マルチカレンシーキャッシュパスポートについて徹底解説!メリットやデメリット、使い方も紹介
海外旅行や海外留学するのに、多額の現金を持ち歩くのは不安という方もいるでしょう。未成年だとクレジットカードも使えないので困りますよね。
そのような方におすすめなのが、マルチカレンシーキャッシュパスポート。誰でも申し込みできる、海外対応のプリペイドカードです。
この記事ではマルチカレンシーキャッシュパスポートの特徴やメリット、使い方を解説しています。海外にお金を持ち込む手段を探している方は、ぜひご覧ください。
マルチカレンシーキャッシュパスポートとは?
マルチカレンシーキャッシュパスポートは、海外旅行者のためのプリペイドカードです。
Mastercardの加盟店でのショッピングや、海外のATMで現地通貨の引き出しができ、未成年でも利用できます。現地の銀行口座は必要ないので、海外にお金を持っていく手段として便利です。
年会費は無料なので、海外に行く機会が多い方も使いやすいでしょう。
マルチカレンシーキャッシュパスポートをおすすめしたい方
マルチカレンシーキャッシュパスポートの利用をおすすめしたいのは、下記のどれかに当てはまる方です。
- 海外に中長期滞在する
- 複数の国に旅行する
- 未成年
- クレジットカードを持ち歩きたくない
逆に、短期間の旅行を考えているだけで、クレジットカードを持っている場合はわざわざ用意する必要はありません。短期間しか使わない場合、コスト面の負担が大きくなるからです。
このような説明をする根拠となる、メリット・デメリットを紹介していきます。
マルチカレンシーキャッシュパスポートの5つのメリット
マルチカレンシーキャッシュパスポートを利用すると、5つのメリットがあります。
- 9種類の通貨をカード1枚で扱える
- ATMで現地通貨を引き出せる
- 年齢制限がない
- 窓口やインターネットバンキングで再入金が簡単
- プリペイドタイプのため、盗難や紛失にあっても被害が限定的
年会費無料で、カード発行手数料もかからないのに、メリットがたくさんあります。現地で銀行口座を開く必要もないため、お子様の留学や長期旅行にはおすすめのカードです。
それぞれ詳細を説明します。
アメリカドルからユーロ、香港ドルまで9種類の通貨を1枚のカードで扱える
マルチカレンシーキャッシュパスポートで入金できる通貨は9種類。すべての通貨を同時に入金することができます。
- 日本円
- アメリカドル
- ユーロ
- イギリスポンド
- オーストラリアドル
- ニュージーランドドル
- カナダドル
- シンガポールドル
- 香港ドル
これらは専用のウェブサイトで移動可能なので、必要な通貨がすぐに用意できます。海外に到着してから、両替手数料を取られる心配はありません。
その他の通貨の場合も、チャージしている通貨から両替して現金を引き出すことができるので便利です。
ATMで現地通貨を引き出せる
マルチカレンシーキャッシュパスポートは世界210以上の国や地域で使えます。
Mastercardの加盟店ならカード払いが可能です。また、Mastercardに対応しているATMなら、現地通貨の引き出しもできます。
キャッシュカード兼クレジットカードとして利用できるので、海外でも便利ですね。
年齢制限がない
マルチカレンシーキャッシュパスポートは、年齢制限がありません。そのため、クレジットカードを持てないお子様でも利用できます。
他社のキャッシュパスポートは、15歳以上などの年齢制限を設けているものも多いです。その点、マルチカレンシーキャッシュパスポートは何歳でも発行できるのが特徴です。
長期の語学留学の場合、現地の生活費をすべて現金で持っていくのは不安ですよね。しかし、お子様がお金を持っていく手段は限られています。
そんなときこそマルチカレンシーキャッシュパスポートの出番です。
窓口やインターネットバンキングで再入金が簡単にできる
マルチカレンシーキャッシュパスポートの残高が少なくなってきても、再入金は簡単です。トラベレックスの窓口のほか、ATMやインターネットバンキングからの振り込みに対応しているので、使いやすい手段を選べます。
通常、海外送金には現地の銀行口座が必要です。しかし、キャッシュパスポートならば銀行なしでも入金できるのが魅力ですね。
プリペイドタイプなので紛失してもリスクは限定的
マルチカレンシーキャッシュパスポートはプリペイドタイプなので、使えるのは入金した金額だけです。そのため、買い物をしすぎて高額の請求がくるといった心配がありません。
また、万が一盗難・紛失にあってもチャージ分以上使われることがないので、リスクを最低限に抑えることができます。
海外の治安が不安な方は、マルチカレンシーキャッシュパスポートを使ってトラブルの被害に備えてみてもよいでしょう。
マルチカレンシーキャッシュパスポートの3つのデメリット
あらかじめ、マルチカレンシーキャッシュパスポートのデメリットも知っておきましょう。利用における不便な点は3つあります。
- 日本国内で利用できない
- カード内のお金の現金化には手数料がかかる
- 本人以外の入金には手間がかかる
2020年の3月に変わったばかりのルールもありますので、よく内容を確認してください。
日本国内で利用できない
マルチカレンシーキャッシュパスポートは、日本国内の支払いには利用できません。そのため、チャージしすぎに注意しましょう。
海外にいるうちに使える金額分だけチャージし、端数になる分は現金やクレジットカードで帳尻を合わせれば、無駄なく使い切れます。
カード内のお金の現金化には手数料がかかる
マルチカレンシーキャッシュパスポートで使い切れなかったチャージ金額は、払い戻しすることが可能です。しかし、払い戻しには550円(税込)の手数料がかかります。
チャージにも払い戻しにも手数料がかかるため、短期利用だと損する可能性が高いです。基本的に中長期滞在者向けのサービスであると理解しましょう。
家族など利用本人以外からの入金には手間がかかる
2020年3月から、代理人による再入金ができなくなりました。
たとえば、子どもの留学用にマルチカレンシーキャッシュパスポートを作った場合、親が店舗でチャージしたり、銀行振込したりすることはできません。
以前は代理人申請をすれば親がチャージすることもできましたが、ルールが変わったので要注意です。
マルチカレンシーキャッシュパスポートの名義と同一の銀行口座ならば振り込みができます。子供の名義のカードは、その子供の日本の銀行口座に入金し、カードにチャージしなければならなくなったので少し不便ですね。
マルチカレンシーキャッシュパスポートの使い方
ここではマルチカレンシーキャッシュパスポートを発行してから使うまでの流れを解説します。
- カード発行
トラベレックスの店舗で発行手続きをする - 支払いに利用する
海外のATMに差し込むことで現地通貨を引き出すことが可能で、クレジットカードの代わりとしても利用できる - 再入金する
残金が少なくなってきたら再入金して利用する
支払いは窓口のほか、インターネットバンキングにも対応しているので、海外からでもすぐに入金可能です。
マルチカレンシーキャッシュパスポートのまとめ
マルチカレンシーキャッシュパスポートは、海外の長期滞在に便利なプリペイドカードです。
クレジットカードを持てない未成年でも所有でき、現地の銀行口座もいらないので、留学を考えている方には使いやすいでしょう。
手数料がかかり、日本国内で使えないというデメリットもあるので、必要性を考えてから発行することをおすすめします。
早稲田大学創造理工学研究科の修士課程にて経営工学の知見を深めたあと、メーカーでの技術職を経験。その後、フリーライターに転身して独立。金融・ビジネス・転職系を中心に幅広い分野で執筆。編集・ディレクター業もしています。マネ会ではライターとして、クレジットカードの記事を担当。難しい特典や仕組みを、噛み砕いてわかりやすくお届けするのが得意です。海外フリーランスとして一年の半分以上を国外で過ごしているため、「エポスカード」の海外旅行保険がかかせません。