1マイルはいくらの価値がある?ANAとJALのマイルの価値を検証
飛行機の搭乗などで貯まるマイルは、航空券や他社のポイントプログラムとの交換などが可能なので、マイルを利用したことがあるという人も多いと思います。
しかし、マイルを利用する際、「1マイルの価値ってどのくらい?」、「どの使い道がお得なの?」などの疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。
というこで、今回は、日本で人気の高い航空会社の全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)の1マイルの価値を検証していきたいと思います。
マイルの交換先ごとに1マイルの価値を算出していくので、参考にしてみてください。
1マイルはいくらの価値がある?
1マイルあたりの金額は、航空券に変える場合、約5円になります。
しかし、渡航先によって価値は変わわりますし、マイルの交換先によっても価値は変わります。
マイルは交換できるものがいくつかあり、人気の高い交換先としては主に下記のようなものがあります。
- 国内線、国際線の航空券に交換(特典航空券)
- 座席のランクアップ
- 他社のポイントプログラムへ交換
- クーポン券への交換
1マイルの価値は交換するものによって異なるので、マイルをお得に使うためには、交換先ごとの1マイルの価値を把握しておくことが重要です。
また、マイルで交換できるものには、交換するのに必要な最低マイル数が設定されています。最低マイル数に関しても交換先によって異なるので覚えておきましょう。
そもそもマイルとは?
1マイルの価値を検証する前に、「そもそもマイルって何?」という人もいると思いますので、まずは、マイルについて簡単に説明していきます。
マイルとは、簡単にいってしまえば、クレジットカードや電子マネーの利用で貯まるポイントと同じもので、航空会社が運営するポイントプログラムで貯められるポイントのことを指しています。
本来は「1マイル=約1.61km(1.60934km)」で換算され、フライトの距離に応じて付与されるものですが、近年は航空会社と宿泊施設やカード会社が提携し、施設の利用やカード決済などでもマイルを貯めることが可能です。
また、マイルとセットでよく目にするマイレージは、航空会社が運営するポイントプログラムのことを指しているので、あわせて覚えておきましょう。
ここからは、「航空券に交換した場合」、「他社のポイントプログラムに交換した場合」、「クーポン券に交換した場合」の1マイルの価値について検証していきます。
航空券に交換する場合の1マイルの価値
ANAやJALのマイルを航空券に交換する場合は、基本的に片道で最低5,000マイルが必要です。
マイルを貯められるクレジットカードで5,000マイルを貯めようと考えた場合、カードの種類にもよりますが一般的に200円で1マイルが相場なので、100万円の利用が必要になることを覚えておきましょう。
また、気になる1マイルの価値ですが、「運賃÷必要マイル数」で算出することができます。
ただ、運賃は、航空会社によってことなり、シーズンや座席のグレードなどの要素によっても大きく変わってきます。
ですので、ここでは、ANAとJALのエコノミークラス、通常シーズン、割引なしで利用した場合の1マイルの価値を算出していきます。
国内の利用に必要なマイル数と1マイルの価値
まず、国際線を利用した場合のANAとJALの1マイルの価値を算出していきます。1マイルの価値を算出するために、ANAとJALの運賃を下記の条件で固定しています。
- 出発:東京(羽田)
- 到着:北海道(札幌)、大阪、福岡、沖縄(那覇)
- 通常価格(片道)
- 通常シーズン
- エコノミー
上記の条件で、ANAとJALの目的地までの運賃、航空券に交換するための必要マイル数から1マイルの価値を算出すると、ANAを利用する場合は下記のようになります。
到着場所 | 北海道(札幌) | 大阪 | 福岡 | 沖縄(那覇) |
運賃(片道) | 37,460円 | 24,400円 | 40,190円 | 44,510円 |
必要マイル(片道) | 7,500 | 6,000 | 7,500 | 9,000 |
1マイルの価値 | 約5円 | 約4円 | 約5.3円 | 約4.9円 |
ANAのマイルは、「1マイル=4円から5円相当」になることがわかります。
また、JALを利用する場合の1マイルの価値は下記のようになります。
到着場所 | 北海道(札幌) | 大阪 | 福岡 | 沖縄 |
普通運賃(片道) | 38,760円 | 26,250円 | 42,190円 | 47,010円 |
必要マイル(片道) | 7,500 | 6,000 | 7,500 | 7,500 |
1マイルの価値 | 約5.1円 | 約4.3円 | 約5.6円 | 約6.2円 |
JALマイルは、「1マイル=4円から6円相当」になることがわかります。
ただ、ANAとJALでは、早期の予約で割引が適用されるスーパーバリューや先得などの割引サービスをおこなっています。
割引サービスを利用すると通常の半額以下で航空券を購入することができるので、国内線を利用する場合の実際の1マイルの価値は、2円前後と考えるのが無難でしょう。
海外旅行に必要なマイル数と1マイルの価値
国内線と同様に、国際線を利用した場合の1マイルの価値を算出していきます。
国際線の場合、ANAマイルは往復のみの利用となるので、JALもANAに合わせて往復で考えていきます。ということで、条件は、下記のように固定しています。
- 出発:東京(成田、羽田)
- 到着:ハワイ(ホノルル)、 ソウル 、グアム 、台湾(台北)、 バンコク
- 通常シーズン
- 割引なしの最低運賃
- エコノミー
上記の条件でANAを利用した場合の1マイルの価値は下記のようになります。
到着場所 | ハワイ(ホノルル) | ソウル | グアム | 台湾(台北) | バンコク |
運賃(往復) | 97,920円 | 101,960円 |
288,660円 |
130,610円 | 178,720円 |
必要マイル(往復) | 40,000 | 15,000 |
20,000 |
20,000 | 35,000 |
1マイルの価値 | 約2.5円 | 約6.8円 | 約14.5円 | 約6.5円 | 約5.1円 |
ANAは、グアムまでの直行便がないので、提携航空会社のユナイテッド航空を利用することになります。
そのため、運賃がやや高めになっているのもも、ANAマイルで航空券と交換が可能なのでお得に旅行することが可能です。
1マイルの価値は、グアムを含めると「約2.5円から14.5円」と大きく幅がありますが、基本的に「5円から6円相当」になると考えておきましょう。
また、JALの1マイルの価値は、下記のようになっています。
到着場所 | ハワイ(ホノルル) | ソウル | グアム | 台湾(台北) | バンコク |
運賃(片道) | 103,320円 |
81,860円 |
76,060円 | 71,510円 | 92,670円 |
必要マイル(片道) | 40,000 | 15,000 | 20,000 | 20,000 | 27,000 |
1マイルの価値 | 約2.6円 | 約5.5円 | 約3.8円 | 約3.6円 | 約3.4円 |
JALの場合、上記の運賃で換算すると1マイルの価値は、「2.6円から5.5円」になります。
ですので、ANAとJALの全体で考えると、国際線を利用する場合の1マイルの価値は「2.5円から6円程度」と考えるのがよいでしょう。
ちなみに、今回はエコノミークラスを基準に紹介していますが、1マイルの価値は、ビジネスクラスやファーストクラスのほうが高くなります。
状況によっては、1マイルの価値が10円以上になるケースもあるので覚えておきましょう。
また、今回紹介した運賃に関しては、座席の状況などによって異なるので、あくまでも参考程度に考えてください。
電子マネーに交換した場合の1マイルの価値
ANAやJALのマイルは、電子マネーなどの他社のポイントプログラムへの交換も可能ですが、ANAとJALで交換できるポイントの種類が異なることに注意が必要です。
ここでは、交換ができる主な電子マネーやポイントの種類と電子マネーに交換した場合の1マイルの価値について紹介していきます。
ANAマイルを電子マネーに交換
ANAマイルを電子マネーやポイントに交換する場合は、10,000マイルごとの交換になっています。
ANAマイルを電子マネーやポイントに交換した場合は、年間の交換マイル数によって下記のように異なることを覚えておきましょう。
年間の交換マイル数 | マイル数とポイント | 1マイルの価値 |
---|---|---|
20,000マイル以下 | 10,000マイル=10,000円分 | 1円 |
30,000マイル以上 | 10,000マイル=5,000円分 | 0.5円 |
上記のように、基本的にANAマイルを電子マネーやポイントに交換した場合の1マイルの価値は、年間20,000マイルまでは1円、30,000マイル以上だと0.5円になります。
航空券との交換を考えるとお得とはいえませんが、日常の買い物などにマイルを利用したい人は、交換を検討してもよいでしょう。
ちなみに、ANAマイルから交換が可能な他社のポイントプログラムは多数ありますが、比較的利用しやすく、人気の電子マネーやポイントには下記のようなものがあります。
- 楽天Edy
- nanacoポイント
- 楽天ポイント
- Vポイント
- ヤマダポイント
JALマイルを電子マネーに交換
JALマイルを電子マネーやポイントに交換した場合は、交換先によって1マイルの価値が若干異なるので、主な交換先と1マイルの価値を下記に算出しています。
電子マネー(ポイント) | 必要最低マイル数 | 1マイルの価値 |
---|---|---|
WAON | 10,000 | 1.1円~1.25円 |
Suica | 10,000 | 1円 |
dポイント | 10,000 | 1円 |
Pontaポイント | 3,000 | 0.5円 |
ビックポイント | 10,000 | 1円 |
JALマイルを電子マネーやポイントに交換した場合、1マイルの価値は「0.5円から1.25円」になります。
基本的にはANAと同じで「10,000マイル=10,000円分」の交換が多くなりますが、Pontaポイントなどの一部のポイントに関しては、交換率が若干異なるものもあるので、交換の際は事前に確認するようにしましょう。
また、ANAとは違い、年間の交換マイル数によって1マイルの価値が変わるということはありませんが、基本的に年間20,000マイルまでという上限があるので、その点は注意が必要です。
ちなみに、WAONに関しては、最高40,000マイルまでの交換が可能で、交換するマイル数によって1マイルの価値が変動します。
最高の40,000マイル交換した場合は、1マイルの価値が1.25円になるので、ほかのポイントより若干お得になっています。
クーポン券に交換した場合の1マイルの価値
ANAやJALのマイルは、機内販売商品や提携する宿泊施設などの支払いに利用できるクーポン券と交換することができます。
マイルをクーポン券に交換した場合の1マイルの価値は、下記のようになっています。
クーポン券 | 交換レート | 1マイルの価値 |
---|---|---|
ANAご利用券 | 10,000マイル=10,000円分 | 1円 |
JALクーポン | 10,000マイル=12,000円分 | 1.2円 |
ANAのクーポン券は1マイルの価値が1円ですが、JALのクーポン券は1マイルの価値が1.2円になるので、JALのほうが若干お得になっています。
ただ、クーポン券に関しても、航空券と比較すると1マイルの価値は低くなってしまうことを覚えておきましょう。
マイルが貯まるおすすめのクレジットカードを紹介
マイルは、航空券だけでなく、他社のポイントプログラムやクーポン券などと交換ができるので、できればマイルをお得に貯めて利用したいですよね。
ということで、最後にマイルが貯まりやすいおすすめのクレジットカードを紹介しておきます。
新規入会でANAマイルが最大24,900マイルもらえる「ソラチカカード」
- ANA・提携航空会社便の搭乗でたまるマイル+各種ボーナスマイル
- 東京メトロ乗車・定期券のお支払いでメトロポイントがたまる
- さらにPASMOも搭載!
年会費初年度 | 無料 |
---|---|
年会費2年目〜 | 2,200円(税込) |
ポイント還元率 | 0.1 〜 1% |
発行スピード | 約1週間 |
国際ブランド |
|
電子マネー |
|
- 付帯サービス
ソラチカカードは、ANAとJCBが提携して発行するクレジットカードです。年会費は、初年度が無料で2年目以降は2,000円(税別)です。
通常のフライトマイルに加えて、ANA便を利用すると10%の割り増しボーナスマイルを獲得することができるので、マイルをお得に貯めることができます。
JALマイルを貯められ、魅力的な会員限定特典も!「JALカード(一般)」
- フライトでためるーボーナスマイルー
- 国内空港店舗・ 空港免税店割引国内空港店舗や空港免税店で割引に。
- 旅行保険最高1,000万円!
年会費初年度 | 無料 |
---|---|
年会費2年目〜 | 2,200円(税込) |
ポイント還元率 | 0.5%~1% |
発行スピード | 2週間程度 |
国際ブランド |
|
電子マネー |
|
- 付帯サービス
JALカードは、初年度の年会費が無料、2年目以降は2,200円(税込)で持つことができるクレジットカードです。
特典航空券の交換マイル数の割引や通常5,000マイルから交換が可能な「e JALポイント」を3,000マイルから交換ができる会員限定特典を利用することができます。
また、イオンやファミリーマートなどの特約店の利用でマイルを通常の2倍獲得するが可能ですし、毎年初回の搭乗でボーナスマイルとして1,000マイルを獲得できるなど、お得にマイルを貯めることが可能です。
日常の買い物は、クレジットカードの利用で200円につき1マイルが付与されるので、マイルをどんどん貯めたい人におすすめのクレジットカードです。
1マイルの価値まとめ
マイルは、交換先によって価値が大きく異なるので、1マイルの価値を最大限に活かしたいのであれば、航空券との交換がおすすめです。
とくに、国際線は、1マイルの価値が10円以上になる可能性もあるので、賢くマイルを貯めて海外旅行に行くというのもよいのではないでしょうか。
また、近年は、クレジットカードの利用でもマイルを貯めることができるので、日常の買い物などでもマイルを貯めたい人は、記事内で紹介したクレジットカードの申込みを検討してみてください。
食品や雑貨商品などを扱うライター・編集を経て、マネ会を担当。クレジットカードのポイント還元や特典だけでなく、各カード会社の戦略やマーケティングにも興味あり。普段使っているクレジットカードはJALカードで、実家への帰省の際には、貯めたマイルを特典航空券に交換している。ヤフオクやヤフーショッピングで買い物をする際には、ヤフーカードも使用。体を動かすことが好きで、定期的にジムで筋トレ。機会あれば、山へハイキングに出かけ、帰りの温泉を楽しむ。