クレジットカードでチップの支払いが可能?レストランでの支払いの流れやチップの払い方まで解説
海外にはチップという制度がありますが、日本にはない文化なので、海外でのチップの文化に慣れるのは誰でも大変です。
そのため、海外旅行を考えている方のなかには、チップの払い方がわからないと困っている方もいるのではないでしょうか。
基本的に、チップは現金でも、クレジットカードでも支払うことができます。
この記事ではチップの払い方や払うべきシーン、注意点を中心に解説していくので、旅行で困らないために、ぜひ渡航前に目を通してください。
そもそもチップとは?なぜチップがあるの?
チップとは、ホテルやレストランなどの従業員のサービスに対して支払う対価のことを指しています。
海外では、サービス業に携わる従業員の給料水準が低い国もあり、チップが大きな収入源のひとつとなっていることを知っておきましょう。
日本ではなじみのない文化ですが、海外ではチップを渡すことが常識となっている国もあり、チップは正式な収入と認められているため納税の義務も生じます。
チップとして支払う金額は、国や利用するサービスによって異なるので、海外に行く機会がある方は、渡航前にチップの相場も確認しておくとよいでしょう。
チップは支払う必要がある?レストランやホテルなどのシーン別に紹介
チップを渡す習慣のある国では、チップを支払わない理由がとくにないのであればチップを支払うのがマナーです。
しかし、チップになじみのない方にとっては、どのようなシーンでチップを支払えばよいのか迷ってしまいますよね。そこで、海外旅行で立ち寄りそうな場所について、チップがいるかどうかまとめました。
場所 | チップ |
---|---|
レストラン | ○ |
ビュッフェ | △ |
ファストフード | × |
カフェチェーン(スターバックスなど) | × |
タクシー | ○ |
ホテル | ○ |
ビュッフェではセルフサービス方式なら支払う必要がないこともあります。レストランのランクにもよるので、周りを見て判断しましょう。
ファーストフード店ではチップが不要ですが、通常のレストランのように店員さんが食事を客席まで持ってきてくれる配膳などのサービスがある場合はチップが必要です。
ホテルはポーターのほか、ツアーやレストランの予約代行をしてもらったときにチップを渡します。また、ベッドメイキングのスタッフのために、枕の近くに小銭などを置くこともよくあります。
また、タクシーは、基本的にチップが必要です。とくに、ドライバーがトランクにある荷物を出し入れするときは、少し多めにチップを渡すことが常識となっているので覚えておきましょう。
チップが必要かどうかの判断基準
チップは、サービスへの対価として支払うものなので、マクドナルドやスターバックスなどのセルフで商品を運ぶ場合やテイクアウトの場合は支払う必要がありません。
また、場所によっては最初からチップがサービス料として明細に含まれているケースもあり、このような場合もチップを支払う必要はないです。
とくに、ハワイなどのリゾート地では、最初からチップがサービス料に含まれているレストランなどが多いので、メニューや伝票にサービス料が含まれているのかを確認するとよいでしょう。
チップが必要な国と不要な国
旅行先がチップが必要かわからないという方に向けて、主要旅行先でチップが必要な国と相場をまとめました。渡航先の情報確認にご活用ください。
渡航先 | チップの目安 |
---|---|
アメリカ | 15%〜20% |
イギリス | 10〜15% |
フランス |
5〜10% |
スペイン | 5〜10% |
イタリア | 不要(サービスによって渡す) |
ドイツ | 不要(サービスによって渡す) |
オーストラリア | 不要(サービスによって渡す) |
中国 | 不要 |
台湾 | 不要 |
韓国 | 不要 |
シンガポール | 不要 |
イタリアなどの一部の国では、とてもよいサービスを受けたときだけ感謝の気持ちをこめてチップを支払います。
また、注意したいのがフランスです。基本的にチップが必要ですが、一部禁止にしているお店があります。フランス語でチップ禁止を表す「Pourboire Interdit」という表示を見たら、支払ってはいけないので注意しましょう。
クレジットカードでチップは払える!3つの支払い方法を解説します
まずは、クレジットカードで支払いをするときのチップの払い方を説明します。
結論からいうと、クレジットカードで会計をした場合、チップは現金・クレジットカードどちらでも払うことが可能です。
また、先に紹介したように、そもそも会計にチップが含まれていて、追加でお金を出さなくてよいこともあります。それぞれのパターンを詳しく解説しますね。
① クレジットカードで全額支払う
チップも含めてクレジットカードで支払いたい場合は、会計時にもらえる伝票を利用します。伝票に「tips」という欄があるので、ここに払いたい金額を記載しましょう。
また、その下に「total」という欄があります。ここにはチップをくわえた合計の金額を記載してください。金額はそれぞれ、小数点以下第2位まで記載します。
最後にサインをしてクレジットカードと伝票を渡せば支払いは完了です。
② クレジットカードで料理代を払いチップだけを現金で支払う
もし細かいお金が手元に多くある場合は、チップだけ現金で払うことも出来ます。
チップを現金で払いたい場合は、会計伝票のtipsの欄に「cash」と書きましょう。totalの欄は料理代をそのまま書き写せば大丈夫です。
チップは勘定皿に載せてウエイターに直接渡すか、テーブルに残して帰るようにします。
③ チップが勘定に含まれている
もしtipsの欄にすでに金額が書かれていたら、すでに勘定にチップが含まれているので追加で支払う必要はありません。
SVC(サービスチャージ)と書かれることもあるので、伝票が来たら必ず確認してくださいね。
チップを払う際に必要な英単語は?実際の支払い手順もあわせて解説
チップの支払いをスムーズにするために、最低限の英単語を頭に入れておくのがおすすめです。具体的には下記の言葉を覚えておきましょう。
- check(お会計)
- subtotal(小計)
- tax(税金)
- Gratuity/ Service Charge/ Tip(すべてチップのこと)
- total(合計金額)
- change(お釣り)
欧米圏では基本的にテーブル会計です。お会計をしたいときは、はじめに「check, please」とウエイターさんに伝えましょう。伝票を持ってきてくれます。
伝票を確認したら、tipsの欄にチップの金額を記載します。現金で払う場合はcashと書けば問題ありません。そして、totalの欄に合計金額を記載しましょう。
カードと伝票を渡したら支払いは完了です。現金でチップを払う場合は、テーブルにお金を置いていきましょう。
なお、複数人で割り勘して、それぞれのクレジットカードで支払いたい場合は「Can you split the bill on these cards?」といえば、対応してもらえます。
クレジットカードでチップを払う前に知っておきたい注意点
ここではチップを支払うときの注意点をまとめました。想定外の支払いを避けるために、海外旅行の前にぜひ目を通してくださいね。
最初からチップ込みの金額になっていることも!事前に確認する
お店により、最初から会計にチップが含まれていることもあります。SVCという欄に記載がある場合はサービス料込なので、チップを支払う必要はありません。
もし、サービスに満足して追加のチップを払いたい場合は、「tips not included」という欄に金額を記載しましょう。払わない場合は斜線を引けば大丈夫です。
空欄は必ず自分で記入する
伝票のチップの欄は必ず自分で書くようにしてください。
空欄にしていると、言い値でチップを払うという意味になり、相場より高額のチップを支払うことになる可能性もあります。金額を決めるのは慣れないかもしれませんが、しっかり自分で記載しましょう。
クレジットカード支払い後は必ずチップの額を確認する
クレジットカード支払いの後はレシートをもらい、チップの額を確認しましょう。
悪質な場合は、自分が指定したより多く請求されていることもあります。そうでなくても、打ち間違いや手書き文字の読み間違いで金額を間違えられているケースもあるので、必ずレシートをチェックしてください。
サービスに納得いかなくても少額のチップを払う
サービスに納得いかなかった場合はチップを払いたくないですよね。ただし、その場合でもチップ0にするのはおすすめできません。
チップを払わなかった結果、店員に店の外まで追いかけられたという旅行客も存在しています。異国の地で怖い思いをして、せっかくの旅行を台無しにしないためにも、最低限のチップは払うほうがよいでしょう。
まとめ
この記事では、チップの支払い方法や注意点を解説してきました。クレジットカードで会計をする場合でもチップは現金でも払えるので、手持ちに合わせて選択できて安心です。
チップについてしっかり予習して、海外旅行を楽しんでくださいね。
早稲田大学創造理工学研究科の修士課程にて経営工学の知見を深めたあと、メーカーでの技術職を経験。その後、フリーライターに転身して独立。金融・ビジネス・転職系を中心に幅広い分野で執筆。編集・ディレクター業もしています。マネ会ではライターとして、クレジットカードの記事を担当。難しい特典や仕組みを、噛み砕いてわかりやすくお届けするのが得意です。海外フリーランスとして一年の半分以上を国外で過ごしているため、「エポスカード」の海外旅行保険がかかせません。