
さらに、ほかの事業者と同じように月間利用額によって加算ポイントが追加されます。
月間利用額 | ボーナスポイント(100円につき) |
---|---|
5,000円まで | 0ポイント |
5,000円超〜10,000円 | 3ポイント |
10,000円超〜20,000円 | 6ポイント |
20,000円超〜30,000円 | 12ポイント |
30,000円超〜 | 19ポイント |
月間利用額が20,000円だと、通常ポイント200P+ボーナスポイント1,200P(6×200)=1,400Pが付与されることになります。
こちらの3社の交換レートは「100ポイント→100円分」なので、1,400ポイントだと1,400円分の還元額と交換することができます。
ETCマイレージサービスの活用法と注意点
ここまで、ETCマイレージサービスのメリットや、道路事業者ごとのポイント還元率・交換レートなどについて解説してきました。
本章では、ETCマイレージサービスをよりお得に利用するための活用法と、利用時の注意点について紹介していきます。
自動還元サービスの設定方法
先ほど、ETCマイレージで貯めたポイントを還元額に交換する4つの方法を紹介しましたが、ここではその中で唯一自動で交換できる「自動還元サービス」の設定方法について解説します。
自動還元サービスとは、ポイントが一定以上貯まった時点で自動的にポイントを還元額に交換してくれるサービスです。
自動還元サービスを設定しておくと、「ポイントの交換忘れ」がなくなるとともに、わざわざ自分で還元額に交換する手間が省けるため、おすすめです。
自動還元は毎月20日に実施され、当日の午前0時以降の支払額に還元額が充当されます。
自動還元サービスの設定方法には、次の3つの方法があります。
- インターネットのマイページから手続きする
- 自動音声ダイヤルで手続きする
- ETCマイレージサービス事務局に電話をして手続きする
3つの設定方法について、簡単に解説していきます。
インターネットのマイページから手続きする
ETCマイレージサービスのホームページ内にある「マイページ」から、設定をおこなう方法です。
具体的な手順は、以下の通りです。
- ETCマイレージサービスのホームページへいき、TOPページ上部の「ログイン」をクリック
- マイレージIDとパスワードを入力し、ログインする
- マイページ上部の「登録情報変更」をクリック
- ポイント自動還元サービスを「希望する」にチェックを入れ、ページ下部の「次へ」をクリック
- 変更内容を確認し、ページ下部の「確認」をクリック
以上で設定完了です。こちらの方法がもっとも手間と時間がかからないため、おすすめです。
自動音声ダイヤルで手続きする
自動音声ダイヤルに電話をし、音声ガイドにしたがって設定をします。
- 050-2015-1010(24時間受付)
(※)携帯電話・PHS・IP電話からも利用することができます
利用にはマイレージIDとパスワードが必要になるので、あらかじめ用意しておいてください。
ETCマイレージサービス事務局に電話をして手続きする
ETCマイレージサービス事務局に電話をし、自動還元サービスに切り替えてもらうように伝えます。
- 0570-010125(ナビダイヤル)
045-477-3793(携帯電話からかける場合)
毎月20日頃は、電話が混雑することがあります。つながりにくい場合は、少し時間をおいてから掛け直すようにしてください。
マイレージポイントには有効期限がある
還元額に有効期限がないというのは先ほどお伝えした通りですが、ETCマイレージサービスで貯めたポイントには、有効期限があるので注意が必要です。
ポイントの有効期限は、ポイントを獲得した年度(4月〜翌3月)の翌年度末までです。
たとえば、2019年11月に付いたポイントの有効期限は、2020年3月末までとなります。せっかく貯めたポイントを失効させないよう、期限内に還元額に交換するようにしてください。
忙しくて交換する時間がない方や、手動で交換するのが面倒だという方は、先ほどご紹介した「自動還元サービス」を利用してください。一定以上ポイントが貯まると自動で還元してくれるので、非常に便利です。
首都高は対象外?ポイントが付かない道路もある
ETCマイレージサービスで貯まるポイントは、各道路事業者ごとに集計され、それぞれは合算できません。
さらに、ETCマイレージで貯めたポイントは、クレジットカードのように他社ポイントや景品と交換したり、換金することはできません。ポイントが交換できるのは、還元額だけです。
また、首都高速のようにマイレージサービスに参加していない道路事業者もあるので、注意が必要です。
レンタカーや他の車載器でもポイントは貯まる
レンタカーや他の人の車を運転するときでも、ETCマイレージサービスに登録しているETCカードさえあれば、サービスを利用することができます。
ポイントや還元額の残高など、ETCマイレージの情報はすべてETCカードに記録されているため、普段使用している車や車載器でなくても、カードさえあれば問題なく利用することができるのです。
ETCマイレージサービスまとめ
ETCマイレージサービスについて解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
最後に、特に重要なポイントをまとめてみました。
- ETCカードで通行料金を払うと、クレジットカードのポイントの他にETCマイレージサービスのポイントが貯まる
- ETCマイレージサービスは、登録しないと利用できない
- 貯まったポイントは還元額と交換し、通行料金の支払いに利用できる
- ポイント還元率や還元額への交換レートは、道路事業者ごとに異なる
- 一部の道路では「平日朝夕割引」で、通行料金が最大50%オフになる
日ごろから高速道路や有料道路を利用している方は、ETCマイレージサービスを利用することで、通行料金を大幅に節約することができます。
ETCマイレージサービスの登録はインターネットから簡単にでき、登録したその日からサービスを受けることができます。記事を読んで気になった方は、これを機にぜひ登録してみてください!
学生時代には月間1,000万PV規模のWebメディアでインターンを経験。 SI系のベンチャー企業での勤務を経て、2017年に株式会社サイバーエージェント入社ののち株式会社CyberSS(現:CyberOwl)に異動。 クレジットカードはアメリカン・エキスプレス・カード(グリーン)とJAL Global WALLET、キャッシュレスではLINE Payを愛用中。 釣りが趣味で船、陸問わず釣りに行く。どこかにマイルを使って南の島に釣りに行くのが目標。