確定申告にマイナンバーは必要!?その疑問や申告方法を徹底解説
確定申告にはマイナンバーが必要です。
そして、マイナンバーカードは必ずしも必須ではないものの、あった方が、マイナンバー方式の確定申告ができるので便利でしょう。
ここでは、確定申告におけるマイナンバーの記載場所や、カードを使った申告方法について詳しく紹介します。
確定申告にマイナンバーは必要だがマイナンバーカードは必須ではない
確定申告にマイナンバーは必要です。ただ、正確にいうとマイナンバーである12ケタの数字が必要であって、マイナンバーカードは絶対に必要ということではありません。
よく勘違いされるのが、マイナンバーカードがないと確定申告ができない、と思われるケースです。後で詳しく紹介しますが、マイナンバーカードは顔写真とICチップ付きのカードであり、身分証明書として使うことができるものです。
その一方で、マイナンバーというのは、個人を識別するための12ケタの番号です。カードがなくてもこの数字さえ分かれば、確定申告をスムーズにおこなうことができます。
罰則はないがマイナンバーの記載は必要
確定申告書には「マイナンバー記載欄」があります。そこに12ケタのマイナンバーを記入することで、行政側は個人情報の認識や管理がしやすくなり、確定申告の手続きをスムーズにおこなうことができます。
ただ、マイナンバーを記載しなかったからといって、確定申告ができないということはありません。また、マイナンバーを確定申告で提示しなかったからといって、罰則があるわけでもないのです。
しかし、マイナンバーを記載しなかった場合、後日税務署から連絡が来る可能性もあります。電話越しでマイナンバーを聞かれることはありませんが、確定申告に関する対応は誠実におこなったほうが良いでしょう。
マイナンバーカードは不要
確定申告においては「マイナンバーである12ケタの数字」が必要であり、マイナンバーカードは特に必要ではありません。カードの持参や、カードのコピーが必要ということはないのです。
あとで詳しく説明しますが、確定申告では、その12ケタの数字が本当に本人のものなのか、証明するための身分証明書も必要です。マイナンバーカードがあれば、そのような身分証明書としても簡単に利用できます。
すでにマイナンバーカードがあるという人は、確定申告の際には利便性が高いので、ぜひ利用していきましょう。
マイナンバーの確認方法とは
自分のマイナンバーが分からない、そのようなときでも、確かめる方法はあります。確認方法は主に次の3つになります。
- マイナンバー通知カードで確認する
- マイナンバーカードで確認する
- マイナンバー記載の住民票で確認する
ここからは、それぞれの確認方法を詳しく見ていきましょう。
マイナンバー通知カードで確認する
マイナンバー通知カードとは、2015年の10月から12月にかけて、総務省より各家庭へ郵送されたものです。そこに12ケタのマイナンバーが記載されており、この通知カードによって、初めて自分のマイナンバーを知った人が多いと思われます。
基本的に、マイナンバー通知カードは日本に住む人であれば送られてくるものです。マイナンバーを確認するには、手元にあるマイナンバー通知カードを見るのが一番早いといえます。
しかし、マイナンバー通知カードは簡易書留で送られてくるため、本人不在の場合は受け取ることができません。3か月以上受け取ることができなかった場合は破棄されるため、再発行する必要があります。
マイナンバーカードで確認する
マイナンバーカードは、顔写真とICチップ付きのカードです。マイナンバーの通知カードが届いたあと、任意でマイナンバーカードを発行することができます。
もちろん、このマイナンバーカードにも12ケタのマイナンバーが記載されています。マイナンバーカードを作るには、「郵送」、「パソコンもしくはスマホ」、「証明写真機」、「街中の証明写真機」での申込み方法があります。
手段 | 郵送 | パソコン・スマホ | 証明写真機 |
必要なもの | 個人番号カード交付申請書 |
個人番号カード交付申請書 |
・個人番号カード交付申請書 ・撮影に掛かる費用 |
手続き方法 | 個人番号カードド交付申請書に署名・押印し、顔写真を貼り付け、送付 | WEBサイトにアクセスし必要事項を入力後、顔写真を送信 | 個人番号カード交付申請書のQRコードを証明写真機のスキャナーで読み取り、必要事項を入力し、顔写真を撮影して送信 |
いずれも、証明用写真機以外は無料で簡単に作ることができます。ただ、カードをなくして再発行をする場合には、自治体により500円程度の費用が掛かることが多いです。
マイナンバー記載の住民票で確認する
マイナンバーを調べる方法として、マイナンバー付きの住民票を取得するやり方もあります。
- 運転免許証やパスポートなどの、本人確認書類を準備する
- 本人確認書類を持参して市区町村役場で住民票を申請する
- 手数料300円ほどで即日発行してもらえる
マイナンバー制度が施行された2015年10月5日以降には、住民票にマイナンバーが表記されるようになりました。
通知カードやマイナンバーカードの発行には、申請から受取まで3週間ほど掛かることが多いのですが、住民票であれば即日発行が可能です。
早くマイナンバーが知りたい場合は、マイナンバー付きの住民票を取得する方法がおすすめです。
確定申告でマイナンバーはどこに記載する?
確定申告では、マイナンバーを記載する場所が設定されています。
ただ、申告者本人のマイナンバーと、扶養家族や従業員のマイナンバーでは、記載する場所に違いがあります。ここからは、それぞれの記載場所について見ていきましょう。
本人のマイナンバーは第一表
申告者本人のマイナンバーは、確定申告書の第一表に記載することになります。申告内容によってA様式とB様式に分かれてはいますが、いずれにせよ、用紙の右上に記載することになります。
扶養家族や従業員のマイナンバーは第二表
扶養家族や従業員のマイナンバーは第二表に記載します。配偶者、扶養親族、事業専従者のマイナンバーを記載する欄はそれぞれ違いがあるので、記入する前によく確認しましょう。
本人確認書類の写しは添付書類台紙
確定申告には、マイナンバーを証明する身分証明書も必要です。「通知カード」や「住民票の写し+運転免許証」といった本人確認書類の写しは、下にある「添付書類台紙」に貼ります。
マイナンバーカード方式による確定申告
マイナンバーカードがあれば、確定申告を簡単にオンライン上でおこなえます。確定申告をオンライン上でおこなう方法をe-Tax(イータックス)といい、マイナンバーカードを使ったe-Taxは「マイナンバー方式」と呼ばれています。
マイナンバーカード方式の申告方法
マイナンバーカード方式は、簡単にいうとマイナンバーカードを取得したあとに、申告データを作成してパソコンから送信する、という流れになります。
- マイナンバーカードとICカードリーダライタまたは対応スマホを準備
- パソコンの事前準備セットアップを行う
- 申告データを入力
- e-Taxで送信
確定申告書作成等コーナーは、国税庁ホームページのなかにあります。これを利用してe-Taxを送信するには、あらかじめ必要なソフトのインストールが必要になります。
インストールにあたっては、国税庁のWebサイトにある「事前準備セットアップファイル」をダウンロードします。パソコンはWindows、Macともに対応していますが、利用環境に対応しているか確認してからセットアップをおこないましょう。
その後は確定申告書等作成コーナーで申告データを入力し、申告書が完成したら、データを保存します。最後にe-Taxの送信ボタンを押して完了です。
マイナンバーカード方式で必要なもの
マイナンバーカード方式で必要なものは以下の2点です。
- マイナンバーカード
- ICカードリーダライタ、またはスマートフォン
ICカードリーダライタは、マイナンバーカードに記録された情報を読み込む機械です。家電量販店などで3000円程度で販売されています。
ICカードリーダライタを購入する際は「公的個人認証サービス」に対応しているものを選びます。店員さんに確定申告で使う、といえば、まず間違いはありません。
ただ、令和2年1月31日から、スマートフォンやMicrosoft Edgeからマイナンバーカードを利用したe-Tax送信のサービスを開始しているので、わざわざICカードリーダライタを購入する必要はないでしょう。
ただ、タブレットは、マイナンバーカード方式には対応していないので注意が必要です。
マイナンバーカード方式のメリット
e-Taxにおける確定申告には、マイナンバーカード方式の他にも、事前に税務署に行って本人確認をしてもらう「ID・パスワード方式」があります。
マイナンバーカード方式は、ID・パスワード方式と比べると、事前準備が少なく、スムーズに手続きができるメリットがあります。
- 税務署へ行く手間がない
- e-Taxの開始届け出書の提出が不要
- e-TaxのID・パスワードの受領も不要
以下は簡単にマイナンバーカード方式とID・パスワード方式を比べてみた表です。
方式 | マイナンバーカード方式 | ID・パスワード方式 |
申告時に準備するもの |
・マイナンバーカード ・ICカードリーダライタ |
・e-TaxのIDパスワード |
e-Taxの開始届け出書の提出 | 不要 | 税務署にて本人確認をする手続きが必要 |
e-TaxのID・パスワードの受領 | 不要 | 税務署にて本人確認をする手続きが必要 |
ID・パスワード方式の場合、税務署へ出向き、職員の人に本人確認をしてもらわなくてはなりません。
確認ができたあと「ID・パスワード方式の届出完了通知」が発行され「利用者識別番号」を取得でき、やっと申告書データの作成に取りかかることができます。
しかし、マイナンバーカード方式の場合、これらの工程は必要ありません。税務署に出向いての届出完了通知や、利用者識別番号の取得は必要なく、ダウンロードしたe-Taxのソフト上ですべて手続きができるのです。
確定申告が近づいた税務署は非常に混雑し、長時間待たされるといったことも少なくありません。税務署へ行く必要のないマイナンバーカード方式の方が、スムーズに確定申告ができるといえるでしょう。
マイナンバーカードがない場合の申告方法
マイナンバーカードがない場合の確定申告は、従来の方式である「書面提出」をおこなうか、「ID・パスワード方式」でe-Taxでの手続きをすることになります。
税務署へ持参か郵送する
マイナンバーカードがない場合は、確定申告書の申告書を準備し、記入してから税務署へ持参か郵送する方法があります。
確定申告の申告書は税務署で受け取ることもできますが、国税庁のwebサイトからダウンロードすることも可能です。
申告書には、手書きで必要事項を記入するか、国税庁webサイトの「確定申告書等作成コーナー」で必要事項を記入する方法もあります。ただ、webサイトで記入した申告書は、ネット送信をするのではなく、印刷をする必要があります。
記載が終わった申告書は、直接税務署へ持って行くか、税務署あてに郵送して提出します。
e-Taxをおこなう
マイナンバーカードがなくても、e-Taxにてパソコンから確定申告をおこなうことも可能です。ただし、この場合、税務署へ足を運び、利用者識別番号であるIDとパスワードを発行してもらわなければなりません。
これらを発行してもらうには、運転免許証などの本人確認書類を税務署へ持参する必要があります。
発行してもらったIDとパスワードを使い、国税庁webサイトの確定申告書等作成コーナーでログインします。その後は指示に従い申告データを入力し、保存したデータをe-Taxにて送信します。
確定申告とマイナンバーのまとめ
確定申告にマイナンバーは必要ですが、マイナンバーカードがあれば、さらにスムーズな確定申告ができることが分かりました。
- 確定申告にマイナンバーは必要
- マイナンバーカードは必ずしも必要ではない
- マイナンバーカード入力ができれば、確定申告はさらにスムーズ
現在の確定申告においては、必ずしもマイナンバーカードは必要ではありません。しかし、これからマイナンバーカードは、さまざまな分野で活用されることが予想されます。
毎年の申告手続きをスムーズにおこなうためには、いまのうちからマイナンバーカードを準備しておいたほうが、何かと便利になるでしょう。
2019年に株式会社サイバーエージェントに入社。 クレジットカード、キャッシュレス、カードローンの記事作成を担当。 愛用クレジットカードは楽天ゴールドカードでネットショッピングでは楽天市場を利用するようにしている。楽天ペイ、楽天Edyも使っており、楽天のダイヤモンド会員を維持している。最近はスマホを楽天モバイルに変えるか悩んでいる。 ヤフーカードやPayPay、Kyashなども利用しており、お得にポイントを貯めることが趣味。