2016年株式投資家が悲鳴を上げた株トップ5

2016年株式投資家が悲鳴を上げた株トップ5

2016年は年初18,400円だった日経平均は19100円とやや成長してはいますが、ブレグジットショック、トランプショック等大きな暴落があり一時日経平均が14,000台をつける激動の年となりました。

個別株はさらに激動の年となり、多くの投資家たちが難しい1年だったと語ります。

さて、その中でも投資家を窮地に貶めた株たちを紹介していきます。

5位 ピーシーデポ(PCデポ) ツイッターからの大騒動

とあるツイッターの投稿から始まった大騒動。契約の内容に関する問題、契約解除時の高額解除料問題で一時TVニュースでも放送されたため、ご存じの方は多いのではないでしょうか。

初日こそそこまで大きな問題ではないと思われていましたが、日を増すごとに新たな問題が出続け、結果的に一時1,352円をつけていた株価が1ヵ月で半値以下の500円台をつけると激しい下落を伴いました。

4位 ブランジスタ 急騰からの急落

元々500円の株が、ブランジスタゲームという部署を作ることの思惑で1,500円前後まで上昇。そこからさらに秋元氏が関わり、また画期的なゲームを開発するということで思惑が思惑を呼び、最大15,850円までいきました。こちらは、恩恵に預かれた投資家もかなり多いと思われます。

ではなぜこの株が4位に入るのか。それは15,850円をつけた日におきました。
そこまでの3日間が、12%、15%、13%と超イケイケムードの中、当日も10%ギャップアップからのスタート、そしてそこからストップ高をつけ、これはどこまでいくかわからないという思惑が漂う中、突然の急落、途中少し戻したりするもののそのまま下落の勢いは止まらずストップ安へ。15,850→9,850と1枚持っているだけで1日の間に60万の評価額の減少を起こしました。下落率は38%弱。そして翌日はストップ安の8,350円スタートで9,800円まで戻すも最後はストップ安に。

そして翌日も勢いは止まらずストップ安へ。

たったの3日間で15,850円の株が6,850円まで下落することとなりました。100円、200円の株ならば半値落ちはよくあることですが、これほどの値嵩株が短期間でここまでの下落を伴うことは中々に珍しいです。

そして、神の手というクレーンゲームが発表され、株価は急騰するも、いざ神の手が開始すると怒涛のストップ安に。そこからは下落の一途をたどり、2000円を割る展開になりました。

3位 フィット 期待のIPO株の凋落

こちらは今までと若干方向性が違い、IPO株からの紹介となります。
上場前の段階では期待のIPO株ということで非常に多くの応募があり、初値は4,000円とも5,000円とも言われておりました。しかし、いざ蓋を開けてみると売り気配スタート。初値は1,741円と公募価格を7.9%下回る結果となりました。そこからさらに下落の一途をたどります。

そして、上場からたったの2か月後、株主の期待も虚しく上場から1回目の決算の延期を発表。株価は880円まで下落します。そしてそのまま初値である1,741円に到達することは一度もありませんでした。

2位 フューチャーベンチャーキャピタル(FVC) ZMP上場…からの延期

これはFVCが悲鳴を上げさせた。というよりかはZMP(自動運転関連の会社)が悲鳴を上げさせたといってもいいことなのですが、ZMPは上場しておりませんのでFVCが該当となります。

ZMP関連銘柄として有名なFVC。ZMP上場が決まり、ZMP株を持っているかどうか確証がなかったFVCが実はある程度の株主であったことが判明し、上場も決まり、株もあるということも確定したことで安心した投資家がFVC株を次々に買い漁り株価は1379円から3,075円まで上昇します。

そして、上場一歩手前の日。ZMPが顧客情報流出を理由に上場延期となります。

上場延期となると、ZMPの株を売却することで利益を得る予定のFVCの思惑が消え去ってしまうこととなります。

様々な箇所で、延期ということは再上場も視野に入れているはずだしそんなに株価への影響はないはず。等のポジティブトークがありましたが、それらの声も届かずストップ安が続き、3日後にストップ安の値段で寄ることとなりました。うち2日は寄らずのストップ安です。

3位までとの株との違いは、この寄らずの部分が大きいです。寄らずのストップ安とは、売り気配が多すぎるために取引が成立せず、15:00の時点で買いが入った部分だけ取引ができる状態のことを示します。

FVCの場合売り数百万、買い数千~数万等の大きな差となったため99%の株主は持ち株を売ることは叶いませんでした。

3位までの株は、ずっと保持していると痛い目を見ますが、売ろうと思えば何度でも売ることができたため致命傷を負う人は少ないのです。

反してFVCは発表前に2,974円だった株価は1,574円まで寄らずだったため、何の逃げ場もなく持ち株評価額が半額となってしまいました。

1位 アキュセラ・インク 別格。数年レベルの大暴落

※今は窪田製薬へ名前を変えたため記録がありません。

2016年堂々の1位はアキュセラ・インクです。他の株とは格が違います。6日連続ストップ安をつけ株価は7,700円から1,190円となんと下落率脅威の84.5%です。

当時のアキュセラはバイオ株であり、エミクススタト塩酸塩の臨床試験中であり、株価急騰の要因は試験結果発表への期待感からくるものでした。

この株の恐ろしいところは以下の3点となります。

① 6月の頭に発表すると噂されていた臨床試験結果(失敗)が、5月26日に発表されたこと
② 5月25日に7,700円から謎の急落でストップ安をつけたこと
③ ②の件について日本取引所グループからインサイダーの疑いで調査開始の発表があったこと

アキュセラは急騰していた株であり、臨床試験結果が出る前に逃げようとしていた人は相当数いました。しかし、6月の頭だと思われていたため、逃げるにしても6月に入ってから。という人が多く、リスクを背負う覚悟がないままダメージを受けた人が多くありました。

5月25日、7,700円から謎の急落によって、理由なしの急落は買いだ!というリバ狙いのデイトレ組が突入しました。そこからストップ安に恐ろしい勢いで下がり、リバ狙い組は利確ポイントがないままストップ安で張り付けられました。

ストップ安をつけたとはいえ特に悪材料が出ていたわけでもないので、ただの調整だろう。急騰していたからね。という意見が多く全体としては楽観的なムードが漂っていました。

そして運命の日5月26日。朝一番で臨床試験結果(失敗)が発表されました。売りは見る見る増えていき8時すぎの時点ですでに寄らずのストップ安がほぼ決定するレベルの売り株数へ。リスク回避を考えていたホルダーや、すぐ売るつもりだったリバ狙いのデイトレーダーを巻き込み事態は大事となりました。

株主たちは阿鼻叫喚となり、絶対にこれはおかしい。炭酸(インサイダーの隠語)だ!と声を大にして叫びました。自分の首を絞めることになるとは知らずに。

3日連続ストップ安し、もはや周りも楽しみだし、4日寄らずだったらいくら、5日寄らずだったら…という話題がつきませんでした。とはいえ4日目から値幅拡大。そろそろ寄るか?というところでさらに追い打ちをかけるように、日本取引所からアキュセラ株についてインサイダー取引が行われた可能性があるとして捜査に着手との発表が行われました。

ただでさえ寄らずのストップ安であるところに追加の悪材料。話題はアキュセラ1色に染まっていきました。

そこからさらにストップ安が続きました。さらに悪いことに、アキュセラはSBI証券でのみ信用取引が可能であり、ツイッターでは含み損が1000万を超えた。多額の借金を抱えたなどのツイートが出始めてきました。

そして、6日連続ストップ安をつけ、7日目の朝、アキュセラは無事寄り付き、取引が開始されました。株主にとってはまさに悪夢の1週間となりました。

番外編

ランクインはしませんでしたが、これもなかなか…というのもいくつか。
アークン:セキュリティ会社が情報漏洩…しかもお詫びがしょぼすぎる。と笑えないスタートで株価は1年間で80%OFFに。大きな会社ではなかったため被害者が少ないのが救いです。

東芝:不適切会計で下落、その後日経の後押しもあり戻したところで粉飾決算でストップ安。と波乱の1年を送りました。
任天堂:ポケモンGOで1相場、しかし業績への影響は織り込み済みで暴落。そしてマリオランで1相場。瞬間の暴落は痛かったものの、相場開始前より株価は上がっているのでいい株であったともいえます。

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