買いより売りが大事!株式投資の「売るタイミング」3つの考え方

買いより売りが大事!株式投資の「売るタイミング」3つの考え方

株式投資を始めた時、買う銘柄を決めるのは楽しい作業ですよね。しかし、すぐに大きな課題にぶち当たります。「いつ売ればいいの?」ということです。

実は株式は買うより売る方がタイミングが難しいのです。
今回は、株式投資初心者のために株式の売却タイミングについて、タイミングの3つの方法を紹介しながらまとめていきます。

株は買うより売るのが難しい

どの銘柄を買うかを決めたら、あまりその時の株価は気にせずに買う、という方は多いのではないでしょうか?そこからまだ上がると思っているからこそ、買おう!と思ったのですから。

では、実際株価が上がったとしましょう。さてあなたは今売りますか?…実はここで売れない人が多いのです。私もそうでした。「もっと上がるかもしれない」という思いが、売る決断を引き延ばしてしまう。そして売るタイミングを逃してその後株価は下落、結局損切りするハメになってしまうのです。

では、株価が下がったとしましょう。さてあなたはどうしますか?この時、「この銘柄の実力はそんなものじゃない」と思って売らずに持っておく人も多いはずです。私もそうでした。絶対に上がってくることを信じて塩漬けして、結局下がる一方で泣きを見た人は少なくないでしょう。

そう、株式は買う時よりも売るタイミングが重要なのです。そして売るタイミングこそが難しいのです。

株式の売却タイミングに正解はない

株式の売却タイミングにはいくつかの考え方があります。しかし、最初に知っておいてほしいことは唯一の正解はないということです。もし唯一の正解があったら、そもそも取引が成立しません。

株式の売却タイミングは今の株価に対する評価によって変わります。ようはあなたが「今は株価が高すぎる」と思えば売ればいいし、「まだ安い」と思えば持っておけばいい話です。

しかし、自分の感覚にまかせた株式投資の危険性はもうご理解いただけたはずです。我々人間というのは、その時の状況によって簡単に心変わりしてしまうもの。ちゃんとルールを作ってその通りに運用しなければ痛い目を見るのが投資の常なのです。

したがって、自分なりの売却ルールを見つけることが最終目標になります。

株を買う時に売るタイミングを決める

株式を売るタイミングは、その株式を買う時に決めておくのがベストです。なぜなら、株式を買った後に売却方針を決めると、その株式のパフォーマンスに判断が左右されてしまうからです。

初心者のうちは特に判断がぶれてしまうものですから、最初から「この株価になったら売る」という方針を最初から決めておくことをおすすめします。

ネット証券を使う場合は、指値売りと逆指値の機能を使うことで、あらかじめ売るタイミングを指定できます。

すると、その指定の株価になったときに自動的に売買をしてくれるので、デイトレーダーのように一日中パソコンに張り付くことができない投資家はぜひ活用したいところです。

株を売るタイミングの決め方3つ

株を売るタイミングの決め方はいくつかありますが、ここでは代表的な3つの方法をご紹介しましょう。

1.目標の損益で売る

購入する銘柄について、あらかじめ期待する利益と負える損失を決めておき、その金額に達した時に売る方法です。

この方法のメリットは安全かつ確実なことろです。最大損失額を設定してあるのでそれ以上損を出すことはありませんし、期待した利益に達した時に売却するため利益を確定できます。

この方法の難しいポイントは、期待利益と最大損失をどう見極めるかです。正解がないので、自分なりの方法を見つけるしかありません。最初のうちは株価が10%上昇か5%下落したタイミングで売る、というある程度の決めうちをしていくと良いでしょう。その間に研究を重ねて自分の最適解を見つけていきます。

参考までに、割安か割高かを判断するPERPBRといった指標があり、そういう指標をもとに計算する方法もメジャーです。それを使うかは賛否両論ですが、勉強のきっかけとしては申し分ありません。株式投資をやっていれば必ず目にする指標なので勉強してみる価値はあります。

2.月末や週末などで区切って売る

最もシンプルなタイミングとして、期間で区切ってしまう手もあります。単純ですが意外と有効な手でもあります。

具体的には、1日・1週間・1ヵ月など区切りのいいタイミングで、持っているすべての資産を一度清算してしまいます。1ヵ月を区切りに設定したのであれば、月末にどんなに損失が出ていようが、利益が出ていようが一度売却してしまって、次も買うかは銘柄選別の結果次第で決める。

この方法のメリットは気持ちをずるずる引きずらずに済む点にあります。どうしても自分が買っている株式には過大な期待をしてしまうものですが、この方法なら淡い期待を一度バッサリと切り捨てることができます。そして、まっさらな気持ちですべての銘柄と向き合うことができます。

この方法のデメリットは金額を決めうちしていないので、大幅な利益が出る可能性がある一方、思った以上の損をする可能性がある点です。

3.チャートの上げ下げで売る

チャートを見てその傾向を読み取り、上がったタイミングで売る方法です。一般にはテクニカル分析とかチャート分析と呼ばれているものと考えてください。

統計学的な手法を用いて、市場状況や株価状況から将来の株価の動きを予測するため、ある程度の効果を発揮するものと考えられています。

この方法のメリットは短期的な値動きの予測力にたけている点です。株式を買う時に参考にする資料としては、財務情報などをもとにしたファンダメンタルズ分析なども使われます。

しかし、財務情報は所詮過去の情報であるため未来を見る力はありませんし、短期的な株価の上げ下げを見抜く力は皆無と言えます。その点を補うことができます。

なによりも、こういう手法が確立されているということは、多くの人がこれに従って取引をするということです。その結果、実際の株価もテクニカル分析に準じた結果で出るのは自明の理です。有名なゴールデンクロスデッドクロスについては学んでおいて損はないはずです。

この方法のデメリットは分析通りにいく根拠はあまりない、ということです。所詮は「観察したところそういう傾向がみられる」と言える程度なのです。したがって、分析結果通りにならなかった時の対処法は検討しておかなければなりません。

株式の運用頻度で異なるタイミング

さて、3つの株式売却タイミングの決め方をご紹介しましたが、株式運用頻度によって少しずつ扱いが変わってきます。

長期投資(年単位)を目的として株式投資を行う場合は、テクニカル分析(3.チャートの上げ下げで売る)はあまり向かない傾向にあります。というよりも、長期的に成長することを見込んで買うのであればチャートの値動きに気を取られずにいた方が得策です。テクニカル分析をするのはある程度時間が経って、清算を検討するタイミングで大丈夫です。

短期的な運用(月単位以内)の場合は、テクニカル分析に頼る場面も増えるでしょう。しっかりと知識を持っておいた方が上手くいく確率が上がります。

また、長く持ち過ぎないために2.の期間で区切って清算する方法を併用すると良いでしょう。また、1.の損益で区切る方法も用いて必ず損切りの設定をしておいてください。短期投資のコツはずるずる行かないことです。

初心者におすすめの売却タイミング

株式投資初心者の間は、1.の方法で自分なりに損益の範囲を区切っておいて、とにかく大損しないようにやるのが得策です。

また、銘柄選定や評価の練習のために2.の方法を併用して、1週間か1ヵ月で期間を区切って清算してしまうのがおすすめです。

そうやって運用しながら3.のチャート分析の手法を勉強したり、銘柄選定のためのファンダメンタルズ分析の勉強をして知識を深めましょう。

最終的には3つの方法をうまく組み合わせて、最も利益を出せて、最も損失を出しにくい組み合わせをを見つけていくと良いでしょう。

まとめ

・株式投資は売るタイミングが難しい
・買う時に売るタイミングを決めておく
・売るタイミングの考え方は3つある
・初心者のうちは株価決めうち+清算期間でリスク回避を優先しよう

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