「なぜ転職エージェントの利用は有料じゃないのか」を徹底解説!
「どうして転職エージェントは、無料で利用できるんだろう」という疑問はありませんか?
「無料だから、いい加減な支援しかしてもらえない」と思っている方もいるのではないでしょうか。
しかし実際には、転職エージェントは精一杯の転職支援をおこなってくれます。
本記事では、その理由やおすすめの転職エージェント、転職エージェントを最大限活かす方法などを解説しているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
転職エージェントはなぜ有料じゃない?無料で利用できる理由
求職者が転職エージェントを無料で利用できる理由は、職業安定法第32条の3によって、原則として求職者から報酬を得ることが禁じられているからです。
その代わり、転職エージェントに人材を紹介してもらった企業が、転職エージェントに報酬を支払うことで成り立っています。
つまり転職エージェントとは、求職者が無料で利用できるだけであり、ボランティアのように完全無料でサービスを実施しているわけではありません。
無料で利用できるのに支援を受けられる理由
転職エージェントは、人材を企業に紹介して採用に至った場合に、「紹介手数料」という形で、企業から報酬を受け取ることで成り立っているビジネスです。
大事な部分は、「採用に至った場合」というところで、人材を企業に「紹介するだけ」では報酬を得られないことです。
そのため転職エージェントは、企業に紹介する人材が採用してもらえるように、質の高い支援を実施する必要があります。
また、質の高い支援を実施していなければ、サービスを利用してくれる求職者が減ってしまいます。
そして、サービスを利用してくれる求職者が減ってしまうと、人材を求めている企業から求人紹介を依頼されることも少なくなってしまいます。
利用者数が少ない転職エージェントよりも、多い転職エージェントに求人紹介を依頼した方が、よりよい人材を紹介してもらえる可能性が高まると考えられるからです。
これらの理由から、求職者は転職エージェントを無料で利用できるのに、質の高い支援を受けられるのです。
企業が転職エージェントを利用する理由
転職エージェントに求人紹介を依頼して、人材を紹介してもらって採用した場合、企業は転職エージェントに、その人材の年収の30%程度の「紹介手数料」を支払います。
つまり、年収500万円の人材を採用した場合には、150万円の費用が発生するのです。
このような大金を払ってまで、企業が転職エージェントを利用する理由は、それでもコストパフォーマンスに優れているからです。
転職サイトや求人誌などの求人を掲載した場合には、求職者の選別を企業がおこなわなければいけません。多くの応募者がいた場合には、選別作業だけでも非常に大変な作業になります。人材も時間も多くかかります。
たとえ、求人票に必須資格などを記載して、応募段階で選別したとしても、資格を持っている人の能力は千差万別です。そのため、やはり選別作業が発生してしまいます。
一方で転職エージェントを利用すれば、そのような選別作業は転職エージェントが代わりにおこなってくれます。企業は、転職エージェントが「適している」と決断した人材の最終チェックだけで済むようになります。
そのため、人材を確保するための作業が非常に少なくなるのです。これによって、人材と時間を節約できて、企業の利益に直結するような業務に集中させることができます。
また、競合他社に知られずに人材を確保できるという理由もあります。
転職エージェントには、非公開求人という制度があります。非公開求人とは読んで字のごとく、一般的に公開されない求人です。公開するに値する人材にのみ紹介されるため、他社に人材を確保していることが知られづらいです。
そのため、「経営にかかわる人材」や「極秘プロジェクトのための人材」などを確保したい場合に利用されることもあります。
これらの理由から、企業はお金を払ってでも転職エージェントを利用するのです。
転職エージェントを無料で利用できるからこそ気をつけたいポイント
- 誠実な態度で接する
- 転職意欲が高いことを示す
- 転職軸を決めておく
- 複数の転職エージェントを利用する
誠実な態度で接する
転職エージェントは、人材を企業に紹介して採用に至った場合に、企業から「紹介手数料」という形で報酬を得て成り立っているビジネスです。
つまり、転職エージェントにとっての顧客は、求職者ではなく企業ということになります。
顧客である企業に、横柄な態度の人材を紹介することは、質の悪い商品を顧客に売ることと同義です。このような行為をしてしまうと、企業からの信頼を失い、求人紹介の依頼をもらえなくなってしまいます。
そして、紹介できる求人数が減ってしまえば、利用する求職者も減ってしまうため、運営が難しくなってしまいます。
このような悪循環を生み出してしまうため、企業には人柄がよく、ビジネスマナーが身についている人材しか紹介したくありません。
そのため、求職者は転職エージェントに対して、誠実な態度で接さなければ、一切の求人を紹介してもらえなくなる可能性が非常に高いです。
転職意欲が高いことを示す
転職エージェントは、企業に人材を紹介しただけでは、一切の報酬を得られません。採用されて初めて報酬が発生します。
この性質上、転職意欲が低く、なかなか転職しそうにない求職者への支援は質が悪くなったり、後回しにされたりする可能性が高まってしまいます。
どれだけ質の高い支援を真摯におこなっても、求職者が転職しなければ無意味だからです。無意味どころか、支援に人材・時間を使ってしまうため、大きな損失になります。
そのため、転職エージェントから質の高い支援を受けたい場合には、転職意欲の高さをアピールする必要があります。
そうすることで、転職エージェントは報酬を得られる可能性を感じ、求職者が転職を成功できるように精一杯の支援をおこなってくれます。
転職軸を決めておく
転職エージェントは、求職者の希望をヒアリングし、特徴を分析して、適していると思われる求人を紹介してくれるサービスです。
そして、求人を紹介する際に大事にしていることは、「求職者が望んでいる求人か」という要素です。
たとえば、「絶対に飲食業界で働きたい」と言っている求職者に対して、「ITエンジニア」の求人は紹介しません。求職者が望んでいる求人ではないからです。
「ITエンジニアが向いていると思うのですが、一切考えていませんか」といった可能性の話はされるかもしれませんが、そこで「考えていません」と答えれば紹介されません。
そのような求人を紹介しても、求職者が応募する可能性が低く、無意味だからです。
つまり転職エージェントは、求職者が納得できる求人を紹介したいと考えているのです。
それなのに、「どう働きたいのかわからない」という状態であれば、転職エージェント側も「どの求人を紹介したらいいのかわからない」という状態に陥ってしまい、面談が長引く可能性があります。
そのため、転職軸は明確にしておくことをおすすめします。
複数の転職エージェントを利用する
転職エージェントは、多くの企業がおこなっているサービスです。「求職者に企業を紹介する」という部分には相違ありませんが、具体的なサービス内容は、転職エージェントごとで異なります。
それぞれの転職エージェントには、それぞれの特徴があり、それぞれの強み・弱みがあります。
たとえば、さまざまな業界・職種の求人を扱っている転職エージェントであれば、多くの選択肢があることが強みになります。一方で、特定の業界・職種の知識が浅く、専門的な支援をしてもらえないという弱みにもなります。
上記の特徴の転職エージェントだけを利用する場合には、「専門的な支援をしてもらえない」という弱みが残ってしまいます。
しかし、特定の業界・職種に特化していて、専門的な支援を実施しているという転職エージェントを同時に利用していれば、弱みを打つ消すことができます。
このように、複数の転職エージェントを利用することで、それぞれの転職エージェントの強みを活かして、弱みをカバーする利用が可能になるのです。
また、転職エージェントは、非公開求人や独占求人を保有しているところが多いです。これらの求人は、その転職エージェントを利用していなければ存在すら知ることができないものです。
複数の転職エージェントを利用することで、それぞれの転職エージェントが保有している非公開求人・独占求人を紹介してもらえるようになります。
このように、複数の転職エージェントを利用することで、大きなアドバンテージが得られるのです。
転職エージェントを有料級に使いこなす方法
- イベント・セミナーに積極的に参加する
- 履歴書・職務経歴書の添削を依頼する
- 面接対策を依頼する
- 条件交渉を依頼する
- 企業の情報を教えてもらう
イベント・セミナーに積極的に参加する
転職エージェントは、求職者に向けて、転職活動を有利に進めるための講座や転職活動に関する悩みを解決する相談会などの、イベント・セミナーを無料で実施しています。
「多くの求職者を支援してきた経験」と「転職に関する専門的な知識」を有している転職のプロから、転職に必要な知識や技術を無料で教えてもらえるため、参加しなければ損でしかありません。
また、積極的にイベント・セミナーに参加することで、転職意欲の高さをアピールできて、より質の高い支援を受けられる可能性を高めることにもつながります。
そのため、イベント・セミナーには積極的に参加しましょう。
履歴書・職務経歴書の添削を依頼する
転職エージェントには、履歴書・職務経歴書の添削をおこなってもらえます。
履歴書・職務経歴書は「どういうものが質が高いと思われるのか」が不明確でわかりづらいと思います。特に個人で転職活動している場合には、基準もないため、何もわからないまま提出することになってしまいます。
しかし転職エージェントを利用すれば、多くの求職者を支援してきて、「どういう履歴書・職務経歴書であれば、質が高いと思われるのか」を知っているプロに添削してもらえます。
そのため、個人で転職活動をおこなうよりも確実に質が高い書類を作成できるようになります。
面接対策を依頼する
転職エージェントには、面接対策をおこなってもらえます。
履歴書・職務経歴書と同じく、「どのような面接をおこなえばいいのか」という部分は不明確でわかりづらいと思います。
特に個人で転職活動をおこなっている場合には、基準となるものがないため、何もわからないまま面接に臨むことになってしまいます。
しかし転職エージェントを利用すれば、多くの求職者を支援してき、「どういう面接をおこなえばいいのか」を知っているプロに指導してもらえます。
また、利用する転職エージェントによっては、応募した企業に特化した面接対策をおこなってもらえる場合もあります。たとえば、「この企業は志望動機を大事にしているから、よく練った方がいい」などのようにです。
このように、転職エージェントを利用すれば、個人で転職活動するよりも面接を優位に進めることができます。
条件交渉を依頼する
転職エージェントは、条件交渉を代行してくれます。
条件交渉とは、「年収をもう少し高くしてほしい」とか「入社日を1ヶ月遅らせてほしい」などの希望を企業に伝えて、納得してもらうことです。
これらの交渉は、個人ではなかなかおこないづらいと思います。「これがきっかけで不採用になったらどうしよう」と思って、言い出せない方も多いと思います。
しかし転職エージェントを利用すれば、転職エージェントが求職者に代わって交渉してくれるため、精神的なストレスの軽減になります。
また、交渉のやり方も心得ているため、条件交渉したことが原因で不採用になるようなことも非常に少ないです。
企業の情報を教えてもらう
転職エージェントは、企業と密接なコミュニケーションを取って信頼関係の構築を図っているところが多いです。
この場合、求人票からはわからない職場のリアルな雰囲気を転職エージェントが理解している場合も多いです。
このような企業の情報を教えてもらうことで、入社後と入社前のギャップを可能な限り排除できます。そのため、入社後に「思ってたことと違う」という不満を感じづらく、継続的に勤務することが可能になります。
そのため、積極的に企業の情報について聞くようにしましょう。
おすすめの転職エージェント
- doda
- リクルートエージェント
- マイナビエージェント
- パソナキャリア
doda
- 転職者の満足度No.1(※)
- 業界最大級の求人数
- 質の高い支援を実施
doda最大の特徴は、転職者の満足度がNo.1であることです。
転職者の満足度No.1を獲得できた理由は2つあります。1つは、業界最大級の求人を保有していることです。もう1つは、質の高い支援を実施していることです。
多くの求人を保有していることは、「新しい職業に挑戦するチャンスが増えること」や「今よりも好待遇の求人に出会える確率を高めること」に直結します。
また、dodaは、キャリアアドバイザーと企業プロジェクト担当者という2種類のプロから質の高い支援を受けられます。
キャリアアドバイザーによって、自分の望みや特徴の明確化が支援されます。それによって、より自分に適した業界・職種を選択できるようになります。
企業プロジェクト担当者によって、企業の情報を詳細に教えてもらえます。それによって、求人票からはわからない企業の特徴を理解できます。結果として、より自分に適した環境の企業を選択できるようになります。
これらの質の高い支援を通して、より満足度の高い転職が実現できるのです。
リクルートエージェント
- 転職支援実績No.1(※)
- 業界最大級の求人数
- 各業界に精通したキャリアアドバイザーが在籍
リクルートエージェント最大の特徴は、転職支援実績がNo.1であることです。
転職支援実績がNo.1の理由は2つあります。1つは、業界最大級に求人を保有していることです。もう1つは、各業界に精通したキャリアアドバイザーによる支援を受けられることです。
求人を多く保有していることは、「新しい職業に挑戦するチャンスが増えること」や「今よりも好待遇の求人に出会える確率を高めること」に直結します。
また、リクルートエージェントは、各業界に精通したキャリアアドバイザーによる専門的な支援を受けられます。
特定の業界に精通していないキャリアアドバイザーにはできないような「専門的なアドバイス」や「業界の内情」を教えてもらえるため、より業界へのイメージを明確にできて、転職しやすい環境になっています。
マイナビエージェント
- 各業界に精通したキャリアアドバイザーが在籍
- 企業担当アドバイザーが在籍
マイナビエージェントでは、各業界に精通したキャリアアドバイザーと企業担当アドバイザーの2種類のプロから支援を受けることができます。
キャリアアドバイザーは、面談をとおして求職者を分析し、多くの求人の中から最も適していると思われる求人を紹介してくれます。
そのため、「どんな仕事がしたいのかわからない」と転職軸が定まっていない方でも、有効活用できる転職エージェントです。
そして、企業担当アドバイザーは、企業の人事とのやりとりをとおして、求人票からはわからない職場のリアルな雰囲気を教えてくれます。
そのため、転職が成功した後に「想い描いていたのと違う」などのギャップを感じづらく、満足度の高い転職が実現する可能性が高いです。
このようにマイナビエージェントでは、視点が異なる2種類のプロから支援を受けられるため、よりよい転職が実現可能になるのです。
パソナキャリア
- 4年連続で利用者満足度No.1(※)
- ハイクラス求人を多数保有
- 内定を獲得するための豊富な情報提供
パソナキャリア最大の特徴は、4年連続(2019年~2022年)で利用者満足度NO.1を獲得していることです。
利用者満足度NO.1である理由は2つあります。1つは、ハイクラスの求人を多数保有していることです。もう1つは、内定獲得のために豊富な情報を提供していることです。
パソナキャリアは、求人の約半数が「年収800万円以上」を掲げていて、非常にハイクラスな求人を保有していることがわかります。そのため、「転職して年収を上げたい」という求職者の望みを叶えやすい環境になっているのです。
また、パソナキャリアでは、業界・職種ごとに最新の採用トレンドを追っていて、採用してほしい企業の内定を獲得するための面接対策や条件交渉をおこなってくれます。
これらの支援を通して、より満足度の高い転職を実現しています。
転職エージェントに関する質問
- 有料の転職エージェントはあるの?
- お金を請求されることはあるの?
- 転職先を早期退職した場合に違約金は発生するの?
有料の転職エージェントはあるの?
有料の転職エージェントはありません。求職者から報酬を得ることは、職業安定法第32条の3によって禁じられています。
しかし、求人紹介だけでなく、スカウトサービスなどを実施している場合には、有料の場合もあります。
お金を請求されることはあるの?
お金を請求されることは、基本的にありません。
しかし、転職エージェントの根も葉もない悪口などを不特定多数が見える場で発信した(=名誉毀損)など、法に触れる行為をおこなった場合には、訴えられて慰謝料などを請求される可能性はあります。
転職先を早期退職した場合に違約金は発生するの?
転職先を早期退職した場合でも、違約金などは発生せず、求職者がお金を払わなければいけない状況にはなりません。
しかし、転職エージェントは人材を紹介した企業に対して、報酬を返還する制度を設けている場合が多いです。
まとめ|転職エージェントは無料で有料級の支援をしてくれる
求職者は無料で転職エージェントを利用できますが、受けられるサービスは有料級のものになります。
それは、転職エージェントが報酬を得るには、求職者の転職を成功させて、紹介先の企業から報酬を得るというビジネスモデルだからです。
転職エージェントは、原則として求職者から報酬を得ることは法律で禁じられているため、求職者の転職を成功させるほか報酬を得る手段は限られています。
そのため、転職エージェントも求職者に転職を成功してもらえるよう、精一杯の支援をおこなってくれるのです。
キャリア形成支援を主な事業とするCareer Expertを経営。具体的には、就職・転職支援や自己理解支援、キャリアデザイン支援などを実行。その経験や専門知識を活かし、読者の役に立つ記事を執筆。