お金を使うと徳が積めるような気がする「マニ車付き財布」を作りました
こんにちは、無駄なものを作っている藤原麻里菜(@togenkyoo)です。
今、私はものすごく金遣いが荒いです。
というのも、セレブな女子高生たちの生活を描いた海外ドラマ「ゴシップガール」を誰にも会わずに一人で観ていたら、なんだか自分もその世界の一員のように思えてきたのです。精神状態は大丈夫です。
セレブ気分が抜けないので、ふらっと入った洋服屋さんで20,000円のスカートを即決で購入したり、1,200円くらいする定食を余裕の表情で食べたりと、かなりゴージャスな生活をしています。
お金を使うこと自体は別に悪いことではないと思うのですが、なんだか散財すると後ろめたい気持ちになることが多いです。お金を使ったら気持ちが良くなる何かがあればな……。
びっくりするほど話題を変えますが、皆さんは下の写真のものをご存知でしょうか。
ある寺院で見かけたのですが、これは「マニ車(ぐるま)」と呼ばれるものだそうです。マニ車はチベット仏教で使われる円筒型の仏具で、筒の側面にマントラ(真言)が刻まれていて中に経文が入っています。そして、円筒を回すと、回した回数と同じ数だけお経を読んだと考えられ、同じ功徳が得られるそうです。でんでん太鼓のような手持ちのものもあるのだとか……。知らんかった。合理的過ぎます。
はっ。だったら、マニ車と財布を融合させて、お金を使えば使うほど徳が積める財布を作ったらいいのではないだろうか。そうすれば、お金を使うことへの後ろめたさも消えるかもしれない……!
「徳が積める財布」を作る
これが設計図です。
ということで、Amazonで「マニ車」を購入しました。これは、ソーラーパネルがついていて、太陽光で発電し自動回転する仕組みのものです。なんでも、車のダッシュボードに設置するのがメジャーなんだとか。お手軽過ぎではないでしょうか
「Pray Wheel electric」と検索してみると、自動で回るマニ車がたくさん出てきます。おお、これは私も作っていいやつかもしれない。
というわけで、電動ドリルにマニ車を付けて回してみました。さすがにこれは、僧侶に胸ぐらをつかまれそうなほど野蛮なので止めます。
解体して
ミニ四駆に使われるハイトルクモーターを入れました。公式レースでは使えないやつだけれど、人生というレースにはルールなんてないから……。
単3電池を4本使って動かします。1つが1.5Vなので、それが4つということは……アレVですね。あの……1.5が2つで3だから、それが4つということで……6? 6Vかな。うん、6Vですね。6Vです。
次は、財布を開くとモーターが動く仕組みを作っていきます。
設計図にはセンサーを使うなどと書いていたのですが、ちょっと難しかったので、小銭入れのチャックが開いたら通電する仕組みを作りました。天才ですね。
「お札を使うときはどうするんですか?」「カードを使うときは回らなくない?」というコメントがあるかと思いますが、「うるせえな」という言葉を返させていただきます。
おばあちゃんからもらった財布を傷つけたくなかったので、タコ糸でチャックと通電部を結んで完成です。
「徳が積める財布」完成
徳が積める財布が完成しました。早速使っていきましょう。
チャックを開くと……。
回りました。不思議と笑顔になりますね。
6Vだと足りないかなと思ったので、9V電池をつなげてみようと思います。
こんな顔になりました。これは、電車で前に立っていたおばあちゃんに席を譲ろうとしたら「いいからいいから!」と言いながら私の胸の真ん中を突き、その日じゅう、突かれたところが痛かったときと同じ顔です。
ということは、まだまだイケるということなので、電圧をさらに足しましょう。先ほどの6Vとこの9Vを直流でつなぎます。
こんな顔になりました。これは、勇気を出してクラブに行ったとき、雰囲気に圧倒されて10分で退散したのに、しばらく軽めのPTSDの症状が出たときと同じ顔です。
これ以上はやめたほうがいいですね。
最終的にこうなってしまいました。
電圧を高くすれば良いっていうことじゃない。人生の教訓にします。バチあたりそう。
「徳が積める財布」使ってみよう
気持ちが大きくなっていることですし、街に繰り出したいと思います。せっかくなので、あまり親しくない人たちにご飯をおごります。今回は会う人たちにこの財布を使ってご飯をおごり、徳を積みまくっちゃおうかなと思っています。
サイゼで知人と食べることになったので、おごりました。
私はこんな顔をしておきながらも精神はニューヨーク在住のセレブなので、「ミラノ風ドリア」「ほうれん草のソテー」「辛味チキン」「シーフードサラダ」「バッファローモッツァレラのピザ」「ドリンクバー」というフルコースをいただきました。サイゼにくると金銭感覚が狂ってしまう。
次はカフェですね。カフェをおごりました。写真はコーヒー2杯で6,000円だと思っているセレブな私です。
最後は居酒屋です。8人くらいの飲み会だったのですが、さすがにおごれなかったです。まあパリス・ヒルトンも8人の飲み会だったらおごらないと思うし……。あ、でも「小銭いらないです」って言ったからおごったと同等かもしれません。同等です。
徳って可視化できなくない?
モーターが焼けて壊れるまで使ったこのマニ車財布。果たして私はどれほどの徳を得たのでしょうか。確認する方法が分からないので、なんとも言えないですね……。
IoT化が進んでいる現代なのだから、ヨドバシのポイントみたいにオンラインで確認できるようになったら便利なのにね。
ただ、最近のあったことを思い出すと……。マニ車を作った日、太ももの皮膚の裏に2mm径のアルミ棒が入って取れないという夢を見たり……。
太ったのを忘れていて、通販で購入した20,000円のスカートが入らなかったり……。
あげく、保存したはずのこの原稿がなぜか保存できていなくて書き直しを余儀なくされたりしました。なにこれ、むしろバチ当たってない……?
怖くて外出できないくらい震えているのですが、やはりマニ車を軽んじたからでしょうか。地道に善行を積み重ね、真心でマニ車を回したいと思います。むやみやたらにお金を使うのもよくないので、心を律して生きていきたいです。
でも、やっぱりこの全自動マニ車が欲しいので、買っちゃっていいかな……。いいよね……。
2013年から、YouTubeチャンネル「無駄づくり」を開始し、無駄なものを作り続ける。Googleが主催するYouTubeNextUp入賞(2016年)。ライターとしては、第三回オモコロ杯未来賞、週刊SPA!「今読むべきブログ21選」、おもしろ記事大賞佳作など。横浜出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。ガールズバーの面接では「帰れ」と言われた。