看護師がクリニックに転職する魅力とは?メリットやデメリット、おすすめの診療科も解説
現在病院などで働いている看護師のなかには、「精神的なストレスを減らしたい」「ワークライフバランスを整えたい」と考えている人もいるでしょう。
看護師が活躍できる職場は複数あるため、転職することで抱えている問題を解決できる可能性があります。特に、クリニックへ転職することで、心身的な負担が減り、働きやすくなるかもしれません。
ただし、クリニックへの転職はメリットもある一方で、デメリットもあるので注意が必要です。まずは、転職を考える際にクリニックでの働き方の特徴を押さえましょう。
クリニックへの転職を希望する看護師は少なくありません。そのため、クリニックへの転職を考えている看護師は、クリニックでの仕事内容やスケジュール、平均給料などについて把握すると良いでしょう。
この記事では、看護師がクリニックに転職する5つの魅力などについて解説します。クリニックに向いている看護師の特徴や、おすすめの転職サイトも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
- 夜勤や残業、精神的な負担が減るなど多くのメリットがある
- 看護スキルが身につかないなどのデメリットもある
- 主体的に行動できる人や、コミュニケーションが得意な看護師は向いている
- 病院勤務よりも個々の患者に深く関わることができる
- より深く自己分析することで転職が成功しやすい
看護師がクリニックに転職する5つの魅力
看護師がクリニックで働く際に感じる魅力は多いです。転職を本格的に考える前に、どのような魅力があるのかを押さえましょう。
看護師がクリニックで働く主な魅力は、次の5つです。
- 夜勤や残業が少ない
- 精神的な負担が少ない
- 休みが取りやすい
- 自分の技術・経験を活かせる
- 一人の患者にじっくりと向き合える
ここからは、看護師がクリニックに転職する魅力について詳しく紹介します。
夜勤や残業が少ない
クリニックの看護師は、原則として日勤がメインであるため、病院勤務よりも夜勤が少ない傾向にあります。
夜勤は手当がつくため、収入を増やしたい看護師にとって嬉しいポイントであるものの、肉体的な負担が大きいです。ほかにも、予定を立てにくい点もデメリットです。
そのため、体力面やスケジュール面を理由に、ほかの職場への転職を考える看護師は少なくありません。
一方で、クリニックは夜勤で働く機会はほとんどないので、プライベートを充実させたい看護師にとって魅力的です。残業もほとんどなく「急な残業でプライベートの予定を変更しなければならない」といったリスクも少ないでしょう。
病院勤務で、夜勤と日勤のシフト制のために生活リズムが乱れている看護師は、クリニックへの転職を検討してみてください。
精神的な負担が少ない
病院からクリニックへの転職を考える理由の1つに、精神的な負担があります。病院では看護師でも医療行為に携わる機会が多く、患者の健康や命を預かる立場としてのストレスやプレッシャーは大きいです。
このような特性の職場であるため、緊張感がある現場であることが多く、精神的な負担を感じやすいでしょう。実際に、病院で働く看護師のなかでも、ストレスやプレッシャーなどを理由に転職を考える人は少なくありません。
それに対して、クリニックでの仕事は基本的に医師のサポートがメインです。直接患者に医療行為をおこなうのは医師がほとんどであり、看護師が患者を治療することはほぼありません。
患者の健康や命を左右する医療行為が少ないクリニックは、精神的な負担を押さえて働きたい看護師にとって魅力的でしょう。
ただし、クリニックによっては注射や採血などの行為は、看護師でも担当する場合もあるので、転職前に仕事内容はしっかりチェックしましょう。
休みが取りやすい
クリニックは休みが取りやすいという点も魅力です。そのため、ワークライフバランスを整えたい看護師にとって大きなメリットになるでしょう。
病院は年中無休で運営するところが多いですが、クリニックは長期休みに合わせて休みになるところが多いです。例えば、ゴールデンウイークやお盆休み、年末年始に休みを取りたい場合、職場自体が休みであれば自分も心置きなく休めるでしょう。
一方、病院は営業中は誰かが勤務しなければならないため、休み希望が増える傾向にある長期休みの期間は、なかなか休みを取得しにくい雰囲気があります。
長期休み以外でも、病院は人手不足などの理由で休みを取りづらい傾向にあります。事前に提出したシフトを変更することはもちろん、シフトを提出する際に休みたいということすら難しい職場もゼロではありません。
「長期休みにシフトを入れたくない」「固定休が欲しい」「子育てや介護と仕事を両立させたい」という看護師は、クリニックでの勤務がおすすめです。
自分の技術・経験を活かせる
病院での勤務で培った技術や経験を活かしやすい点も、看護師がクリニックに転職する魅力の一つといえるでしょう。クリニックは規模が小さい分、働く人数も少ないため、中途採用者は即戦力が求められる傾向があります。
また、大規模の病院のような研修期間をじっくりと設ける余裕はありません。そのようなクリニックにとって、病院で働いたことがある人は歓迎しやすいでしょう。転職が有利というだけでなく、勤務中も技術や経験を活かしながら、やりがいを持って働きやすいです。
労働環境を改善しつつも、自分が今までに病院で培った技術や経験をしっかり活かしたい看護師は、クリニックへの転職がおすすめです。
一人の患者にじっくりと向き合える
クリニックは病院に比べて規模が小さく、患者数も少ないため、一人の患者に向き合う時間を多くとれる魅力もあります。
外来や入院などを含めて患者が数百人もいるような規模の病院では、一人の患者に対してあまり時間が取れず、コミュニケーション不足になる可能性もあるでしょう。病院で働く看護師のなかには、流れ作業のように患者と接することに罪悪感を覚える人もいます。
自分が丁寧に向き合い、患者が完治する過程を身近に感じたい看護師は、クリニックでの勤務の方がやりがいを感じられるでしょう。
クリニックで働く看護師の仕事内容
クリニックにおける看護師の仕事内容は、院長である医師の補助作業がメインです。クリニックとは、医師が特定多数の患者のために医業をおこなう場所であり、入院施設はありません。
クリニックの多くは小規模であるため、院長が一人で患者を診察・治療するケースがほとんどです。そのため、クリニックで看護師が直接診察や治療する機会は多くありません。
クリニックで働く看護師の具体的な仕事内容は、血圧や体温の測定、脈拍や呼吸のチェックなどです。また、医療サポートだけでなく、施設の掃除や在庫管理などの雑務などもあり、仕事内容は多岐にわたります。
病院勤務との仕事内容の違い
看護師としてクリニックで働く場合、仕事内容は一般的な病院勤務とは異なる特徴があります。
クリニックの看護師は、より個々の患者と深く関わることが可能であり、一方で一般的な病院勤務と比べて、マルチタスクの要求が高まることが挙げられます。
深く患者と関わることができる
深く患者と関わることができるという点では、クリニックは患者数が病院に比べて少なく、同じ患者と長期にわたり関わる機会が多いためです。具体的には、患者の病状や生活状況を深く理解し、それぞれの患者に合ったケアを提供することができます。
例えば、同じ患者と何度も顔を合わせることで、心情や家庭の状況なども理解しやすく、それをケアに活かすことができます。
マルチタスクの要求が高まる
マルチタスクの要求が高まるという点は、クリニックの規模が小さいため看護師一人一人が幅広い仕事を担当することが求められるためです。
例えば、一般的な看護業務だけでなく、受付対応、電話対応、医療機器のメンテナンス等、病院では他職種がおこなうような業務も一部担うことがあります。
開業初期のクリニックでの仕事の特徴
開業初期のクリニックでは、看護師が設立チームの一員として参加し、クリニックの成長過程を一緒に経験することができます。
開業初期のクリニックではまだ人手が足りていないため、看護師自身が新たなサービスやケアの方法を提案する機会が多くなるからです。例えば、看護師が患者のケアプログラムを考えたり、新たな設備の導入や職場環境の改善に関与したりすることができます。
また、開業初期のクリニックでは、その規模や体制から、看護師自身がリーダーシップを取ることも求められます。例えば、クリニックの運営方針を決定する会議に参加したり、新たに採用するスタッフの教育・育成に関与したりする場合もあります。
こういった理由から、開業初期のクリニックで働く看護師の仕事は、自身のアイデアやスキルを活かすことができ、クリニックの発展に直接貢献する機会が多いといえます。
クリニックで働く看護師の1日のスケジュール例
クリニックで働く看護師の1日のスケジュールは、次のとおりです。
時間帯 | 仕事内容 |
---|---|
8:30~9:00 | 出勤・掃除・備品補充などの開院準備 |
9:00~ | 開院・午前診療 |
13:00 | 昼休み |
15:00 | 午後診療 |
17:00~18:00 | 午後診療の終了・片付け・終業 |
クリニックで働く看護師は、基本的に定時で帰るため、原則として残業はありません。施設によって詳細は異なりますが、多くのクリニックでは8時30分や9時頃に出勤し、クリニック内の掃除や備品補充など、開院前の準備をします。
午前診療が開始したら医師のサポート業務をおこない、午前診療が終わると休憩に入ります。
休憩時間は、午後診断まで時間があれば一時帰宅も可能であり、合間に家事や用事を済ませたい看護師にとって嬉しいポイントです。
午後診療の仕事も同様に、医師のサポート業務がメインです。午後診療が終わると、書類整理や後片付けなどをして業務終了となります。
8時間労働が基本であり、帰宅時間は17時や18時頃になるでしょう。
このように、クリニックでは1日のスケジュールがある程度決まっています。病院勤務で2交代・3交代の場合、シフトによって働く時間帯が変わるため起床・就寝時間などもバラバラになるでしょう。
クリニックで働く場合は、生活リズムが整いやすい点も大きな特徴です。
クリニックで働く看護師の年収は約409万円
医療ワーカーのデータ(※1)によると、クリニックで働く看護師の平均年収は、ボーナスを含めて約409万円です。また、そのほかの各医療職の平均年収は次のとおりです。
施設形態 | 平均年収 |
---|---|
病院 | 437万円 |
クリニック | 409万円 |
介護関連施設 | 394万円 |
訪問看護 | 423万円 |
企業 | 415万円 |
その他 | 370万円 |
この一覧からも分かるように、病院からクリニックに転職することで年収が下がる可能性があります。ほかにも、訪問看護や企業看護師よりも年収は低い傾向にあります。
また、クリニックは個人経営か医療法人かによって平均年収に差があるので注意してください。
第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告(※2)によると、個人経営のクリニックの場合、看護師の平均年収はボーナスを含めて約367万円です。
また、医療法人のクリニックの場合、看護師の平均年収はボーナスを含めて約397万円です。
一方、一般病院で働く看護師の平均年収はボーナスを含めて約506万円なので、高い年収を求める場合は、クリニックより病院の方が働きやすいでしょう。
ただし、クリニックや病院などの医療業界の平均年収は、ここ数年で増加傾向にあります。長期的な視点で見れば、将来的に給料も満足できる金額になるかもしれません。
(※2)出典:第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査)報告
クリニックに向いている看護師の特徴
同じ看護師でも、クリニックとそれ以外では仕事内容や働き方に違いがあるため、向いてる人とそうでない人がいます。
クリニックに向いてる人であれば、転職することでより理想の働き方を実現できるでしょう。その一方で、クリニックに向いていない人であれば、転職し実際に働いてみた後に後悔するかもしれません。
クリニックに向いてる看護師の特徴として、次の3つがあります。
- 主体的に行動できる人
- コミュニケーションが得意な人
- 地域に根ざした職場で働きたい人
ここからは、クリニックに向いてる看護師の特徴を紹介します。
主体的に行動できる人
クリニックでは主体的に行動できる看護師が向いています。
病院のように施設の規模が大きく、看護師の人数も多い職場の場合、仕事ではチームワークが求められます。そのため、協調性や連携を取る能力が求められます。
その一方で、クリニックは病院ほど看護師の人数は多くありません。病棟勤務のように仕事が細分化されていないことから、1人あたりの仕事の幅は広くなる傾向があります。
そのため、自分が担当している仕事に集中するのではなく、視野を広く持ち主体的に行動できる人が求められます。また、大きな施設のように研修・教育の制度が整っているケースも少ないです。
医療分野は日々発展しているため、新しい技術や知識は増えていきます。クリニック側が勉強の機会を与えてくれることも少ないため、主体的に学ぶ姿勢も重要です。
このように、クリニックでは誰かの指示を待つのではなく、自分から行動することが求められます。
コミュニケーションが得意な人
クリニックでは、コミュニケーション能力も重視されます。もともと看護師は、医師・患者・看護師同士とのやり取りがあるため、コミュニケーションが求められる職種です。
そのなかでも、クリニックは地域密着型であるため、患者との距離が近い傾向にあります。つまり、患者と充実したやり取りをするためにも、高いスキルが求められるでしょう。
ほかにも、病棟勤務であれば職場に緊張感があるケースが多く、重篤な患者が入院している場合は、最期を看取ることもあります。
クリニックでは、施設によって異なるものの、職場はそこまで緊張感はなく、患者の死に関わることも少ないでしょう。
地域に根ざした職場で働きたい人
先述したとおり、クリニックは病院ほど施設の規模は大きくなく、地域密着型であることが多いです。実際に、クリニックは地域に根ざした医療を目指しているでしょう。
看護師になり、最初は地元を離れて大きな病院で働いている人であれば、転職を機にUターンする人も少なくありません。ほかにも、好きな土地の医療に貢献したいという看護師も多いでしょう。
このような看護師には、地域に根ざしたクリニックへの転職がおすすめです。ただし、患者との距離が近い分、丁寧で親切な接遇が求められるため注意してください。
看護師がクリニックに転職するメリット
ここまで述べてきたとおり、クリニックへの転職にはさまざまな魅力があります。加えて、看護師がクリニックに転職するメリットも多いです。
看護師がクリニックに転職するメリットとして、次の3つがあります。
- 勤務が規則的で働きやすい
- プライベートを充実させやすい
- アットホームな雰囲気の職場
クリニック勤務に感じるメリットは、転職する際の志望動機や自己PRに繋がるため、詳細を把握することは重要です。
ここからは、看護師がクリニックに転職するメリットを詳しく紹介します。
勤務が規則的で働きやすい
クリニックの勤務は病院勤務と異なり、出勤時間と退勤時間がある程度決まっています。そのため、勤務が規則的で働きやすい点は大きなメリットです。
クリニック以外の医療機関の場合、二交代制・三交代制勤務であることが多く、日勤と夜勤があります。夜勤の回数は施設によって異なるものの、一般的には月3回から5回ほどです。
現在では、夜勤の回数には上限が定められており、三交代制勤務で月8回以内とされています。夜勤が多い場合や連続する場合は、身体的な負担が大きくなるでしょう。
実際に、夜勤によって体調を崩す看護師は少なからず存在します。その点、クリニックは勤務時間が規則的で働きやすいでしょう。
もともと看護師の仕事は激務であるため、規則正しい生活を送りたい人や体調を優先したい人におすすめです。
ほかにも、年末年始・お盆などは休みである職場が多く、まとまった休暇を取得しやすい点も大きな魅力です。クリニックによっては毎週日曜日が休みなど、固定の休暇もあります。
プライベートを充実させやすい
看護師がクリニックに転職すると、病院などで働いていたときよりもプライベートを充実させやすい点もメリットです。
先述のとおり、クリニックの勤務では残業や夜勤はないため、規則的に働きやすくプライベートの予定を立てやすいです。
体力的な負担を軽減でき、生活リズムが整いやすいため、規則正しい生活を送りやすいでしょう。また、子育てや家事と仕事を両立しやすい点も魅力です。
実際に、育児をしながら看護師として働く場合、病院などの不規則な勤務であれば、子供が大きくならないと仕事とプライベートを両立させにくいです。
その点、クリニックであれば、仕事中は保育園などに子供を預け、自身の仕事が終わるタイミングで迎えに行くこともできるでしょう。
結婚前の看護師であれば、自分のプライベートを優先しやすく、結婚後の看護師は家事・育児などと両立しやすい点は大きなメリットです。
アットホームな雰囲気の職場
クリニックは規模が大きい病院と違い、在籍している看護師の数は少ないため、看護師同士のコミュニケーションが増える傾向にあります。
そのことから、病院勤務のような緊張感がある現場で働くのではなく、アットホームな雰囲気の職場であることが多いです。もちろん、同じ職場で働く看護師との相性もありますが、人数が少ないことから人間関係で悩みにくいです。
ほかにも、クリニックは施設数が多いことから、自宅周辺などアクセスしやすい勤務先を見つけやすい点もメリットでしょう。地元で働きたい看護師であれば、見知った土地で安心して仕事できます。
先程と同様に、育児をしながら働く場合であれば、保育園の近くのクリニックを選ぶことも可能です。
職場までのアクセスや現場の雰囲気などを優先したい看護師は、クリニックの求人を探してみると良いでしょう。
看護師がクリニックに転職するデメリット
看護師がクリニックに転職するメリットは多いですが、その一方でデメリットもあります。
看護師がクリニックに転職する際のデメリットには、次の3つがあります。
- 幅広い仕事を任せられる
- 代わりの看護師が少ない
- 看護スキルが身につかない
これらのデメリットを把握せずにクリニックへ転職すると、将来的に後悔する可能性があります。
理想の転職を実現し、良い条件で長く働くためにも、メリットだけでなくデメリットも把握しておきましょう。
幅広い仕事を任せられる
クリニックで働く看護師は、病院勤務と比較すると幅広い仕事を任せられることが多いです。実際に、想像以上に雑務を任せられることによって、転職後に驚く看護師は少なくありません。
例えば、看護業務以外に受付や事務作業、掃除などの環境整備業務もおこなわなければなりません。今までと違い、看護業務以外に覚えることが増えるため、デメリットに感じる人は多いでしょう。
実際に、慣れない仕事が多くなり、今までの病院勤務と比較すると勝手が異なるため、戸惑ったり疲れたりすることもあるでしょう。このような仕事の幅は、クリニックによっても違いがあります。
そのため、看護師の仕事に絞りたいと考えている人は、求人を探す際に職務内容をよく確認する必要があるでしょう。
また、クリニックで働く看護師の給与水準は、病院などと比較すると低い傾向にあります。そのため、幅広い仕事を任せられるのに対し、給与が少なくなることで不満を感じる看護師は少なくありません。
代わりの看護師が少ない
クリニックは施設の規模が小さいこともあり、在籍している看護師が病院などよりも少ない傾向にあります。日勤のみであることがほとんどで、規則正しい生活を送りやすく、固定の休みもあるため計画を立てやすいでしょう。
しかし、同時に代わりの看護師が少ないという意味でもあります。看護師1人の欠員で業務に与える影響が大きいため、イレギュラーな休みを取得しにくいです。
例えば、育児と仕事を両立しようと思いクリニックへ転職した場合、子供が急に体調を崩した際には休みにくいです。また、自分が体調不良になった場合も休むことは難しいため、日頃の体調管理が重要になるでしょう。
急な休みが取りにくい点に不安を感じる場合は、看護師が十分にいるかどうかを転職前に確認する必要があります。
看護スキルが身につかない
クリニックの仕事では、十分な看護師スキルが身に付かない点も大きなデメリットです。病院などと比較すると、事務や雑務が多い傾向にあり、専門的な処置や最新の看護スキルを使う機会は少ないです。
採血・点滴・心電図といった基本的な看護スキルは求められるものの、専門性が高いスキルを身に付けにくいでしょう。そのため、スキルアップを目指したり、看護師としてキャリアアップを目指したりする人には適していません。
また、大きな病院と異なり、クリニックは研修制度・教育制度が整備されていないケースが多く、必要な知識は自分で学習する必要があります。
もともと専門性が高い職務に携わってきた看護師であれば、クリニックに転職することで、現状の知識・技術の維持が難しい点も注意点です。
もし特定の医療分野の看護スキルを高めつつ、クリニックで働きたい場合は、専門性が高いクリニックへの転職を目指すと良いでしょう。ただし、医療分野を絞り込むと、合致する求人数が少なくなるため注意してください。
看護師のクリニック転職でおすすめの診療科5選
ここまで、看護師のクリニック転職について解説してきました。
クリニックへの転職を検討しているものの「診療科が多く、どの診療科が自分に合っているのかわからない...」と悩む看護師も多いかと思います。
そこで次は、看護師のクリニック転職でおすすめの診療科5選を紹介します。
- 美容クリニック
- 眼科クリニック
- 小児科クリニック
- 整形外科クリニック
- 内科クリニック
それでは、看護師のクリニック転職でおすすめの診療科5選をそれぞれ解説していきます。
美容クリニック
美容クリニックは給与水準が高い傾向にあり、クリニックのなかでも高年収を狙いやすくおすすめです。
夜勤や残業も少ないことから、プライベートとの両立も図りやすいのが特徴です。
ただ、患者への施術を自ら提案する必要があり、主体性を求められる場面が多いです。
また、クリニックによっては営業ノルマや目標件数を課せられることもあるため、他人とのコミュニケーションが得意な看護師に向いているでしょう。
美容クリニックで働く「美容看護師」への転職を考えている方は、下記の記事も参考にしてみてください。
眼科クリニック
眼科クリニックはルーティンワークが多く、落ち着いて働きやすい観点からおすすめです。
眼科クリニックの仕事内容は、医師の診察サポートや点眼業務、基本的な看護業務が中心です。先述したとおり、ルーティンワークが多く、同様の業務を繰り返すことが多いです。
また、開院時間が決まっていることから、残業は少ない傾向にあります。患者の容体が急変することも少ないことから、病院勤務等と比べて仕事のプレッシャーは少ないといえます。
専門知識や技術を求められる機会も少ないことから、落ち着いた環境で働きたい看護師におすすめです。
小児科クリニック
小児科クリニックは子供と関わる機会が多く、子供好きな看護師におすすめです。
小児科クリニックでの仕事内容は、医師の診療サポートがメインです。患者は子供であり、診療の際に暴れたり泣いたりすることも多いため、子供をなだめられるスキルも必要です。
また、小児科クリニックは休日が決まっていることが多く、プライベートの予定を立てやすいのが特徴です。
整形外科クリニック
整形外科クリニックは患者の回復が目に見えやすく、やりがいを求める看護師におすすめです。
整形外科クリニックの仕事内容は、患者のケアやリハビリ、疼痛管理サポートや入院対応等が中心です。
患者や他職種の人と連携をとる機会が多いことから、コミュニケーション力が求められます。
また、患者のサポートをする際は力仕事が多いため、体力に自信のある看護師におすすめの職場です。
内科クリニック
特に診療科のこだわりがない場合は、内科クリニックへの転職がおすすめです。
内科クリニックは軒数が多いことから、数多くの求人から自分に合った転職先を選ぶことができます。
また、内科クリニックでは、長期間かけて治療を受ける患者が多いです。そのため、一人ひとりの患者とじっくりコミュニケーションをとれるのが特徴です。
休日が決まっていることが多く、残業も少ない傾向にあることから、プライベートとの両立を図りたい看護師におすすめです。
看護師がクリニックへの転職を成功させるポイント
看護師がクリニックに転職する場合、次のポイントを押さえると転職を成功させやすくなります。
- 働きたい診療科を決める
- 自分のスキルや経験を言語化する
- 看護師向け転職サイトを活用する
無計画に転職活動をしていても、転職が失敗に終わる可能性は高くなります。まずは転職に必要なことを整理し、効果的に転職活動を進めましょう。
ここからは、看護師がクリニックへの転職を成功させるポイントについて詳しく解説します。
働きたい診療科を決める
クリニックと一言でいっても、診療科によって特徴や仕事内容は変わります。
例えば、内科クリニックは求人数が多く、クリニックのなかでも転職しやすいでしょう。固定休を取りやすく、残業も多くありません。プライベートと仕事を両立させたい人に、内科クリニックはおすすめです。
美容クリニックは、美意識が高い人への接客力が求められます。また、美容クリニックは年収が高い傾向にありますが、営業のノルマが課されている可能性もあるので注意が必要です。
現在の病院と同じ診療科に転職する場合、即戦力としてすぐに採用される可能性も高いので、転職までのスピードを重視する人は同じ科がおすすめです。
また、違う診療科への転職を考えている場合は、セミナーや勉強会に積極的に参加し、成長するための姿勢をアピールするといいでしょう。
自分のスキルや経験を言語化する
転職をスムーズに進めるためには、自分のスキルや経験を言語化することも重要です。
言語化することで、自分のどのようなスキルや経験を活かせるかを面接官へアピールしやすくなります。自分が何を求めて転職したいのかの整理もでき、転職の方向性も定まるでしょう。
反対に、自分のスキルや経験を棚卸しせず「今の職場が激務だからクリニックに転職したい」というだけでは、クリニックへの転職理由としては不十分です。
実際に、履歴書や面接でその旨を伝えても、効果的な自己PRになりません。転職理由が曖昧なままでは、転職活動に身が入らず、転職先が決まらない期間も長くなりやすいです。
また、転職先が決まっても希望条件とミスマッチが発生する可能性が高く、結果的にまたすぐに転職を考えなければならないというリスクもゼロではありません。
理想の転職先に就くためには、最初に自分のスキルや経験を言語化することが大切です。
また、転職先に希望する条件も、譲れるものと妥協できないものなども言語化し、優先順位をつけた上で転職活動に挑むことをおすすめします。
看護師向け転職サイトを活用する
効率的に転職を進めるためには、看護師向け転職サイトを活用するのもおすすめです。看護師向けの転職サイトであれば、看護師以外の職種がほとんどなく、希望条件を絞り込みやすいです。
また、転職サイトは基本的に無料で利用できるだけでなく、アドバイザーがスキルや経験を考慮し、おすすめの求人を紹介してくれます。最初に求職者の希望条件をヒアリングしてくれるため、自分のニーズも反映されやすいでしょう。
履歴書・職務経歴書などの書類添削や、面接練習などをおこなってくれるケースも多く、初めての人でも安心して転職活動を進められます。
「どのような診療科が自分に向いているのかわからない」「スキルや経験を言語化するのが苦手」という看護師は、看護師向け転職サイトを活用しながら転職活動をすると良いでしょう。
また、多くの求人をチェックするために、看護師向け転職サイトは複数登録するのがおすすめです。
クリニックに転職したい看護師向け転職サイト
近年では、特定の職種に特化した転職サイトが増えています。実際に、看護師向けの転職サイトも複数あるため、どのサイトを使えば良いか悩む看護師も少なくありません。
そのためにも、それぞれの転職サイトの特徴やメリット・デメリットを押さえ、比較して選ぶ必要があります。ここからは、クリニックに転職したい看護師向けの転職サイトについて3つ紹介します。
- 看護roo!
- レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
- マイナビ看護師
それでは、クリニックに転職したい看護師向け転職サイトをそれぞれ紹介していきます。
看護roo!
看護roo!は、転職支援実績が豊富な転職サイトであり、30年以上も運営している老舗のサービスです。転職のプロである担当者が、希望条件に合致する求人を紹介してくれます。
求人への質問・条件の変更・応募方法についても、効果的なアドバイスを受けられるため、効率良く転職活動に臨めます。転職が初めての看護師でも、応募書類の添削や面接対策などを受けられるため、内定率を高めやすいです。
上記の転職サポートを実施しているだけでなく、転職ガイドや看護師向けのメディアもあり、コンテンツが充実しています。
クリニック勤務に関する求人数も多く、希望条件に適したものを見つけやすいです。また、求人は都市部だけでなく全国に対応しているため、地元に戻って転職したい看護師にもおすすめです。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
レバウェル看護は、レバレジーズメディカルケア株式会社が運営する転職サイトです。
サイトに掲載されている求人数は14万件以上と豊富にあり、クリニック関連の求人も多いため、希望条件に合致したものを見つけやすいでしょう。
レバウェル看護の担当者は、年間4,000回を超える職場訪問を実施しており、求人票には載らない現場の雰囲気などを把握しています。そのため、転職後に感じるギャップが小さくなるため、転職を繰り返す事態を防ぎやすく、理想の職場を見つけやすいです。
求人情報は、メールだけでなくLINEでも受け取れるため、気軽に仕事を探せます。また、LINEを使って相談もでき、自分のペースに合わせて転職活動できる点も魅力の1つです。
マイナビ看護師
マイナビ看護師は、大手人材企業の株式会社マイナビが運営しています。マイナビは看護師だけでなく医療業界に強い繋がりがあり、好条件の求人が多くあるだけでなく、転職支援実績も豊富にあります。
転職が初めての看護師でも「履歴書・職務経歴書の書き方」「自己PR診断」「職場発見診断」など様々なサービスがあるため、自分に合った求人を見つけやすいです。
担当のキャリアアドバイザーと相談することで、希望に合った求人を紹介してもらえます。クリニックの求人も多いため、理想の転職を実現しやすいでしょう。
早期に転職先を決めたい「スピード転職」と、良い求人が見つかれば転職したい「じっくり転職」の2つの方法を選べるため、自分のペースに合わせて転職活動できる点も魅力です。
まとめ
この記事では、看護師がクリニックに転職する魅力や、向いてる人の特徴などについて解説しました。クリニックは大きな病院と比較すると、夜勤や残業が少なく、精神的な負担が少ないです。
そのため、不規則な生活で体調を崩してしまったり、患者の命に関わるような仕事によるプレッシャーに耐えられなかったりする場合は、クリニックへの転職がおすすめです。
ほかにも、勤務時間や休日が決まっていることが多いため、家事や育児、プライベートとの両立を図りやすいでしょう。しかし、クリニックへの転職はメリットだけでなく、デメリットもあります。
このようなクリニックへの転職のメリットとデメリットを押さえることが重要です。転職する際は、転職サイトのサポートを活用してみてください。効果的な転職活動をおこない、理想の転職を実現しましょう。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。