魔女っ子おもちゃが好きすぎて、保管するための蔵が欲しい 1個300円台から楽しめる収集のススメ

魔女っ子おもちゃが好きすぎて、保管するための蔵が欲しい 1個300円台から楽しめる収集のススメ

魔法少女、変身ヒロイン、不思議な力で歌って踊れるアイドル。こうした「女児向け番組」には、魔法のコンパクトやステッキといった、通称「魔女っ子おもちゃ」が登場します。対象年齢3歳からというものが多く、主に子供に向けた商品なのですが……。

私、大人になっても魔女っ子おもちゃを集めています!



魔女っ子おもちゃを好きになったのは、子供のころの誕生日やクリスマスに、プレゼントとしてもらったことがきっかけでした。きらきらと輝くおもちゃを手にしたときは、とにかくうれしくて。本当に魔法を使って、敵を倒せるような気分になりました。そしてそのまま、魔女っ子おもちゃから卒業できず今日まで至ります。

こちらは当時プレゼントされたもの。1992年に発売された、「美少女戦士セーラームーン」の変身アイテムをモチーフにした「ピンクなネイルグロス」です。今でも捨てずに取ってあります。

魔女っ子おもちゃの魅力は、なんといってもメッキ塗装やストーンのキラキラ感、そして夢と憧れが詰まったデザインです。そして収集したおもちゃを一箇所に集めると、キラキラ感が増して一層かわいい! コレクションしていて、とてもわくわくできるのです。



本格的に収集し始めるようになったのは、「おジャ魔女どれみ」シリーズからです。シリーズ2作目の「おジャ魔女どれみ♯」から3作目の「も~っと! おジャ魔女どれみ」に移り変わる2001年ごろ、「おジャ魔女どれみ♯」のおもちゃが安くなっていたのを見て、変身アイテム「リズムタップ」とステッキ「ピコットポロン」を貯めていたお小遣いで購入しました。それから、シリーズ1作目の変身アイテム「どれみタップ」、ステッキ「ペペルトポロン」「クルールポロン」と立て続けに買いそろえていったのです。


こちらの写真は、2001年当時にフィルムカメラで撮影したもの。魔女っ子おもちゃを撮影するのは今でも大好きなのですが、当時から「写真に撮って収めておきたい!」という血が騒いでいたようです。2003年には、好きが高じて魔女っ子おもちゃを紹介するホームページを作成。2012年からはブログに移り、大好きなおもちゃについて日々レビューしております!

「おジャ魔女どれみ」
1999〜2003年に放送された、東映アニメーションのオリジナルアニメシリーズ。「おジャ魔女どれみ」「おジャ魔女どれみ♯(しゃーぷっ)」「も~っと! おジャ魔女どれみ」「おジャ魔女どれみドッカ~ン!」と展開し、最終回後もOVAが制作されるほどの人気だった

魔女っ子おもちゃに歴史あり 年代別の特徴を紹介

私のコレクションを交えつつ、まずは魔女っ子おもちゃのトレンドを振り返りたいと思います。年代別に並べると、魔女っ子おもちゃにも歴史があるというのが分かります。この記事を読んでいる皆さまは、どの時代のおもちゃに思い入れがあるでしょうか。

1980年代:分かりやすく、シンプルなデザインが主流

魔法の天使クリィミーマミ「クリィミーステッキ」
現在でもコレクターの中では根強い人気。30年以上前に発売されたものなので、なかなか巡り合えない

1980年代に販売された魔女っ子おもちゃの特徴は、キャラクターのイラストがおもちゃ本体に使用されているところです。造形とギミックはとてもシンプルでした。

この頃に魔女っ子おもちゃを輩出した作品は「魔法少女ララベル」「魔法のプリンセス ミンキーモモ」「ぴえろ魔法少女シリーズ」など。現在はどのおもちゃも入手困難です。

「魔法の天使クリィミーマミ」
1983〜1984年に放送された、スタジオぴえろ制作のアニメ。2013年に30周年企画が立ち上がり、新しいグッズなどを展開している
「魔法少女ララベル」
1980〜1981年に放送されたアニメ。「魔法使いサリー」「ひみつのアッコちゃん」など、東映動画(現在の東映アニメーション)が展開していた魔法少女アニメシリーズの1つ
「魔法のプリンセス ミンキーモモ」
1982年に始まったアニメ。1982〜1983年に第1シリーズ(通称:空モモ)が、1991〜1992年に第2シリーズ(通称:海モモ)が放送された。総監督は湯山邦彦さん
「ぴえろ魔法少女シリーズ」
スタジオぴえろが制作した魔法少女アニメシリーズ。「魔法の天使クリィミーマミ」「魔法の妖精ペルシャ」「魔法のスターマジカルエミ」「魔法のアイドルパステルユーミ」「魔法のステージファンシーララ」の5作がある


1987~2003年:黄金のキラキラメッキ時代到来

1987年に放送が始まった「レディレディ!!」あたりから、メッキ塗装でキラキラと輝く魔女っ子おもちゃがリリースされ始めました。



このころは「ナースエンジェルりりかSOS」「怪盗セイント・テール」「夢のクレヨン王国」といった、今でも人気の高い作品が続々と登場した時代です。そして、こうした名作と共に、数々の“名魔女っ子おもちゃ”も輩出されていきます。

「レディレディ!!」
1987~1988年に放送された、東映アニメーション制作のアニメ。主題歌や挿入歌は、アイドルグループ「少年隊」が担当した。原作は英洋子さんのマンガ『レディ!!』
「ナースエンジェルりりかSOS」
1995〜1996年に放送された、池野恋さん原作の同名マンガを題材にしたアニメ。原案者は、アイドルのプロデューサーなどで知られる秋元康さん
「怪盗セイント・テール」
1995〜1996年に放送されたアニメ。原作は立川恵さんによる同名マンガ。ゲームやミュージカルとしても展開された
「夢のクレヨン王国」
1997〜1999年に放送されたアニメ。原作は、福永令三さんによる児童文学作品『クレヨン王国』シリーズ

代表はやっぱり、1992年に放送が始まった「美少女戦士セーラームーン」だと思います! 男女問わず人気があり、海外でも知名度が高い作品です。魔女っ子おもちゃ界隈の中ではコレクター人口が一番多く、まずはセーラームーンシリーズから集め始めるという人も多いですね。

個人的に大好きな「愛天使伝説ウェディングピーチ」に登場したおもちゃ。サテンやレースをあしらっていて、独特のエレガントな雰囲気が漂っています! 上品に輝く青い宝石が特徴的です。作品の知名度はセーラームーンシリーズほど高くはありませんが、おもちゃのデザインの完成度はかなり高く、逸品ぞろいです。

こちらは、魔女っ子おもちゃの中でもかっこいい系に分類される「赤ずきんチャチャ」のおもちゃ。コンパクトやステッキではなく、弓や不死鳥の剣、盾といった、ゲームの装備品のようなものがモチーフになっています。

そしてこちらは、1999年に放送が始まった「おジャ魔女どれみ」シリーズのおもちゃです。「魔法玉」というカラフルなアイテムを本体に充填して遊べるのですが、このギミックが楽しいのです。メッキ塗装の面積は広くないものの、良いアクセントになっています。

2003年に放送された「明日のナージャ」の魔女っ子おもちゃは、アンティークテイストなデザインが特徴です。このメッキの輝きも魅力の1つですね。



このように15年以上も続いたキラキラメッキ時代ですが、2003年をもって一旦終了となり、新たなステージへと進んでいきます。

「美少女戦士セーラームーン」
武内直子さんによる同名マンガを原作とした人気作品。1992年に放送を開始したアニメだけでなく、ゲーム化、テレビドラマ化、ミュージカル化など、さまざまなメディアミックス展開を続けている
「愛天使伝説ウェディングピーチ」
1995〜1996年に放送されたアニメ。日本だけでなく、海外での人気も高かった。監督は「魔法のプリンセス ミンキーモモ」と同じく湯山邦彦さん
「赤ずきんチャチャ」
1994〜1995年に放送された、彩花みんさんの同名マンガを原作としたアニメ。香取慎吾さんが声優として参加していたことでも有名
「明日のナージャ」
2003〜2004年に放送されたアニメ。「おジャ魔女どれみ」と同じく、並行して少女マンガ誌『なかよし』で連載されていた

2004~2009年:変身アイテムのモチーフがデジタル機器に

魔女っ子おもちゃは、2004年で劇的な変化を見せます。「ふたりはプリキュア」の放送が始まったのです。

そして登場したのが、携帯電話型変身アイテム「カードコミューン」です。女の子の憧れともいえる魔女っ子アイテムのモチーフが、ブローチなどではなく、携帯電話やノートPCといったデジタル機器になりました。時代の移り変わりが顕著に現れています。「カードコミューン」はとても人気のアイテムで、発売当時は追加生産がかかるまで本当に品薄でした。



この時代に登場した魔女っ子おもちゃの特徴を挙げると、「液晶画面が付いていて、ギミックが充実している」「カードの読み取り機能が付いている」「持ち運び用のキャリーケースも同時に発売される」の3つだと思います。

(左から)「ふたりはプリキュア Splash Star」の携帯電話型変身アイテム「ミックスコミューン」と「クリスタルコミューン」

(左から)「Yes!プリキュア5」デジタル時計型変身アイテム「ピンキーキャッチュ」
「フレッシュプリキュア!」携帯型変身アイテム「リンクルン」


他にも女児向け番組が続々と放送され、いろいろな魔女っ子おもちゃが販売されましたが、やはりプリキュアシリーズの人気は強かったです。この成功を追いかけるように、他作品のおもちゃでもキラキラメッキ路線が終焉を迎えます。そして、ここから10年近く、プリキュアシリーズは魔女っ子おもちゃを生み出す作品としての“一強時代”を築き上げていきました。デジタル機器をモチーフにした変身アイテムは、2009年に放送が始まった「フレッシュプリキュア!」まで続きます。

「ふたりはプリキュア」
2004〜2005年に放送されたアニメで、プリキュアシリーズの1作目。続編として、2005〜2006年には「ふたりはプリキュア Max Heart」が放送された
「ふたりはプリキュア Splash Star」
2006〜2007年に放送された、プリキュアシリーズ3作目
「Yes!プリキュア5」
2007〜2008年に放送された、プリキュアシリーズ4作目。プリキュアの人数は、タイトル通り5人に増えている。5作目「Yes!プリキュア5GoGo!」は本作の続編に当たる
「フレッシュプリキュア!」
2009〜2010年に放送された、プリキュアシリーズ6作目


2010年〜現在:懐かしのキラキラ感とハイテク感がミックス

そして2010年放送開始の「ハートキャッチプリキュア!」で、変身アイテムは「香水」になりました。これまでのプリキュアシリーズで見られた、デジタル機器をモチーフにしたものではなくなったのです。

2010年というと、スマートフォンが登場してから2~3年が経過し、従来の携帯電話からじわじわと世代交代が進んでいるころでした。ところが、プリキュアシリーズは「変身スマホ」の方向には行かなかったのです。



この理由としては、大きめのカラー液晶画面やタッチパネルなどにコストを割かれると、おもちゃの価格が従来よりも高くなり、手が出しにくくなってしまうからだと予想しております。なので、スマホをモチーフにしたアイテムは、作品の看板である変身アイテムではなく「戦闘時のお助け系アイテム」として販売しているのではないかと推測しています。



これ以降の変身アイテムはブローチ、コンパクトときて、2013年に一度は携帯電話型に戻りましたが、それからはミラー、香水とモチーフが変わっていきます。ぬいぐるみでの変身はかなり驚きました。



主人公の変身アイテムといえば、魔女っ子おもちゃの中でも花形。常に時代の流行を押さえていましたし、スマートフォン人口の拡大とともに変身アイテムが“スマホ化”してもおかしくはありませんでしたが、意外にもデジタル機器がモチーフに選ばれることは大幅に減りました。

作中の戦闘で使われるアイテムも、モチーフは「宝石」「ハートのステッキ」「魔法の馬車」「ルージュ」といったようにデジタル機器とは程遠いもの。こうして見てみると、新しいおもちゃのはずなのに、どこか懐かしさを感じるデザインです。

こちらは、2018年に放送が始まった「HUGっと!プリキュア」の変身アイテム「プリハート」。ハートに変形する携帯電話で、分かりやすくデジタル機器がモチーフです。



2018年はプリキュアシリーズ15周年のアニバーサリーイヤーということもあり、携帯電話型アイテムで変身していた初代プリキュアへのリスペクトの形なのかなと予想しております。メッキ塗装されたハート型の付け替えパーツ「ミライクリスタル」をセットできるなど、1990年代テイストとデジタル機器の融合を象徴するような変身アイテムです。

スマホ型のおもちゃ「サイリウムミラクルパクト」の背面には、カメラが付いています。解像度はそれほど高くないものの、きちんと撮影することも可能。自分の子供時代からは想像もつかない程ハイテクになりました……!

プリキュアシリーズ以外だと、2014年に放送が始まった「プリパラ」のおもちゃも特徴的です。こちらは、スマホ型のアイテムにメッキ塗装が施されています。ステッキやマイクの形をしたアイテムもあり、アーケードゲームの筐体と連動させることが可能。キラキラ感とハイテク感がミックスされております。


魔女っ子おもちゃにおける2010~2018年の特徴を挙げるならば、当時に比べるとかなり控えめながらも、1990年代に販売されたメッキ塗装のおもちゃの雰囲気に、デジタル機器をモチーフにしていた時代のハイテク感を足した感じかなーと勝手に思っております。

「ハートキャッチプリキュア!」
2010〜2011年に放送された、プリキュアシリーズ7作目。初期メンバーは2人と、原点回帰を意識した構成になっている
「HUGっと!プリキュア」
2018年に放送されている、プリキュアシリーズ15作目。「子育て」や「仕事」がテーマになっている
「プリパラ」
2014年に放送が始まった、同名のトレーディングカードアーケードゲームを原作としたアニメシリーズ

おもちゃの値段は、1990年代に比べると高くなった

ご存知でしょうか。ここ十数年でおもちゃの価格が値上がりしている事実を。

ステッキを例にすると、2002年ごろまでは高くても4,000円程度だったものが、近年では5,000円以上が基準という価格設定になっています。私の考えだと、この背景には少子化の影響があると思います。おもちゃのメインターゲットである子供の数が減っているので、一つ一つのおもちゃの値段を1990年代より少し高めに設定し、少子化の影響をカバーする必要があるのでしょう。



ですが、それよりも高額なのが納得できるほどギミックが進化しているのです。

こちらは、2017年に発売された「アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!」の攻撃アイテム「ファイナルチューンタクト」です。光り方がとても美しくて、魔女っ子おもちゃの進化を感じます。



流れる音声の数も増え、何十種類もある付け替えパーツを組み合わせることで異なる内容を楽しめます。1990年代のステッキは基本的にボタンの数、または1つのボタンにつき2~3パターンの音声が流れる程度だったので、こちらもかなり進化しました。



2018年4月から放送開始する「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」のステッキ「マジョカルミナ」は、なんとテレビなどの映像と連動して遊べるとのこと! このように、最近の魔女っ子おもちゃには進化したギミックが搭載されています。

「アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!」
2017〜2018年に放送されていた特撮ドラマ。総監督は「着信アリ」「無限の住人」などで知られる映画監督の三池崇史さん
「魔法×戦士 マジマジョピュアーズ!」
2018年4月から放送されている特撮ドラマ。「アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!」に続く「ガールズ×ヒロイン!」シリーズの第2弾として制作された。総監督は、引き続き三池さんが担当

近ごろは大人をターゲットにした魔女っ子おもちゃが熱い!

一部のマニアの中ではすでに盛り上がっていた魔女っ子おもちゃですが、2013年初頭までは、大体的に「大人向け」としてはあまり展開されていませんでした。しかしそんな中、魔女っ子おもちゃ界隈でもカリスマ的な作品が、かつての変身アイテムを大人に向けたコスメとして販売したのです。

「美少女戦士セーラームーン」です。

セーラームーンシリーズに登場する変身アイテムをモチーフにしたコンパクト型の化粧品

20周年記念として登場したコスメアイテム第1弾「ミラクルロマンス シャイニングムーンパウダー」は、2013年6月の予約受け付け開始時から注文ページにつながらなくなるほどの大人気っぷり!

この反響を受けて、2014年1月には「変身コンパクトミラー」というセーラームーンシリーズのカプセルトイが登場します。発売直後の人気はとてつもないものでした。私も雪が降る中、頑張って探し回ったのを覚えています。ようやく見つけたカプセルトイの機械から、キラキラ輝くセーラームーンのコンパクトが出てくるという体験は、まさに夢のようでした。

全てボールペンやコスメ、ミラー付きケースなどの実用品。文具系は主にサンスター文具さんが発売しています

20周年記念をきっかけにしたセーラームーンシリーズのアイテム人気はその後も続き、文房具やコスメ、チャームなど、大人向けに実用できるグッズが続々と販売されました。

発売当時、すぐに売り切れた伸びるボールペン「指示ボール」。上部のモチーフを外すとボールペンになっている

いろいろなグッズが登場しましたが、中でもお気に入りなのは、本気モードが炸裂しているこちらの「アンティークスタイルクリップケース レインボームーンカリス」。セーラームーンシリーズに登場する伝説の聖杯「レインボームーンカリス」をモチーフにしたものです。本体は、なんとすべて金属製。エナメル塗装、かつガラスストーン付きというこの高級感……半端ないです!

中蓋を開けるとクリップを収納できます。もうここまでくると、もはやクリップ収納という機能がおまけのように見えてきます。価格は8,640円(税込)とクリップケースらしからぬ値段ですが、文房具の域を超えた究極の逸品です。

このブームから、他作品でも大人をターゲットにした実用グッズが登場するようになります。「カードキャプターさくら」に登場する杖をモチーフにした指示ボールや、「おジャ魔女どれみ」のおもちゃをイメージしたコスメなど、魔女っ子おもちゃがテーマになっているキラキラな実用品が次々と発売されたのです。



ついには実用品だけではなく、魔女っ子おもちゃも展開されるようになりました! バンダイは、2014年から「PROPLICA」という大人をターゲットにしたおもちゃのブランドを展開。従来の魔女っ子おもちゃと比べると、細部にまでこだわって作られております。

こちらは、2014年4月に発売されたセーラームーンシリーズの「ムーンスティック」です。

子供向けと大人向けの違いは、本体の裏側を見ると分かりやすいと思います。写真の左右にある子供向けのものと比べると、大人向けのものは電池蓋がうまく隠されていてつるんとしています。通常は遊んでいる最中にぶつけたり落としたりすることを考慮したデザインになっていますが、大人向けに販売されるものは、徹底的に造形美を追求しているのです。

「PROPLICA」からはセーラームーンシリーズのアイテムが数多く展開されていて、そのどれもが1990年代の発売当時には再現できなかった造形重視のデザインになっています。流れる音声もクリアで、とても綺麗なんです。変身時や攻撃時のBGMはフルで流れます。



また、発光ギミックも進化しています。サウンドに合わせて繊細に光るのですが、これも当時のおもちゃでは再現が難しかったこと。PROPLICAシリーズは、現代の技術を生かしたギミックも搭載されている、まさに大人向けのコレクションなのです。



セーラームーンシリーズ以外にも、大人向けの魔女っ子おもちゃは続々と発売されるようになりました。2018年8月には、「ふたりはプリキュア」に登場した伝説的な携帯型変身アイテム「カードコミューン」がついにリメイク! こちらはプリキュアシリーズ15周年を記念したもので、本体デザインはより劇中のものに近くなるようです。ギミックも進化するとのことで、今から楽しみで仕方ありません。



バンダイだけではなく、タカラトミーも2018年1月に大人向けのブランド「Parfait Mimi(パルフェミミ)」を立ち上げました。第1弾として「カードキャプターさくら」の劇中アイテム「夢の杖」が登場するのですが、対象年齢はしっかり15歳以上と明記されています。ギミックの搭載はないものの、リアルサイズモデルのレプリカとして販売されます。価格は18,000円(税別)と、値段も大人向け。でもこういった大人向けの魔女っ子おもちゃは値段以上に出来が良いので、手にしたときの感動も格別です!



これまで、プリキュアシリーズのような女児向け作品のおもちゃは、主に男性をターゲットにしたアニメや特撮作品とは違い、大人向けにリメイクされることはありませんでした。なので、近年の盛り上がりは魔女っ子おもちゃコレクターとして本当にうれしいです。



ただ、希望としては、発売当時のものをアレンジなしで「復刻」してくれたらさらに最高です。私は「あの時代」の子供たちのために存在していたおもちゃを、当時のままの形で懐古したいんです……! 大人向けにリメイクすると、やはり雰囲気が変わって別物になってしまいます。懐かしくないんです。給食の揚げパンを食べたいのに、最高級揚げパンを出されて「これは違う……」ってなる感じに近いです……感覚的に。



リメイクされるときも、やはり人気作品が注目されるので「美少女戦士セーラームーン」「カードキャプターさくら」「おジャ魔女どれみ」あたりが鉄板です。でも、私はこれらの作品以外の魔女っ子おもちゃも商品化されると良いな……と思っています。特に欲しいのは「ひみつのアッコちゃん(第2作)」「愛天使伝説ウェディングピーチ」「怪盗セイント・テール」「姫ちゃんのリボン」に登場する魔女っ子おもちゃ。アニメとして名作で、おもちゃの造形もとても素晴らしかったので、このまま埋もれるにはもったいないです!

あのころはまだ子供だったからあれもこれもと買えなかったけど、大人になった今なら買える。そんなことを思っている人、私以外にもたくさんいると思います!

「カードキャプターさくら」
1998年に開始したアニメシリーズ。クロウカード編は1998~1999年に、さくらカード編は1999~2000年に放送された。2018年には、NHK BSプレミアムでクリアカード編を放送している
「ひみつのアッコちゃん(第2作)」
1988〜1989年に放送された、「ひみつのアッコちゃん」2回目のアニメ化作品。ちなみに第1作は1969〜1970年、第3作は1998〜1999年に放送されていた
「姫ちゃんのリボン」
1992〜1993年に放送されていたアニメ。作中にSMAPが登場したこともある

私なりの魔女っ子おもちゃの楽しみ方

私はコレクターなのでステッキを使って遊ぶということはありませんが、たまに箱から取り出して眺めてみたり、撮影したりして楽しんでいます。

真正面から撮影した、「アイドル×戦士 ミラクルちゅーんず!」に登場するアイテム「ファイナルチューンタクト」

普通に真正面から撮影するのはもちろん、おもちゃが一番良く見えるアングルを探して撮影!

この角度すごく良い! 電車を撮影する人が「撮り鉄」と呼ばれているのであれば、私はそのおもちゃ版、撮り玩具。

セーラームーンシリーズに登場する「ムーンスティック」
(左から)イタリアでアニメの放送が始まったときに合わせて2011年に同国で発売されたイタリア版
PROPLICA版
セーラームーンシリーズが2000~2003年に再放送されたときに発売された再販版
2015年にプレミアムバンダイで発売された「ムーンスティック&キャッスルスタンド」に付属しているキャッスルスタンド版


同じ魔女っ子おもちゃを並べて「バージョンの違いを比較する」というマニアックな楽しみ方も。セーラームーンシリーズの「ムーンスティック」は何度も商品化される機会があったのですが、発売されるごとに色やギミックなどで微妙に違いがあります。



再販版は1990年代当時のものより本体が一回り大きく、最初から作中アイテム「銀水晶」が付いています。キャッスルスタンド版は、ギミックが省かれたことでサイズも小さくなりました。まさに大人に向けたディスプレイ用です。



色味はキャッスルスタンド版、ギミックはPROPLICA版、全体的な雰囲気は再販版……というように、自分の中で部門別のベストを決めたり、違いを比較したりして楽しみます!

あとは、最初にも書いた「集合」。魔女っ子おもちゃは1つあるだけでももちろんかわいいのですが、1箇所にまとめて集合させると見た目のかわいさが倍増します。こちらの写真も、フィーリングでなんとなく寄せ集めたもの。色味や形など自分の中でテーマを決めて、違う作品でも「似ている部分があるおもちゃ」を集めてみるのも面白いです!

(左から)「怪盗セイント・テール」の「セイントコロンペンダント」
「明日のナージャ」の「秘密のリングジュエリー」


こちらはアンティークがテーマになっているおもちゃです。

(左から)「魔法使いプリキュア」の「フラワーエコーワンド」
「おジャ魔女どれみ♯」の「ピコットポロン」
「花の魔法使いマリーベル」の「花の宝もの」


こちらはお花がモチーフになっているおもちゃを集めたもの。魔女っ子おもちゃの組み合わせを視覚で味わう……「集合」は収集の醍醐味(だいごみ)です!


こうしてたくさん並べていると、魔女っ子おもちゃを大量に買いまくっているように見えるかもしれませんが、私の場合、魔女っ子おもちゃへの出費は月に約3万円程度と決めています!1ヶ月における出費の内訳は、大体以下の通りです。

魔女っ子おもちゃ……1個1万円程度
魔女っ子おもちゃがモチーフになっている文具やコスメなどの実用品……計1万円
カプセルトイやら食玩などの小物類&買い逃した魔女っ子おもちゃの補完……計1万円

これで総額3万円です。上限を決めているものの、3万円に到達する月はほとんどありません。この趣味を長く続けていきたいので、満足度のハードルを上げず、節度を持ってマイペースに収集活動をしております。


最近は蔵が欲しい 魔女っ子おもちゃの保管方法


コレクターにとって、おもちゃの「保管」は重要事項です! 私の場合は、外箱ごと段ボールに入れて暗所に保管するというのが基本です。面倒ではありますが、眺めたいときも、遊びたいときも、その度に箱から出し入れします。本音を言うとかわいく飾りたいのですが、外装が劣化してしまうので、気持ちをグッと押さえているのです。



おもちゃが経年劣化してしまう主な原因は「紫外線」です。直射日光に当てなくても、部屋に出しっぱなしにしているだけで劣化は早まってしまいます。一番目に見えて恐ろしい劣化は「黄ばみ」なのですが、私は数年前から「おもちゃの黄ばみ」を元に戻すための実験もやっています。

実験その1:漂白剤(2012年6月)

こちらは漂白剤に漬けたおもちゃを日光にさらして黄ばみを取るという実験。1週間ほど漬けておきました。結果、黄ばみは薄まるものの、漂白剤でメッキが溶けてしまいました。おもちゃを解体しなければいけないリスクもあるため、あまりオススメはしません。

実験その2:天日干し(2015年1〜2月)

2つ目の実験は、おもちゃを日光にさらして黄ばみを取るというもの。暗所に保管していたにもかかわらず物が黄ばんでしまう現象は「暗所黄変」と呼ばれるそうですが、こちらの方法では、物に紫外線を当てる(天日干しにする)ことで元の色に戻せるのだとか。この実験については、経過観察を写真付きで載せているページが当時は見当たらなかったので、実際に自分で試した内容をブログでまとめました。



結果としては、本当に元の色に近い状態まで戻りました。とはいえ、このまま暗所で保管してもまた黄ばんでしまうので、その度に天日干しをするとなると、いわゆるループに突入してしまいます。



これらの実験を通じて分かったことは、「そもそも劣化させないようにするのが大事」だということ。しかしながら、暗所で段ボール保管するにも不安はあります! その要因の1つは、段ボールに含まれる成分が影響して、おもちゃが変色してしまう可能性があること。私の場合、これまで5年ほど段ボールに保管して様子を見ていますが、今のところ変色や劣化は見られません。ですが、今後変色してしまう可能性はあるので、やはり不安です。

2つ目の要因は「段ボールが紙製である」ということ。重ねて収納すると下段の段ボールが重みで潰れてしまう可能性も考えられるので、私は段ボールの四隅をこのように補強しています。



生活空間で保管しているため、これ以外にも「足が滑って段ボールの方向に転んでしまったり、不注意で水がかかってしまったりしたらどうしよう……」といった心配が尽きません。なので、最終的には魔女っ子おもちゃ専用の蔵が欲しいと本気で思っています! こんなことを考えてしまうほど、大事なおもちゃを守りたい。……土地と建設費用で、一体何個おもちゃが購入できるでしょうか……。

魔女っ子おもちゃ初心者へ、オススメの一品

この記事を読んで「魔女っ子おもちゃを集めてみたい!」と思った方に、私がオススメしたいおもちゃを紹介させていただきます。

セーラームーンシリーズの懐かしいおもちゃが欲しい方にはこちら! バンダイの食玩シリーズ「ミニチュアリータブレット」です。かなり出来が良いのでオススメ。中身が分からない状態で販売されているのではなく、ちゃんと自分が欲しいものを選んで購入できるところも魅力的です。シリーズによって価格は異なりますが、希望小売価格で見ると大体500円で購入できます。ちなみに上記のおもちゃは過去に販売されていたシリーズで、現在は店頭に並んでいないのでご注意ください。

新しい魔女っ子おもちゃに触れたいという方には、プリキュアシリーズの最新作「HUGっと!プリキュア」のアイテム「ミライクリスタル」がオススメです。こちらは前述した通り、1980年代後半~2000年代前半の魔女っ子おもちゃに見られたようなメッキ塗装がポイントです。



「ミライクリスタルピンク」は別売りの変身アイテム「変身タッチフォンプリハート」を購入しなければ手に入りませんが、「ミライクリスタルブルー」と「ミライクリスタルイエロー」は「HUGっと!プリキュア 変身ミライクリスタルセット」としてセット販売されています。価格も1,296円(税込)と手が出しやすいです! さらに食玩の「プリキュア ミライクリスタル」も販売されていて、こちらは1個397円(税込)。ラインアップの中には、食玩オリジナルデザインのミライクリスタル「プリハート」もあります。

自分だけのときめく「宝箱」を作ろう

魔女っ子おもちゃを収集しようとすると、自分が子供のころに持っていたおもちゃをはじめ、今は入手困難なものに興味が湧いてしまいがちです。ですが、高値で取引されている古い魔女っ子おもちゃにこそ真の価値があるわけではない! というのをあえて断言させていただきます。

なぜなら、現在おもちゃ売り場で販売されているおもちゃが、今から20年後に「20年前のおもちゃ」となって、珍しいものになるだけだからです。なので、魔女っ子おもちゃに興味を持った方には、今も販売されていて手に入りやすく、値段も手頃なものから集めることをオススメします!

私のように本格的に集めて箱まで取っておくというようなコレクターでなければ、集めたおもちゃは、ぜひ空いている缶ケースに入れてみてください。私も細々とした魔女っ子おもちゃは、こうして缶の中に入れております。童心に帰ります

あなたも、きらめく自分だけの宝箱を作って、たくさんときめいてください!

キラキラメッキ全盛90年代に育った魔女っ子おもちゃ大好き人間。 趣味はドライブ、特技は炒飯作り。 おもちゃをレビューしたり趣味で描いたイラストを載せたりしているブログを運営しております!

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