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潜在看護師とは?人数が多い理由や復職する3つのポイントも解説

潜在看護師とは?人数が多い理由や復職する3つのポイントも解説

近年、看護師不足が深刻化する医療業界では、潜在看護師の存在が注目されています。教育や指導に時間を要する新卒採用と比べ、現場経験があることで即戦力を期待されることが理由として挙げられます。

しかし、潜在看護師にはネガティブな側面も存在しているため、復職する際にはデメリットを踏まえたうえで、実践すべきポイントがいくつかあります。

そこで今回は、潜在看護師になる理由や人数が多い背景について解説します。潜在看護師が復職するための3つのポイントも紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも潜在看護師とは

潜在看護師とは、看護師免許を所有している65歳以下で、看護師として就業していない人のことをいいます。厚生労働省の調査によると、保健師・助産師・看護師及び准看護師免許を保有する20,388人のうち、看護職に就いていない人は3,004人(※)です。

つまり、看護師免許を所有している人のうち、約15%が看護職員として働いていないことになります。

(※)出典:厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査結果」

潜在看護師の人数が多い理由

潜在看護師になる背景はさまざまですが、その人数が多い理由として「復職時のサポート体制が整っていない」ことがあります。

潜在看護師が復職した場合、経験者とみなされて中途採用としての扱いになります。経験者である場合、新卒採用の看護師と比べると、十分なサポートが受けられないことがほとんどです。

医療は日々進歩しており、知識や技術は常に最新のものへ更新し続けていかなければなりません。経験者といっても数年単位のブランクがあると、サポートなしで看護師の仕事に付いていくのは厳しいでしょう。

一度現場から離れた潜在看護師は、ブランクによる知識やスキルの衰えへの不安から、復職したくても踏み切れない状態の人が少なくありません。

そのほかに「育児や介護による問題」も復職できない理由のひとつです。待機児童の増加などにより子どもを預ける場所が見つからず、仕事復帰ができない潜在看護師もいます。

また、家族の介護をするために労働時間に制限があり、時短勤務や勤務時間を変更して働く必要性がある潜在看護師もいます。

しかし、看護の現場では特殊な働き方によって肩身が狭くなることもあり、復職を諦めてしまう潜在看護師も多いです。

このような背景から、さまざまな理由で復職する人が少なくなり、結果的に潜在看護師が多くなっています。

潜在看護師の退職理由

潜在看護師の退職理由は「出産・育児のため」「結婚のため」(※)など、ライフイベントによる勤務が難しくなったことが多いです。出産・育児や結婚によってフルタイムでの勤務や残業、夜勤をこなすことが難しくなります。

病院や施設側の配慮で時短勤務や土日休み、日勤のみでの働き方が可能な場合もありますが、看護師の業界においては肩身が狭くなる傾向があります。

なかには人手不足により休暇が取りづらく、希望どおりの働き方を実現しにくい職場も存在します。そのため、ライフステージの変化から継続的な就業が困難になり、潜在看護師になる人もいます。

また、現在全く別の業種で働いている潜在看護師で多い理由は「ほかの仕事への興味が大きくなった」ことが挙げられます。

看護師以外の仕事にやりがいや興味を感じ、キャリアチェンジをする人も潜在看護師のなかに存在します。

(※)出典:厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査結果」

潜在看護師は何してるのか

潜在看護師のなかには、専業主婦として家事に従事している人もいます。「看護職員就業状況等実態調査」によると、潜在看護師で仕事をしていない人のなかで、家事に従事している人の割合は80.1%(※)です。

金銭的に余裕があれば、復職せず家事や育児に専念した方が良いと考える人は多いといえるでしょう。

また、精神的な理由で仕事ができずにいる潜在看護師も少なくありません。復職する人のなかには、看護師として復帰する人や介護職として再就職する人もいます。

介護職は看護師の業務とは異なりますが、看護師としての経験や知識を活かして活躍できる職種のひとつです。

医療職とはまったく異なる業種で正社員として働く人や、パート・アルバイトをしながら子育てや、介護との両立をしている人もいます。

(※)出典:厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査結果」

潜在看護師の復職に適した働き方・職場は?

「看護職員就業状況等実態調査」によると、離職中の人のなかで36.1%の人が「看護師として復職したい」と希望しています(※)。

潜在看護師が復職するためには、それぞれの事情に応じて、自分のライフスタイルに合わせた働き方や職場を選ぶ必要があります。

また、看護師としてブランクがあるという事実を踏まえたうえで、働き方を考えることも大切です。では、潜在看護師の復職に適している働き方や職場には、どのようなものがあるのでしょうか。ここからは潜在看護師の復職という視点から、適している働き方と職場について紹介します。

(※)出典:厚生労働省「看護職員就業状況等実態調査結果」

潜在看護師の復職に適した働き方

子育てや家族の介護など、事情により理想の働き方は異なりますが、ブランクがある状態での復職では勤務条件を重視した働き方を考えると良いでしょう。まず前提とするポイントは「無理がない」ことです。

通勤時間勤務時間業務内容などを総合的に判断し、無理のない働き方からスタートすることが大切です。ここでは潜在看護師の復職に適した働き方について紹介します。

日勤のみで働ける正社員

ブランクがある際には、日勤のみでの働き方がおすすめです。看護師としての働き方はさまざまで、日勤のみでも正社員として勤務できる職場もあります。

ある程度の期間現場から離れると、体力が低下している可能性があります。そのため、始めから夜勤や残業、休日出勤が多い職場で働くと、ハードな生活により早期退職につながってしまいます。

まずは、仕事をする生活に体を慣らし、生活のリズムを整えるためにも日勤のみで残業が少ない職場で働きましょう。

日勤のみの働き方を実現できる職場には、クリニック検診センター訪問看護などがありますが、病棟勤務では職場との相談により決まるケースが多いです。

短時間勤務できるパート・アルバイト

正社員以外にも、短時間勤務ができるパートやアルバイトといった非常勤での働き方もおすすめです。

勤務日数や時間帯を都合に合わせて調整できることが、非常勤の大きなメリットです。そのため、プライベートとの都合をつけやすく、子育てや介護と両立しながら復職を目指す場合にも、負担なく始められます。

無理のない業務量や勤務時間帯などのイメージがあれば、看護師として本格的に復職を目指す際の希望条件を明確化できるでしょう。

ただ、パートやアルバイトの場合は時間給での労働になるため、短時間での働き方では満足な収入を得られないこともあります。特に、家計の問題で復職を考えている潜在看護師は、収入面での問題を理解したうえで検討しましょう。

潜在看護師の復職に適した職場

次に、潜在看護師の復職に適した職場を紹介します。看護師が活躍する場は病院以外にもさまざまな場所があります。そのなかでも、業務内容や勤務体系などから、理想の働き方ができる職場が適しているといえるでしょう。

自分のキャリアや生活スタイルを考慮し、適切な職場を選んでください。ここからはブランクがあり、育児や介護と両立して復職を目指す潜在看護師にとってのメリットを含めて、それぞれの職場の特徴を解説します。

検診センター

検診センターの主な業務は、健康診断や人間ドックの介助やサポートです。検診の項目は決まっているため、採血やその他検査の介助などの固定業務に加え、比較的簡単な業務内容であることが特徴です。

ブランクがあって知識やスキルに心配がある潜在看護師でも復帰しやすい職場です。また、日勤のみで残業が少ないのも検診センターで働くメリットです。土日や祝日が休日になることが多いため、プライベートとの両立がしやすい点も潜在看護師に適しているポイントです。

しかし、人によっては固定業務への物足りなさを感じることもあり、復帰後はアクティブに働きたいと考える人は注意が必要です。もうひとつのデメリットとして、検診時間内はかなり忙しくなる場合がある点です。

検診中は休憩がなく、基本的に立ちっぱなしで仕事をしなければなりません。また、短時間で多くの検査をこなす必要があるため、採血などの業務はスピードと正確さが求められます。検診中の忙しさから疲労感を強く感じる人が多い点も注意しましょう。

介護施設

介護・福祉業界においても人材不足は深刻化しており、看護師の求人も多く出ています。介護施設といっても、看護師としてブランクがあるデイサービスや特別養護老人ホームなどさまざまで、短時間勤務など働き方の融通が利きやすい特徴があります。

また、施設によって利用者の介護度が異なり、介護度が低い利用者が多いデイサービスなどでは、簡単な健康管理や薬の管理などが主な業務です。

高度な知識や技術を必要としないため、ブランク明けでの復職もしやすい職場でもあります。しかし施設ごとに人員配置の人数が異なるため、場合によっては1人での勤務になることもあります。

時には利用者の体調悪化や怪我など、緊急で対応しなければならない場面では中心となって対応しなければなりません。介護職員からも頼りにされる場面も多く、人によっては大きなプレッシャーからストレスを感じることもあるでしょう。

保育園

保育園では、園児の体調管理や園内の衛生管理、園での検診の補助などの保健業務が看護師の役割です。また、怪我をした園児の処置や内服管理・軟膏塗布といった対応もおこないます。

難しい医療行為が求められることはほとんどないため、ブランクによる手技への不安があっても働きやすい環境です。保育園は夜勤がなく土日休みで働けるため、子育てと両立しやすいだけではなく、体力的な不安がある人でも負担なく復職できるメリットがあります。

ただし、保育園では看護師の配置基準が自治体や施設ごとに決められており、看護師1人での勤務が多い点に注意が必要です。

潜在看護師が復職するための3つのポイント

潜在看護師が復職するにあたって、大きなハードルとなるのがブランクです。ブランクがあることで再就職に不利に働くこともあれば、復職後に苦労することもあります。

そのため、いかにブランクから抜け出し、スムーズに現場へ復帰できるかが大事です。スムーズな復職を実現するためには、いくつかのポイントを押さえて就職活動を進めていくことが有効です。ここでは潜在看護師が復職するために実践すべきポイントを3つ紹介します。

理想の働き方を洗い出す

まずは、自分がどんな働き方をしたいかを、整理して明確にしておくことが大切です潜在看護師が復職する場合、これまでの生活が一変するため、家族や周囲の環境にも影響が出る可能性があります。

小さな子どもがいる潜在看護師であれば、親族や保育園など日中に子どもを預けられる状況を作ったり、自宅に近い職場を選んだりなど、工夫をしたうえで希望条件を洗い出すと良いでしょう。

可能な労働時間や時間帯、理想の職場環境などを洗い出して、優先順位をつけて職場探しをすることで、希望に沿った職場を見つけやすくなります。

希望する条件を紙などに箇条書きで書き出し、そのなかから優先順位をつけて並び替えることでうまく整理できます。また、面接時に条件を伝えておくことで、採用後のミスマッチを防げる可能性は高くなります。

復職支援制度を活用する

潜在看護師が復職するにあたって万全な準備を整えるために、復職支援制度の活用が有効です。看護協会が運営するナースセンターは各都道府県に設置されており、ブランクがある潜在看護師向けのセミナーや講習会などを開催しています。

採血や点滴注射などの基礎的な手技における講習や感染対策、急変時の対応など各種分野での復職に向けた研修を受けることもできます。

まずは、最新の医療についての知識やスキルを学び直してから、復職への活動をしたい潜在看護師は活用をおすすめします。

また、ナースセンターでは人材確保への取り組みとして求人情報の提供や就業相談をおこなう窓口も設けています。ブランクがあって復帰に対して不安を抱える場合にも、活用しやすい制度です。

看護師向け転職サイトを利用する

潜在看護師の復職には、看護師向けの転職サイトを利用することもおすすめです。看護師転職サイトは、利用者一人ひとりに対して専任のアドバイザーが、復職に関わるさまざまなサポートを一貫しておこなってくれます。

希望条件のヒアリングから求人紹介、履歴書の添削、面接対策など個々の事情を踏まえたうえでのアドバイスをもらうことができます。

また、応募先施設への条件交渉も求職者の代理でおこなってくれるため、希望条件を直接伝えづらい人にとっても大きなメリットがあります。そして、すべてのサービスを無料で受けられる点も魅力的といえます。

潜在看護師の復職には転職サイトを使おう!

潜在看護師の復職には転職サイトがおすすめですが、看護師転職サイトは多数存在します。実際にどの転職サイトを利用すればいいのか分からない人も多いでしょう。それぞれの転職サイトの特徴や、受けられるメリットは異なります。

最適な転職サイトを選ぶことで、より効果的に利用できるため、転職サイト選びも重要なポイントです。ここではブランクがあり、育児・介護などと両立しながら復職を目指す潜在看護師におすすめの転職サイトを3社紹介します。

看護roo!

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おすすめポイント
  • 業界トップクラスの求人数
  • アドバイザーの質が高い
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対象年齢 全年齢
業界、職種 正看護師、准看護師、保健師、助産師

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また、面接対策や条件交渉などのサポートを手厚く受けられることも特徴のひとつです。希望があれば専任アドバイザーが面接への同行もしてくれるため、面接への不安が強い潜在看護師にとっても心強いサポートです。

レバウェル看護(旧:看護のお仕事)

レバウェル看護
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  • 幅広い分野の求人がある
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公開求人数 約140,000
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対応地域 全国
対象年齢 全年齢
業界、職種 看護師、准看護師、保健師、助産師

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まとめ

この記事では、潜在看護師になる理由や人数が多い背景について解説しました。潜在看護師になる背景には結婚や出産・育児から家族の介護まで人によってさまざまです。

そして、多くの潜在看護師が復職を希望する反面、ブランクや不十分なサポート体制によって復職に踏み切れない人も多いのが現状です。スムーズな復職を実現するためには、理想の働き方を明確にして無理のない働き方からスタートすることが大切です。

また、復職支援制度や転職サイトなど、気軽にサポートを受けられる機関もあります。それらを最大限に活用し、スムーズな復職を実現していきましょう。

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