資産運用初心者には「債券投資」がおすすめ!
今まで預金しかしたことのない人にとって投資というと「リスクが大きい」「損する」などのイメージが強いと思います。
確かに株式やFXのように売買差益を目的にする投資は約8割から9割の人が負けるといわれています。債券についてご存知でしょうか?
債券はあらかじめ条件が決められているため堅実に資産運用を行うことができます。
そこで初心者におすすめなのが債券投資になります。
今回は資産運用初心者は債券投資がおすすめについてご説明させて頂きます。
債券とは
債券とは国や地方自治体、民間企業等が資金調達のために発行する有価証券になります。
いわば、借用証書のようなものでお金を発行体に貸してその間金利を受取るという仕組みになります。
新規発行の際に購入して償還まで保有する場合、円建ての債券では利回りが明確になるため資産運用の計画が立てやすいといわれています。
債券のメリットとデメリット
債券投資のメリットデメリットについてまとめてみました。
- 安全性が高い
- 資産運用の計画が立てやすい
- 日本国や地域に貢献できる
債券は他の株やFX、不動産投資などに比べて安全性が高いのが特徴になります。
特に日本国債などは定期預金の代わりに保有する方が多いです。
日本の銀行は国債を購入して運用しているため、銀行に預けたお金も結局国債で運用していることになるからです。
更に、発行時に利率や額面、投資期間が決められているため資産運用の計画が立てやすく、国債や地方債などの公共債に投資をするということは地域や国に貢献していることにもなります。
続いては債券投資のデメリットについて見てきましょう。
- 収益が少ない
- 投資が長期になる
- 破綻や倒産などのリスクがある
債券投資は株やFXなどに比べて売買差益が少なく、大きなリターンを望むことが難しくなっており、ローリスク・ローリターンの資産運用法になります。
時間をかけずにリターン得たい人には向かないでしょう。
更に、債券投資では発行する国や企業等の破綻によって、元金や利息の支払いが滞る信用リスクがあります。
利回りと利率について
債券は、銀行預金のようにあらかじめ決められた金利を毎年受取ることができます。
これを表面利率(クーポン)と言います。
このクーポンの%は償還まで同じで、償還までの間に受取ることができます。
債券には価格が存在し、その価格は日々変動します。
債券は一般的に発行される際の額面は100円とされていて、額面は101円や98円など一定ではありません。
利回りとはこの額面価格と利率を合わせた%のことで、購入価格や期間などによって同じ条件の債券でも利回りは異なってきます。
例えば額面100万円、クーポン5%、期間1年の債券であれば利回りは5%になります。
これが額面90万円の際に購入すると利回りは16%になります。
このように、債券投資を始めるまでに、利率だけではなく利回りの計算もしておく必要があります。
格付けとは
自分の買いたい債券が、どのくらい破綻や倒産のリスクがないのかを見るための参考になるのが格付けになります。
格付けはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)やムーディーズ、国内では格付け投資センターや日本格付け研究所などがあります。
会社の信用力をアルファベットと記号で示したものが一般的です。
格付けランキングとその内容について表にまとめてみました。
格付け | 概要 |
安全性 |
---|---|---|
AAA | 信用度が最も高く、債務履行の確率が非常に高い |
投資適格債 |
AA |
債務履行の確率が極めて高い |
|
A |
債務履行の確率が高い |
|
BBB |
現状では債務履行の確率は高いが、経済状況によって影響を受ける |
|
BB | 当面は債務履行に問題はないが、経済環境によって影響される | 投機的格債 |
B |
債務履行の確実性に問題があり、将来債務不履行となる可能性が高い |
|
CCC |
現時点で不安定な要素があり将来的に債務不履行になる確率が高い |
|
CC |
債務不履行になる可能性が高い |
|
C |
債務不履行になる可能性が極めて高い |
|
D | 現時点で債務不履行になっている |
以上になります。BBBを境に投資と投機に分類されています。
利率は信用リスクが高い程高くなり、安全性が高いものほど低くなります。
この格付けは各債券ごとに行なわれ、同じ発行体でも評価が違う場合もあります。
格付けは定期的に見直しされていて、評価は機関ごとに異なる場合もあります。
債券投資を始めて行う方はなるべく格付けの高い債券から始めると良いでしょう。
初心者に向いている債券の種類
債券には様々な種類が存在しています。
初心者に向いている債券の種類についてご説明させて頂きます。
日本国債
日本国内で最も信用度が高い債券がこの日本国債になります。個人で買う場合は「個人向け国債」が有名です。
この債券は国が発行していて、安全性が高く、少額からでも購入可能なため人気があります。
期間は3年、5年、10年と3つのタイプがあり、3年と5年は固定金利で10年は変動金利を採用しています。
固定金利は、あらかじめ決められた金利が償還まで続くため運用益の計算が簡単にできます。
10年の変動金利は金利が変動するため償還までの運用益が計算できませんが、金利が上昇しやすい局面では有利になります。
個人向け国債概要
商品名 | 固定3年 |
固定5年 |
変動10年 |
期間 | 3年 | 5年 | 10年 |
金利 | 固定 | 固定 |
変動 |
発行月 | 毎月 | 毎月 | 毎月 |
購入場所 |
証券会社、銀行、郵便局、信託銀行、農協、信用組合、信用金庫など |
||
---|---|---|---|
購入単位 |
1万円以上1万円単位 |
||
利払い日 |
半年ごとの年2回 |
||
中途換金 | 可能、発行後1年経過すればいつでも売却可能。但し、ペナルティとして一定額の利息が差し引かれる。 |
地方債
公共債の一種である地方債も国債と同様に安全性が高い債券として人気があります。
国債よりも金利が高いことから、すぐに売り切れてしまうことも多いようです。
毎月さまざまな県や市などが発行しているため銘柄も豊富にあります。
- 個別発行公募地方債
- 共同開発公募地方債
- 住民参加型公募地方債
- 国債より利回りが高い
- 種類が多い
- 債券発行で集めた資金の使途がウェブサイトなどで確認することができる
地方債一覧表
分類 |
個別発行 公募地方債 |
共同発行市場 公募地方債 |
住民参加型市場 公募地方債 |
発行体 |
都道府県 政令指定都市 |
36の地方自治体が共同で発行 |
全国の都道府県、市町村 |
対象 | 一般投資家 | 一般投資家 |
発行する団体によって条件有 |
発行頻度 | 毎月 | 毎月 | 不定期 |
購入場所 |
証券会社、都市銀行、地方銀行や信用金庫など |
||
購入単位 | 1万円単位 | 10万円単位 |
1万円単位が多い |
利息の受取 |
半年ごとに年2回 |
||
期間 | 3年・5年・10年・20年 | 10年 |
3年〜7年 |
償還金額 |
額面と同じ |
||
中途換金 | いつでも可能 |
個別発行公募地方債とは、全国の機関投資家や個人を対象に各自治体が独自に発行する債券のことです。
共同発行公募地方債とは、地方自治体が共同して発行する債券になります。
住民参加型公募地方債とは、地域住民を対象にしていて、全国各地の市町村が独自に発行する債券になります。
このように国債や地方債は安全性が高く、ローリスク・ローリターンで投資をすることができるので初心者でも安心して行うことができます。
まとめ
債券を購入する前には利回りや格付けなどを確認しておくことが重要です。
初心者の方は、国債や地方債、慣れてきた方は社債や外国債券などリターンの高い債券もおすすめです。
いかがでしたか。この記事が皆様の一助になれば幸いです。
著者:hironohikari
前職では大手証券会社のコンサルティング業務に携わり、現在は金融ライター兼トレーダーとして活動しています。皆様のお役に立てる情報を発信していきたいと思います。