転職エージェントを利用して年収交渉する方法と注意点を解説!
転職してキャリアアップを目指す手段の1つに、「年収交渉をおこなう」というものがあります。
しかし、「年収交渉ってどうやるの」と疑問に思う方も多いでしょう。そこで本記事では、年収交渉のやり方について詳しく解説しています。ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
年収交渉とは
年収交渉とは、企業から提示されている年収に対して、「もう少し上げてほしい」と交渉することです。
「年収交渉をおこなうと企業からの心証が悪くなるかもしれない」などと考えて、踏み出せない方もいるのではないでしょうか。
しかし実際には、年収交渉をおこなっても心証が悪くなるとは限りません。もちろん、伝え方やタイミングなどによっては心証が悪くなる可能性もあります。
「どのような伝え方・タイミングであれば、年収交渉してもいいのか」という部分は、不明確でわかりづらいと思います。そのため、個人で年収交渉をおこなうことは、精神的な負担が大きいです。
そこで、転職エージェントの利用をおすすめします。
転職エージェントは、年収交渉も業務の一環のため、企業からの心証が悪くなるような交渉はおこなわないでしょう。
転職エージェントに希望を伝えるだけで済むため、精神的な負担も大きく軽減できます。
後悔しない年収交渉の方法
- 希望給与額だけでなく最低給与額も伝える
- 年収ではなく月収も把握する
- 給与額が上がった理由を把握する
- 業界の給与水準を把握する
希望給与額だけではなく最低給与額も伝える
本章での話は、元の提示金額が400万円とします。
希望給与額とは、たとえば「550万円もらえたら大満足」というような、自身の希望の最高額のことです。
最低給与額とは、たとえば「最低でも450万円はもらいたい」というような、自身の希望の最低額のことです。
この2つを転職エージェントに伝えることで、転職エージェントが企業と年収交渉をする際に、交渉の余地が生まれます。
希望給与額のみを伝えていた場合には、企業から「550万円は出せません」と言われてしまえば、年収交渉が失敗で終わってしまいます。結果として、元の提示金額である400万円になってしまう可能性もあります。
一方で、最低給与額も伝えていた場合には、「では、450万円ならどうでしょう」というように、交渉を継続することができます。結果として、450万円まで上げることができるかもしれません。
このように、希望給与額と最低給与額の2つを伝えることで、年収交渉の成功確率を高められます。そのため、絶対に2つとも明確にしましょう。
年収ではなく月収も把握する
年収交渉をおこない、大きく年収が上がったとしても、月収に変化がない場合があります。「ボーナスの金額が増えただけ」などの場合です。「月収も増やしたい」と考えているならば、希望通りになったとは言えません。
この場合では、税額は上がるため月々の手取りとしては下がります。また、賞与は原則として業績給であり約束されたものではなく、不確定なものです。
希望通りの給与額をもらえるようにするためには、年収ではなく月収も把握するといいでしょう。
給与額が上がった理由を把握する
年収交渉をおこない、大きく年収が上がったとしても、残業時間が増えたり休日数が少なくなったりした場合には、時給換算すると変化がない場合があります。
このようにならないためにも給与額が上がった理由は入社前に把握しておきましょう。
業界の給与水準を把握する
志望する業界の給与水準を知らなければ、提示された金額が安いのか高いのかの判断ができません。また、その判断ができないため「年収交渉していいのか」も不明確になってしまいます。
加えて、年収交渉したとしても、荒唐無稽な金額を提示していては、交渉が成立する可能性は限りなく低くなってしまいます。
年収交渉に失敗しないために注意すること
- 自分の状況を把握する
- 内定が出る前に交渉する
- 給与額にこだわりすぎない
自分の状況を把握する
提示された金額が、業界の水準と比較した際に、少し低い程度だったとします。このときに、自分の状況を把握していなければ、年収交渉するべきか否かを判断できません。
自分の経験や持っているスキル・知識などと、業界の水準となっている人の能力を比較した際に、自分が劣っていれば提示される金額は業界水準より低くても妥当だと言えます。
IT業界の平均年収は約450万円だと言われています。しかし、この金額はIT業界で5年間継続して働き、ITに関する専門的な資格を取得している人の平均年収かもしれません。
それに対して、IT業界が未経験で知識もスキルもなければ、当然、平均年収より低い年収しか提示されないでしょう。
このように、自分の状況を把握していなければ、年収交渉をするべきか否かを判断できません。
内定が出る前に交渉する
年収交渉は、内定が出る前までにおこなうことをおすすめします。内定が出てからでは、交渉が成立しづらいからです。
内定をもらっている時点で、提示した年収に両者が同意していることになります。そのため、後から「やっぱりもっと年収を高くしたい」と言われても、了承しづらいです。
同じ理由から、可能であれば面接よりも前に年収交渉をおこなうといいでしょう。
給与額にこだわりすぎない
給与額ばかりを気にしても、満足度の高い転職は実現しづらいです。
給与額が少し低くても、労働環境や人間関係、仕事内容などが充実していれば、満足度の高い転職となるでしょう。
一方で、給与額が高くても、労働環境や人間関係などが最悪であれば、早期離職も視野に入ってしまうかもしれません。
当然、給与額が高く、そのほかの要素も充実していれば、最も満足度の高い転職にはなります。
しかし、給与面・労働環境面などがすべてにおいて優れいている企業への、転職は難易度が非常に高いです。そのため、このような企業ばかりを求めていては転職活動が進まない原因にもなってしまいます。
転職エージェントに年収交渉してもらう方法
転職エージェントに年収交渉してもらう方法は、利用する転職エージェントによって異なります。そのため、ご自身が利用している転職エージェントの利用方法を調べてみてください。
本章では、doda・リクルートエージェント・マイナビエージェントを例にして紹介していきます。
【doda】年収交渉してもらう方法
dodaに企業との年収交渉をしてもらうには、担当者に依頼するだけで大丈夫です。その際にいくつかの注意点があります。
- 内定を死守したいのか、年収を重視したいのか、優先順位を決める
- タイミングは遅くなりすぎないこと
求職者が優先順位を決めていなければ、転職エージェントもどのような交渉をしたらいいのかが不明確になってしまいます。
また、「年収交渉したい」と伝えるタイミングが遅くなりすぎると、手遅れになり転職エージェントといえども、交渉を成立させることが難しくなってしまいます。
【リクルートエージェント】年収交渉してもらう方法
リクルートエージェントに企業との年収交渉してもらうには、担当者に依頼するだけで大丈夫です。その際にいくつかの注意点があります。
- 内定が出る前に伝える
- 最低条件と希望条件を明確に
内定は、年収も含めて決定されることが多いため、内定後に年収交渉してしまうと、内定の取り消しの可能性もあります。そのため、選考の早い段階で、担当者に「年収交渉したい」と伝えてください。
また、最低条件と希望条件が明確でないと、交渉の余地がなくなり、交渉が成立する可能性を低くしてしまいます。
【マイナビエージェント】年収交渉してもらう方法
マイナビエージェントに企業との年収交渉してもらうには、担当者に依頼するだけで大丈夫です。その際にいくつかの注意点があります。
- 自身の年収相場を把握しておく
- 業界の水準を把握しておく
- 企業の給与水準を確認しておく
- 内定が決まる前に年収交渉する
- 希望年収「下限」と「希望」を明確にしておく
- 他社の提示金額を活用する
- 途中で金額を変えない
自身の年収相場がわからなければ、年収交渉をするべきか否かを判断できません。これは、業界の給与水準・応募する企業の給与水準が不明確な場合にも同じことが言えます。
また、内定が決まってからでは手遅れになってしまうため、できるだけ早い段階で年収交渉の依頼をしましょう。
その際には、希望年収の「下限」と「希望」を明確に伝えて、交渉の余地を生み出す必要があります。その際には、他社の提示金を活用して、希望年収を決めることも手段の1つです。
しかし、年収交渉の途中で金額を変えないようにしましょう。ころころと意見を変えていては、「いい加減に回答しているのでは」とか「信用できないな」と思われてしまい損です。
年収交渉に関する質問
- 転職エージェントの年収交渉はどこまで追求していいの?
- オファー面談でも年収交渉していいの?
- 転職エージェントに年収交渉を依頼する際の伝え方は?
転職エージェントの年収交渉はどこまで追求していいの?
転職エージェントは、求職者が望む限り年収交渉をしてくれます。
しかし実際には、一度「無理だ」と断ったのにもかかわらず、何度も「この年収でお願い」と交渉してくる求職者は、不採用になる可能性が非常に高いです。
そのため、年収にばかりこだわらず、労働環境や人間関係、仕事内容の充実度などにも目を向けて、満足度の高い転職を目指しましょう。
オファー面談でも年収交渉していいの?
オファー面談でも年収交渉していいです。
年収交渉の際に気をつけるポイントは、本記事で紹介したものと同じです。
転職エージェントに年収交渉を依頼する際の伝え方は?
年収交渉も転職エージェントのサービスの一部であるため、必要以上に改まって依頼する必要はありません。
ただし、あまりに無謀な金額で依頼してしまうと担当者を困らせてしまうため、現実的な金額で依頼するようにしましょう。
まとめ|年収交渉して満足度の高い転職を実現させよう
個人で転職活動をしている場合、企業に対して年収交渉することは、「心証が悪くなるのでは」とか「不採用になるのでは」という不安から難しいと思います。
しかし転職エージェントを利用すれば、年収交渉のやり方を心得ている担当者が心証を悪くすることなく、不採用になることなく交渉を進めてくれます。そのため、満足度の高い転職が実現する可能性が高くなります。
ぜひ転職エージェントを利用して、満足度の高い転職を実現させましょう。
キャリア形成支援を主な事業とするCareer Expertを経営。具体的には、就職・転職支援や自己理解支援、キャリアデザイン支援などを実行。その経験や専門知識を活かし、読者の役に立つ記事を執筆。