働き方に悩む看護師は多い?職場の種類や勤務形態・働き方改革についても解説
病院やクリニックのほか、介護施設や保育園など、看護師が働ける職場は様々あります。
また、常勤や非常勤、夜勤の有無や夜勤専従など、働き方の選択肢が多い仕事であり、働き方に悩む看護師の人は多いです。
希望する働き方で職場を選んだものの、残業が多かったり、有給休暇を取得できなかったりと、その悩みは人によって異なります。
そこでこの記事では、看護師の働き方を勤務形態別や職場別に解説します。
自分に合った働き方を見つけるポイントについても解説しますので、働き方に悩む看護師の方は、ぜひ参考にしてみてください。
先に結論をお伝えすると、今の働き方に悩んでいる看護師の人には、看護師転職サイトを使って求人を見つけるのがおすすめです。
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また、記事内では、看護師の仕事内容や1日のスケジュールについても解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
働き方に悩む看護師は多い
厚生労働省が平成22年に実施した「看護職員就業状況等実態調査結果」によると、働く看護師のうち約58.9%が過去に退職を経験しています。
職場を退職したということは、それに至る理由があったということです。
例えば、看護師の主な退職理由としては、以下のようなものが挙げられます。
退職理由 | 割合(複数回答可) |
---|---|
出産・育児のため | 22.1% |
結婚のため | 17.7% |
他施設への興味 | 15.1% |
人間関係がよくないから | 12.8% |
超過業務が多いため | 10.5% |
通勤が困難なため | 10.4% |
休暇がとれない・とりづらいため | 10.3% |
出産や育児、結婚など、ライフイベントの変化をきっかけに退職をする看護師が多い傾向にあります。
そのほか、人間関係の悪さや超過勤務の多さなど、職場環境や働き方が合わないことが原因で、退職を考える看護師も多いようです。
これらのことから、働き方に悩む看護師が多いことがわかります。
もし今の働き方に悩んでいる場合には、看護師転職サイトを使って、働きやすい求人を探してみることをおすすめします。
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【勤務形態別】看護師の働き方
看護師の働き方は、勤務形態によって大きく異なります。
ここでは「常勤」「非常勤」「交代制」「夜勤専従」の4つに分けて、詳しく説明していきます。
常勤(日勤のみ)
常勤とは、フルタイムで働く勤務形態のことです。
1日8時間勤務、週休2日制が一般的で、原則として1週間に最大40時間働きます。
給与以外に、ボーナスや退職金を受け取れ、福利厚生も充実していることが、常勤で働く大きなメリットです。
規則正しい生活を送りたい方にとっては、日勤のみでの働き方は理想といえますが、それでも育児や介護と両立するのは簡単ではありません。
そのため、週に40時間働くことが難しい場合は、非常勤の働き方も検討してみましょう。
非常勤(パート・アルバイト)
非常勤とは、パートやアルバイトとしての働き方を指します。
勤務時間は週40時間未満であることが多く、給与は時給で計算されることが一般的です。
非常勤の場合、ボーナスや退職金がないことが多く、通勤手当などの各種手当は雇用条件によって異なります。
しかし、午前中のみ、月水金のみのように、勤務時間や勤務日が調整しやすい点が非常勤の働き方を選ぶメリットです。
ただし、勤務先によっては、社会保険に加入できない点や、雇用期間が短期である点に注意が必要です。
そのため、より安定した働き方を希望する場合には、常勤を視野に入れて転職を検討してみるべきでしょう。
非常勤の働き方については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
夜勤あり(交代制)
交代制とは、二交代もしくは三交代で、1日をシフト制で勤務する形態のことです。
病棟や高度急性期病院など、入院設備のある施設では、24時間体制での看護が必要なため、交代制で対応します。
シフトの組み方は医療機関によって異なりますが、二交代制と三交代制のいずれかを採用していることが一般的です。
以下より、二交代制と三交代制の違いについて、それぞれ説明していきます。
二交代制
二交代制とは、日勤と夜勤の2つのシフトに分ける方式のことです。
日勤は8時間勤務、夜勤は16時間勤務となりますが、休憩時間を含めて前後に少し時間を設け、30分程度は引き継ぎの時間を確保することが一般的です。
ただ、二交代制はパターンが2つしかないため、三交代制と比べると生活リズムを安定させやすい傾向にあります。
また、夜勤の翌日は休日となるため、丸一日休みが多くなるという点もメリットです。
夜勤手当も多くつくため、収入を増やしたい看護師の人にも適した働き方といえるでしょう。
ただし、同じ夜勤でも、勤務先によって忙しさは大きく異なる点に注意が必要です。
例えば、高度急性期病院などでは、十分に仮眠や休憩が取れないことも多く、介護施設や一般病棟などでは、定時の見回り以外に仕事がないこともあります。
三交代制
三交代制とは、日勤・準夜勤・深夜勤の3つのシフトに分ける方式のことです。
基本的には、日勤・準夜勤・深夜勤それぞれを8時間勤務に設定している施設が多いです。なかには、日勤と準夜勤は短め、深夜勤を長めに設定している職場もあります。
三交代制では、夜勤の時間が二交代制よりも短いため、夜間も忙しくなることが多い高度急性期病院などで採用されていることが多いです。
三交代制の特徴として、勤務時間が短く、集中力を保ちやすい点が挙げられます。
しかし、準夜勤・深夜勤の翌日に丸一日休みが設けられていない点が、二交代制との違いです。
準夜勤の退勤時間と、深夜勤の出勤時間は深夜になるため、公共交通機関の利用が難しくなる点にも注意が必要です。
夜勤専従
夜勤専従は、その名のとおり「夜勤のみ」の働き方です。
すべての勤務で夜勤手当が支給されるため、効率良く収入を得られるメリットがあります。
ただし、昼夜逆転した生活を送ることになるため、世間と時間を合わせづらくなるデメリットも挙げられます。
夜勤専従は、介護施設や福祉施設などで導入されることの多い働き方であるため、効率よく稼ぎたい看護師の方は、それらの職場への転職を検討してみましょう。
【職場別】看護師の働き方
勤務先によって、看護師の働き方は変わります。
ここでは、看護師の勤務先・施設別に、働き方の特徴や適性、注意したいポイントなどを紹介していきます。
- 一般病院
- 大学病院
- クリニック・診療所
- 介護施設
- 訪問看護ステーション
- 保育園
- 福祉施設
- 一般企業
- 保健所・保健センター
- 看護系大学・看護専門学校
一般病院
病院は、患者さんの緊急度によって高度急性期病院(ICUを持つ病院)・急性期病院・回復期病院・慢性期病院に大別できます。
高度急性期病院は、24時間365日患者さんを受け入れているため、勤務する看護師は基本的に「夜勤あり」の働き方になります。
また、緊急対応のためにスケジュールが組みにくく、残業が多くなりがちな点も特徴です。
一方、急性期病院・回復期病院・慢性期病院では、病棟に配属されるか、一般外来に配属されるかで働き方が大きく異なります。
救急外来と病棟に配属された場合は「夜勤あり」となりますが、一般外来に配属された場合は夜勤がなく、残業も少ない傾向にあります。
大学病院
大学病院は、国立大学や私立大学、研究機関などに付属する病院です。
最先端の医療や、高度な看護技術を提供していることから、一般病院よりも専門的な知識や技術が求められます。
大学病院は研究機関であり、教育にも力を入れているため、研修会や勉強会などの教育が手厚い傾向にあるのが特徴です。
また、最先端の医療知識や技術を学べることから、看護師としてスキルアップを目指したい人におすすめの職場です。
一方で、大学病院に通う患者さんは重症であるケースも多く、その分看護師の働き方もハードになります。大学病院を目指す際には、体力面や精神面でタフさが求められる点には注意しておきましょう。
クリニック・診療所
クリニックや診療所は、基本的には「日勤のみ」の働き方となりますが、産婦人科などの入院施設のあるクリニックでは、夜勤シフトもあります。
また、土日祝日は休日となることが多いため、規則的な生活を送りやすいのもメリットです。
クリニックの多くは、午前診療と午後診療に分かれているため、フルタイムでの募集はそう多くありません。
一日数時間だけ働きたい方、非常勤として働きたい方は、クリニックや診療所がおすすめです。
介護施設
住宅型の介護施設では、夜勤だけでなくオンコール待機もあります。
しかし、夜勤専従の働き方を選択できる介護施設も多いため、「日勤のみ」で働くことも可能です。
一方、通所型の介護施設は、基本的には日勤シフトに固定され、土日祝日は休日です。
そのため、規則正しい生活をしたい方や、子どものスケジュールに合わせて働きたい方にとって、おすすめの勤務先といえるでしょう。
また、緊急対応が必要になることはあまりないため、残業が少ない点も特徴です。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションでは、基本的には「日勤のみ」の働き方が可能です。
土日祝日は休日の事業所も多く、基本的には規則正しい生活を送ることができます。
ただし、訪問看護ステーションによっては、土日祝日や夜間はオンコール対応が求められることもあり、出勤はしなくても、常に利用者さんの自宅に行けるよう備えておく姿勢が必要です。
また、普通自動車免許が必須となっている訪問看護ステーションも多いため、その点に注意しましょう。
保育園
保育園は基本的に「日勤のみ」のため、夜勤シフトをなるべく避けたい方におすすめです。
業務内容としては、健康観察や緊急時の対応などが主となりますが、それ以外の時間は保健だよりなどの作成や、保育士とともに保育業務にあたります。
また、退勤時間の間際に子どもがケガをしたなどの状況にならない限り、残業になることはありません。
子どもが好きな方や、定時に退勤できる職場を探している看護師にとっては、理想的な環境といえるでしょう。
福祉施設
障害者施設や児童福祉施設などの福祉施設は、看護師は「日勤のみ」かつ、土日祝日は休日というケースが多いです。
規則正しい生活を送りたい看護師にとっても、働きやすい環境といえるでしょう。
ただし、入所型の施設では、「夜勤あり」の働き方になることがあります。日勤のみを希望する方は、転勤する前にシフトを確認しておきましょう。
一般企業
企業内の保健室に勤務する産業保健師・産業看護師は、勤務先の一般社員と同様の働き方になります。
9時~17時・土日祝日は休日という企業であれば、保健師・看護師も同じ勤務時間、休日になるということです。
また、製薬企業などに勤務し、看護師としての知見を活かして、臨床開発モニター(CRA)や治験コーディネーター(CRO)として働く方もいます。
この場合も、夜勤シフトはなく土日祝日は休日となりますが、接待などに参加する機会もあり、帰宅時間がまちまちになることもあります。
保健所・保健センター
保健所や保健センターでは、地域の人々の健康支援をするのが看護師の主な役割です。
健康相談にのったり、健康診断や予防接種を実施したりして、地域の人々が体調を崩さないように予防する看護が求められます。
なお、保健所や保健センターは、地方自治体が運営しているため、そこに勤務する看護師は地方公務員として扱われます。
夜勤はなく、残業も少ない傾向にあるため、比較的落ち着いた働き方ができるでしょう。
しかし、保健所や保健センターでは、保健師が働いていることが多く、看護師として採用されるにはハードルが高い点に注意が必要です。
看護系大学・看護専門学校
看護師は病院やクリニック以外にも、看護系大学や専門学校で教員として働くこともできます。
看護師としての臨床経験を活かして、看護学生に授業や指導をおこなうのが主な役割です。
特に、経験が豊富な看護師の人ほど、手技や患者さんとのやりとりなどの技術面も詳しく教えられ、看護師としての経験を活かした働き方ができるでしょう。
ただし、講義資料の作成や、教員同士での打ち合わせなど、講義以外にも多くの業務があることは覚えておきましょう。
ほかにも、病院以外で看護師が働ける職場については、以下の記事で解説しています。合わせて読んでみてください。
看護師の仕事内容は?
看護師の具体的な仕事内容は「療養上の世話」「診察補助」の2種類に大別できます。
「療養上の世話」「診察補助」それぞれがどのような業務内容なのか、詳しく解説していきます。
療養上の世話
療養上の世話では、病気や怪我をしている患者さんに対して、以下のようなサポートをします。
- 移動の介助:歩行支援・車椅子への移動補助など
- 食事の介助:食事補助・嚥下訓練・口腔ケアなど
- 入浴の介助:全身清拭・洗髪・入浴援助など
- 排泄の介助:おむつ交換・排泄援助など
- 体位変換など
基本的には、患者さんが安全に療養生活を送れるようにサポートをするのが看護師の役割です。
ほかにも、患者さんの健康相談にのったり、ベッドメイキングや転倒予防をしたりなど、様々なサポートが求められます。
診察補助
診察補助では、医師の指示に従いながら、以下のような業務を担当します。
- 医療行為:注射・点滴・吸入・吸引など
- バイタルチェック:体温・血圧・脈拍の計測
- 患者さんの状態観察
- 医薬品・医療機器の管理
- 外来患者の問診や誘導
診察がスムーズに進むよう、医師の指示のもとで医療行為を実施したり、医師のサポートをします。
さらに、患者さんの家族とコミュニケーションをとったり、患者さんの異変に気づいたりすることも看護師の役割です。
看護師の1日のスケジュールは?
看護師の1日の働き方は、勤務形態や職場によっても異なります。
ここでは、二交代制で働く場合を例にして、看護師の1日のスケジュールを紹介します。
日勤の場合
二交代制の日勤で働く看護師は、一般的に以下のようなスケジュールの働き方をします。
時間 | 業務内容 |
---|---|
8:00 | 出勤 |
8:30 | 申し送り |
9:00 | 患者さんの情報収集 |
9:30 | 巡回・バイタルチェック |
10:30 | 入浴の介助 |
11:30 | 昼食の配膳・与薬 |
12:00 | 昼食休憩 |
13:00 | 昼食の介助・下膳・内服確認 |
13:30 | カンファレンス |
14:00 | 巡回・バイタルチェック |
15:00 | 看護記録の作成 |
16:30 | 申し送り |
17:00 | 退勤 |
日勤の一般的な勤務時間は、8:00〜17:00です。
施設によっては、申し送りと情報収集が前後する場合もありますが、基本的には上記のような働き方をする看護師が多いです。
夜勤の場合
二交代制の夜勤では、一般的に以下のような働き方をします。
時間 | 業務内容 |
---|---|
16:30 | 出勤 |
17:00 | 申し送り |
17:30 | 夕食の配膳・与薬 |
18:30 | 夕食の介助・下膳・内服確認 |
19:00 | バイタルチェック・点滴 |
20:00 | 夕食休憩 |
20:30 | 与薬・トイレの介助・就寝準備 |
21:00 | 巡回・消灯 |
23:00 | 看護記録の作成 |
0:00 | 休憩・仮眠 |
1:00 | 2時間毎に巡回・体位交換・おむつ交換など |
6:30 | 巡回・患者さんの起床 |
7:00 | 朝食の配膳・与薬 |
7:30 | 看護記録の作成 |
8:15 | 朝食の介助・下膳・内服確認 |
8:30 | 申し送り |
9:00 | 退勤 |
夜勤の一般的な勤務時間は、16:30〜9:00です。
休憩時間や仮眠時間などは施設によって異なりますが、周りの看護師と交代で休憩をとり、看護にあたります。
ただし、患者さんの急変があった際には対応が必要になり、十分に休憩がとれないこともあります。
看護師は働き方改革で何が変わる?
働き方改革関連法の施行により、看護師の働き方は、主に次の3つが変わります。
時間外労働の上限規制の導入
大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から、時間外労働の罰則付き上限規制が導入されました(※)。
これにより、臨時的な特別の事情がない限り、月45時間、年360時間を超えた時間外労働はできなくなりました。
労働基準法36条に基づく36協定を結ぶことで、上記の時間を超える時間外労働も可能ですが、それでも年720時間、複数月平均80時間以内、月100時間未満と決められています。
また、月45時間の限度時間を超えて働けるのは、年間に6ヶ月までです。
36協定を結ばずに限度時間を超えて働いている場合や、36協定を結んでいても限度時間以上の働き方をしている場合には、労働基準法違反となるため注意が必要です。
年5日の有給取得の義務化
働き方改革関連法の施行により、年10日以上の年次有給休暇が付与されている労働者に対して、年5日の有給休暇取得が義務化されました(※)。
これにより、看護師自らが有給申請をすることに加え、使用者側が看護師に有給取得時季を聴取し、時季を指定して有給取得をさせられるようになりました。
人手不足な病院で働いている場合や、受け持ち患者数が多い場合には、なかなか有給休暇を取得できない看護師も多いです。
しかし、有給休暇を取得できない環境こそ、さらに人手不足が進行する原因となるものです。
本法律の施行により、看護師が有給休暇を取得しやすくなることを目的としています。
労働時間の記録の義務化
労働時間を正確に把握するために、タイムカードやICカードなどの客観的な方法で、勤務時間を把握することも必要になりました。
押印方式のような従来式の出勤簿では、看護師の健康状況や正確な勤務時間が把握できません。
看護師の出勤日数や残業時間を把握し、労働環境を改善するために、出退勤時刻がわかる記録方法を導入することが義務化されています。
看護師が自分に合った働き方を見つけるポイント
どの働き方も一長一短があり、すべての看護師にとってよい働き方というものは存在しません。
自分にとってどのような働き方が合うか、看護師一人ひとりが吟味することが必要です。
自分に合う働き方が明確ではないときは、次の方法で見つけてみましょう。
- 自己分析をする
- 希望条件を明確にする
- キャリア目標を設定する
- 職場環境を調査する
- 看護師転職サイトを活用する
それぞれの方法について説明します。
自己分析をする
自分の性格や好み、ライフスタイルを分析しましょう。
例えば、看護師としてキャリアアップ・スキルアップを目指す方であれば、最新の医療や看護を学べる、高度急性期病院や大学付属病院などが適しています。
また、専門的なスキルや知識を習得したい看護師の人には、特定の治療法などに特化したクリニックや、一般病棟などもおすすめです。
家事や育児、介護との両立を目指す看護師の人なら、非常勤の働き方も検討してみましょう。
自分の性格やライフスタイルを客観的に見つめる機会は、そう多くはありません。
十分に時間をとって、看護師としての今までのキャリアについて紙に書き出してみましょう。
もし看護師としてのんびり働きたいと考えている場合には、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
希望条件を明確にする
次に、あなたが希望する働き方について、具体的な条件を書き出しましょう。
そして、書き出した希望条件に優先順位をつけ、本当に希望する働き方が何かを考えることが重要です。
例えば、最も優先順位の高い条件が「高い給料」の場合、夜勤専従や大規模医療機関など、給料の高い施設や求人を見つけることが大切になります。
また、規則正しい生活を重視しているなら、日勤のみの働き方や、非常勤の働き方などを見つけるのが良いでしょう。
キャリア目標を設定する
将来的にどのような働き方をしたいかによっても、適切な働き方は異なります。そのため、キャリア目標についても考えてみましょう。
例えば、看護師としてキャリアを積み、看護師長や看護部長などの管理職を目指すのであれば、病院で常勤を選択することが一般的です。
また、将来的には介護分野に進みたいと考えている方なら、介護施設や福祉施設に勤務し、介護を実践で習得するだけでなく、介護福祉士やケアマネジャーなどの資格取得も視野に入れてみましょう。
職場について情報収集する
職場に希望する条件や、将来のキャリア目標が定まったら、実際に求人を探していきましょう。
この時、職場について詳しく情報収集をすることが大切です。
同じような雇用条件だったとしても、勤務先によって働き方は異なります。
例えば「常勤・日勤のみ・病院外来」の働き方があるとします。
研修や勉強会の機会が多い病院であれば、新しい医療知識も積極的に習得できるでしょう。一方で、学びの機会が少ない病院では、毎日ルーティンワークのみをこなす働き方の可能性もあります。
そのため、自分に合いそうな職場をいくつか絞り、職場環境をしっかりと調べましょう。
そうすることで、自由な働き方ができたり、より満足度の高い働き方を実現できたりしやすくなるはずです。
看護師転職サイトを活用する
希望条件に合う求人を効率的に探すなら、看護師転職サイトを活用するのがおすすめです。
看護師転職サイトでは「日勤のみ」「常勤・非常勤」「土日休み」などの働き方で、求人を検索することができます。
また、職場環境の調査や比較にも、看護師転職サイトは活用できます。
看護師転職サイトのなかには、専属のキャリアアドバイザーに転職相談ができたり、職場の詳細な情報を教えてもらえたりするものもあり、メリットは多くあります。
夜勤シフトの有無や職場の雰囲気など、インターネットだけでは集めにくい情報も、キャリアアドバイザーが詳細に教えてくれます。
ぜひキャリアアドバイザーのいる看護師転職サイトを活用し、効率よく自分に合う働き方や職場を見つけてみましょう。
働き方に悩む看護師におすすめな転職サイト
働き方に悩んだときは、キャリアアドバイザーのいる看護師転職サイトを活用してみましょう。
キャリアアドバイザーは職場調査を請け負ってくれるだけでなく、キャリアや転職についての悩みに対しても丁寧に答えてくれます。
ここでは、看護師転職サイトのなかでも、キャリアアドバイザーのサポート力に定評のあるサイトを3つ厳選してご紹介します。
- 看護roo!
- レバウェル看護
- マイナビ看護師
誰に相談してよいか迷ったときも、ぜひキャリアアドバイザーに尋ねてみましょう。客観的かつ親身なアドバイスを得られることがあります。
それでは、働き方に悩む看護師におすすめの転職サイトをそれぞれ紹介していきます。
看護roo!
看護roo!は、約42,000件以上と多くの求人が掲載されている看護師転職サイトです。
施設の種類や診療科、夜勤の有無などで求人案件を絞り込み、給与などの勤務条件を確認できます。
また、キャリアアドバイザーによる転職サポートも手厚く、非公開求人の紹介や、面接への応募および日程調整、勤務条件の交渉なども代行してもらえます。
キャリアの悩みもLINEやメールで気軽に相談できるため、働き方について相談しながら転職を進めたいという看護師の方は、ぜひ積極的に活用していきましょう。
レバウェル看護
レバウェル看護は、レバレジーズメディカルケア株式会社が運営する看護師転職サイトです。
気になる施設について、良い部分だけでなく大変と思われる点も詳しく提示されるため、転職におけるミスマッチは起こりにくいといえます。
また、実際に働いている看護師の声や、働いていた看護師の意見も教えてくれるため、より客観的な視点で転職先を選べるでしょう。
登録後には、キャリアアドバイザーとLINEやメール、ショートメッセージなどで、時間をかけずテンポよくやり取りできるのも大きな特徴です。
マイナビ看護師
マイナビ看護師は、大手人材企業のマイナビが運営する看護師転職サイトです。
「二交代制」や「三交代制」「日勤のみ」などの働き方だけでなく、施設形態や担当業務、雇用形態、診療科など、細かい条件で求人を絞り込めます。
また、マイナビ看護師に無料登録すると、専属のキャリアアドバイザーによる転職サポートを受けられます。
メールや電話でのやり取りだけでなく、キャリアアドバイザーと対面での相談も可能なため、自分に合った働き方も相談してみると良いでしょう。
看護師の働き方に関するよくある質問
看護師の働き方は、職場や勤務形態によって大きく異なるため、転職時には気になることも多いはずです。
そこでこの記事の最後に、看護師の働き方に関するよくある質問と回答を紹介します。
- 看護師の大変なことは何ですか?
- 看護師に向いている人の特徴は?
- 看護師になるには?資格の取得方法は?
- 看護師の給料はいくら?
それぞれわかりやすく解説していくため、働き方について悩んでいる看護師の人は、ぜひ転職時の参考にしてみてください。
それでは、看護師の働き方に関するよくある質問と回答を紹介していきます。
看護師の大変なことは何ですか?
看護師は夜勤が多く、シフト制で生活リズムが不規則になりやすく、大変だと感じる人が多いです。
また、患者さんの歩行介助や、車椅子への移動の介助などもあり、体力的にハードな場面も多く存在します。
加えて、職場の人間関係に悩んだり、勉強することが多かったりして悩む看護師の人も多いです。
ほかにも、看護師が辛いと悩む原因については、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
看護師に向いている人の特徴は?
看護師の仕事は、患者さんの生死に関わる医療行為も多いことから、責任をもって仕事に取り組む必要があります。
そのため、責任感をもって仕事を進められる人は、看護師に向いています。
また、患者さんやその家族とうまくコミュニケーションをとれる人や、勉強意欲のある人、体力のある人なども、看護師に向いているでしょう。
ほかにも、看護師に向いている人の特徴については、以下の記事で解説しています。参考にしてみてください。
看護師になるには?資格の取得方法は?
看護師になるためには、以下の教育課程を経た後に、看護師国家試験に合格する必要があります。
- 高校卒業後:看護系大学や養成所で学ぶ
- 中学校卒業後:5年一貫看護師養成課程校で学ぶ
高校卒業後の場合「看護系大学で4年」「看護短期大学で3年」「看護師養成所で3年」のいずれかで教育を受ける必要があります。
また、中学校卒業後の場合は、5年一貫看護師養成課程校で教育を受けることで、看護師資格の受験資格を得られます。
その後、看護師国家試験に合格することで、看護師免許を取得することができます。
なお、2023年における看護師国家資格の合格率は90.8%であり、合格率は高い傾向にあるといえます(※)。
種別 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
全体 | 64,051人 | 58,152人 | 90.8% |
新卒者 | 58,911人 | 56,276人 | 95.5% |
既卒者 | 5,140人 | 1,876人 | 36.5% |
新卒者の合格率は95.5%とさらに高く、合格者の大半を占めています。
反対に、既卒者は合格率が36.5%と、新卒者に比べると大幅に下がります。
これらのことから、看護師資格を取得するためには、十分な勉強時間を確保することが大切だといえます。
看護師の給料はいくら?
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均的な給料は月約35万円です。
年間賞与の約86万円を加え、これを年収に換算すると、看護師の平均年収は平均年収は約509万円と算出できます。
看護師は夜勤手当や資格手当など、さまざまな手当が支給されることから、ほかの職種と比べて給料は高い傾向にあります。
また、看護師の仕事は常に一定の需要があることから、安定して働きやすい職業といえます。
看護師の給料については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせて読んでみてください。
まとめ
看護師は多様な働き方を選択できる職業です。
しかし、働き方の選択肢が多い分、自分に合う働き方が見つかりにくく、働きにくさを感じる場面も多々あります。
思うような働き方ができていないと感じている方は、まずは自己分析をおこない、仕事における優先順位や、キャリアプランなどを書き出してみましょう。
また、看護師の転職に特化した「看護師転職サイト」を活用するのもおすすめの方法です。
看護師転職サイトでは、働き方で求人案件を絞り込めるだけでなく、キャリアアドバイザーによるキャリア相談を受けることもできます。
転職を考えたときだけでなく、キャリアに迷っているという方でも、ぜひ積極的に看護師転職サイトを活用してみましょう。
投資信託・株式の運用歴20年以上。相続問題が発生したことを機に、ファイナンシャルプランナー2級とAFPの資格を取得。 大学や省庁で研究活動をおこないながら、2014年度からはマネーやファイナンス、医学関係の執筆活動を開始。 ライフマネープランニングやIPO投資、金融詐欺の見分け方、ローン・クレジットカードの使い方などを得意テーマとしている。 現在メインで利用しているカードはアメリカンエクスプレスのプラチナ。招待制から申込制に変わって、ちょっと残念に思う毎日。