イオンカードに海外旅行保険はついている?保険の補償内容から保険金の請求の流れを紹介!
クレジットカードには、海外旅行に行った際に利用できる海外旅行保険が付帯しているものが多いです。
ただ、海外旅行は非常に大きなイベントなので、備えも万全にしておきたいと考える人が多いと思いますが、クレジットカードに付帯している海外旅行保険だけで十分なのでしょうか。
そこで今回は、人気のあるクレジットカードのひとつであるイオンカードに付帯している海外旅行保険の内容について説明すると同時に、旅行代理店や空港で申込む海外保険の内容と比較していきたいと思います。
すべてのイオンカードに海外旅行保険が付帯しているわけではない
イオンカードに付帯している海外旅行保険を考える際に注意しておきたいのは、イオンカードにはいろいろな種類のカードがありますが、それらすべてに海外旅行保険が付帯しているわけではないということです。
イオンカードセレクトに海外旅行保険は付帯していない
たとえば、イオンカードとして人気が高いのは、イオンカードセレクト・イオンカード(WAON一体型)・イオンJMBカードなどですが、これらはすべて海外旅行保険が付帯していないカードです。
海外旅行保険が付帯しているのは、イオンSuica・KNTカード・イオンゴールドカードのみなので、イオンカードで海外旅行保険を利用したい場合は、これらのいずれかのカードを選ばなければなりません。
クレジットカードごとに補償内容が異なりますので、カードを選ぶ際はカードそのものの機能と同時に、保険の補償内容も比較する必要がありますよ。
- イオンSuicaカード
- KNTカード
- イオンゴールドカード(※)
イオンSuicaカードの海外旅行保険
イオンSuicaカードは、イオンカードと交通系電子マネーのSuicaが一体となったカードです。お客様感謝デーでは、イオン店舗の買い物が5%OFFになる特典もあり、年会費は無料です。
このカードの海外旅行保険の補償内容は、以下のようになっています。
- 死亡・後遺障害…最高500万円
- 傷害治療費用…50万円
- 疾病治療費用…50万円
後述するイオンゴールドカードに付帯している海外旅行保険の内容と比較すると、補償項目も補償金額も劣っているような印象が否めません。
ゴールドカードの付帯サービスと一般カードの付帯サービスを比較するのは酷かもしれませんが、海外旅行に行く際にイオンSuicaカードの海外旅行保険にしか加入していないのは、少々不安でしょう。
ほかの保険を上乗せで利用するなどして、対処したいところですね。
- たまったWAON POINTをSuicaへチャージできる
- イオングループの対象店舗なら、WAON POINTがいつでも2倍!
- JR東日本の鉄道や対象のエキナカ店舗、駅レンタカーがおトクに
年会費初年度 | 無料 |
---|---|
年会費2年目〜 | 無料 |
ポイント還元率 | 0.5 〜 1% |
発行スピード | 約2~3週間 |
国際ブランド |
|
電子マネー |
|
- 付帯サービス
KNTカードの海外旅行保険
ポイントを貯めると近畿日本ツーリストの旅行券にも交換できるKNTカードでお客様感謝デーの5%OFFなどイオンでの買い物特典もあります。そのほか羽田、成田、関西、大阪の空港にあるレストランでは、10%OFF割引特典も受けられます。
このカードの海外旅行保険の補償内容に関しては、「障害死亡・後遺障害」に対する補償が最高2,000万円があります。こちらは適用条件は自動付帯なので、カードを所有していれば、保険が適用される状況にあります。
また、そのほかに国内旅行傷害保険はカード利用付帯を条件として、「障害死亡・後遺障害」に対して最高2,000万円が補償されます。
補償が障害死亡・後遺障害に対してしかおこなわれないのであれば、イオンSuicaカード同様に、付帯保険が充実している別のクレジットカードを発行するなどして、保険を重ね合わせたほうがいいでしょう。
イオンゴールドカードの海外旅行保険
イオンゴールドカードの海外旅行保険の補償内容は、以下のようになっています。なお、保険が適用される条件としては、「利用付帯」となっておりますので、「公共交通機関の運賃」または「海外旅行ツアー代金」をイオンゴールドカードのクレジット払いする必要があります。
- 死亡・後遺傷害…5,000万円
- 傷害による治療費用…300万円
- 疾病による治療費用…300万円
- 携行品損害…30万円
- 賠償責任…3,000万円
- 救援者費用など…200万円
死亡・後遺障害で最大5,000万円の補償を受けられるなど、ゴールドカードらしく非常に充実した補償内容となっています。
携行品損害の補償額が少し低めなので、その点が気になる場合は、ほかの保険を上乗せするなどして対処しましょう。
なお、イオンゴールドカードはインビテーションがないと発行できないので、その点には注意しておく必要があります。
専門家からのコメント
海外旅行保険の補償で最も重視したほうがよいのは治療費の補償です。なぜなら、海外での治療費は驚くほど高額になるケースがあるからです。
渡航先によって治療費は大きく異なりますが、アメリカの医療費は特に高額で、手術を含む1か月前後の入院で1,000万円以上の保険金が支払われる事例もあります。
海外で入院するケースは多いとはいえませんが、万が一の場合の経済的ダメージが大きいので、クレジットカードに付帯する補償で十分かどうか、しっかり確認しましょう。
- 海外旅行傷害保険最高5,000万円
- イオンラウンジが利用可能(※)!
- ショッピングセーフティ保険年間300万円まで補償
年会費初年度 | 無料 |
---|---|
年会費2年目〜 | 無料 |
ポイント還元率 | 0.5 〜 1% |
発行スピード | 約2~3週間 |
国際ブランド |
|
電子マネー |
|
- 付帯サービス
ゴールドカードでキャッシュレス診療が利用できなくなったのは残念
イオンゴールドカードでは、以前までは海外でキャッシュレス診療を受けられていたのですが、2019年4月以降はキャッシュレス診療のサービスがなくなってしまいました。
キャッシュレス診療とはその名のとおり、海外で現金で支払いをおこなうことなく診療が受けられるサービスのことです。
通常、海外の病院で診療を受ける場合、旅行者が受診費用を一時的に立て替えておき帰国後に保険金申請の手続きをおこなうのですが、そういった面倒な手続きをせずに済むのが、キャッシュレス診療のメリットです。
ただ、便利なサービスがひとつなくなってしまったとはいえ、イオンゴールドカードの補償内容が充実していることには変わりありませんので、もともとなかったものだと割り切って利用するのもいいでしょう。
イオンカード以外におすすめのクレジットカードは?
イオンカード以外のカードで、海外旅行保険が付帯しているクレジットカードとしておすすめなのは、エポスカードです。
エポスカードは、マルイなどの商業施設で便利に利用できる年会費無料のクレジットカードですが、年会費無料のクレジットカードとは思えないほど、充実した内容の海外旅行保険(最高2,000万円の補償)が自動付帯しています。
即日発行も可能なので、海外旅行を目前に控えており海外旅行保険の付帯しているカードを急いで発行したいという人にも、おすすめしやすいカードとなっています。
- 全国10,000店舗の優待つき!
- 入会金・年会費永年無料
- 海外旅行傷害保険は最高500万円
年会費初年度 | 無料 |
---|---|
年会費2年目〜 | 無料 |
ポイント還元率 | 0.5%~5.0% |
発行スピード | 店頭申込で最短30分発行・オンライン入会で1週間程度 |
国際ブランド |
|
電子マネー |
|
- 付帯サービス
イオンカードに付帯してる海外旅行保険は本当に信頼できる?
ここまでは、イオンカードに付帯している海外旅行保険の内容を中心に説明してきましたが、海外旅行保険には旅行代理店や空港で申込んで加入できるようなものもあります。
保険に関しては、クレジットカードに付帯しているものよりも、専門の会社が取り扱っているもののほうが信頼できるような気もしますが、その点はどうなのでしょうか。
旅行代理店や空港で申込んで加入できる保険は、旅行先や日数などによって費用が異なりますし、保険料を多く支払うことで補償額を上げられるようにもなっています。
そのため、必要だと思われる分の補償金額まで自分でカスタマイズできるのが強みです。
また、クレジットカードに付帯している海外旅行保険と比較すると、治療費用や賠償責任・救援者費用といった項目での補償が充実していますが、使用頻度のことを考えると、そういった点に対する補償が充実している保険のほうが使いやすいでしょう。
以上のことから、使い勝手自体は保険会社で加入できる保険に軍配が上がりそうです。
ただ、保険会社で加入する保険は、海外旅行に行くたびに加入せねばならず、そのたびに保険料を支払わなければなりません。
その点では、カードの年会費さえ支払えば、1年間に何回海外に行こうとも毎回利用できる付帯保険の利便性も、見過ごすわけにはいきません。
イオンゴールドカードに付帯している海外旅行保険の補償内容は、それなりに便利なものであることは間違いないので、補償内容に不安のある方は、その部分をカバーできる保険に任意で加入するのがよさそうです。
ただ、イオンSuicaカードやKNTカードに付帯している海外旅行保険は、補償内容に不安が残りますので、付帯保険を過信せずに保険会社で加入できる保険に加入しておいたほうがいいでしょう。
イオンカードの海外旅行保険を利用する際の注意点
イオンカードの海外旅行保険を利用する際には、自動付帯と利用付帯の違いや、クレジットカードの海外旅行保険による補償対象について、注意しておく必要があります。
海外旅行保険の自動付帯と利用付帯の意味を確認
クレジットカードの付帯保険には、「自動付帯」と「利用付帯」の2種類があり、保険が適用される条件がそれぞれ異なります。
自動付帯は文字どおり、クレジットカードを所有していれば自動的に保険が適用されます。
一方、利用付帯では、日本出国前に海外旅行代金等をクレジットカードで支払わなければ、保険が適用されないようになっています。
イオンカードの付帯保険のうち、イオンSuicaカードとKNTカードの付帯保険は自動付帯ですが、イオンゴールドカードの付帯保険は利用付帯です。
イオンゴールドカードの付帯保険を利用したい場合は、事前に保険適用条件を満たすことを忘れないようにしておきましょう。
家族カードがあれば配偶者や子供も補償の対象
イオンゴールドカードでは家族カードも保険適用対象となるので、配偶者や子供に家族カードを発行させていれば、補償対象が広がってより安心して海外旅行に向かえます。
家族カードは、年会費無料で3枚まで発行可能なので、4人家族であれば家族全員がイオンゴールドカードの海外旅行保険の補償を利用できることになります。
年会費無料でイオンゴールドカードの保険を利用できるのは非常にコスパがいいので、海外旅行を機に家族カードの発行を検討してみてもいいかもしれませんね。
イオンカードで保険金を請求するときの流れ・必要書類
実際にイオンカードの保険の恩恵を受けるためには、保険会社に連絡をしたり書類を提出したりと、さまざまな手続きをおこなう必要があります。
イオンカードの海外旅行保険を利用するための手続きや必要書類について、説明していきましょう。
病気・ケガをしたとき
海外で病気にかかったりケガをしたりといった場合は、24時間受付をおこなっている「AD海外あんしんダイヤル」に電話をかけて、必要なサポートを受けましょう。
「AD海外あんしんダイヤル」は、渡航先によって電話番号が変わりますので、渡航先に対応した電話番号に電話をかけなければならないので、事前に確認する必要があります。
なお、保険金申請に必要になりますので、現地の病院で診察を受けた後は必ず、診断書や領収書をもらっておきましょう。
帰国後に「あいおいニッセイ同和損害保険事故受付デスク」まで連絡をして、保険金請求をおこなうことになります。
病気・ケガのときに提出が必要になる書類は以下のようなもので、提出書類のなかには現地でしか手配できない書類もあります。
- 医師の診断書(現地)
- 治療費の明細書および領収書(現地)
- 事故証明書(現地)
- 支出を証明する書類(現地・治療費用の場合)
- パスポートのコピー
- 保険金請求書
- 委任状
- 被保険者の印鑑証明
- 同意書
- 後遺障害診断書(後遺障害の場合)
- カード売上票(カード利用控え)
賠償責任のとき
賠償責任のときは、サポートが必要な場合は「AD海外あんしんダイヤル」に連絡をしますが、必要ない場合は帰国後に「あいおいニッセイ同和損害保険事故受付デスク」まで連絡をして、保険金請求をおこなえばOKです。
賠償責任の場合に提出が必要な書類は、対人での賠償なのか対物での賠償なのかによって、微妙に異なります。
- 医師の診断書(現地・対人)
- 治療費の明細書および領収書(現地・対人)
- 死亡診断書または死体検案書(現地・対人)
- 事故証明書(現地)
- 支出を証明する書類(現地)
- 示談書・示談金領収書(現地)
- 損害額(修理額等)を証明する書類(現地・対物)
- パスポートのコピー
- 保険金請求書
- 委任状
- 被保険者の印鑑証明
- 同意書
- カード売上票(カード利用控え)
携行品盗難のとき
携行品盗難の場合は、現地の警察に連絡をして事故証明書等の必要書類を取得しましょう。
帰国後に、「あいおいニッセイ同和損害保険事故受付デスク」まで連絡をして、保険金請求をおこないます。
携行品盗難の際に提出が必要な書類は、以下のとおりです。
- 事故証明書(現地)
- 損害額(修理額等)を証明する書類(現地)
- パスポートのコピー
- 保険金請求書
- 損害品明細書
- 損害額を証明する書類
- 委任状
- 同意書
- カード売上票(カード利用控え)
携行品破損のとき
携行品破損の場合は、修理を依頼して領収書等を取得したのち、帰国後に保険金請求をおこなえばOKです。
携行品破損の際に提出が必要な書類は、以下のとおりです。
- 事故証明書(現地)
- 損害額(修理額等)を証明する書類(現地)
- パスポートのコピー
- 保険金請求書
- 損害品明細書
- 損害額を証明する書類
- 委任状
- 同意書
- カード売上票(カード利用控え)
イオンカードの海外旅行保険まとめ
イオンカードの海外旅行保険は、すべてのカードに付帯しているわけではありませんが、イオンゴールドカードに付帯しているものの補償内容は、それなりに充実しています。
ただ、保険会社で加入できる保険と比較すると、治療費用や賠償責任に対する補償がいまいちなので、そういった部分は別の保険を上乗せすることでカバーしておくとよりよいでしょう。
保険金を受け取るためには、旅行先で手配しておかなければならない書類もあるため、書類の手配を忘れると保険が利用できない可能性もあります。
24時間対応の「AD海外あんしんダイヤル」などもフル活用して、保険を利用するための準備は抜かりないようにしたいですね。
専門家からの一言
イオンカードの海外旅行保険だけではなく、他のカードにも補償が付帯していないか確認しましょう。実際の損害額の範囲内なら他のカードの補償からも保険金が出ます。
また、海外での死亡や入院に対しては生命保険も出るので、生命保険も含めて補償が十分かどうかを判断しましょう。
それでも不安な場合は、別途、海外旅行保険に加入することをおすすめします。保険料も1日当たり300円から500円くらいで高額にはなりません。
国内の生命保険会社に25年勤務した後、西岡社会保険労務士事務所を開業。現在は、社会保険労務士として活動するとともに、社労士会からの委託を受け日本年金機構・年金事務所にて週2日ほど勤務、また金融や労務を中心に記事を執筆・監修。 得意分野の公的年金や個人年金・生命保険は、長期的な観点から資産を形成しリスクに備えるもので、お金のことを考えるときに、基本となるものです。長期的な視野を見失うことなく、金融商品や税金に関する最新のお役立ち情報をお届けします。
不動産広告の営業マンを経て、現在はフリーランスのライターとして活動中。 クレジットカードやカードローンに関する知識を、公平な視点で分かりやすく伝えることを目指しています。 私生活でもいろいろなクレジットカードを使い分けながら、自分にとって最適な使い方を模索中。毎月貯まっていくポイントを見ながらその使い方を考えるのが、ひそかな楽しみ。 自分の実体験や気付きをもとにした、オリジナリティのある記事をお届けしたいと思っています。