クリニックで働く看護師の給料相場とは?年収や手取り、病院勤務との違いも解説
夜勤や残業の少なさが魅力で、クリニックへの転職を検討している看護師の人は多いです。
しかし、クリニックで働く看護師の給料は低い場合があったり、福利厚生が整っていなかったりする場合があるため、転職前に詳しく調べておくことが大切です。
そこでこの記事では、クリニックで働く看護師の給料について解説します。
合わせて、クリニックで働くメリットや、給料を上げる方法についても解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- クリニックで働く看護師の給料は低い傾向にある
- 夜勤がなく、残業も少ないなどメリットも多い
- 給料の高いクリニックを探すなら転職サイトを活用しよう
クリニックで働く看護師の給料についての基礎知識
厚生労働省の「第23回医療経済実態調査」によると、クリニックで働く看護師の平均的な給料は、以下のとおりです。
種類 | 給料(額面) | 手取り額(額面の80%) |
---|---|---|
平均給料 | 265,385円 | 212,308円 |
ボーナス(年間賞与額) | 602,039円 | 481,631円 |
平均年収 | 3,786,658円 | 3,029,326円 |
上記の表からわかるとおり、クリニックで働く看護師の平均年収は約379万円です。
額面から社会保険料や所得税などが引かれることを考慮すると、手取り額はその8割程度である約303万円と算出できます。
では、クリニックで働く看護師の給料は、ほかの施設で働く看護師と比べて高いのでしょうか。
クリニックで働く看護師の給料について、本章で詳しく解説していきます。
クリニックの看護師の給料は低い傾向にある
日本看護協会の「2021年 看護職員実態調査」をもとに、看護師の平均的な給料を職場別に算出にすると、以下のとおりです。
職場 | 平均給料 |
---|---|
看護系教育機関 | 406,168円 |
行政 | 397,324円 |
病院 | 386,046円 |
助産所 | 371,675円 |
訪問看護ステーション | 367,775円 |
クリニック | 354,563円 |
介護施設 | 346,236円 |
看護師の平均的な給料を職場別に比較すると、クリニックで働く看護師の給料は低い傾向にあることがわかります。
行政のように公務員として扱われる職場や、夜勤手当等が支給される職場では、クリニックよりも給料が高い場合が多いです。
そのため、高い給料を目的に転職しようと考えている人には、クリニックはあまりおすすめできません。
しかし、夜勤がなく、残業も少ない施設が多いため、給料以外の観点で転職を考えている看護師には、クリニックは向いているでしょう。
パート・アルバイトの給料相場
パート・アルバイトとしてクリニックに勤務する看護師の給料は、時給1,400〜1,600円程度が相場です。
時給1,500円として、1日8時間勤務、月の労働日数が22日と仮定すると、平均年収は約317万円と算出できます。
正看護師と比べて給料が低いことに加え、ボーナスが支給されないケースが多いことから、正看護師との年収に大きな差が生じています。
ただ、パートやアルバイトであるということだけを理由に、正看護師と差を付け、賞与0円とすべきではないとの考えも広がりつつあります。
そのため、パートやアルバイトなどで働くクリニック看護師であっても、賞与が支給される可能性はあります。また、そのようなクリニックに勤めることで、より高い年収が期待できるでしょう。
学歴による初任給の違い
クリニックに勤務する看護師の初任給は、学歴によって差が出ることがあります。
例えば、短大や専門卒だと初任給は約19万円~20万円であることが多いです。
これに対して、大卒の初任給は約20万円~21万円であることが多いです。
これは、大卒看護師の方が看護について学ぶ年数が多いことから、より専門性が高いとみなされ、給料が高くなる傾向にあります。
月単位だと大きな差ではありませんが、基本給は賞与額にも影響しますので、年収にも差が出てくるでしょう。
クリニックで働く看護師の福利厚生や社会保険
看護師として働くうえで、福利厚生や社会保険について確認しておくことは非常に大切です。
クリニックへの転職を考えている際には、ここで紹介する点をよく確認してから応募するように心がけましょう。
福利厚生
福利厚生には、法律で定められた「法定福利」のほか、家賃補助など使用者側が任意で定める「法定外福利」の2種類があります。
法定福利が整備されている前提で、法定外福利がどれだけ充実しているかをチェックしましょう。
例えば、通勤手当や家賃補助などの法定外福利は、比較的多くのクリニックで用意されています。しかし、これがあるのとないのとでは、月々の給料にも数万円の差が出ます。
以下に法定外福利の例を示しますので、転職活動をする際には、応募前にチェックしておきましょう。
法定外福利 | 詳細 |
---|---|
家賃補助 | 「上限3万円まで」「家賃の2割負担」など金額は様々 |
短時間勤務 | 育児・介護などの理由でフルタイム勤務が難しい方には重要。短時間勤務ができる期間が定められているケースもある。 |
保育施設の利用補助 | クリニック内に保育施設が設けられていたり、保育施設に子どもを預けるときの費用を一部負担してくれたりする職場もある |
資格取得の補助 | 資格の受験費用を負担してくれたり、資格取得後に金銭を支給してくれたりするケースがある。知識やスキルの研鑽に繋がる研修への参加をサポートしてくれることもある。 |
社会保険
規模の小さなクリニックでは、社会保険が完備されていない可能性もあるので注意が必要です。
特に、従業員が3〜4人ほどしかいないクリニックでは、社会保険の加入が法的に義務化されていません。
勤務先を介した社会保険への加入ができない場合、ご自身で国民健康保険や国民年金に加入する必要があります。
加入手続きに時間がかかったり、保険料の負担が重くなったりすることもあるため、社会保険の有無は事前に確認しておきましょう。
クリニック勤務と病院勤務の看護師の違い
クリニックで勤務する看護師と、病院で勤務する看護師には給料に差があることを前項で示しました。
給料面以外にも違いがありますので、以下で説明します。
- 診療科目が固定されている
- 土日祝休みであることが多い
- 残業や夜勤が少ない
診療科目が固定されている
病院だと、複数の診療科が設けられていることも多いです。
しかし、クリニックは設置される診療科の数が少なく、看護師が対応すべき内容も固定されているケースが多いです。
診療科の数の多さに伴い、病院だと異動をいい渡されることもありますが、クリニックでは異動も基本的にありません。
土日祝休みであることが多い
入院設備のある病院では、常に看護師がいる状態を維持しないといけません。
そのため、夜勤が必要になり、土日や祝日にも出勤する場合があるでしょう。
一方、クリニックでは土日や祝日は定休日である場合が大半です。
土曜日か日曜日が勤務日であるクリニックもありますが、その場合は代わりに平日のどこかが定休日で、休みが取れるでしょう。
基本的にはカレンダーどおりに働けるのは、クリニックの特徴でありメリットともいえるでしょう。
残業や夜勤が少ない
クリニックでは休みが安定しているだけでなく、日々の勤務時間帯も安定しています。
夜勤が必要な病院だと、退勤時間・出勤時間の境界が曖昧になりやすく、引き継ぎのための残業も生まれやすいです。
一方で、クリニックでは診療時間が定められているため、時間外に対応する業務はほとんどありません。
そのため、残業も少なく、決まった時間に終業できることが多いです。
クリニックで働く看護師が給料を上げる方法
誰しもが給料は少ないより多いほうが良いでしょう。
以下で、クリニックで働く看護師向けに、給料を上げる方法をまとめていきます。
- 昇格する
- 勤続年数を重ねる
- 資格を取得する
- 給料の高い職場に転職する
昇格する
同じクリニックに勤める場合でも、昇格をすることで給料を上げることができます。
管理職などの役職に就くことで、特別に手当が支給されたり、固定給が昇給したりします。具体的な金額についてはクリニックにより異なりますが、毎年の昇給幅よりも高い昇給が期待できます。
看護主任や看護師長、看護部長といった役職に就くことができれば、非管理職の看護師に比べて、100万円以上の年収アップも夢ではないでしょう。
勤続年数を重ねる
昇格は昇給幅が大きいものの、看護師全員が昇格できるわけではありません。
これに対して、勤務年数を重ねることは全員が可能で、確実に給料アップが期待できます。
勤務年数に応じて基本給が昇給していくクリニックが大半ですので、昇給幅は小さくても、少しずつ着実に給料を上げられるでしょう。
勤め先に不満がない、同じクリニックで長く働きたいという人には、じっくり勤務年数を重ねて給料を上げる方法がおすすめです。
資格を取得する
資格取得で特別に手当を支給をしてくれるクリニックであれば、資格勉強を始めてみるのも一つの手です。
自分の頑張り次第で給料をアップさせられますし、その後転職をすることになっても役に立ちます。
例えば「認定看護師」「専門看護師」「保健師」「ケアマネージャー」などが挙げられます。
ただし、どんな資格でも給料が上がるわけではありません。クリニックで求められるスキルに関連する資格を探す必要があります。
給料の高い職場に転職する
規模が小さいクリニックだと役職が設けられていなかったり、枠が少なかったりして、昇格による給料アップが望めないこともあります。
また、いくら長く勤めても高い給料を得ることが難しいクリニックもあります。
その職場で給料を上げるのが難しいと思われるときは、思い切って転職をすることをおすすめします。
勤務年数により給料が上がる傾向を踏まえれば、いつまでも悩み続けるより、早期の判断により行動を起こすことが望ましいです。
看護師がクリニックで働くメリット
後述するように、美容クリニックや人工透析を扱うクリニックなど診療内容を選択することで大きな給料を得ることも可能です。これはクリニックで勤務する看護師のメリットです。
また、給料面以外でも、クリニックで勤務することには次のようなメリットがあります。
- 難しい医療行為が少ない
- 夜勤がない
- 残業が少ない
- カレンダーどおりに休める
- 幅広い業務に携われる
難しい医療行為が少ない
診療科に着目することで、看護師に求められる仕事内容の大枠が把握できます。
場合によっては、難度の高い医療行為が少ない職場で働くこともできます。
病院勤務だと重病患者に対して医療行為をおこない、命に関わる仕事と日々向き合うことになるかもしれません。
クリニックでもそのような場面に直面する可能性はありますが、診療科によってはほぼその可能性がないこともあります。
これは精神的な負担の少なさを意味し、仕事に対するストレスが少なくできるというメリットにも繋がります。
夜勤がない
多くのクリニックでは、夜勤がありません。
夜勤対応は身体的にも精神的にも大きな負担となり、生活リズムも狂ってしまいます。プライベートにも悪影響が及ぶ働き方です。この夜勤がないというのは、看護師にとって大きなメリットといえるでしょう。
特に、育児や介護をしている方には重大な問題です。
夜勤に対応できないとなれば、病院側および同僚たちへの理解も得なければなりません。人間関係が悪化してしまったり、気を遣って疲れてしまったりする可能性もあるでしょう。
しかし、夜勤のないクリニックだと、夜勤ができないことに対する引け目を感じる必要もなくなります。
残業が少ない
残業が少ない点も、クリニックで働く大きなメリットです。
多くのクリニックでは、基本的に診療時間が決まっているため、残業をすることはほとんどありません。
日勤で決まった時間に働けるのは、クリニックならではの良い面でしょう。
もし残業に悩んでいる看護師は、以下の記事も合わせて読んでみてください。
カレンダーどおりに休める
クリニックの大半は、休みや勤務時間が固定されているため、プライベートにおける予定を立てやすくなります。
「〇月〇日の夜、ディナーに行く」「△月△日から3日間、旅行に出かける」といったスケジュールも組みやすくなるでしょう。
夜勤や休日出勤が頻発する病院では、大きな旅行の予定などを立てるのが難しくなります。
また、連休が取りやすいのもクリニックの大きなメリットです。
幅広い業務に携われる
クリニックでは、通常の看護業務に加え、受付や電話対応などの幅広い業務を求められます。
病棟勤務とは異なり、様々な業務に携われるのは、クリニックならではのメリットといえます。
看護師がクリニックで働くデメリット
クリニックに勤務するにはメリットも多い一方で、デメリットも一部存在します。
具体的に、看護師がクリニックで働くデメリットは、次の5つです。
- 人間関係が影響しやすい
- 看護業務以外の雑務も多い
- 全般的な看護スキルは身につきづらい
- 休みを取りづらい
- 福利厚生が整っていない場合もある
クリニックへの転職を考えている看護師の人は、ここで紹介するデメリットも踏まえたうえで判断するのが良いでしょう。
それでは、看護師がクリニックで働くデメリットについて解説していきます。
人間関係が影響しやすい
クリニックは、基本的に少人数で運営していることから、人間関係の影響を受けやすいデメリットがあります。
人間関係の悪いクリニックの場合、働きづらさを感じることでしょう。
しかし、人間関係が良好なクリニックでは非常に働きやすいメリットもあるため、転職をする際には、事前に職場見学をしておくのが良いでしょう。
看護業務以外の雑務も多い
クリニックでは、通常の看護業務に加えて、受付や電話対応、掃除などの雑務もする必要があります。
看護業務を専門的におこないたい看護師にとっては、クリニックでの勤務は苦痛に感じることもあるでしょう。
全般的な看護スキルは身につきづらい
クリニックは特定の診療科目に特化していることから、全般的な看護スキルを身につけられないデメリットもあります。
専門的なスキルを身につけられる反面、知識やスキルが偏ってしまう可能性もあるため、転職前には留意しておくことが大切です。
休みを取りづらい
先に説明したように、基本的にクリニックは少人数で運営しているため、休みを取りづらいのが特徴です。
職場によっては有給休暇も取得しづらかったり、体調不良の場合にも休みづらったりする場合もあります。
福利厚生が整っていない場合もある
クリニックによっては、福利厚生があまり整っていない場合もあります。
産休や育休などの制度がなかったり、職場によっては退職金がなかったりするクリニックもあるでしょう。
福利厚生の充実したクリニックを希望する際には、転職前に確認しておくことが大切です。
もし福利厚生の整っていないクリニックで働いており、つらいと感じる際には、以下の記事を読んでみてください。
クリニック勤務に向いている看護師の特徴
クリニックは小規模で運営していることから、向き不向きがあります。
もしクリニックへの転職を検討している際には、事前に適性を把握しておくことが大切です。
そこで次に、クリニック勤務に向いている看護師の特徴を紹介します。
- 親しみやすい雰囲気の職場で働きたい人
- 特定の診療科で勤務したい人
- 患者さんとじっくり関わりたい人
- 休日にしっかりと休みをとりたい人
クリニック勤務に向いている看護師の特徴について、詳しく解説していきます。
親しみやすい雰囲気の職場で働きたい人
基本的にクリニックは少人数で運営していることから、アットホームな雰囲気であることが多いです。
医師やほかの看護師と連携しながら働きたい人には、クリニック勤務が向いているでしょう。
特定の診療科で勤務したい人
クリニックは病棟勤務とは異なり、さまざまな診療科を異動することはありません。
特定の診療科目で専門的な看護スキルを身につけたい人には、クリニックが向いているといえます。
患者さんとじっくり関わりたい人
クリニックでは、病棟勤務よりも患者さん関わる機会が多いのが特徴です。
一人ひとりの患者さんとコミュニケーションをとり、じっくり関わっていきたい人には、クリニックの勤務が向いています。
休日にしっかりと休みをとりたい人
先に説明したとおり、基本的にクリニックは土日祝休みであり、カレンダーどおりに休める場合が多いです。
病棟勤務とは異なり、夜勤や休日出勤もないことから、安定した生活リズムで働くことができます。
そのため、休日はプライベートの時間を確保し、しっかりと休みをとりたい人には、クリニック勤務が向いているでしょう。
ほかにも、看護師がクリニックへ転職する魅力については、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
クリニック勤務に向いていない看護師の特徴
ここまで、クリニック勤務に向いている看護師の特徴を紹介してきました。
一方で、次の特徴に当てはまる人は、クリニック勤務には向いていない可能性があります。
- コミュニケーションが苦手な人
- 看護師業務だけに携わりたい人
- 夜勤やオンコールの手当により年収を上げたい人
- チームで医療に取り組みたい人
ただし、これらの特徴に当てはまったからといって、必ずしもクリニック勤務に向いていないわけではありません。
あくまでも、あなたがクリニック勤務に向いているかどうかを考える目安として考えるのが良いでしょう。
それでは、クリニック勤務に向いていない看護師の特徴を解説していきます。
コミュニケーションが苦手な人
クリニックでは、患者さんとコミュニケーションをとる機会が多いのが特徴です。
そのため、一人ひとりの患者さんと丁寧にコミュニケーションをとる必要があります。
また、少人数で運営していることから、医師やほかの看護師とも密に連携することが大切です。
これらのことから、コミュニケーションが苦手な人は、クリニック勤務に向いていない可能性があります。
看護師業務だけに携わりたい人
先に説明しましたが、クリニックでは受付や電話対応、掃除などの業務も対応する必要があり、通常の看護業務だけに取り組むことはできません。
そのため、看護業務だけに携わりたい人には、クリニックの勤務は向いていないでしょう。
夜勤やオンコールの手当により年収を上げたい人
クリニックでは夜勤がなく、夜勤手当がつきません。
また、休日出勤やオンコール対応等もないため、病棟勤務と比べて給料や年収が低くなりやすいです。
そのため、夜勤手当やオンコール手当等をもらって年収を上げたい人には、クリニック勤務は向いていないでしょう。
チームで医療に取り組みたい人
クリニックは少人数で運営していることから、必要な看護ケアを自分一人で実施することも少なくありません。
そのため、ほかの看護師と連携しながら医療に取り組みたい人にとっては、クリニックは向いていないといえます。
看護師が給料の高いクリニックに転職するためのポイント
現在の勤め先では高い給料をもらうのが難しいと思われるときは、転職も視野に入れましょう。
そこで次に、看護師が給料の高いクリニックに転職するためのポイントを解説していきます。
- 基本給が高いクリニックを探す
- 各種手当や制度を確認する
- 自由診療クリニックを選ぶ
基本給が高いクリニックを探す
クリニックで働く看護師は、休日出勤や残業が発生しにくい傾向にあります。
そのため、休日手当や残業の手当で給料を上げるよりも、基本給の高さに着目することが大事です。
転職サイト等でクリニックを探す際、まずは基本給の高さで絞りをかけても良いかもしれません。
また、給料の相場はクリニックのジャンルによっても異なります。
例えば、美容クリニックや人工透析をおこなうクリニックで働く看護師は、比較的給料が高いとされています。
美容クリニック
美容クリニックでおこなわれる診療の多くは保険診療外であるため、クリニックが大きな利益を得ることができます。
患者1人あたりの単価も高額になりやすく、そこで働く看護師の給料も高くなってきます。
なお、美容クリニックにも「美容外科クリニック」「美容皮膚クリニック」などの種類があります。
いずれも保険適用外の診療が多いため、高い給料が期待できるでしょう。
美容看護師の年収については、以下の記事で解説していますので、合わせて読んでみてください。
人工透析
人工透析は、治療費が高額になりやすいです。患者も長期にわたり治療を受けることから、クリニックが大きな利益を継続的に得やすいといえます。
また、特殊な機械を用いて治療をするため、看護師には人工透析に対する専門知識やスキルが求められます。
こうした理由などから、人工透析クリニックで働く看護師は給料が高くなる傾向にあります。
透析看護師の具体的な仕事内容については、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
各種手当や制度を確認する
給料の高いクリニックに転職する際には、各種手当や制度が充実しているかどうかを確認することも大切です。
具体的には、以下の3点を確認しましょう。
通勤手当が支給されるか
特に、小さなクリニックでは、通勤手当がもらえない可能性があります。
使用者側には従業員の交通費を支払う法的義務はないため、福利厚生として通勤手当が設定されていなければ、従業員がこれを請求する権利はありません。
転職先を探すときにチェックから漏れてしまわないよう、注意しましょう。
残業代が支給されるか
「残業代はもらえない」という噂や評判のあるクリニックは避けるようにしましょう。
残業をしたときには、残業代が支給されなければなりません。これはクリニックなど使用者側のサービスとして支給されるものではなく、法的に求められている手当です。
その上で、きちんと1分単位で残業代が計算されているかどうかもチェックすべきポイントです。1時間単位、30分単位で区切って計算するのではなく、残業代の支払いが徹底されているかどうかを事前に確認しておくようにしましょう。
給料が多くもらえるだけでなく、従業員に優しく、コンプライアンスを徹底している職場であることを確認する指標にもなります。
昇給・昇格制度が導入されているか
基本的には長く務めることで給料は高くなっていきますが、どの職場でも昇給が保証されているわけではありません。
労働基準法でも「昇給はしないといけない」と定められてはいません。
そのため、昇給するのが当たり前と思い込んで転職活動をおこなわないことが大事です。
昇格についても同様です。昇格は大きな給料アップのチャンスですので、その可能性があるかどうかは重要です。
自由診療クリニックを選ぶ
クリニックの業績が良いと、そこで働く看護師にも給料として還元されやすいため、儲かっているクリニックを選ぶことも大事です。
ただ、業績を把握するのは難しいため、自由診療クリニックかどうかに着目してみましょう。
美容クリニックのように、自由診療を多くおこなっているクリニックでは大きな利益を得やすいです。
看護師の給料にも反映されやすいため、そのようなクリニックに転職をすることで、給料を上げられる可能性が高くなります。
クリニックの看護師が給料を上げるためにおすすめの転職サイト
クリニックは給料がそこまで高いわけではありませんが、夜勤がなかったり、残業が少なかったりとメリットも多く存在します。
もしクリニックへの転職を考えている場合には、看護師転職サイトを試してみてください。
希望条件に沿った求人を見つけられ、転職活動を円滑に進められることでしょう。
- 看護roo!
- レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
- マイナビ看護師
看護師転職サイトによっては、応募書類の添削や面接対策などの転職サポートも無料で受けられ、安心して転職活動を進められることでしょう。
それでは、クリニックの看護師が給料を上げるためにおすすめの看護師転職サイトを紹介していきます。
看護roo!
「看護roo!(カンゴルー)」は、病院や介護施設、クリニックなど様々な求人情報を提供している、看護師向けの転職サイトです。
約42,000件という多数の公開求人情報を持ち、そのほか非公開求人情報も取り扱いがあります。
看護roo!の大きな特徴は、キャリアアドバイザーによるサポートの質の高さです。キャリアアドバイザーは転職を希望する看護師のニーズを把握し、それに合った求人情報を提供してくれます。
また、職場の雰囲気や働き方についても丁寧にアドバイスしてくれます。
さらにサイト上には掲示板があり、ほかの看護師や看護師志望の方と、転職に関する情報を共有することができます。
国家試験合格に向けての勉強に役立つ情報や、看護師としてのキャリアアップに役立つ情報なども多数掲載されており、看護師の転職を広くサポートする転職サイトです。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
レバウェル看護は、看護師を対象とした転職サイトです。
サイト内には、約140,000件もの公開求人情報が掲載されており、クリニックへの転職を考える全国の看護師に利用がおすすめできます。
レバウェル看護のキャリアアドバイザーは、求職者の希望条件に合った求人情報を提供し、転職に必要な書類の作成や面接のアドバイス、交渉のサポートなど、転職プロセス全体を通した支援をしてくれます。
また、サイト上には看護師に役立つノウハウなども掲載されており、看護師の方が知っておきたい知識を学ぶことができるようになっています。
今後看護師としてのキャリアアップをしたい方、自分に合ったクリニックの求人を見つけたい方は、レバウェル看護を利用してみると良いでしょう。
マイナビ看護師
マイナビ看護師は、大手人材企業のマイナビグループが運営する看護師転職サイトです。
全国で約47,000件の公開求人情報を提供し、正看護師や准看護師、保健師、助産師、ケアマネージャーなど、多様な職種に対応した求人情報を取り扱っています。
看護師に特化したキャリアアドバイザーも在籍しており、全国20か所に拠点が設けられていますので、地方在住の看護師でも直接面談をしてもらうことができます。
クリニックへ転職するために、できるだけ寄り添ったサポートをして欲しいという方にはおすすめできます。
マイナビグループという大手ならではの安心感が得られるのも、マイナビ看護師を利用する利点といえるでしょう。
クリニックで働く看護師の給料に関するよくある質問
クリニックは通常の病棟と異なる点も多く、転職前には気になることも多いはずです。
そこでこの記事の最後に、クリニックで働く看護師の給料に関するよくある質問を紹介します。
- クリニックでの給料の決まり方は?
- 年齢で不利になることはある?
- ブランクがあっても働ける?
- 資格は取っておいた方が良い?
クリニックでの給料の決まり方は?
クリニックにおける看護師の給料について、「月あたり〇〇万円とする」といったルールはありません。労働基準法により最低賃金の定めはありますが、基本的には各クリニック独自の方針に従って決まります。
ただ、どこもオリジナルの決め方をしているわけではなく、おおよその指標は共通しています。経験年数や保有資格、雇用形態、業界などによって給料が変わってくるケースが多いです。
特に経験年数は給料を左右する大きな要因とされることが多いです。
20年の経験者と新卒とでは、年収にして100万円以上の差が出てきてもおかしくありません。そのため「クリニックにおける看護師の給料」とひとまとめにすることは難しいです。
どの業界に属するか、要はどの診療科を専門とするクリニックなのか、ということも重要です。同じ新卒でも、初任給に大きな差が生じるケースがあります。
なお、正社員かそれ以外の有期雇用者なのかといった雇用形態の違いだけを理由に給料等の待遇に差を付けるのは違法と考えられています。
ただ、アルバイトやパートといった形で雇用される場合、任される仕事内容が正社員の看護師とは異なると考えられます。その仕事内容の違いに由来して、平均の給料が低くなると考えられます。
年齢で不利になることはある?
看護師がクリニックで働く際に、年齢で不利になることはありません。
将来性を考慮して若手の看護師を採用するクリニックもあれば、経験豊富なベテラン看護師を採用するクリニックもあります。
看護師の資格を持っており、規定の応募要件を満たしていれば問題ありません。
看護師の転職における年齢については、以下の記事で解説していますので、合わせて読んでみてください。
ブランクがあっても働ける?
看護師としてブランクがあっても、クリニックでの勤務は可能です。
「ブランク可」「未経験可」と記載されているクリニックであれば、ブランクのある看護師でも問題なく働けます。
また、ブランクがどうしても不安な場合には、ブランクがある旨を面接で伝えておくのが良いでしょう。
看護師のブランクについては、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
資格は取っておいた方が良い?
クリニックで働く際には、看護師資格のみ取得しておけば問題ありません。
ただ、余裕がある場合には「認定看護師」「専門看護師」などの資格を取得しておくと、クリニックでの転職で有利になる可能性があります。
まとめ
クリニックで働く看護師は、病院勤務の看護師のように夜勤や残業に追われることはあまりありません。
そのため、身体的・精神的負担が大きくないケースも多く、クリニックは比較的働きやすい職場であるといえるでしょう。
その反面、給料の相場としては病院勤務より少ない傾向にあります。ただし、経験年数を重ね、役職についたり資格を取得したりすることで給料を上げることは可能です。
また、美容外科クリニックや人工透析を取り扱っているクリニックであれば給料が高い傾向にあります。
「現状の給料に不満がある」という看護師の人は、転職サイトで情報をチェックし、高い給料が期待できる職場を探してみると良いでしょう。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。