介護ローンの特徴・資金使途・利用条件などについて詳しく知ろう

介護ローンの特徴・資金使途・利用条件などについて詳しく知ろう

カードローンをはじめとした「フリーローン」は、資金使途が自由、つまり何に使っても良いという点が大きな特徴と言えます。一方で、資金使途が決められているローンは「目的別ローン」と呼ばれますが、目的別ローンにはさまざまな種類があります。
今回は、目的別ローンの中でも「介護ローン」について詳しくご紹介します。

介護ローンの特徴を知ろう

総務省の統計によれば、平成27年の時点で高齢者(65歳以上)の人口は3,300万人を超え、総人口の26.7%と、過去最高の割合に達しています。介護制度の充実などはもちろんですが、個人や家庭レベルでも、介護費用の捻出が大きな課題となっています。
家族の介護が必要となった時には、早急にまとまった介護資金が必要になります。しかし、公的な貸付を利用しようとしても、制限があったり手続きに時間がかかったりと、思うように融資を受けられない場合も少なくありません。そのような時に役立つのが、銀行や信託銀行など民間業者が提供する介護ローンです。
以下では、介護ローンの特徴を見てみましょう。

・公的な介護保険などに比べ、融資が受けやすい。また、手続きや審査にかかる日数も短いことが多い
・目的別ローンであるため、介護資金にしか使えない。
カードローンなどのフリーローンよりも、比較的低金利である。保険会社やプランによるが、一般的には3%~8%の金利が多い。
・保険会社やプランによるが、融資額は10万円~500万円のケースが多い。
・介護自体が長期にわたることが多いため、7年や10年といった長期間の借入プランが用意されているローンが多い。

介護ローンはどういったことに使えるの?

「目的別ローンであるため、介護資金にしか使えない」と言われても、実際に何に使えて何に使えないのか、戸惑う方もいることでしょう。そこで、以下では具体的な資金使途をご紹介します。

【1】介護用品や機器の購入、レンタル
介護用ベッド・車いすなどの機器、紙おむつなどの消耗品を購入・レンタルできます。

【2】介護に必要な住宅の増改築
手すりやスロープの設置、バス・トイレを高齢者でも使いやすいようにリフォームするといった、住宅のバリアフリー化の資金として使用できます。

【3】介護施設・介護サービス利用費
デイサービスなどの利用費や介護施設への入所一時金、さらに施設までの交通費などの資金として使用できます。

注意が必要になるのは、医療費についてです。介護ローンはほとんどの場合、怪我や入院といった医療費としては利用することができません。こちらは医療ローンの適用範囲となるため、気をつけておきましょう。

介護ローンを利用するための条件は?

続いて、介護ローン利用の条件を見てみましょう。金融機関やプランによって違いがあるため、実際に申し込む場合は、以下の基準を参考に細かく確認するようにしてください。

【1】年齢
ほかの多くのローンと同じく、20歳以上65歳未満と定められていることが多くなっています。しかし、介護する側も高齢となる「老老介護」の場合は、利用が難しくなることがあります
また、金融機関によっては、「20歳以上60歳未満」とされていたり、「完済時に満70歳以下であること」、「完済時に満75歳以下であること」といった条件が付け加えられていたりすることがあります。特にこの点は、介護ローン特有の条件であるため、しっかりと確認しておきましょう。

【2】各保険会社の定める「要介護状態」の認定を受けること
親族に介護を必要としている人が存在し、その人が各保険会社の定める「要介護状態」と認められなければ、介護ローンは利用できません。この認定基準は会社によって違い、公的介護保険の要介護認定と比べても、必ずしも一致するわけではありません。
なお、ほとんどの場合は被介護者と別居をしていても、介護ローンは利用できます。

【3】安定した収入など
安定した収入があり、返済能力があると認められる必要があります。これは、ほかの多くのローンと同じです。
返済に関しては、「元利均等返済」など月々での決まった金額を返済する形が一般的です。

万が一、介護ローンの利用が難しい場合は、カードローンなどのフリーローンを利用し、介護資金に充てるという方法もあります。ただし、この方法は介護ローンの利用に比べると、金利が高くなってしまうため、緊急の場合以外はできるだけ介護ローンを利用するのが良いでしょう。
介護ローンもほかのローンと同じく、ある金融機関で融資を受けられなくても、別の金融機関やプランを選べば、審査に通り融資が受けられるといったケースは少なくありません。そのため、審査に通らなかった場合でも、あきらめずにほかの金融機関に申し込んでみることを考えてみましょう。

まとめ

・公的な介護保険などに比べ、融資が受けやすい
・フリーローンに比べ、低金利である
・目的別ローンであるため、介護資金(介護用品・機器の購入、介護に関する増改築、介護施設・サービスの利用など)にしか使えない
・ほとんどの場合、医療費には使えない
・利用する際には、各保険会社の定める「要介護状態」の認定を受けなくてはならない
・返済は、「元利均等返済」など月々での決まった額を返済する形が一般的

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