確定申告を郵送でおこなう方法とは?必要書類やメリット・デメリットも解説

確定申告を郵送でおこなう方法とは?必要書類やメリット・デメリットも解説

毎年おこなう確定申告ですが、税務署に足を運ぶ時間の確保が難しいという方もいるのではないでしょうか。

そこでおすすめなのが確定申告を郵送でおこなうことで、時間や手間の短縮につながります。

しかし、確定申告を郵送でおこないたいと思ってみても、具体的な流れをはじめ、どんな書類を提出すればいいのかなどの疑問を抱える方もいることでしょう。

当記事では確定申告を郵送でおこなう方法について解説し、そのほかにもメリットにデメリット、インターネットから確定申告をおこなう方法なども紹介します。

確定申告の郵送方法

確定申告を郵送でおこなうにあたり、郵送方法を間違えないようにする必要があります。

まず、確定申告書は信書扱いです。信書とは「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と郵便法および信書便法で決まっているため、郵便物(第一種郵便物)もしくは信書便物で送付しなくてはなりません。

確定申告書類が入ればどのサイズの封筒で送っても問題ありませんが、提出する書類も多いので折り曲げると厚みが出てしまいます。そのため、小さいサイズよりもクラフト封筒角2号の封筒の使用がおすすめでしょう。

なお、クラフト封筒角2号の封筒を使った場合は定形外郵便となるため、送料は120~140円程度です。普通郵便で送ってもいいですが未着の際の補償はないので、不安な方はレターパックや簡易書留などを利用してください。

そのほかにも郵送物が雨に濡れる可能性もあるので、クリアファイルに書類一式を入れて送るとよいでしょう。

宅急便で送るのはNG

普通郵便では未着が不安な方のなかには、追跡番号があったり早めに到着したりする宅急便で送ってしまう場合があります。

しかし、宅急便は荷物扱いなので確定申告の書類を送ることは廃止と法律で決まっています。必ず、普通郵便、レターパック、簡易書留などの方法から選ぶようにしましょう。

また、郵便局から確定申告の書類を送ればどの方法でもいいわけではありません。以下のサービスは信書を送付することのできないサービスなので注意してください。

信書を送付することのできないサービス
  • ゆうメール
  • ゆうパケット
  • ポスパケット
  • クリックポスト
引用元:日本郵便「信書の送付について」

確定申告の郵送期限

例年2月15日頃から3月15日頃までの期間でおこなわれる確定申告ですが、消印が3月15日までのものが受付対象になります。

15日必着ではなく15日までの消印が有効で、16日を過ぎてしまうと期限に間に合わないことになるので注意してください。

もし、提出期限が間近で不安な場合、郵便局に出向いて簡易書留などの消印が残る方法を選ぶといいでしょう。

ただし、3月15日が土曜日、日曜日と重なる場合の提出期限日は翌月曜日となります。

遅れると無申告加算税や延滞税が加算される場合がある

3月15日以降に確定申告の書類を提出した場合、延滞税無申告加算税が発生するので注意が必要です。

なお、延滞税は遅れた納税額に利率をかけて計算し、税額は3月15日から申告書の提出の2ヶ月後まで、それ以降と2つにわかれます。

延滞税の利率は1年ごとに設定されますが、申告書の提出の2ヶ月後までは低い利率で計算され、2ヶ月を超えた場合の税額は大きくなる傾向です。

無申告加算税は遅れた納税額に対する5%のペナルティが発生します。「延滞した納税額(1万円未満切捨)×5.0%」で計算され、納付期限からどのくらい経過したのかではなく、期限を過ぎたかどうかで発生が決まります。

確定申告の郵送先

郵送で確定申告をおこなう場合、必要書類の郵送先は開業届に記載した納税地(住所地・居所地・事業所等の所在地)の管轄税務署となります。

管轄税務署がどこかわからない場合、国税庁のホームページにアクセスすれば全国の税務署一覧にて確認できます。郵便番号に住所、そのほかにも各都道府県の地図から選んで進めば各税務署の住所、管轄区域がどこなのかを調べることが可能です。

確定申告で郵送する書類

確定申告を郵送でおこなうにあたり、用意が必要な書類は多くあります。もし提出書類に漏れがあると税務署に直接届けるなどの手間が発生するため、郵送する前にしっかりと確認する必要があるでしょう。

こちらでは確定申告で郵送が必要な書類について解説しますので、用意する際の参考にしてください。

確定申告で郵送する書類
  • 源泉徴収票
  • 社会保険料控除証明書
  • 生命保険料控除関係書類
  • その他、控除の証明書
  • 返信用封筒と控え

源泉徴収票

給与に賞与などの収入額、毎月の給与から源泉徴収された所得税の金額を証明する書類が源泉徴収票です。原本の添付が必要で、源泉徴収票の提出がなければ所得税や住民税を二重請求されてしまうことがあります。

なお、源泉徴収票は1月中を目安に勤務先で発行されるため、すでに転職や退職をしている場合は自分から請求しないと発行されないことがあるので注意してください。

社会保険料控除証明書

社会保険として支払った国民年金、国民年金基金、国民健康保険などの保険料、掛金は所得から全額控除が可能です。そこで、控除を受けるために必要なのが社会保険料控除証明書で、支払いを証明するために添付する必要があります。

社会保険料控除証明書は自宅に郵送で届きますので、届いているのかを確認してください。もし社会保険料控除証明書を紛失した場合、再発行の手続きをおこなう必要があります。

日本年金機構から発送される

国民年金保険料の社会保険料(国民年金保険料)控除証明書は、例年11月中に日本年金機構より発送されるので保管しておいてください。ただし、10月以降に加入した場合は1月頃の発送となるので覚えておくといいでしょう。

また、国民年金基金の掛金はそれぞれの加入する基金より、10月末〜11月末の期間に社会保険料控除証明書が発送されることが多いです。

生命保険料控除関係書類

生命保険料は全額まではいかないものの、支払った保険料に応じた一定金額を所得より控除することができます。

該当するのは一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の3種類となり、自身がどの保険に加入するのかは保険会社より発送される書類で確認してください。

なお、生命保険料控除関係書類を提出することで最大4万円までの控除が可能で、さらに総額12万円までの所得控除を受けられます。

生命保険料控除関係書類は加入する各保険会社から10〜11月頃を目安に郵送されるので、紛失しないように保管しておきましょう。

その他、控除の証明書

これまでに解説した書類以外にも提出することで控除を受けられる証明書があります。

たとえば、地震保険料控除関係書は各保険会社から10〜11月頃を目安に発行されますし、小規模企業共済等掛金の支払いを証明する小規模企業共済掛金払込証明書は11月頃に中小企業基盤整備機構から送られてきます。

そのほかにも国、地方公共団体、公共法人、政治団体などに寄附をした場合、寄附金控除関係書類を提出すれば所得控除や税額控除を受けられます。

返信用封筒と控え

確定申告を郵送でおこなう際に、税務署印の入った控えを送付してもらうために返信用封筒を用意する必要があります。

返信用封筒にどのサイズを用意するなどの決まりはありません。自身で用意した返信用封筒の表面に送付先となる住所と名前を書くようにしてください。

また、返信用封筒には切手の貼り付けも必要で、切手の金額は用意する封筒のサイズと重さによって異なります。たとえば長形3号の封筒であれば切手代は84~94円です。

確定申告を郵送するメリット

確定申告を郵送することの最大のメリットが自身で税務署に足を運んで提出する必要がないことです。

確定申告に必要な書類一式を税務署に直接持参するのが手続きをおこなうにはスムーズかもしれませんが、対応時間は平日のみとなっています。そうなると仕事などを理由に平日に時間を確保できない方もいることでしょう。

そこで確定申告の書類提出のために時間を確保するのが難しい方でも、郵送であれば完成済の書類をポストに入れたり、郵便局へ持って行ったりするだけなので手間も時間もかけずに済みます。

また、確定申告は電子申告も可能ですが、確定申告を初めておこなう方やパソコンが不得意な方にはハードルが高めなので一概におすすめできません。

郵送のデメリット

確定申告を郵送でおこなうことにメリットがあることを解説しましたが、そのほかにデメリットもあります。

しかし、前もって確定申告を郵送でおこなう際のデメリットを知っておけば、どのように対処すればいいのか、自身が何をするべきなのかも理解できるでしょう。そうすることでデメリットも大きな問題にはならないはずです。

郵送のデメリット
  • 助けを求められない
  • 郵送が遅れるとペナルティが発生する
  • 書類に不備があった場合、訂正や再提出の手間がかかる

助けを求められない

税務署に足を運んで確定申告をおこなうのであれば、不明点や疑問点はその都度担当職員などに確認しながら進められます。しかし、確定申告を郵送でおこなうには、自力で書類作成や必要書類などをそろえなくてはなりません。

自分自身で書き方などを調べる必要がありますし、税務署のようにフォロー体制がそろっていないデメリットはどうしても避けられないでしょう。

ただし、対処法としてインターネットなどで不明点を検索したり、あらかじめ税務相談などを利用したりすれば、これらのデメリットの回避は可能です。

郵送が遅れるとペナルティが発生する

確定申告の郵送期限の部分でも解説しましたが、期限内に確定申告の書類が到着しないと無申告加算税や延滞税が発生します。

これらのお金は期限内に到着していれば本来発生しないものです。余計なお金を支払わないようにするためにも、自身で到着日の管理を徹底する必要があります。

なお、確定申告は例年2月15日頃から3月15日頃までです。そこで2月15日を目安にして、早めに確定申告の書類の郵送を心がければ遅れる可能性も低くなるでしょう。

書類に不備があった場合、訂正や再提出の手間がかかる

確定申告を郵送でおこなう際に、提出する書類に記載漏れや不備があると再提出に訂正を求められることがあります。改めて郵送するにしても直接税務署に持参するにしても手間や時間はかかってしまうでしょう。

確定申告の期間は約1ヶ月間あるので早めの対応であればとくに問題ないかもしれません。しかし、期限間近で書類の再提出や訂正が発生した場合、無申告加算税や延滞税の発生を気にするようになります。

確定申告は郵送しなくてもe-Taxで家からできる

税務署に直接足を運ばずに確定申告をおこなう方法は、郵送以外にe-Taxがあります。正式名称は「国税電子申告・納税システム」のe-Taxは2004年から導入され、管轄は国税庁です。

e-Taxでは国税に関する各種手続をおこなう際に、インターネットなど通して対応できるシステムです。インターネットの環境が整っていれば、自宅からでもオフィスからでも確定申告の書類を作成して申告までおこなえます。

自身の都合のいい場所とタイミングで確定申告をおこなえますし、還付がスピーディーになるなどの特徴もあります。

本人確認の役割として電子証明書(マイナンバーカード)の取得が必要ですが、パソコンを利用できる方であれば利用価値は高いでしょう。

確定申告郵送のまとめ

確定申告を郵送でおこなう場合、自身で税務署に提出する方法と大きな差はありません。ただし、郵送の場合は第一種郵便物もしくは信書便物で送付すること、3月15日まで(土日祝日の場合は翌日)の消印での送付が必要です。

ただし、不備や訂正があると手間や時間がかかるので、時間に余裕を持ったうえで何度も確認してから提出することを心がけましょう。

しかし、間違いなく書類を用意すれば確定申告を郵送でおこなうのはとても便利です。ぜひ機会があれば取り入れてみてください。

2019年に株式会社サイバーエージェントに入社。 クレジットカード、キャッシュレス、カードローンの記事作成を担当。 愛用クレジットカードは楽天ゴールドカードでネットショッピングでは楽天市場を利用するようにしている。楽天ペイ、楽天Edyも使っており、楽天のダイヤモンド会員を維持している。最近はスマホを楽天モバイルに変えるか悩んでいる。 ヤフーカードやPayPay、Kyashなども利用しており、お得にポイントを貯めることが趣味。

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