クレジットカードのオーソリとは?仕組みと流れについて解説
クレジットカードの決済時にオーソリというものがあるのを知って、詳細や仕組みを調べていませんか?
端的にいうと、オーソリとはきちんと使えるクレジットカードかどうかや操作に誤りがないかをチェックする作業のことです。
チェックといっても種類が複数あったり、エラーがでたりもする複雑な作業になります。
そこで、今回オーソリの仕組みや流れ、エラーと対処法などについて詳しく解説していきましょう。
クレジットカードのオーソリとは決済可能かの確認作業
クレジットカードのオーソリとは、店舗側が決済できるカードかを念のため確認する作業のことです。
もう少し詳しく説明すると、クレジットカードの有効性や利用限度額に達していないかなどを店舗担当者やカード会社が確認し、安心してカードの利用枠を確保するための作業といえます。
なおオーソリは、正確にはオーソリゼーション(Authorization)といい、信用承認や販売承認などの意味です。
そして、オーソリは店舗によって任意でやっている特別な作業ではありません。そもそもクレジットカードの決済は、オーソリと売上処理で成立しているのが実情なのです。
つまりクレジットカードの利用者としても、ECサイトなどの店舗側としても、実は身近な話になります。
しかしなぜ、オーソリが必要なのでしょうか?ここからは、オーソリの目的や流れを説明してきましょう。
オーソリは不正クレジットカードや支払い遅延防止が目的
オーソリの目的はトラブル防止で、実はとても重要な作業です。実際、カード会社が間に入るので、オーソリをしなくても大丈夫だろうと考えるのは危ない発想といえます。
というのも、オーソリをきちんとしないと、不正クレジットカードや限度額超過などによる支払い遅延のトラブルが発生するためです。
したがって、オーソリは店舗としては当然すべきことといえ、限度額を超過していないかの確認などを通して、カード利用者の安心と利便性につなげる重要な作業ともいえます。
というわけで、クレジットカードのオーソリはトラブル防止目的のために必要な作業で、店舗側とカード利用者の両方にとって重要な作業と覚えておいてください。
2種類あるオーソリの仕組みと流れ
ここからは、オーソリの仕組みと流れについて解説していきましょう。
なお、一口にオーソリとまとめられていますが、実際には以下の2つの種類があります。
- ・ 自動オーソリ
- ・ 手動オーソリ
上記2種類のオーソリの仕組みと流れをそれぞれ解説していきます。
決済と同時におこなわれる「自動オーソリ」
自動オーソリは、クレジットカード情報が入力されたときに、自動でオーソリがされる方法です。
自動オーソリが使われているのは、ECサイトやデジタルコンテンツの販売などのビジネスが中心になります。
上記のように在庫管理がきちんとできるビジネスであれば、すぐにクレジットカード利用枠の確保と決済が完了する自動オーソリは、便利な方法です。
ちなみに、自動オーソリがおこなわれるのは、クレジットカードの利用者がカード情報を登録したときや注文確定をしたときになります。
上記のタイミングで、確実にサービスの実行や商品の発送ができない場合は、基本的に自動オーソリは選ばず、次に紹介する手動オーソリを選ぶのがよいでしょう。
店舗側の任意のタイミングでおこなわれる「手動オーソリ」
手動オーソリは、店舗の担当者が任意のタイミングでオーソリの手続きをする方法です。ホテルの予約などでよく採用されています。
というのも、ホテルなどのビジネスではクレジットカードの支払いから、実際にサービスを利用されるまでに時間があくからです。
たとえば、ホテルの予約で自動オーソリをして、即座にクレジットカードの利用枠をおさえてしまうと、キャンセルされたときの処理が煩雑になってしまいます。
したがって、在庫やサービスの実施日が流動的で、先に支払いが成立していると問題になる業界で、手動オーソリが使われているわけです。
ちなみに、実店舗でクレジットカード払いをする場合は、決済端末にカードを通すときに、手動オーソリがおこなわれています。
オーソリでクレジットカードが使えなくなる3つの理由
オーソリの目的は決済可能なクレジットカードか確認することなので、エラーになってカードが利用できない場合も当然あります。
オーソリでクレジットカードが使えない代表的な理由は以下の3つです。
- ・ 入力ミス
- ・ カード自体に問題がある
- ・ 支払い金額や支払い方法の問題
上記3つのオーソリエラーについて、それぞれ解説してきましょう。
入力ミス
入力ミスでオーソリエラーになっている場合の原因は複数に分かれ、具体的には以下4つが代表的です。
暗証番号エラー | 入力された暗証番号が異なる |
---|---|
会員番号エラー |
間違った会員番号(カード番号)が入力されている |
ボーナス月エラー |
設定していないボーナス月の入力されている |
ボーナス月不正 |
ボーナス払いの期間外を入力している |
なお入力ミスに限らず、オーソリエラーがおきた際には、基本的にエラコードが表示され、上記のような原因を教えてくれます。
カード自体に問題がある
クレジットカード自体になんらかの問題がある場合もオーソリエラーとなります。具体的には、以下の4つが代表的です。
事故カード | 盗難や紛失、延滞により停止措置となっているカードを利用している |
---|---|
有効期間エラー |
更新をしておらず有効期限切れとなっているカードを利用している |
取扱不可 |
販売停止されているカードや解約済カードを利用している |
限度額オーバー | 利用限度額がオーバーしているカードを利用している |
事故カードやカード取り込みといったエラーも含まれ、不正使用の可能性もあるので、オーソリエラーになった際は十分に注意しましょう。
支払い金額や支払い方法の問題
支払い金額や支払い方法でオーソリエラーになる場合もあり、具体的には以下3つが代表的です。
保留判定 |
これまでにない高額な利用や不自然な取引がされた場合にカード会社の判断で保留にされる |
---|---|
オンライン終了 | 処理をする端末が運用時間外といった理由で稼働していない |
分割回数エラー | 指定した分割方法がショップで対応していない |
分割回数エラー以外は、店舗としてもクレジットカード利用者としてもカード会社の対応を待たざるを得ません。
オーソリエラーになったときの対処法
分割エラーや入力ミス以外のオーソリエラーになった場合、エラーとなったカードの利用は難しい場合が多いです。
しかし、対処方法はあり、具体的には以下6つが代表的です。
- ・ 別のカードに変更(カードを複数持っている場合)
- ・ 代金引換
- ・ コンビニ後払い
- ・ 銀行振込後払い
- ・ 現金支払い
- ・ デビットカード決済
上記の対処方法を見てわかるとおり、エラーを起こしたクレジットカード以外での決済が基本となります。
もちろん、上記の対処方法は一般的に対処しやすい方法をまとめたものであって、他にも決済できる可能性はあります。
たとえば、店舗で対応しているポイントが、支払いに必要な金額分たまっていれば、クレジットカードの支払額を0にして決済できる可能性もあるでしょう。
覚えのない1円などの決済は1円オーソリの可能性あり
オーソリが原因で混乱しやすい事例として1円オーソリがあるので解説していきます。
クレジットカードの利用明細を見ていると、1円の支払いといった小額決済があり、気になった経験があるかもしれませんが、多くの場合1円オーソリです。
1円オーソリは、iTunes storeといった有料サービスの決済にクレジットカードを登録した際に、1円などの小額請求をテスト的におこない、有効なカードか確認する手法になります。
小額とはいえ支払いが発生していますが、オーソリに使われた金額は返金されるので、基本的には気にする必要はありません。
実際、あくまでも決済できるかどうかの確認が目的なので、請求がキャンセルされるか、実際に請求されることはない決済なのです。
しかし、見に覚えのない小額決済がすべてオーソリというわけでもないので、額面や頻度から不正利用が疑わしい場合は、カード会社に連絡するのをおすすめします。
ちなみに、即引き落としが発生するデビットカードで1円オーソリをされた場合は、引き落とし後に返金されるので覚えておくとよいです。
クレジットカードのオーソリ まとめ
クレジットカードのオーソリの概要や仕組みの流れ、エラーと対処法などを紹介してきましたが、理解は深まったでしょうか?
今回の内容をかるくまとめるので、ぜひ振り返ってみてください。
- オーソリとは、クレジットカードが決済可能か確認する作業のこと
- オーソリの目的は不正カードの使用や支払い遅延を防止すること
- オーソリエラーの原因は、①入力ミス②カード自体の問題③支払い金額や支払い方法の問題
- オーソリエラーになっても別のカードや代金引換、デビットカードの使用といった対処方法がある
- 1円の決済などの小額決済は1円オーソリの場合がある
オーソリの概要や仕組みを知っていれば、1円オーソリが利用明細に残ったり、日数が先のホテル予約でカード決済記録がなかったりしても不安になる必要はないと判断できます。
ぜひ、今回のオーソリに関する情報を覚えて、便利にクレジットカードを使い続けてください。
イイオトナが損をせず、幸せを目指せるメディア『-Para-』を運営する戦略コンサルタント。強いジャンルは「マネー」「働き方(副業や転職)」「スキル」「将来設計」などです。コンサルの知見を共有する一方、取り組んでいる副業のノウハウも提供します。具体的には、副業ライターとして月47万円をかせいだ経験や知らないと損をする正攻法の考え方などです。また、 大学院で研究→商社→コンサルという経歴での成功と失敗、アイデアやツールも共有します。