クレジットカードでドル決済して、海外旅行の支払いで得しよう!ドル決済の方法やメリットも解説
せっかくの海外旅行を楽しむなら、少しでも節約してお得にしたいです。そんな方にピッタリなのが、クレジットカードのドル決済払いです。
現金で両替えすると、国内だと2円~5円、国外だと15円程度の手数料が生じますが、クレジットカードのドル決済手数料は、1円~2円程度です。つまり、クレジットカードのドル決済のほうが、日本円を現金で両替えしたときよりも手数料は安くなります。
しかし、クレジットカードのドル決済は慣れていないと支払いトラブルになってしまう可能性もあります。本記事ではクレジットカードのドル決済のメリットや方法、覚えておきたい英会話などを交えて解説します。
ドル決済は得する!クレジットカードでドル決済するメリット
日本よりも治安が悪い海外でクレジットカードを使用するのは不安に思うかもしれませんが、実は現金で支払うよりもクレジットカードで支払った方がメリットはあります。
- 日本円を現地で両替えするよりも手数料が安くなる
- 余った外貨を両替せずに済む
クレジットカードでドル決済をすると、上記のメリットが得られます。
次の項目で具体的に、どのようなメリットがあるのか順番に解説します。
①日本円を現金で両替するよりも手数料が安くなる
海外に旅行すれば、買い物や食事の支払いは現地の通貨になります。事前に、円を旅行先の通貨に両替できますが、その際に両替手数料が発生します。
- 銀行:約3円
- 郵便局:約3円
- 国内の空港:2円~5円
- 外貨宅配サービス:約3円
両替するときの為替レートによって若干の違いはありますが、日本国内でドルを両替すると1ドルあたり3円ほどの手数料が発生します。
国内の空港では両替所が複数ありますが、両替所によって手数料が違います。出国前に慌てて両替したら損をしてしまったというケースは珍しくありません。
また、国外で日本円を両替することは可能ですが、日本円の需要の関係で両替えは国内よりも高くなります。たとえば、アメリカの空港で両替えをすると、1ドルあたりの両替手数料が15円程度かかります。
日本円を現金で両替えすると、国内だと2円~5円、国外だと15円程度の手数料が生じてしまいます。
一方で、クレジットカードのドル決済手数料は国際ブランドによって違いはありますが、1円~2円程度になっています。
つまり、クレジットカードのドル決済のほうが、日本円を現金で両替えしたときよりも手数料は安くなるのです。
②余った外貨を両替せずに済む
楽しかった海外旅行が終わり、帰国してから財布を見ると、使いきれなかった現地の通貨や硬貨が残っていたという経験は多いはずです。
基本的に日本は外貨で支払いをする場面がないため、余った外貨は日本円に両替えするほうが望ましいです。
しかし、外貨に両替したときに手数料が発生し、日本円に戻したときにも手数料が発生すると、二度手数料を取られてしまい損失となります。
海外旅行での支払いをクレジットカードにまとめておけば、帰国してから外貨を両替する手間や損失を避けられるというメリットがあります。
クレジットカードでドル決済をするデメリット
クレジットカードでドル決済をするメリットがある一方で、デメリットもあります。
- 決済のタイミングによっては支払い額が大きくなる
- 屋台や中小商店ではクレジットカードが使えない場合がある
海外でクレジットカードのドル決済をした場合、クレジットカード会社に決済の売上データが処理された日が基準となります。
買い物や食事をした日ではなく、データが処理された日の為替レートが支払い額となるのです。
たとえば、1ドル110円として合計1,000ドルをクレジットカードで支払ったが、処理された日までに為替レートが120円まで上昇したら、11万円を支払ったつもりだったのに請求額が12万円になってしまいます。
また、屋台や中小商店ではクレジットカードのコストを嫌って導入していない場合もあります。
海外では日本人のクレジットカードを狙った盗難やスキミングも横行しているため、クレジットカードを紛失しないように注意しましょう。
海外旅行中にクレジットカードのドル決済をする方法
海外旅行で通貨がドルの国へ行ったからといって、すべての場面でクレジットカードがドル決済になる訳ではありません。
店側が独自のレートを用いて日本円で決済しようとする場合もあります。気づかずにサインをしてしまうと、不利なレートで決済をされてしまい、正規の金額以上を支払うことになってしまいます。
クレジットカードのドル決済をしたいときは、店側に「ドル決済をしたい」という意志表示をし、渡された伝票や請求書の金額が合っているのか、通貨がドルになっているのか確認することです。
次の項目では、実際にクレジットカードのドル決済をする手順を解説しつつ、役立つ豆知識を紹介します。
手順①支払いの際にクレジットカードを提示しドル決済すると伝える
買い物や食事が終わって支払いをする段階になったら、店側に「クレジットカードのドル決済をしたい (I want to pay in dollars by this credit card.)」という意思表示をしましょう。
ただし、店によっては国際ブランドでも使えない場合があります。JCBは日本人観光客が多い店なら通用するかもしれませんが、あまりおすすめは出来ません。
世界的にみると、1位はVISA、2位はMastercardとなっており、このどちらか、あるいは両方を持っていれば、さまざまな場面で役立つため、海外旅行に持っていくと安心です。
クレジットカードで支払うときの伝票の見方は?
海外では伝票の項目が英語となっており、チップの文化もあるため、慣れていないと混乱してしまいがちです。
基本となる項目の英単語と意味を覚えておきましょう。
- Amount:注文したもの・サービスの合計
- Gratuitty:チップの代金
- Surcharging:クレジットカードの利用手数料
- Total:すべての合計金額
ホテルの接客対応や掃除、タクシーの荷下ろしなどのサービスは、1ドル~2ドル程度が相場となっていますが、レストランのチップは自分で決めなければなりません。
基本的に料金に対して15%~20%がレストランのチップの相場となっております。すぐに計算できなくても大丈夫なように、伝票にチップの目安が複数用意されている場合があるので、選択して記入しましょう。
チップの代金を自分で決めて、すべての合計金額を記入すれば、あとは支払いを済ませるだけです。
ちなみに、クレジットカードの利用手数料は後から上乗せされる場合もあるため、伝票に記載されないこともあります。
クレジットカードのドル決済で覚えておきたい英会話は?
海外旅行でクレジットカードのドル決済を使うときに覚えておきたい英会話を紹介します。
最低限の内容ですが、覚えておけば役立ちます。
- Can I use this credit card?:このクレジットカードは使えますか?
- Do you accept VISA Card?:VISAカードは使えますか?
- I want to pay in doller.:ドル払いでお願いします
- US dollar.:ドル払い
- What’s this charge?:これはなんの値段ですか?
- Could I have a receipt?:領収書をくれませんか?
ちなみに、海外ではクレジットカードの支払い回数を選べず、基本的に一括払いのみとなっています。クレジットカードによっては海外での利用をすべてリボ払いとしている場合もありますので、利用前に確認をしましょう。
手順②伝票の金額をきちんと確認して暗証番号を入力するかサインをする
伝票の合計金額をきちんと確認したら、暗証番号の入力かサインを記入します。アメリカでは金額に小数点が含まれるので、数値と通貨単位は必ず確認しましょう。
なお、アメリカではクレジットカードを利用すると小売店がサーチャージ(クレジットカードの利用手数料)を上乗せすることが認められているため、商品代金よりも高い金額が決済されます。
クレジットカードの手数料がいくらなのかは店頭に表示されていますが、分からない場合は直接聞いてみましょう。
手順③レシートの明細を確認する
決済が完了したら、レシートや利用控えを必ずもらい、帰国後にクレジットカードの明細と見比べましょう。クレジットカードの明細では、請求されたドルと決済時の為替レートが記載されています。
もし、明細のドルと利用控えが一致しなかったり、身に覚えのない請求があればクレジットカード会社に連絡を取り、内容の確認をしましょう。
英語が通じなかったせいで、いつの間にか追加の請求をされているというケースは少なくありません。
- チェックアウト後に判明したホテルからの追加請求
- レンタカーを返却したあとの追加請求
- 購入をキャンセルしたはずの請求
上記の例とは関係なく、不正利用されている場合は異議申し立てをした日から遡って60日以内なら返金される場合もあります。また、英語に自信が無くて、先方との交渉をカード会社に任せることも可能です。
最も重要なのは、支払いをするときに金額に間違いがないかどうか確認することになります。決算が円なのかドルなのかで、意味がまったく違くなります。
10,000円だと思って決済したら、10,000ドル(1ドルを110換算して約110万円)を請求されてしまったら大事になります。自分で確認して決済をしたため、この請求を無かったことにするのは時間がかかってしまいます。
このようなトラブルを避けるためにも、提示された伝票で不透明な部分があれば質問し、帰国してからチェックするためにも利用控えは取っておきましょう。
海外旅行の手数料を抑えるテクニック
クレジットカードのドル決済の手数料は、国際ブランドによって違いますが、1ドルあたり1円~2円程度になります。
パーセンテージにすれば1%~2%程度ですが、クレジットカード以外にも同程度の手数料に抑えるテクニックがあります。
海外キャッシングを賢く利用
所有しているクレジットカードによっては、海外旅行中のキャッシングが可能となっています。世界主要都市の空港や銀行のATMで、すぐに現地通貨を引き出せるサービスです。
海外キャッシングの金利は年率だと高くなりますが、翌月までに一括返済するなら利息=両替手数料は安くなります。
たとえば、1ドル115円、金利18%だったとして、1,000ドルをキャッシングして30日後に返済したとします。1,000ドルは日本円だと11万5,000円となり、利息は1日あたり約59円になります。
30日後に返済したので、合計利息は1,770円となり、パーセンテージにすれば1.5%となります。空港や郵便局で両替するよりも、手数料は安くなるのです。
注意点としては、現地の通貨を現金として手に入れるため、余った外貨を帰国後に両替したら、手数料の分が損失となります。
基本的には、クレジットカードのドル決済が一番便利でお得ですが、現地で現金が必要になったときは、海外キャッシングが両替よりもお得といえます。
海外プリペイドカードの使用も検討
国内で流通しているプリペイドカードと同じやり方で、海外でも事前に預けた金額の範囲でプリペイドカードは使用できます。VISAやMastercardなどの国際ブランドのプリペイドカードもあります。
プリペイドカードによっては入金手数料が無料なものもあります。なるべく、海外手数料や海外ATM手数料が安いプリペイドカードを選びましょう。
しかし、プリペイドカードの海外手数料は3%~5%とやや高い設定となっています。
プリペイドカードの特徴は、事前に預け入れた金額の範囲で利用できるため、使い過ぎの防止や、カードを盗まれても被害金額を抑えることができます。
また、未成年でも持つことができるため、子どもが海外に行くときに持たせる親も少なくありません。
クレジットカードでドル決済をするときに知っておきたいこと
クレジットカード決済と現金払いのどっちがおすすめなのか、クレジットカードでドル決済後の実際の請求額といった、クレジットカードでドル決済をするときに知っておきたい3つの疑問に答えます。
クレジットカード決済と現金払いはどちらがおすすめ?
クレジットカード決済と現金払いにはそれぞれ特徴があります。
- メリット
同じ金額を支払う際の手数料が安くなり、余った外貨を両替する手間がない - デメリット
すべての店でクレジットカードが使えるとは限らない
- メリット
すべての店で支払いができ、クレジットカードの盗難リスクを気にしなくて済む - デメリット
同じ金額を支払う際の手数料が高い、余った外貨を日本円に戻すと手間と損失が発生する
このように、クレジットカード払いと現金払いには違いがあります。基本的にクレジットカードで決済すると、支払い額に応じてポイントが付与されるため、一番お得な支払方法となります。
ただし、クレジットカードを狙った犯罪が海外で横行しています。旅行する場所や治安に応じて使い分けましょう。
クレジットカードでドル決済後の実際の請求金額は?
クレジットカードの手数料はブランドごとに異なっており、手数料が非公開の場合もあります。また、運用される為替のレートも常に変動しているため、常に同じ金額が請求されるとは限りません。
今回は楽天カードを用いたとして説明します。
為替レートが1ドル115円で、国際ブランドがVISAの楽天カードで1,000ドルを支払ったとします。
クレジットカードのドル払いの計算方法は、以下の通りです。
外貨(利用金額)×円(為替レート)×所定の事務手数料(VISAなら1.63%)=利用者の手数料
よって、1,000ドル=11万5,000円に上記の手数料の1,874円が加わり、合計で11万6,874円となります。
海外旅行は円安と円高のどちらがお得?
海外旅行に行くなら円高の時期がお得になります。なぜなら、円高だと少ない資金でも多くのドルが購入できるので、現地に行ったときの資金が多くなります。
円高・円安の見分け方は、1ドルで日本円がいくら購入できるのかと覚えておきましょう。
基本的に円安・円高は前の時期に比べて為替レートがどちらに傾いたのかで決まるため、1ドル100円を下回れば円高、1ドル200円を越えれば円安、といった定義はありません。
- 為替レートが1ドル100円だったが、翌日99円になった=円高
- 為替レートが1ドル100円だったが、翌日101円になった=円安
ただし、日本の景気が悪化すると円高が進み、世界の景気が悪くなると円安が進みやすくなる傾向はあります。
クレジットカードのドル決済まとめ
海外旅行での支払いは、両替手数料の手間やコスト、ポイントなどを考えるとクレジットカードのドル決済がおすすめです。
ただし、海外は日本と違った文化があるため、クレジットカードで支払う際は注意しましょう。金額や通貨単位をきちんと確認し、利用控えをもらって、帰国後はクレジットカードの明細と照らし合わせるようにしましょう。
大学卒業後、ライティング事務所に就職。2017年に独立し、フリーライターとして活動。ライティング業務に携わる中で、ジャンルを問わず多くの記事を執筆しましたが、最も得意なのは金融・経済系。特にアジア・欧州の経済や、新興スタートアップ企業に関する記事を投資webメディアにて連載中。猫が好きだけど、猫アレルギーのためモニター越しでしか眺められないのが悩み。ライティングを行う時には「分かりやすく・読みやすく・おもしろく」を心がけています。