Alipay(アリペイ/支付宝)とは?日本人も使える?仕組みや登録方法、チャージ方法など使い方を解説
「Alipay(アリペイ/支付宝)」とは近年、中国で爆発的に利用されている電子決済アプリです。
もしかしたら、あなたも中国の方が利用しているところを見たことがあるかもしれません。
では、そんなアリペイとはどのようなアプリなのでしょうか?ここではアリペイについて、初心者の人でもわかるように解説していきます。
この記事を読んでもらえれば、特徴やサービス内容、登録方法や使い方などがすぐに理解できるでしょう。
また、「日本人がアリペイを利用したい場合はどうなのか?」といった疑問にもお答えしていきますので、ぜひ参考にしてください。
Alipay(アリペイ/支付宝)とは?実際にどれだけ普及している?日本ではどう?
まずは、Alipay(アリペイ/支付宝)がどのようなもので、その普及はどの程度なのかをお伝えしていきます。
中国の巨大IT企業「アリババグループ」が提供するアプリ決済サービスで、2017年第1四半期ではモバイル決済業界シェア54%を記録、2019年6月時点で12億人以上の利用者が存在し世界最大級のものになっています。
世界中で450を超える金融会社と連携していて、日本では30万店以上でアリペイによる決済が可能となっています。
また、基本的な仕組みは、スマートフォンのアプリを利用したQRコード決済です。日本のPayPayやLINE Payと同じような仕組みになっています。
「QRコードを読み取る」、「店員に提示する」といった操作をするだけで決済ができるようになっています。また、ウェブサイトの決済にも利用可能です。
そのため、アプリをスマホにインストールしておけば、そのスマホがお財布代わりになるのです。
中国で使えない店はない?急速に進むAlipay(アリペイ/支付宝)決済
Alipay(アリペイ/支付宝)は、中国では使えない店はないといわれるほど普及しています。
中国はモバイル決済大国として知られており、店頭での支払いだけでなく、屋台や地下鉄の乗車、光熱費などの支払いにも利用されています。
そして、中国の2017年のモバイル決済金額は日本円にして約3,450兆円になっています。
日本の2017年のモバイル決済金額は約1兆256億円なので、その規模がいかに大きいかが伺えます。
そんな中国でモバイル決済として代表的なものがアリペイなのです。
中国のAmazonといわれる「淘宝網(タオバオ)」での決済にも使えますし、その他にもさまざまなお店や公共料金の支払いもでき、便利な機能も多いため、生活のあらゆるシーンで利用されています。
日本でも広がる!大手コンビ二「ローソン」で利用件数が5万件を突破!
Alipay(アリペイ/支付宝)の利用は日本でも増えつつあります。2017年2月10日付の「流通ニュース」によると、大手コンビニ「ローソン」では13日間で利用件数が5万件を突破したとのことです。
上記の記事によると利用があったローソンの店舗は全店舗の約3割を占め、全47都道府県におよぶとのことです。
ローソンは2月10日、訪日外国人観光客の更なる利便性向上のため、1月24日から導入した中国の世界最大級のモバイル決済サービス「支付宝(アリペイ=Alipay)」の利用件数が5万件を突破したと発表した。
観光客数の多い札幌、東京、大阪、京都、福岡、沖縄にある店舗を中心に、利用実績のある店舗は全店舗の約3割を占め、全47都道府県に及んだ。
近年は中国人観光客が増えていますので、アリペイを決済手段として希望する人が日本国内でも増えているんですね。
ちなみに、日本のほかのコンビニ、セブンイレブン、ファミリーマートでもキャッシュレス決済、クレジットカードの利用が進んでいます。
Alipay(アリペイ/支付宝)の登録方法
ここからはAlipay(アリペイ/支付宝)の登録方法についてお伝えしていきます。
登録の流れ
登録の流れはおおまかに以下の4段階です。
- Alipayアプリのダウンロード
- アカウント情報の入力
- 銀行口座の紐付け
- 本人確認情報の入力
①アプリのダウンロード
アプリをダウンロードします。
「Google Play」か「App Store」のそれぞれからアプリをダウンロードできます。
②アカウント情報の入力
アプリのダウンロード完了後はアカウント情報の入力をします。
アカウント情報の入力ではログインパスワードと支払いパスワードの設定や、携帯電話番号を入力することになります。
携帯電話番号は日本のものでも問題ありませんが、日本の電話番号を登録するときは、国番号(+81)に変更するのを忘れないようにしましょう。
アカウント情報の入力を終えると、SMSにコードが送信されます。
送られてきたコードを入力し、「送信」をタップすればアリペイの登録完了です。
③「銀行口座」の紐付け
アカウント登録の後は、銀行口座の紐付けをします。
この設定をすれば、銀行口座から直接アリペイにお金を入れられるようになります。
銀行口座を紐付けする方法は次のとおりです。
- 「我的」→「我的银行卡 添加」で銀行カード番号を入力
- 「下一歩」から銀行に届けた身分証情報を入力(外国人の場合はパスポート)
- 簡易パスワードが送られてくるので記入する
④本人確認情報の入力
最後に本人確認情報の入力を行います
本人確認情報の入力の流れは次のとおりです。
- 「我的」→「残高」から青いボタンを選択し「認証する」をタップ
- 「证件号」を「パスポート(护照)」に変更
- 入力内容が確認されると登録完了
Alipay(アリペイ/支付宝)の使い方とは?チャージ方法、決済方法を解説
ここからはAlipay(アリペイ/支付宝)の使い方を解説していきます。
どのようにお金をチャージして決済するのかをお伝えしていき、どの店舗でアリペイが使えるかをお伝えします。
Alipay(アリペイ/支付宝)のお金のチャージ方法
チャージ方法は以下の4つです。
- 銀行口座からのチャージ
- 即時チャージ
- クレジットカードでのチャージ
- 銀行口座以外からのチャージ
銀行口座からのチャージ
紐付けしておいた銀行口座からチャージが可能です。
銀行口座からチャージする手順は次のとおりです。
- 「我的」の「残高」で「充値」をタップする
- 金額を入力する
- パスワードを入力する
即時チャージ
「快捷支付」という機能を使うと即時チャージができます。
快捷支付は銀行のネットバンキング機能を使った振込サービスであり、基本的には即座に入金が反映されます。
クレジットカードでのチャージ
クレジットカードからチャージすることもできます。
チャージ可能な国際ブランドはVISAとMastercardのふたつです。
銀行口座以外からのチャージ
次の方法で銀行口座以外からののチャージも可能です。
- 友人リストに友人を追加する
- 自分のアリペイに送金してもらう
この方法は個人間送金というもので、チャットをしながら、アリペイを介して相手にお金を渡すことができます。
それでは、続いて決済方法をお伝えしていきますね。
Alipay(アリペイ/支付宝)の決済方法
決済方法は以下の2つがあります。
- 消費者提示型
- 店舗掲示型
それではこの2つのアリペイの決済方法について説明していきます。
QRコードを店員に提示する「消費者提示型」
消費者提示型はアリペイアプリからQRコードを店員に提示する決済方法です。
消費者提示型決済でのアリペイの手順は以下のとおりです。
- アリペイの「首页(ホーム)」から「付款(支払う)」をタップ
- QRコードを店員に提示
- 店員が読み取り機でQRコードを読み取る
- 決済完了
なお、QRコードは1分ごとに切り替わりすぐに使えなくなるため、注意してください。
店舗のQRコードを読み取る「店舗掲示型」
店舗掲示型は店舗のQRコードをアプリで読み取って決済する方法です。
店舗掲示型での決済手順は以下のとおりです。
- 店舗のレジ付近にあるアリペイ決済用のQRコードを探す
- スマホのカメラ機能でQRコードを読み取る
- 金額を手入力
- 決済完了
Alipay(アリペイ/支付宝)を日本で使えるお店とは?
日本国内では以下のような店舗がAlipay(アリペイ/支付宝)決済を導入しています。
- 高島屋
- ビックカメラ
- ヤマダ電機
- エディオン
- ジョーシン
- ドン・キホーテ
- セブンイレブン
- ローソン
- ファミリーマート
- GEO
- 無印良品
このほかにも多数の店舗がアリペイ決済を導入しており、対応店舗では、お店の入り口などにアリペイのステッカーが貼ってあるでしょう。
ここまでの解説でアリペイのチャージ方法や決済方法、使える店舗などは理解してもらえたかと思います。
しかし、先述したとおり日本人が利用するのは難しいです。
そこで、日本人が中国でアリペイによるキャッシュレス決済するのにおすすめの方法を次章でお伝えしていきます。
Alipay(アリペイ/支付宝)の5つのメリットを紹介
メリットは以下のようなものがあります。
- スマホ一つで決済が可能
- 送金は電話番号がわかればすぐできる
- 割り勘支払いもアプリでできる
- 銀行預金よりも利率が高い「預金(余额宝)」
- 携帯電話料金や公共料金などの各種支払いにも使える
それぞれについて詳しく説明していきます。
メリット①スマホ一つで決済が可能
スマホだけで決済できるという魅力があります。
あらかじめお金をチャージしておけば、スマホを財布代わりにできるため、現金を持ち歩く必要がなくなるんですね。
このためアリペイを利用すれば、現金払いのように財布からお金を選んで取り出すような手間が省け、決済の時間が非常に短縮されるというメリットがあります。
また、チャージ式であるため、チャージの残高以上は利用できず、使いすぎの心配もありません。
さらに、銀行と連携しておけば、銀行の預金から差し引くことも可能で、デビットカードのようにも利用できます。
メリット②送金は電話番号がわかればすぐできる
初期設定で携帯電話番号(中国国内で契約した番号)が口座番号代わりになっていますので、相手の携帯電話番号がわかればすぐに送金ができるんですね。
その他に、QRコードをスキャンしたり、チャットから送金することも可能となっています。そして、送金は即時に反映されます。
このサービスを利用して、中国ではお年玉をアリペイであげる人が増えているとのことです。
メリット③割り勘支払いもアプリでできる
Alipay(アリペイ/支付宝)では「割り勘支払い」も可能です。割り勘支払い機能を使えば、アリペイを利用している友人や知人に一斉に請求をすることも可能です。
その請求を受け取った相手がアプリから承認すれば、割り勘払いが実行されます。
メリット④銀行預金よりも利率が高い「預金(余额宝)」
Alipay(アリペイ/支付宝)には、「余额宝(ユエバオ)」という預金サービスもあります。
この余额宝を簡単に説明すると以下の3つとなります。
- 預けているお金はネットショッピングに使える
- 他の銀行への振込も可能
- 年4%前後の金利がつく(金利は固定ではなく常に変動)
特に年4%前後の金利がつくのは大きなメリットです。
中国の普通預金利率は年0.35~0.45%とのことですから、余额宝の金利は年4%前後とかなり高めになっています。
そしてこの余額宝は、いつでも引き出すことができます。
メリット⑤携帯電話料金や公共料金などの各種支払いにも使える
Alipay(アリペイ/支付宝)では、携帯電話料金や公共料金などの各種支払いにも対応してます。
アリペイで支払いができる料金一例は次のとおりです。
- 携帯電話の使用料
- シェアリング自転車の利用料
- タクシーの運賃
- 地下鉄の運賃
- 家賃や学費の支払い
- 公共料金の支払い
- 航空チケット代
- ホテルの予約・宿泊代
- 映画のチケット購入
- 出前の注文
上記のとおり、買い物だけでなく、毎日の生活の中で利用することができます。
ここまでの解説で、多くの魅力的なサービスがあることは理解してもらえたかと思います。そうした事から、中国人には非常に魅力的なモバイル決済なんですね。
では、日本人が利用するのはどうなのでしょうか?
Alipay(アリペイ/支付宝)を日本人が利用する時のデメリット
日本人が利用するのはかなりハードルが高いです。その理由は中国本土の銀行口座の登録が必須であるからです。
中国の銀行口座は基本的に現地に住んでいる人しか開設できず、日本人を含めて外国人の開設は困難なんですね。
そのため、日本人が利用する時はこの口座開設がネックになってしまうのです。
またそれだけでなく、「実名認証」が困難という問題もあります。
デメリット①実名認証には身分証明の提出がある
実名認証では、身分証明を提出する必要があります。
実名認証するためには、以下のものを準備する必要があります。
- アカウント開設時の電話番号(日本の携帯電話番号でも可)
- アカウントに紐づけた銀行口座番号(中国内の銀行口座,外国人の場合は2つ)
- 中国の身分証明書
- パスポート
- アリペイでの水・電気・ガスなどの公共料金の支払い実績
- アリペイでの列車・飛行機のチケット・保険代の購入実績
この中のいずれかを提出すれば実名認証自体はクリアできます。
しかし、最低3つ以上の身分証明書を提出しなくては満足に利用できないという問題もあるのです(その理由は後述しています)。
上記のなかから3つ以上の身分証明書を提出するとなると、実際に中国で暮らしている人以外は相当困難になっています。
デメリット②実名認証には3つのランクがある
Alipay(アリペイ/支付宝)の実名認証には3つのランクがあり、ランクによって決済できる金額に制限があります。
- 身分証明が1つの場合
身分証明が1つの場合、アカウント開設後の累計額で決済額が1,000元(約17,000円)に制限されます。 - 身分証明が3つの場合
身分証明が3つの場合、決済額が年間10万元(約170万円)に制限されます。 - 身分証明が5つ以上の場合
身分証明が5つの場合は、決済額が年間20万元(約340万円)まで決済可能です。
身分証明1つでも利用は可能ですが、アカウント開設後から1,000元までしか利用できず、正直使い物になりません。
このため、最低でも「身分証明が3つの場合」を狙いたいところですが、先に解説したとおり日本人ですと相当難しいのが現状です。
そうした事から、現状外国人が使うのは難しい、中国人向けのサービスになっています。
日本人が中国でキャッシュレス決済するなら銀聯カードがおすすめ
日本人が中国でAlipay(アリペイ/支付宝)以外でキャッシュレス決済するのにおすすめなのが「銀聯(ぎんれん)カード」です。
銀聯カードとは、中国の大都市から地方都市まで2,000万店以上で利用できるクレジットカードとなります。
中国では北京や上海といった大都市であっても、VISAやMastercardといった国際ブランドのクレカが使えないケースが多々あります。
しかし、銀聯カードであれば多くのお店で利用できます。
このため、「中国に出張することが多いのでキャッシュレスの決済手段がほしい」という人には銀聯カードが非常におすすめです。
そんな銀聯カードは、以下のクレジットカードを作れば追加で発行できるようになります。
おすすめのクレジットカード
【PR】Sponsored by 株式会社リクルート 【PR】三井住友カード株式会社 (※)三井住友VISAクラシックカード(単独で「三井住友銀聯カード」も発行可能)Alipay(アリペイ/支付宝)の店舗への導入方法
Alipay(アリペイ/支付宝)の店舗への導入は代理店から申込みが可能です。
アリペイ認定代理店は、2019年9月現在で20店以上あります。
認定代理店の一例は以下の通り。
- PayPay株式会社
- 株式会社リクルートライフスタイル
- 住信SBIネット銀行株式会社
- SBペイメントサービス株式会社
- 株式会社ネットスターズ
Alipay(アリペイ/支付宝)を導入するメリット
Alipay(アリペイ/支付宝)導入のメリットは、中国人観光者のインバウンド消費が見込めることです。
中国での利用者が圧倒的に多いため、決済に対応しているかどうかは、買い物をするお店を選ぶうえでの重要なポイントになります。
とくに観光客の多いような業種やエリアのお店は、導入することで大きな集客が期待できるでしょう。
そのほか、店舗提示型でも、消費者提示型でも、導入すると、他の決済を含めて複数のスマホ決済にも同時に対応できることもメリットです。
アリペイをきっかけに、いくつかのスマホ決済を導入しておけば、中国人観光者だけでなく、日本人の集客アップにも貢献してくれるはずです。
Alipay(アリペイ/支付宝)のまとめ
Alipay(アリペイ/支付宝)は中国人に爆発的な人気を持つアプリ決済サービスです。
中国では使えない店はないと言われるくらい普及しており、日本でも中国人観光客向けに導入する店舗が増えています。
また、決済手段としてだけでなく、送金や利率の高い預金、資産運用などにも使うことができ、多方面での利用が可能になっています。
しかし現状、中国人による中国人向けのアプリという感じです。
アリペイには中国の銀行口座や実名認証が必要で、これらが外国人では難しいという問題があります。
よって、日本人が個人で利用するのは難しくなっています。
もし、中国国内でのキャッシュレスの決済手段がほしいというのであれば、「銀聯カード」をおすすめします。
銀聯カードであれば中国の大抵のお店に使えますので、現地での決済が非常に便利になりますよ。
キャッシュレス、クレジットカードなどの金融関係の記事を中心に、ガジェット、通信など様々なジャンルで執筆中。ポイントの貯め方などの込み入った話も分かりやすく、正直に発信していきます。クレジットカードは楽天カードを愛用中。ふだんは楽天ペイと合わせて利用しています。クーポンやキャンペーンを活用して、どうやったらお得に買い物できるかを考えるのが好きで買い物のまえに長考することもしばしば。趣味は貯金と節約。