個人事業主がビジネス用クレジットカードを持つメリット、選び方、審査を徹底解説!

個人事業主として独立したばかりだと、収入が安定せず、クレジットカードの審査に通るか不安です。たしかに、収入が安定しない個人事業主だと、クレジットカード会社の審査は厳しくなりやすいです。
しかし、個人事業主でも審査に通りやすいビジネス用のクレジットカードはあります。
この記事では、個人事業主がビジネス用のクレジットカードを持つメリットやデメリット、選び方、審査の通りやすさのほかに、おすすめのビジネスカードを解説します。
せっかく始めた事業の資金繰りで苦労しないために、お役立てください。
個人事業主におすすめのビジネス用クレジットカード3選!
個人事業主がビジネスカードを選ぶ際には、ステータス、ポイント還元率、付帯保険、年会費、審査の通りやすさなど、人によって重視するポイントが異なります。
付帯サービスが豊富で多くの個人事業主に選ばれている、おすすめのビジネスカードを3種類ご紹介します。
カード付帯の保険重視派におすすめ!JCBゴールド法人カード
JCBゴールド法人カードは、日本が誇る唯一の国際ブランドJCBが発行する法人ゴールドカードです。
ワンランクの上のカードを持ちたい方、ビジネスカードの限度額を上げたい方、充実した保険が付帯していて欲しい方におすすめのカードです。

- 中小企業・個人事業主向けのスタンダードな法人カード
- 従業員カードの付帯やETCカードの複数枚発行など、ビジネス拡大時に役立つサービスが充実
- 法人会員向けサービスの付帯で業務効率化、経費削減を実現
年会費初年度 | 無料 |
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年会費2年目〜 | 11,000円(税込) |
ポイント還元率 | 0.1% |
発行スピード | 最短3営業日 |
国際ブランド |
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電子マネー |
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- 付帯サービス
JCBゴールド法人カードとはどのようなカードなのか、基本情報を表にまとめました。
追加カード(税込) |
3,300円 |
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入会資格 | 18歳以上で安定した収入のある法人・個人事業主 |
限度額 | 審査により個別に設定 |
電子マネー |
QUICPay |
付帯保険 |
・最高1億円の海外旅行保険 (自動付帯) ・最高5,000万円の国内旅行保険 (利用付帯) ・最高500万円のショッピングガード保険 ・最高2万円出航遅延費用保険金 ・最高2万円乗継遅延費用費用保険金 ・最高2万円寄託手荷物遅延費用保険 ・最高4万円寄託手荷物紛失 |
付帯サービス |
・空港ラウンジの無料利用 ・ゴルフエントリーサービス ・ドクターダイレクト24 ・健康チェックサービス ・JCB.ANA@desk/JCB de JAL ONLINE ・JR東海プラスEXサービス ・JCBタクシーチケット |
JCBゴールド法人カードの年会費は11,000円(税込)ですが、オンラインで申し込みをすれば、初年度年会費が無料になります。そのため、お試しで1年間無料で使ってみて、使い勝手が悪ければ解約することも可能です。
海外・国内旅行保険だけでなく、飛行機の乗継遅延費用や寄託手荷物紛失費用まで付帯しています。
飛行機が遅れて乗継に間に合わなかったり、預けた荷物が紛失したりするのは珍しいことではないので、出張が多い個人事業主の方は、持っておくと安心のビジネスカードです。
また、JCBゴールド法人カードにはビジネスに役立つ付帯サービスも豊富です。全国1,200カ所のゴルフ場の予約代行をしてくれるゴルフエントリーサービスがあるので、取引先との急なゴルフが入っても安心です。
人間ドックを優待料金で利用可能で、24時間365日無料相談できる「ドクターダイレクト24」や専門家のアドバイスや病院紹介が受けられる「健康チェックサービス」などの健康サービスも付帯しています。
個人事業主は健康が資本で、自分で自分の健康を管理し守っていく必要があるので、ビジネスカードに付帯する健康サービスを活用するのは良い方法といえます。
審査の条件は「法人または個人事業主であり、18歳以上の申込者」と比較的緩いのもポイント。最近の口コミを調べると、審査に通ったという報告も多いのが魅力です。
低コスト!三井住友ビジネス for Owners クラシック(一般)カード
これまでの三井住友カードのビジネスカードは個人事業主への発行は厳しかったのですが、2017年に発行が始まった「三井住友ビジネスカード for Owners」は、個人事業主である経営者本人の信用力で発行が可能なので、起業したての個人事業主でも発行が可能です。

- インターネット入会で初年度年会費無料!
- 登記簿謄本・決算書提出不要
- 経費精算を合理化して経費削減
年会費初年度 | 無料 |
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年会費2年目〜 | 1,375円(税込) |
ポイント還元率 | 0.5 〜 5% |
発行スピード | 最短即日 |
国際ブランド |
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電子マネー |
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- 付帯サービス
三井住友カードブランドなので、ステータス性があり、取引先の前でカード払いをする機会の多い事業主におすすめのカードです。
三井住友ビジネス for owners クラシック(一般)カードの基本情報を表にまとめました。
追加カード(税込) |
440円 |
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入会基準 | 法人・個人事業主 |
限度額 | 10~150万円 |
電子マネー | iD、PiTaPa、WAON |
スマホ決済 | Apple Pay |
付帯保険 |
・最高2,000万円の海外旅行保険 (利用付帯) ・年間100万円までのお買い物安心保険 (海外利用のみ対象) |
付帯サービス |
・JR東海エクスプレス予約サービス ・エアライン&ホテルデスク ・海外レンタカー優待サービス ・VJデスク ・航空券チケットレス発券サービス ・VISA ビジネスグルメオファー ・VJタクシーチケット ・福利厚生代行サービス ・国内ゴルフエントリーサービス |
三井住友ビジネスカード for Owners クラシックカードは、年会費が1,375円(税込)と低コストで持てるビジネスカードです。しかも、ネットから申し込むと初年度の年会費が無料になります。
ポイント還元率は0.3~0.5%と標準的ですが、コンビニやマクドナルドなどの対象店舗で通常の5倍ポイント、通販サイトでは最大20倍など、ポイントアッププログラムも充実しています。
また、低コストながら、ビジネスに役立つサービスも充実しています。東海道新幹線(東京~新大阪間)のネット予約&チケットレスサービス「プラスEXサービス」、最高2,000万円の海外旅行保険(利用付帯)、航空券チケットレス発券サービス、VISAビジネスグルメオファー、タクシーチケットの手配などの付帯サービスを活用できます。
さらに、格安で福利厚生代行サービス「ベネフィット・ワン」に加入可能というのも、個人事業主にはうれしいポイントです。
ビジネスカードの多くは、支払い方法が1回払いに限られている中で、三井住友ビジネスカード for Owners クラシックカードは、1回払いだけでなく、2回払い、分割払い、ボーナス払いなど支払い方法の選択肢が豊富なのも魅力の一つです。
三井住友ビジネスカード for Owners クラシックカードのホームページには、「設立間もない企業さまにもご入会いただいております。」という文言があるので、起業直後の個人事業主でも審査に通りやすいといえます。
申し込みの際にも、代表者本人の確認資料のみが必要で、登記簿謄本・決裁書不要。審査の手続きはインターネットで完結するのも魅力です。起業間もない個人事業主向けのカードといます。
高ステータス!アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」は、ステータス性の高いアメックスブランドのビジネスゴールドカードで、起業したての個人事業主も審査の対象としているカードです。

- 業務効率化、リモートワークを快適にするためのサポート
- 事業拡大にともなう人員不足の解消をサポートする特典をご用意
- 顧問料、ご利用料金等をカード決済できるプロフェッショナル・サービスのご紹介
年会費初年度 | 36,300円(税込) |
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年会費2年目〜 | 36,300円(税込) |
ポイント還元率 | 0.16%~1.0% |
発行スピード | 2週間程度 |
国際ブランド |
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電子マネー |
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- 付帯サービス
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードはステータス性の高いゴールドカードが欲しい人におすすめのカードです。アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードの特徴を表にまとめました。
追加カード(税込) | 13,200円 |
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入会基準 | 20歳以上で安定した収入のある法人・個人事業主 |
限度額 | 審査により個別に設定 |
スマホ決済 | Apple Pay |
付帯保険 |
・最高1億円の海外旅行保険 (5,000万円まで自動付帯) (最高10万円の飛行機遅延保険含む) ・最高5,000万円の国内旅行保険 (最高8万円の飛行機遅延保険含む) ・最高500万円の海外・国内ショッピング保険 ・キャンセル・プロテクション ・オンライン・プロテクション ・リターン・プロテクション |
付帯サービス |
・空港ラウンジの無料利用 (同伴者1名無料) ・空港手荷物宅配サービス ・空港クロークサービス ・空港送迎タクシーサービス ・無料ポーターサービス ・海外サポートデスク ・ゴールド・ダイニング by 招待日和 ・健康相談サービス ・クラブオフ ・ゴルフ優待サービス ・新国立劇場優待サービス ・チケット・アクセス ・メンバーシップ・プレビュー |
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、年会費34,100円(税込)と高ステータスのカードにふさわしい金額です。
しかも、ステータスが高いだけでなく、付帯保険や付帯サービスも充実していて、ワンランク上のビジネスライフをサポートしてくれます。
例えば、空港ラウンジの利用に本人だけでなく、同伴者1名も無料になります。また、旅行保険の内容も充実しており、海外・国内の旅行保険の両方で航空機の遅延費用を補償してもらえます。
また、空港からの手荷物無料宅配、空港で荷物を運ぶ「無料ポーターサービス」、東京駅から23区内の宿泊先に手荷物を当日無料宅配などのサービスで出張の時などのトラベルをしっかりとサポートしてもらえます。
さらに、取引先との食事や自分へのご褒美に活用できる「ビジネス・ダイニング by ぐるなび」、法人会員制クラブ「クラブオフ」VIPメンバーなどの付帯サービスも充実しています。
100円の利用で1ポイント貯まるポイントは、提携14社のマイルへ移行可能です。
年間200万円以上のカード利用で30,000ポイント(9,000円相当)のボーナスポイントがもらえます。
また、一般的な法人カードよりも審査が厳しくないという評判もあります。公式ホームページの審査基準によれば、「個人事業主であり、20歳以上の申申込者」と簡単な内容になっており、会社の営業実態などは提出しません。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードの審査では、会社の運営実績と同じくらい、カード申込者の信用情報が重要になっています。
そのため、個人のクレヒスが問題なければ、審査に通る可能性は高いといえます。
このように、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードはステータス重視派の個人事業主の方なら必携のビジネスカードです。
個人事業主のビジネス用クレジットカードの審査ってどうなの?
起業したての個人事業主でも発行が可能なビジネスカードもありますが、基本的には起業したての個人事業主には審査が厳しいカードが多いのが現実です。
ビジネスカードの審査のポイント
- 設立年数
- 実績
法人カードやビジネスカードの審査でみられる2つのポイントをご紹介します。
審査基準①設立年数
ビジネスカードや法人カードの一般的な審査基準としては、「設立後3~5年経っていること」といわれています。
しかし、設立1年目でも審査に通るカードもあります。実際に、ホームページに「設立間もない企業さまにもご入会いただいております。」という文言があるカードもあるので、そのようなカードは起業直後の個人事業主でも審査に通りやすいといえます。
審査基準②実績
ビジネスカード・法人カードの審査基準2つ目は、「2年連続黒字経営であること」です。
しかし、赤字経営でも代表者本人に信用があれば、審査に通るカードもあります。
個人事業主がビジネス用クレジットカードの審査に通りやすくなるコツ
個人事業主がビジネス用クレジットカードを申し込んだ際、審査で重視されるのは、申請者のクレヒスです。
個人事業主の場合は審査において、個人の信用が重要視されます。ほかのカードで延滞があったり、リボ払いやキャッシングの残債が多くあると審査に通るのは厳しいといえます。
また、クレヒスが良くても、個人事業主は法人経営者よりも審査が厳しいといわれているのも現実です。そこで、ビジネスカードの審査を通りやすくする3つのコツをご紹介します。
審査を通りやすくする3つのコツ
- 固定電話を置く
- 個人用のカードをゴールドカードなどハイステータスなカードにする
- 支払い口座を個人名義の口座にする
ビジネスカードの審査に通りやすくする3つのコツについて、どんな点に気を付ければよいのか解説していきます。
固定電話を置く
最近はスマートフォンが普及したため、固定電話を置かない個人事業主も増えていますが、クレジットカードの審査においてはマイナスです。
ビジネスカードを申し込む際の申込書に記載する電話番号は、固定電話の番号を書くと、会社内に社長以外の社員が常駐しているという印象を与えて、審査にプラスに働きやすいといわれています。
審査に不安があるという方は、まずは固定電話を置くようにしましょう。
個人用のカードをゴールドカードなどハイステータスなカードにする
年会費無料や年会費の安い、ステータスの低いカードの方が審査に通りやすいと思いがちですが、そうではありません。
年会費が担保の代わりをするので、年会費無料や年会費の安いカードよりも年会費の高いビジネスカードを選ぶとよいでしょう。
また、個人事業主が個人用にゴールドカードやプラチナカードなどのステータスの高いカードを持っていることも、申込者が社会的な信用があるとみなされて、審査に有利に働く可能性があります。
支払い口座を個人名義の口座にする
個人事業主がビジネスカードを申し込む場合は、個人の信用が重視されるので、支払い口座は会社名義の口座よりも個人名義の口座にする方が審査に有利に働く可能性があるといわれています。
使っていない銀行口座がない場合は、ビジネスカードの引き落とし口座用に一つ個人名義で口座を開設するようにしましょう。
個人事業主がビジネス用クレジットカードを持つメリット
個人事業主がビジネスカードを持つと、現金払いでは受けることのできない多くの補償やサービスを無料で受けられるなど、数えきれないメリットがあります。
そこで、ここでは個人事業主がビジネスカードを持つことの主な6つのメリットをご紹介します。
- 経費の管理がしやすくなる
- 支払期限に余裕がある
- ポイントやキャッシュバックを活用できる
- 出張を快適にするトラベルサービスを受けられる
- いざという時に安心な付帯保険がある
- ビジネスに役立つ付帯サービスを受けられる
それでは、6つのメリットを一つずつ解説していきます。
①経費の管理がしやすくなる
ビジネスカードを持つことの最大のメリットは、経費精算が楽になることです。
仕事用の経費はビジネスカードで支払い、プライベートな買い物は個人用のカードで支払うようにすると金銭の公私混同がなくなります。
仕事で発生する交通費、宿泊費、ガソリン代、接待、会食などの経費をビジネスカードで支払うことで、カード明細書には経費分しか載りません。
そのため、ビジネスカードの利用明細を見るだけで会計処理ができ、経費なのかプライベートの買い物なのか悩まなくてよくなります。
そして、毎月のカード明細書を見るだけで、いつ、どこで、なにを、どれくらい経費で使用したかが一目でわかるので、確定申告の際にも経費の証明に使えます。
確定申告の際に、経費かプライベートの買い物を悩んで経費の申告漏れになってしまうのを防げるのは、節税が課題の個人事業主には嬉しいメリットといえるでしょう。
②支払期限に余裕がある
事業にとって必要な支払いを現金や銀行振り込みですると、その場で支払わなければならず、支払期限に猶予がありません。
しかし、それらの支払いをビジネスカードですれば、30~60日間支払いが猶予されることになります。
手元にお金がなければ黒字でもビジネスに行き詰ることになってしまいます。資金繰りが大変な起業したての時こそ、ビジネスカードを活用して資金の流れに猶予をもたすべき時です。
ビジネスカードを活用することで、銀行からの借り入れを減らせたり、事業拡大に資金を回せたりもします。
個人カードよりもビジネスカードの方が限度額が高く設定されている場合が多いため、急な出費に備えることも可能です。
③ポイントやキャッシュバックを活用できる
現金ではなく、ビジネスカードで支払うことで利用金額に応じてポイントが付与されたり、キャッシュバックが受けられたりします。
貯まったポイントをマイルに交換して、出張や旅行に無料で行けたり、ギフト券や商品券に交換して、普段のお買い物に使ったりすることができます。
カードによって異なりますが、対象店舗でポイント倍率がアップしたり、利用金額に応じてボーナスポイントがもらえたりする特典もあるので、それらを活用することで、さらにお得になります。
利用金額が大きいビジネスカードだからこそ、ポイントやキャッシュバックといった特典を活用しない手はありません。
④出張を快適にするトラベルサービスを受けられる
クレジットカード機能だけでなく、ビジネスカードを持つことでさまざまなトラベルサービスを受けられるというのもメリットの一つです。
トラベルサービスの内容はカードによって異なりますが、一例として、空港ラウンジの無料利用、空港や駅からの手荷物無料宅配サービス、トラベルサポートデスクなどのサービスが付帯しているカードがあります。
JR東海EXサービス、航空券チケットレスサービスなど新幹線や飛行機のチケットを便利でお得に手配できるサービスもあります。
JR東海EXサービスの「プラスEX」なら自由席と同じ料金で指定席に乗れたり、予約変更は何度でも可能だったり、3日前までのネット予約でIC早割の適用となったりします。
これらのトラベルサービスを活用することでビジネスライフはよりお得で便利になります。
⑤いざという時に安心な付帯保険がある
ビジネスカードを持っているだけで、もしくは旅行代金をビジネスカードで支払っておくだけで、追加料金を払わなくても海外旅行保険や国内旅行保険がついているカードがあります。
補償内容や補償金額はカードによって異なりますが、旅行保険があることで旅行先でのケガや病気、携行品の損害、賠償責任などが生じた際にカード付帯の保険でカバーすることができます。
また、カードによっては旅行保険で航空機が遅延した際のホテル代や食事代、寄託手荷物が遅延・紛失した際の被服費などを補償してくれるものもあります。
さらに、ビジネスカードで購入したものが壊れた場合に補償してもらえるショッピング保険、ビジネスカードが盗まれたり、無くしたりして不正利用された際の盗難・紛失保険など、いざという時に補償が受けられます。
現金での支払いでは、これらの補償が全くありません。ビジネスカードを持つことで安心と安全を持つことにもなります。
⑥ビジネスに役立つ付帯サービスを受けられる
ビジネスカードはビジネスシーンで役立つサービスも数多く付帯しています。
例えば、タクシーチケットの手配、ゴルフエントリサービス、レストラン優待、福利厚生サービスなどの付帯サービスが受けられます。
また、経費精算や会計処理に役立つ財務会計システムデータ連携サービスなどもあり、経理業務の効率化、経営分析のためのツールとして活用することができます。
専門家からのコメント

個人事業主は、会社員とは異なり、年に1回の確定申告をしなければなりません。そのためには、日頃からビジネスにかかったお金を正確に把握しておく必要があります。
プライベートとビジネスでかかったお金を一緒にしていると、確定申告や帳簿作成が大変であるばかりではなく、補助金や事業融資を受ける際の妨げにもなりかねません。
このため、プライベートとビジネスのお金の出口であるクレジットカードはわけておくことをおすすめします。
個人事業主がビジネス用クレジットカードを持つデメリット
個人事業主がビジネスカードを持つことにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
ここでは、3つのデメリットをご紹介します。
- 年会費が必要
- 支払い方法が限られている
- 持ち歩くクレジットカードが増える
3つのデメリットを一つずつ解説していきます。
①年会費が必要
ビジネスカードは個人カードのような年会費無料のカードが少ないため、ビジネスカードを持とうと思うと年会費が必要になります。
しかし、年会費は経費に計上できるので、実質負担は大きくありません。そのため、ビジネスカードでワンランク上のカードを持つことで、実質負担を軽くして、ラグジュアリーなサービスを受けられるようになりますから、デメリットよりもメリットともいえるかもしれません。
どうしても年会費を支払いたくない場合は、年会費無料のビジネスカードもありますし、条件を満たすことで初年度年会費無料のカードや年会費1,000円台というビジネスカードもあります。
②支払い方法が限られる
ビジネスカードの支払い方法は1回払いのみといったように、個人カードのように分割払いやボーナス払いのような豊富な支払い方法がない場合がほとんどです。
個人カードと比較して支払いが高額になりがちなビジネスカードで支払い方法の選択肢が少ないというのはデメリットといえます。
しかし、中には分割払い・リボ払いが可能なビジネスカードも存在しますので、支払い方法を選びたいという方はそのようなカードを選ぶとよいでしょう。
③持ち歩くクレジットカードが増える
ビジネスカードを持つことにすると、常に個人カードとビジネスカード、最低2枚のカードを持ち歩かないといけなくなります。
保有クレジットカードの枚数が増えると管理が煩雑になるため、デメリットと感じる方もいるかもしれません。
専門家からのコメント

ビジネスを継続しておこなうためには、何よりも資金管理が重要になります。このため、ビジネスが軌道に乗るまでの間は、できる限りコストを下げることが大事です。
クレジットカードの特典が充実している高ステータスのカードは、年会費が高くなります。特典やステータスに惑わされず、自分のビジネスの規模に合ったクレジットカードを選択し、必要に応じてカードを切り替えるとよいでしょう。
個人事業主がビジネス用クレジットカードを選ぶときのポイント
ビジネスカードにもさまざまな種類があり、カードによって特徴が異なります。
自分にとって最適なビジネスカードを見つけるために役立つ5つのポイントをご紹介します。
ビジネスカードを選ぶときのポイント
- 個人事業主の利用が可能なクレジットカードか
- キャッシング枠があるか
- 利用限度額が十分にあるか
- ポイント還元率が高いか
- 特典やサービスが充実しているか
それぞれのポイントで、どのような点を確認すればよいのかを解説していきます。
個人事業主の利用が可能なクレジットカードか
ビジネスカードの中には、個人事業主が利用可能なものと法人経営者のみが利用可能なものがあります。
ビジネスカードを選ぶ際には、個人事業主が利用できるカードかどうかを確かめるようにしましょう。
キャッシング枠があるか
個人事業主の場合、資金調達方法が限られるので、急な出費にも対応できるようにキャッシング枠があると安心です。
仕事で海外に行く機会のある人であれば、海外でも利用できるキャッシング枠があると、ATMから現地通貨を調達でき、帰国後に繰り上げ返済すれば、両替所で両替するよりもお得に現地通貨を調達することができます。
利用限度額が十分にあるか
ビジネスカードは個人カードと比較して利用金額が高くなることが考えられます。そのため、まとまった額の出費に備えるため、利用限度額が高いカードが安心です。
ポイント還元率が高いか
ビジネスでは高額の出費があるので、ポイント還元率が高いとその分お得に利用できます。そのため、同じような年会費、付帯保険、付帯サービスなのであれば、ポイント還元率の高いカードを選ぶとよいでしょう。
また、還元率のほかにもポイントアッププログラムで自分がよく利用するお店でポイント倍率が高いものや利用金額に応じてボーナスポイントがもらえるものを選ぶという方法もあります。
特典やサービスが充実しているか
ビジネスカードの魅力にカードを保有しているだけで受けられる特典や付帯サービスがあります。
出張が多い方であれば、トラベルサービス、国内旅行保険、海外旅行保険などが充実しているものがよいでしょう。
買い物をする機会が多い方ならショッピング保険が付帯しているカード、取引先との食事や接待が多い方ならレストラン優待、ビジネス優待、ゴルフエントリーサービスなどが充実しているものがおすすめです。
従業人がいる方であれば、福利厚生代行サービスを利用できるカード、健康管理をしっかりしたい方には健康サービスが付帯しているカードもあります。
個人事業主のビジネス用クレジットカードまとめ
個人事業主がビジネスカードの持つことは、確定申告に備えた経費精算の面でも、ビジネスライフをより快適、便利、お得に変え、いざという時に安心できるという面でも多くのメリットがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ビジネスカードにもさまざまな種類がありますので、ご自身の事業形態に最適の1枚を見つけるために、ポイント還元率、キャッシング枠の有無、利用限度額、特典・サービス内容などのポイントを比較検討していただければと思います。

専門家からの一言
副業が大手企業で解禁されるなど、個人事業主となる人が増えてきました。気軽に始められる一方で、お金の管理については、意識していない人も多く見受けられます。
個人事業主としてビジネスをやる以上、帳簿をつけて、確定申告をしなければなりません。
年1回の確定申告時に苦労しないためにも、ご自身にあったビジネス用のクレジットカードを見つけ、適切に管理できる仕組みを作りましょう。
お金と時間の専門家。自分の家計について不安を抱き、第2子の育休中にファイナンシャルプランナーの資格を取得。知識をつけることで、お金に関する悩みが解消されたことから、誰でもお金の知識を学べる社会にしたいと思い活動している。その人の価値観やクセにあった家計管理が得意。家計管理や投資の始め方に関する講座の開催、執筆、個別相談を実施。また公認会計士としての知識も踏まえ、起業したい女性向けのセミナーも実施。さらに、ライフオーガナイザーとして時間管理に関するセミナーなどもおこなっている。
山田 琴江の監修記事・プロフィール一覧へ学生時代には月間1,000万PV規模のWebメディアでインターンを経験。 SI系のベンチャー企業での勤務を経て、2017年に株式会社サイバーエージェント入社ののち株式会社CyberSS(現:CyberOwl)に異動。 クレジットカードはアメリカン・エキスプレス・カード(グリーン)とJAL Global WALLET、キャッシュレスではLINE Payを愛用中。 釣りが趣味で船、陸問わず釣りに行く。どこかにマイルを使って南の島に釣りに行くのが目標。
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