病院以外で看護師におすすめの職場23選!転職先の平均年収や注意点も解説
看護師として働くというと、病院勤務を思い浮かべる人が多いでしょう。
しかし、看護師のなかには、病院での勤務は人間関係や夜勤などの問題から難しいと感じる人もいるようです。
また、看護師も転職が活発になってきており、より自分にあった職場環境を求める人も増えるなかで、病院以外の職場への転職が新たな選択肢とみなされるケースも多くなってきました。
そこで、本記事では看護師が資格を活かして病院以外の職場で働く方法や、求められるスキルについてご紹介します。
病院以外への転職を考えている看護師の人は、ぜひ参考にしてください。
- 病院以外で看護師が活躍できる職場は多い
- 新卒の看護師は病院で働くのがおすすめ
- 病院以外の求人を探すなら転職サイトを活用しよう
看護師におすすめの病院以外の職場23選
看護師が働く職場というと、病院を思い浮かべる人も多いはずです。
しかし、看護師は病院以外でも、以下のような職場で働くことができます。
- 企業の産業看護師
- 幼稚園や保育園
- 訪問看護ステーション
- 治験コーディネーター(CRC)
- 医療機器メーカー(フィールドナース)
- 健診センター
- 介護施設
- トラベルナース(応援ナース)
- ツアーナース・イベントナース
- テーマパークの救護室
- 美容クリニック
- 保健所
- 看護系コールセンター
- 障害者福祉施設
- 衛生管理者
- 自衛隊看護師
- 看護系技官
- 刑務所看護師
- 看護師養成所
- シップナース
- 健康スポーツナース
- 医療ライター
それぞれの職場で必要になるスキルや、給料の目安なども一緒に紹介します。
「看護師以外の仕事がしたい!」「看護師資格が使える珍しい求人はある?」と、病院以外の職場を探している方は、ぜひ参考にしてください。
一般企業の産業看護師
産業看護師とは、病院や診療所ではなく企業で勤務する看護師のことを指し、企業看護師とも呼ばれます。
企業内の診療所や医務室(健康管理室)で勤務し、従業員の健康管理や保健指導、健康診断の実施やフィードバックをすることなどが主な仕事です。
産業看護師(企業看護師)とは通称であり、資格名ではありませんが、看護師以外の資格として「保健師」や「臨床心理士」などの資格を持っていると転職の際には有利に働く可能性が高いでしょう。
給料の目安は約25万前後、手当などを含めた年収は450〜500万円ほどが相場とされており、勤め先の企業規模に比例して年収も高くなることが一般的です。
産業看護師については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
幼稚園や保育園
幼稚園や保育園で働く看護師の仕事は、子どもの健康管理や保護者への健康・発達面での指導です。
そのほか、教員の補助などもおこないます。
病院とは異なり夜勤がなく、医療行為も少ないため、一般的な病院勤務に抵抗がある方でも比較的働きやすい環境といえるでしょう。
看護師資格以外に求められる資格はありませんが、小児科での勤務経験などがある方は重宝される可能性があります。
月収は約20万円、手当を含めた年収は300~400万円程度とされており、看護師全体の平均と比べて少々低めとされています。
幼稚園・保育園での働き方については、以下の記事で解説しています。合わせて読んでみてください。
訪問看護ステーション
訪問看護師とは、自宅で療養する患者の自宅に訪問してケアをおこなう看護師のことを指します。
主治医の指示に基づいて患者の健康状態をチェックしたり、必要に応じた医療行為をすることが仕事です。
患者とのコミュニケーションや医療行為を1人で担うケースもあるため、看護師資格だけではなく、実務経験が求められる可能性があるでしょう。
未経験から働ける訪問看護ステーションでは、研修や先輩のサポートを受けながら経験を積むことも可能です。
一般的な月収は約30万円、手当を含めた年収は430万円程度とされています。
夜勤などがない分、働きやすい環境ですが、平均年収は看護師全体の480万円と比べて少し低めなことは覚えておきましょう。
訪問看護師の具体的な仕事内容については、以下の記事で解説しています。
治験コーディネーター(CRC)
製薬会社は新薬を開発する際に、最終段階で人体への有効性と安全性を確認するために治験(臨床試験)をおこないます。
この治験をおこなう機関で働く看護師は「治験コーディネーター(CRC)」と呼ばれます。
説明補助、被験者のケア・相談対応や、各部署との連絡・調整など、治験の実施をスムーズにおこなうサポートをするのが治験コーディネーターの仕事です。
治験コーディネーターになるために、特別な資格は必要ありませんが、専門的な知識や経験が求められるため、実務経験を問われる可能性があります。
月収や約20〜30万円、手当を含めた年収は400万円前後と看護師全体の平均と比べて低い水準です。
ただし、勤務年数によって600〜700万円など高くなるケースもあり、高収入を目指せる可能性もあります。
医療機器メーカー(フィールドナース)
医療機器メーカーでは、医療機器を販売する営業職や、販売先でメンテナンスなどをおこなうサービスエンジニア、製造プロセスで品質をチェックする品質管理のほか、事務職などがあります。
看護師として医療機器メーカーに就職・転職する場合は、看護師目線で製品をプレゼンテーションしたり、使い方を説明したりする「フィールドナース」として働くことが一般的です。
基本的に看護師資格以外に必要な資格はありませんが、営業力やコミュニケーション能力、英語力、マナーなど高いビジネススキルが求められるケースがあります。
年収は約550〜650万円と看護師全体の平均に比べて高く、外資系や業績の良いメーカーでは年収1,000万円を超えるケースもあります。
健診センター
健診センターでは、病気の早期発見などを目的に、健康状態のチェックをおこないます。
身長・体重測定、視力・聴力検査、血圧測定の対応など、健康診断をスムーズにおこなうことが仕事です。
特別必要な資格はありませんが、採血をおこなうことも多く、健診センターや採血センターで働く場合には、1日に大人数の採血をこなす必要があります。
スムーズかつ正確な採血をおこなうことが必要なため、臨床経験が求められることもあるでしょう。
平均年収300万~380万円程度と看護師全体の平均と比べて低めですが、夜勤や残業がないので、ワークライフバランスが取りやすい面がメリットです。
健診センターでの働き方については、以下の記事で解説していますので、合わせて読んでみてください。
介護施設
介護施設には「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」などがあり、施設の目的に応じて仕事内容も異なります。
看護師は介護保険施設や有料老人ホームに配置されることが多く、入居者の健康管理と医療ケアが主な仕事内容で、介護職員を手伝って排泄や移乗介助をおこなうこともあるでしょう。
介護施設で働くために看護師資格以外に必須となる資格はありませんが、実務経験や認知症看護の認定看護師、介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格があれば重宝される可能性があります。
平均年収は450〜550万程度とされており、夜勤や残業がない施設ほど年収は比較的低めになります。
特養で働く看護師の仕事内容については、以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
トラベルナース(応援ナース)
トラベルナースとは、全国にある病院に期間限定で就業する看護師のことを指し、看護師が不足している病院に赴任するため「応援ナース」と呼ばれることもあります。
契約期間は3ヶ月や6ヶ月などの短期間が多く、北海道から沖縄まで、自分が働いてみたい地域に赴任することが可能です。
特別な資格は必要とされませんが、人員不足の病院に配属されるため、即戦力が求められるケースが多く、実務経験の有無が問われることが一般的です。
ただし、月収が50万円を超えるケースも多く、短期間に高い収入を得たい方に向いています。
ツアーナース・イベントナース
ツアーナースとは、学校や企業、団体の旅行などに付き添い、体調管理や病気・怪我の対応をおこなう看護師のことを指します。
ライブ会場やスポーツイベントなどの救護室で患者の対応をする看護師は「イベントナース」と呼ばれ、ツアーナースと同じような業務内容です。
ただし、ツアーナースでは宿泊を伴うことがあるほか、医師が同行しないケースも多いので、自分1人で判断・行動する必要があります。
特別な資格は求められませんが、業務においては、実務経験に基づいた冷静な判断力や専門知識が求められるでしょう。
ツアーナースは単発での日給制が多いとされており、1日あたりの収入は1万円〜1万5,000円ほどが相場です。
正社員での求人は少ない傾向にあるので、単発でのアルバイトを希望している方向けの仕事といえるでしょう。
テーマパーク等の救護室
テーマパークや公園等の救護室で働く看護師の仕事は、体調不良になった人や、怪我をした人の応急処置が主な仕事です。
テーマパークでは「ナースキャスト」と呼ばれることもあります。
特別な資格は不要ですが、薬品管理や医療器具の管理、車椅子などの在庫管理もおこなう必要があるほか、急な体調不良や怪我で訪れる患者に適切な応急処置を施す必要があるため、臨床経験に基づく対応力や知識が求められるでしょう。
その場では対応しきれない場合は、近くの病院を紹介し、搬送の手配などもおこないます。
正規雇用での採用はほとんどなく、時給制のアルバイトでの求人が多い職種でもあります。時給の相場は1,400円程度です。
美容クリニック
美容クリニックとしては、主にレーザー治療や整形、脱毛など美容に特化した施術・薬剤の処方などをおこなう、美容外科や皮膚科が挙げられます。
美容クリニックにおける看護師の仕事は、電話対応や予約管理、患者の問診やカウンセリング、注射や専用機器による施術がメインです。
看護師としての知識や経験があれば、特別な資格やスキルを求められるケースは少ないでしょう。
ただし、整形などの補助をおこなう美容外科では、オペナースとしての経験が求められる場合があります。
美容クリニックでの施術は自由診療がメインであり、医療保険適応外かつクリニックで自由に価格を設定できるので、年収の相場も500万円と高い傾向にあります。
高額な施術コースやサプリメントの販売など、営業の頑張りによっては収入アップが可能なクリニックもあるので、高収入を求める方におすすめの職種です。
美容クリニックでの看護師の仕事内容については、以下の記事で解説していますので、合わせて読んでみてください。
保健所
保健所で働く看護師は「保健師」と呼ばれ、地域の人々の健康相談や家庭訪問、健康診断、予防接種の実施など、病気や怪我を未然に防ぐための予防医療をおこなうことが主な仕事です。
保健所や保険センターは地方自治体が運営しているため、保健所で働く場合は地方公務員になります。
保健師になるためには、看護師国家資格に加えて保健師国家資格が必要になるので覚えておきましょう。
看護系大学、短大、または専門学校を卒業するほか、保健師養成学校で1年学ぶことで保健師国家資格を受験できます。
年収の平均は約480万円で、看護師全体の平均とほぼ同じです。
ただし、夜勤がないことを踏まえると、看護師に比べて給料は高いといえるでしょう。
保健師の具体的な仕事内容については、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
看護系コールセンター
看護系のコールセンターで働く場合、勤務先に応じて仕事内容が多少異なります。
医療系のコールセンターで働く場合は、急な病気や怪我で困った患者からの電話に対応する必要があるほか、健康相談に応じるケースもあるため、専門的な知識が必要になります。
一方で、医療機器や保険会社などのコールセンターで働く場合、自社製品・商品の取り扱い方法や詳細に関する問い合わせがメインです。
保険会社によっては健康相談に応じる場合もあります。
特別な資格は必要ありませんが、看護師としての基本的な知識は必要です。また、電話対応でのマナーや、問い合わせ内容を記録するために必要なPCスキルなどが求められるでしょう。
電話対応なので、基本的に体力的な消耗がないほか、夜勤などもありません。
アルバイトやパートでの採用が多く、時給の相場は1,600円程度とされています。
障害者福祉施設
障害者福祉施設は、心身に障害を持つ人たちの日常生活を支援する施設で、看護師の仕事は健康管理と医療ケアがメインです。
そのほか、介護スタッフのサポートとして、患者の排泄や入浴介助をおこなうこともあります。
具体的な仕事内容は、知的障害や精神障害、身体障害など、対象とする入居者の状態によっても異なりますが、ほかの部署と協力して業務をおこなうことが一般的です。
看護師資格以外に特別な資格は必要ありませんが、入居者とのコミュニケーション能力は求められるでしょう。
また、在職中にケアマネージャーの資格を取る人も多いとされています。
年収の相場は300〜500万円と、施設によって大きく異なるとされているので、仕事内容や勤務形態、施設の規模を確認したうえで応募すると良いでしょう。
衛生管理者
衛生管理者は、企業等で労働災害や健康障害が発生しないよう、社員の健康管理をする仕事です。
具体的には「社員への健康指導」「健康に異常がある社員の発見と対応」「業務環境の管理や改善」「救急用具等の点検」等の業務を担当します。
従業員が50人以上いる職場では、衛生管理者を必ず配置する必要があるため、予め衛生管理者の資格を取得しておくのも良いでしょう。
衛生管理者の資格を取得するには、大卒や短大卒は1年以上、高卒は3年以上の労働衛生の実務経験があれば、試験を受験できます。
また、衛生管理者の資格を取得しておくことで、一般企業に勤務する産業看護師へ転職する際にも有利になるでしょう。
衛生管理者の平均年収は300〜500万円と、職場によって大きく異なります。常に一定の需要があり、安定した職業ではありますが、その分年収は上がりづらいでしょう。
自衛隊看護師
自衛隊看護師は、その名のとおり自衛隊に所属する看護師のことです。
自衛隊の基地や病院に勤務し、自衛隊員への看護に加え、国内外の災害地等で被災者に看護業務をおこなう場合もあります。
また、自衛隊看護師には「自衛官」「技官」の2種類があり、それぞれ詳細の業務内容や給料は異なります。
自衛官は、通常の看護業務に加え、ほかの自衛隊員と同じように射撃訓練や戦闘訓練等をおこないます。自衛官看護師の平均年収は、号俸や階級が上がるほど高くなります。
一方で、技官は訓練等をする機会はなく、通常どおり看護師としての仕事をします。また、技官看護師の平均年収は、勤続年数が長くなるにつれて高くなります。
自衛隊看護師は特別職国家公務員として扱われることから、福利厚生が充実しているのが特徴です。
給料が安定しており、扶養手当や住居手当、通勤手当等も充実していることから、一般的な看護師よりも高い年収が期待できるでしょう。
看護系技官
看護系技官は、医療と行政の専門性を活かして勤務する看護師のことです。
国家公務員として厚生労働省に勤務し、介護や保険、福祉等の国の課題に対応します。事務官や医系技官等と一緒に施策を考え、制度の改善や、新制度の創設にも取り組みます。
夜勤はなく、土日祝日はカレンダーどおりに休めるため、プライベートの時間も確保しやすいことでしょう。
国家公務員にあたるため、給料や福利厚生は安定している傾向にあります。
刑務所看護師
刑務所看護師は、刑務所で受刑者に対して看護ケアをする仕事です。
具体的な仕事内容は、勤務先が「一般刑務所」「医療刑務所」のどちらかによって異なります。
まず「一般刑務所」に勤務する場合、受刑者は健康な状態であるため、受刑者の健康管理や怪我の処置を担います。
そして「医療刑務所」に勤務する場合は、病気や怪我をしている受刑者に対し、点滴や注射、各種検査の介助等を実施します。
刑務所看護師は国家公務員として扱われるため、福利厚生が充実している点も特徴です。一般刑務所に勤務する場合には、夜勤がないため、規則正しい生活も送りやすいことでしょう。
ただし、勤務地はアクセスの悪い場所に位置していることが多いため、車通勤が一般的である点に注意が必要です。
看護師養成所
看護師は、看護師を養成する専門学校や大学などで教員として勤務できます。
看護師を目指す学生達に対して、講義や実習をしたり、進路相談に応じたりと業務内容は幅広いです。
残業もほとんどないため、プライベートとも両立しやすいことでしょう。
看護教員になるには「看護師として5年以上の臨床経験があること」「看護師として3年以上の実務経験があり、大学で必要科目を履修し卒業していること」のどちらかを満たした上で、看護教員養成講習を修了することが求められます。
看護教員になるための条件は厳しいですが、他人へ教えることが得意な人や、コミュニケーションが得意な人には向いているでしょう。
シップナース
シップナースとは、豪華客船やクルーズ客船、海洋調査船などに同乗して勤務する看護師のことです。
船内の医務室に勤め、乗客や乗務員の体調管理、怪我や病気の処置等担当します。
数日間で終わる船旅もあれば、数ヶ月かけて海外を回る場合もあるため、拘束時間は長い可能性があります。
また、海外を長期間回る際には、外国人の乗客も多くいるため、英語等の言語が得意な看護師に向いているでしょう。
しかし、そもそもクルーズ会社からの看護師の募集が少ないため、もし求人を見つけた際には積極的に応募するのが良いでしょう。
健康スポーツナース
健康スポーツナースは、スポーツをしていて怪我をした患者さんに対して、怪我や病気の処置を務めます。
例えば、スポーツイベントが開催される場合には、救護室で待機しています。参加者が急な体調不良や怪我をした際には、看護師として必要な処置を担当します。
また、スポーツクラブやフィットネスジムに勤務する場合には、トレーナーとして勤務します。
場合によっては、プロのスポーツ選手を相手にサポートをする機会もあり、スポーツトレーナーとしての経験を積むことができます。
医療ライター
看護師としての臨床経験をもとに、医療関連のメディアでライターとして働くこともできます。
医療に関する記事を自分で書くことはもちろん、監修者として活躍することも可能です。
メディアを運営する企業に就職したり、フリーランスとして働くこともできたりと、活動の幅が広いのが特徴です。
今までの臨床経験を病院以外の場で活かせるため、一度看護師を退職した人でも活躍しやすい仕事でしょう。
ほかにも、看護師資格が使える珍しい求人を知りたい場合には、以下の記事も読んでみてください。
病院以外の職場での看護師の平均的な給料
今よりも給料を上げたい目的で、病院以外の職場に転職を希望する看護師もいます。
そこで、病院以外の職場における看護師の平均的な給料(※)を算出すると、以下のとおりです。
職場 | 平均年収 |
---|---|
看護師全体 | 約482万円 |
病棟 | 約482万円 |
外来 | 約473万円 |
透析 | 約450万円 |
手術室 | 約485万円 |
緊急外来 | 約501万円 |
訪問看護 | 約540万円 |
介護系 | 約470万円 |
その他 | 約514万円 |
もちろん、看護師の給料は夜勤の有無や賞与額によっても異なりますので、あくまでも目安として考えるのが良いでしょう。
看護師の平均年収については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせて読んでみてください。
新卒の看護師には病院勤務がおすすめ
病院以外の職場でも採血、注射や点滴、移乗やバイタル測定など、臨床経験を問われるケースが多くあるため、新卒者は病院勤務をおすすめします。
応募条件を「臨床経験3年以上」とする求人も多くみられるので、もし病院以外の勤務に興味があっても、3年ほど臨床経験を積んだほうが良いでしょう。
臨床経験があれば専門的な知識や経験などが培われ、将来的に働ける場所の選択肢を広げられることが期待できるため、新卒者はまず病院で一定期間働くことをおすすめします。
もし人間関係や職場に馴染めないなどの理由で、どうしても転職をしたい場合には、新人看護師の転職方法について解説している以下の記事を読んでみてください。
看護師が病院以外で働くメリット
続いて、看護師が病院以外で働くことのメリットとして、以下の2つを紹介します。
- ワークライフバランスを取りやすい
- ほかの仕事と兼用しやすい
看護師が病院以外で働くメリットについて、それぞれ簡潔に紹介するので参考にしてください。
ワークライフバランスを取りやすい
病院勤めの場合、夜勤などで生活リズムが崩れる人も多いですが、転職によってワークライフバランスのとれた生活ができる可能性があります。
出産や子育てなどにより、夜勤ありの病院勤めに難しさを感じる人は、看護師資格や臨床経験のある人材が優遇される求人に転職することをおすすめします。
職場によっては、カレンダーどおりの年間休日数も期待できるほか、完全週休二日制で休みの曜日を自分で選べるケースもあり、予定も立てやすくなるかもしれません。
生活リズムの乱れにより、精神的・肉体的な限界を感じている人も、心身を壊してしまう前に転職するのが良いでしょう。
夜勤などで日中の時間が取れず、うまく転職活動が進まない方は、後述している看護師の転職に特化したサイトを活用してみてください。
ほかの仕事と兼業しやすい
ツアーナースや救護室のスタッフとして働く場合、正社員ではなくアルバイト・パートでの採用になるため、ほかの仕事と兼業することも可能です。
看護師の職場は病気や怪我の対応を求められることもあり、プレッシャーのかかりやすい職場のため、キツイと感じる方もいるかもしれません。
精神的負担が大きく感じる方は、ほかの仕事と兼業できる職場に転職するのも選択肢の一つです。
看護師が病院以外で働くときの注意点
看護師の経験を活かして病院以外の職場で働く場合、以下の点について注意しましょう。
- 病院以外では求人倍率が高め
- 給料が下がることもある
- 看護や医療以外の仕事も多い
- 医療器具が病院ほど揃っていない現場も多い
看護師が病院以外で働く時の注意点について、以下で詳しく紹介します。
病院以外では求人倍率が高め
看護師が働く職場は、やはり病院が多く、病院以外の職場に勤務する人は少ない傾向にあります。
特に、一般企業に勤める産業看護師や、健診センター、保育園などの職場は求人数が少なく、応募する人も多いことから、倍率が高くなりやすいです。
夜勤や残業が少なく、ワークライフバランスを取りやすい職場を求めている看護師が多いことが、病院以外の職場が人気になっている要因の一つとして挙げられるでしょう。
そのため、病院以外の求人を見つけたり、転職の成功率を上げたりするには、看護師の転職に特化した転職サイトの活用がおすすめです。
看護師が病院以外の職場を探す際に便利な転職サイトについては、本記事の後半で紹介しているので、ぜひチェックしてください。
給料が下がることもある
病院以外での職場では、夜勤がないケースも多く、給料が病院勤務よりも低くなることもあります。
夜勤がない場合、規則的な生活でワークライフバランスがとりやすい半面、夜勤手当がつかなくなります。
そのため、基本的に病院以外に転職する場合は、給料は下がると考えておいたほうが良いでしょう。
生活費などをあらかじめ算出しておき、どの程度給料が減っても生活が維持できるかなど、許容範囲を把握したうえで転職活動をおこなうことが大切です。
看護や医療以外の仕事も多い
病院以外で働く場合、看護師部門の人数が少なく、1人で多くの業務をこなさなければならないケースもあります。
たとえば、介護施設で働く場合、入居者の医療ケアのほか、食事や入浴の介助などもおこなうことが一般的です。
また、医療系コールセンターでは、クレーム処理や事務仕事などを任される機会も多いです。
少人数の職場では、心身の負担が重くなるケースもあるため、転職先の業務内容と負担の大きさを事前に理解しておきましょう。
医療器具が病院ほど揃っていない現場も多い
病院以外の職場では、病院ほど医療器具が揃っていないケースも多いです。
病院以外の医療現場では、ほかに医療従事者がいないことも多く、自身で臨機応変に対応しなければならないこともあります。
病院での充実した勤務環境が当たり前になっている方は、そのギャップに戸惑うかもしれません。
病院以外の職場への転職を成功させるためには、転職後の環境に積極的に慣れることや、不満がある時には自ら改善策を提案する自立心も大切になるので覚えておきましょう。
病院以外で働くには看護師転職サイトの利用がおすすめ
ここまで、病院以外で看護師におすすめの職場を紹介してきました。
しかし、病院以外の職場は求人数が少ないこともあり、なかなか求人を見つけられない人も多いです。
そこで、病院以外の職場の求人を見つける時には、看護師転職サイトを使うのがおすすめです。
- 負担を減らして転職活動を進められる
- 希望条件に沿った求人を見つけられる
- 履歴書添削や面接対策ができる
看護師転職サイトを使うメリットについて、詳しく解説していきます。
負担を減らして転職活動を進められる
看護師転職サイトでは、求人を掲載している病院以外の施設について、内部事情まで詳細に把握しています。
そのため、わからないことがあった際には、転職サイトへ連絡を入れることで、詳細の情報を手に入れられます。
掲載されていない情報で確認したい内容があった際にも、転職サイトに尋ねることで、掲載先の施設へ確認をしてもらえることでしょう。
平均年収や年間休日数、平均残業時間や具体的な業務内容など、気になることは何でも質問できるため、自分で調べる負担を減らしながら転職活動を進められます。
希望条件に沿った求人を見つけられる
看護師転職サイトでは、あなたの希望条件に沿った求人を見つけられるのが特徴です。
「勤務地」「高年収」「土日祝休み」などの条件で求人を検索できるため、あなたの希望に近い求人が見つけられるでしょう。
また、専任のキャリアアドバイザーがあなたの転職活動をサポートしてくれる場合には、面談を通して条件を伝えることで、より希望条件に近い病院以外の求人を紹介してもらえるはずです。
履歴書添削や面接対策ができる
看護師転職サイトによっては、履歴書・職務経歴書の添削や、面接対策を実施していることがあります。
転職のプロに履歴書・職務経歴書を添削してもらうことで、より転職先の採用担当者に伝わりやすい内容に仕上げられることでしょう。
また、志望する施設でされることの多い質問や、面接官のタイプ等についても教えてもらえる可能性があります。
事前にしっかりと対策をしておき、着実に転職活動を進めたい場合には、看護師転職サイトの活用がおすすめです。
看護師が病院以外で働く際に確認したい転職サイト
看護師の方が病院以外で働くなら、看護師の転職に特化した転職サイトの活用をおすすめします。
病院以外で自分が希望する求人を見つけやすくなるほか、書類添削や面接練習などをサポートしてくれる転職サイトもあります。
看護師で病院以外の職場を探しているのであれば、以下で紹介する3つの転職サイトは登録しておいて損はありません。
- 看護roo!
- レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
- マイナビ看護師
それぞれの看護師転職サイトの特徴を紹介するので、病院以外への転職を検討している方はぜひ参考にしてください。
看護roo!
看護roo!は、介護施設や美容クリニックなど、病院以外の求人も多く掲載されている看護師転職サイトです。
求人紹介だけではなく、求人企業の情報提供、応募書類の添削や面接対策、面接日程の調整、病院見学や条件交渉など、転職サポートが充実している点も魅力です。
看護師の転職に役立つ情報もチェックできるので、転職を迷っている看護師の方は、登録して情報収集をするだけでもメリットはあるでしょう。
登録から利用まですべて無料のため、看護師で転職を考えているなら、まずは看護roo!を試してみてください。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
レバウェル看護は、約14万件と非常に多くの求人を掲載する看護師転職サイトです。
転職の成功・失敗体験や、転職に役立つノウハウ、悩み相談や施設へのインタビューが掲載されているほか、画像とともに施設紹介が掲載されている求人もあります。
キャリアアドバイザーとのやりとりは、LINEやメールで簡単にできるので、気軽に転職先を探したい・アドバイスを受けたい看護師の方や、転職についてのイメージを明確にしながら職場を決めたい方におすすめです。
マイナビ看護師
マイナビ看護師は、大手人材企業のマイナビが運営する、看護師に特化した転職サイトです。
「勤務地」「年収」「施設形態」などの細かい条件に絞って求人を検索できるほか、産業保健師や助産師、ケアマネージャーなど、幅広い職種の求人が掲載されています。
また、全国20か所に地域の拠点があり、全国各地でおこなわれるキャリア面談では、地域のアドバイザーと会って面談が可能なので、直接会って希望を伝えたり、相談したりしたい人にはおすすめです。
そのため、転職先の職種がまだ決まっていない人は、マイナビ看護師に登録しておきましょう。
病院以外の看護師の職場に関するよくある質問
病院以外と慣れない環境で働く場合、気になることや疑問も多いはずです。
そこでこの記事の最後に、病院以外の看護師の職場に関するよくある質問と回答を紹介していきます。
- 病院以外で働いている看護師の割合は?
- 病院以外で働いた後、病院看護師に復帰できる?
- おっとりした性格の看護師はどこで働くべき?
それぞれ簡単に紹介していきますので、病院以外で働こうと考えている看護師の人は、ぜひ参考にしてみてください。
病院以外で働いている看護師の割合は?
「令和2年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると、病院以外で働く看護師の割合は約31.0%です。
また、病院以外で働いている看護師の実人員数は、以下のとおりです。
就業場所 | 実人員 | 割合 |
---|---|---|
病院 | 883,715人 | 69.0% |
診療所 | 169,343人 | 13.2% |
助産所 | 267人 | 0.0% |
訪問看護ステーション | 62,157人 | 4.9% |
介護保険施設等 | 100,701人 | 7.9% |
社会福祉施設 | 22,021人 | 1.7% |
保健所 | 1,543人 | 0.1% |
都道府県 | 2,099人 | 0.2% |
市区町村 | 7,544人 | 0.6% |
事業所 | 5,176人 | 0.4% |
看護師等学校養成所又は研究機関 | 17,519人 | 1.4% |
その他 | 8,826人 | 0.7% |
看護師の勤務先で最も多いのは、病院の69.0%、ついで診療所の13.2%です。
割合では少ないですが、就業場所で見ると、看護師は病院以外の様々な場所で必要とされていることがわかります。
病院以外で働いた後、病院看護師に復帰できる?
病院以外の職場に転職した後、病院への復職は基本的に可能です。
実際に、病院以外の職場へ転職し「年収が予想以上に下がった」「看護スキルを磨けない」等の理由から、病院勤務への復職を希望する看護師は多いです。
ただし、病院への復職自体は可能ですが、以前と同じような条件での転職は難しい可能性があるため、注意しましょう。
おっとりした性格の看護師はどこで働くべき?
おっとりした性格の看護師は、以下のような職場で働くのがおすすめです。
- 内科
- 皮膚科
- 精神科
- 訪問看護
- 介護施設
- 慢性期・療養病棟
おっとりした性格の看護師は、感情が安定しており、落ち着いて仕事に取り組むことができます。
また、相手に配慮をしたコミュニケーションがとれたり、他人に寄り添った看護ができたりする人も多いです。
そのため、先に挙げたような職場では、おっとりした性格の強みを活かせることでしょう。
のんびり・おっとりとした性格の看護師に向いている職場については、以下の記事で解説していますので、合わせて読んでみてください。
まとめ
看護師は病院以外にもさまざまな職場があります。
病院以外の職場では、臨床経験が求められるケースも多いので、新卒であればまず病院で3年ほど勤務しましょう。
臨床経験を積むことで、幅広い選択肢から自分の希望にマッチする条件の職場へ転職できる可能性があります。
ただし、ワークライフバランスを求める看護師が多いことから、病院以外の職場の求人倍率は高い傾向にあります。
転職を成功させたい看護師の方は、本記事で紹介した看護師に特化した転職サイトを活用してみてください。
31歳。クレジットカード系270記事以上、ビジネススキル記事100記事以上、書籍執筆、などなど金融系・経済系のライティングが好き。ガジェット・旅行・音楽・ゲーム・芸能・心理学など多数のライティングを経て現在にいたる。読書好きで月に30冊は読破。読書の経験から「読みやすさ・わかりやすさとは」を常に研究中。作成文章でも経験読者さんにとって分かりやすく、読みやすい、求めている正確な情報をお届けすることをモットーに執筆しています。