クレジットカードを使いすぎないための方法とは?支払いができないときの対処法も解説

クレジットカードを使いすぎないための方法とは?支払いができないときの対処法も解説

クレジットカードは、手持ちの現金がなくても買い物ができる便利なツールですが、その反面、クレジットカードを使いすぎてしまう人も多いのではないでしょうか。

クレジットカードは無計画に使うと支払いができなくなってしまい、クレジットカードの利用履歴に傷がつき、所有しているカードが利用できなくなったり新規でカードの発行ができなくなったりするなどのリスクがあります。

今回は、クレジットカードを使いすぎないための方法と万が一、支払いができなくなってしまった場合の対処法について紹介します。

(※)本時期の内容は、執筆時点での各社ホームページに掲載されている情報をもとに記載しています

クレジットカードを使いすぎないための6つの対処法

クレジットカードは、キャッシュレスで買い物ができることや利用金額に応じてポイントの還元を受けられるなど、利便性が高いツールです。

しかし、便利だからといってクレジットカードを無計画に使ってしまうと、支払いができなくなり借金がふくらんでしまうなどの危険性もあります。

ここでは、クレジットカードを使いすぎないための6つの対処法を紹介していきます。

対処法1.クレジットカードの利用明細を月1回以上は確認する

クレジットカードを使いすぎないための基本的な方法は、毎月の利用金額を把握することです。

クレジットカードを使って買い物をする場合は現金が減らないので、お金を使っているという感覚にならない傾向があります。

しかし、クレジットカードでの買い物は、カード会社が立て替えをおこなっているだけなので、支払いの義務が生じることを忘れてはいけません。最低でも、月に1度は利用明細を確認する習慣を身につけるようにしましょう。

利用明細の中で、自身が「何を買ったのか」、「本当に買う必要があったのか」、「無駄な出費、あるいは利用していないサービスにお金を使っていないか」を確認しましょう。

利用明細には店名だけであり、購入した商品は細かく記載されていません。自分自身で、何を買ったのか把握するようにしましょう。用途を自分で把握しておけば、外食の回数を減らす、洋服や趣味などの買い物を抑えるなどの対策をして出費を抑えることができます。

なかでも見逃しがちなのが、動画見放題や有料アプリ、習い事など、毎月定額で支払っているサービスの利用料です。利用料に見合うほどサービスを利用できていないのであれば、解約をするようにしましょう。

たとえ月々の支払金額が少額であれ、払い続けていけば無駄な出費が高額になっていきます。

今は、WEBやアプリで明細を確認できるクレジットカードも多く、24時間いつでも利用明細を確認できるので、郵送されてくる利用明細書を確認できない人におすすめです。

専門家からのコメント

張替愛
張替 愛

クレジットカードを使うのであれば、必ず「利用額を確認する習慣」をつけましょう。使いすぎを防ぐだけでなく、不正利用があったときにもすぐに気がつけるので対処しやすくなります。

利用履歴は、買い物するたびや週に一度など、できるだけ頻繁にアプリやwebで確認するようにしましょう。

また、クレジットカードの利用履歴を自動で連携できる家計簿アプリを活用するのもおすすめです。家計簿アプリを見るだけで現金とカードの両方の利用額を確認することができるので、お金の使いすぎを防ぎやすくなります。

対処法2.支払い方法は一括払いにする

クレジットカードの支払い方法は、一括払い、リボ払い、分割払いなどの種類がありますが、クレジットカードを使いすぎないためには、基本的に一括払いを使うように心がけましょう。

一括払いは、翌月に1回で請求がくるため一度の支払いが大きくなりますが、クレジットカードの利用状況を把握しやすいというメリットがあります。

一方、リボ払いや分割払いは、月々の支払いを軽減できますが、支払いに余裕ができるためお金にルーズになる危険性があります。

また、リボ払いや分割払いで支払いをする場合は手数料がかかってしまうので、トータルの支払い金額が多くなってしまいます。

とくに、衝動買いの癖がある人などのお金にルーズな人は、リボ払いや分割払いなどの支払いをあとまわしにできる方法を利用するときは注意が必要です。

ボーナス一括払いの利用も避けよう

クレジットカードの支払い方法には、ボーナス一括払いもありますが、クレジットカードの使いすぎを避けるのであれば、できるだけ利用しないほうがよいでしょう。

ボーナス一括払いは、一定期間のクレジットカードで支払った金額を夏と冬のボーナス時期にまとめて支払う方法です。なお、名称が「ボーナス」となっていますが、実際にはボーナスがない人でも利用できます。

たとえば、クレジットカードで人気の高いの「三井住友カード」の場合は、ボーナス一括払いを利用すると、支払い時期は下記のようになります。

三井住友カードのボーナス一括払い
クレジットカードの利用期間 支払い時期
12月16日~6月15日の利用分 8月
7月16日~11月15日の利用分 翌年1月

ボーナス払いは、クレジットカードの支払いを最大半年以上先延ばしにすることができるほか、リボ払いや分割払いと違い手数料がかからないので、一見便利なように感じます。

しかし、毎月の支払いがギリギリの人や口座の残高が少ない人など、計画的にお金を使うことが苦手な人は、ボーナス払いを利用すると支払いができなくなる危険性があることを覚えておきましょう。

対処法3.利用枠を必要最低限に設定する

クレジットカードを使いすぎないためには、カード利用枠を必要最低限に設定するという方法も有効的なのでおすすめです。

クレジットカードには、利用できる枠(限度額)が決められていますが、クレジットカードの利用枠は減額することが可能です。

クレジットカードの利用枠を必要最低限に設定すれば、当然、クレジットカードで買い物ができる金額も減るので、使いすぎを防ぐことが可能になります。

多くのカードの場合、10万円まで利用枠を減額することが可能です。楽天カードの場合は5万円まで減額することができるようです。

利用枠の変更方法は、基本的にクレジットカードの裏面に記載されているカスタマーサービスに電話をするか、カード会社によっては会員ページから手続きができるので覚えておきましょう。

ちなみに、クレジットカードの利用枠ですが、減額することは簡単ですが、増額には審査が必要です。

クレジットカードの使いすぎを防ぎたいからといって、必要以上に減額してしまうと、いざというときにクレジットカードが使えないという可能性があるので注意が必要です。

クレジットカードの利用枠を変更するときは、自分の状況に合わせて設定することが重要です。

対処法4.デビットカードへ切り替える

クレジットカードを使いすぎてしまう人は、クレジットカードではなく、デビットカードを使うという方法もおすすめです。

デビットカードは、カードを使った時点で自分の口座から引き落としがおこなわれる仕組みのカードです。

つまり、クレジットカードと違い「口座にあるお金以上に使うことができない」ということです。

VISAなどの国際ブランドがついたデビットカードは銀行で作ることができるので、クレジットカードを使いすぎてしまう人は、検討してみてはいかがでしょうか。

ちなみに、クレジットカードとデビットカードには、下記のような違いがあるので、デビットカードの利用を検討する人は、参考として覚えておくとよいでしょう。

クレジットカードとデビットカードの違い
カードの種類 クレジットカード デビットカード
支払い 1ヶ月分の利用金額を支払い日にまとめて支払い 利用した時点で支払い
支払い方法 一括払い、分割払い、リボ払い、ボーナス一括払いなどを選択可能 一括払いのみ
ポイント 0.5%~1.0%のカードが多い 0.2%程度のカードが多い

対処法5.電気、ガスなど固定費用のみクレジットカードで支払う

クレジットカードを使いすぎてしまう人は、クレジットカードでの買い物を避けるという方法も有効的です。

「クレジットカードで買い物をしないなら、カードを持っている意味がないのでは?」と考える人もいると思いますが、クレジットカードは、公共料金税金などの支払いをすることもできます。

つまり、クレジットカードは電気、ガス、光熱費などの固定費用の支払いで利用して、普段の買い物は現金を使うということです。

固定費用は、毎月かかる金額に大きな変動がなく、金額が把握しやすいので、クレジットカードの使いすぎを防ぐことが可能です。

また、どうしてもキャッシュレスで買い物をしたいという人は、クレジットカードではなく、チャージ式の電子マネーQRコード決済を利用するのがおすすめです。

ただし、電子マネーなどは、クレジットカードと紐づけしてしまうと最大でクレジットカードの利用限度額まで利用できるようになります。そうすると使い過ぎを防ぐ効果はなくなってしまうので、その点は注意しましょう。

対処法6.不必要な場合はクレジットカードを持ち歩かない

クレジットカードの使い過ぎを抑えるためには、不必要な場合にクレジットカードを持ち歩かないのも対処法となります。

クレジットカードは現金を持ち歩かなくても、簡単に買い物をすることができます。便利な決済方法ではある一方、目に入ったものをすぐに購入できてしまうため、不必要な商品まで購入してしまうことがあります。

実際に財布から現金を支払うことが無いため、クレジットカードを使いすぎにつながります。外出先では、カードの使い過ぎを防ぐために現金を使うようにしましょう。

現金を持ち歩くことに抵抗があるのであれば、電子マネーQRコード決済を利用すると良いでしょう。この方法であれば、クレジットカードの使い過ぎを避けるとともにポイントも貯めることができます。

万が一、クレジットカードの支払いができないときは?

クレジットカードは、計画的に使うことがベストですが、カードを使いすぎてしまって支払いができないということもあると思います。

そのようなときは、不用品を売ったり家族に一時的に借りるなどをしてなんとかお金を準備する必要がありますが、緊急的な対策としてリボ払いを検討するという手もあります。

リボ払いとは、カードの利用額に関わらず毎月の支払額を一定額に設定する支払い方法です。借入額に応じた利息(手数料)が発生します。

クレジットカードのなかには、最初の支払い方法を一括払いにしても「あとからリボ払い」に変更ができる場合があります。

支払いが遅れクレヒス(=クレジットヒストリー。クレジットカードやローンの利用履歴のこと)が悪くなると、カードが利用できなくなったり、ほかのカード審査に通らなくなったりすることがあります。

そのような事態を避けるためには、リボ払いを活用して対処するのもよいでしょう。

なお、リボ払いの手数料を低く抑えるためには「繰り上げ返済」が効果的です。Webや電話で手続きができるので、お金が準備できたら早めに完済するようにしましょう。

当然ですが、クレジットカードの使いすぎを避けるためには基本的に一括払いがおすすめになるので、リボ払いは緊急のときのみの対策ということを忘れないでください。

ちなみに、あとからリボ払いに変更する際は、手続きができる期間や条件が決められているので注意してください。

カード会社によって手続きの期間や条件が異なるので、リボ払いへの変更を考える場合は、事前に確認しておくようにしましょう。

専門家からのコメント

張替愛
張替 愛

リボ払いの手数料は実質年率15.0%など、自動車ローンや住宅ローンなどに比べて高く設定されているのが一般的です。

また、設定できる毎月の返済額は、「残債10万円以下なら1万円」などと残債の金額の割に低いことも珍しくないため、カードの利用額が多い人は「完済まで数年かかる」という事態におちいる危険があります。

緊急対策としてリボ払いを活用したときは必ず、お金が準備できたらすぐに繰り上げ返済をおこなって全額を返済しておきましょう。

クレジットカードの使いすぎを防ぐための方法のまとめ

クレジットカードの使いすぎを防ぐためには、カードを計画的に利用する必要があります。

クレジットカードを計画的に利用するためには、基本的に自分が使った金額を把握することが重要になるので、記事内で紹介した対策を実行して、月々の利用金額を把握するようにしましょう。

また、万が一、クレジットカードの支払いができない場合は、あとからリボ払いに変更できるケースがあるので、緊急対策としてリボ払いを検討してみてください。

この記事のまとめ
  • クレジットカードの利用金額を把握する
  • クレジットカードの支払い方法はできるだけ一括払いを利用する
  • クレジットカードではなく、デビットカードを使う選択もあり
  • 万が一、支払いができないときは「あとからリボ払い」を検討する
張替愛

専門家からの一言

張替 愛

クレジットカードを使いすぎないようにするためには、カードの利用履歴を頻繁に確認することに加えて、「自分がカードで買っても大丈夫な金額(=予算)」を知っておくことが重要です。

予算を知るためには、収入から居住費や水道光熱費、保険料などの固定費を除いた金額を計算し、そこからさらに将来のために必要な貯蓄と、現金で支払う生活費を引きます。

すると、毎月自分が自由に使えるお金は意外と少ないことが分かるでしょう。

予算内におさえてカードを利用するのが難しいと感じたら、無理にカードを利用するのではなく、本記事で紹介しているように、カードの支払いは固定費だけに絞ったり、デビットカードを活用したりすると良いでしょう。

FP事務所マネセラ代表。「ひとつひとつの家庭にとっての最善策」を探すことを大切に、保険や金融商品を一切販売せずに個別相談を行う。大学で心理学を学んだ後、国内損害保険会社に勤務。夫の海外赴任と退職したことを機に独立を決意し、日本帰国後の2017年に開業。専門分野は海外赴任・資産運用・教育費・住宅購入・老後資金・保険・ママのキャリアなど。多くの人に賢いお金の使い方や考え方を知ってもらうため、コラム執筆や監修、取材協力、オンラインマネー講座にも力を入れて活動中。2児(保育園児・小学生)の母でもある。

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食品や雑貨商品などを扱うライター・編集を経て、マネ会を担当。クレジットカードのポイント還元や特典だけでなく、各カード会社の戦略やマーケティングにも興味あり。普段使っているクレジットカードはJALカードで、実家への帰省の際には、貯めたマイルを特典航空券に交換している。ヤフオクやヤフーショッピングで買い物をする際には、ヤフーカードも使用。体を動かすことが好きで、定期的にジムで筋トレ。機会あれば、山へハイキングに出かけ、帰りの温泉を楽しむ。

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