朝・昼・晩、予算5,000円で丸1日満喫できる! 大好きな杜の都「仙台」の美味しいもの
前回の「鎌倉」の美味しいものに続いて、今回は「仙台」の美味しいものを紹介する。
仙台は大学を卒業した後に新卒で入った会社で最初に配属された街。わからないことばかりで慣れない仕事を頑張れた理由は「コンパクトでちょうど良い大きさの街が過ごしやすかったこと」「周りの人が皆あたたかく親切だったこと」、それから「食べ物が美味しかったこと」が大きかった気がする。
毎日「ランチは何にしよう」「夜はどこで飲もう」と考えるのが楽しみで、そのおかげで仕事を頑張れたようにも思う。「牛たん」のようにいわゆる皆が知っている名物もいいけれど、今回は朝~夜の食事の予算5,000円で楽しめる仙台の美味しいものを紹介したい。自分の好きな仙台の魅力を伝えることができればいいな、と思う。
朝食 「塩釜水産物仲卸市場」のマイ海鮮丼 好きな海鮮4品+ごはんセットで1,500円
「朝食」は何にしようと考えて最初に思い浮かんだのが「塩釜水産物仲卸市場」。
塩釜水産物仲卸市場(しおがますいさんぶつなかおろししじょう)は、塩釜港の塩釜魚市場の近くにある市場のこと。一般の買い物客にも、「漁獲高日本一」のマグロをはじめとする海産物を販売している。
(塩釜水産物仲卸市場 - Wikipediaより)
仙台駅から電車で最寄りの「東塩釜」まで約30分。住んでいたころは、週末になって何か美味しい魚やウニを食べたいなあ……と思ったときにふらっと行っていた。
東塩釜駅からバスに乗れば約5分で到着するけれど、歩くととても気持ちが良い。
約15分くらいで、塩釜水産物仲卸市場に到着。
今日のお目当ては「マイ海鮮丼」。これは市場で買った好きな食材を丼に乗せて「自分好みの海鮮丼」を作れるというもの。ということで、さっそく食材探し。
歩いていると美味しそうなエビを発見!
「特に大きなボタンエビが美味しそうだなあ。1本250円か……」と、しばらく立って悩んでいると、愛想の良いおばちゃんが「何が気になるの? まけるよ!」と声をかけてくれた。
「ボタンエビが気になる」と伝えたら「よし、特別だからね」と、2本でなんと300円に。まけすぎでは……と思いつつもありがたい。おばちゃんの優しさに感謝。こんなことがあるのも市場ならではだ。
続いてイクラを見つけたので「小」を400円で購入。
こちらはホタテ。これもまけてもらってしまい1枚100円……。
ボタンエビ、イクラ、ホタテに加えて、まぐろ屋さんで一つ残っていた「本まぐろのネギトロ」を最後に購入。
500円のところ「ラストだし400円でいいや」と格安でゲット。いいやって……(笑)。見た目のボリュームと迫力にやや不安になりつつも、対応してくれたおじいちゃんの言葉を信じて買ってみた。
さらにご飯と味噌汁がついた300円の「ごはんセット」を買って、その上に食材を乗せれば自分だけのマイ海鮮丼が完成!
いただきます。
ボタンエビは思った以上に大きく、甘くて濃厚。弾力もすごくて最高。ホタテはしっかりと歯応えがあり、これまたうまい。イクラも新鮮で弾ける。熱々のご飯と新鮮な海鮮。箸が止まらなくなる……。
写真ではわかりづらいけれど、ご飯の上半分くらいに本まぐろのネギトロが。これが想像以上に脂たっぷりで、今まで食べたことのある大トロの数倍は濃いのでは? というくらい。確かに美味い。脂と旨味が連続して押し寄せ、美味しく食べきった。
もう、お腹いっぱい。いつもここに来ると食べ過ぎてしまうんだよなあ……と思いつつ、美味いものを目いっぱい食べれらるのは本当に幸せなことだ。そして、これだけ贅沢な海鮮丼がなんと合計1,500円!
昼食 「和風レストラン 田園」 はらこ飯1,620円
塩釜をあとにして、次に亘理の方へ向かった。
亘理町(わたりちょう)は、宮城県南部の太平洋沿岸、阿武隈川の河口に位置する町。温暖な気候を利用しての果樹・花卉栽培が盛んであり、特にイチゴが名産である。郷土料理のはらこ飯は近年農山漁村の郷土料理百選に選出された。(亘理町 - Wikipediaより)
東塩釜からは電車で約1時間10分ほど。近いとは言えないのだけれど「9月上旬からはじまったという季節限定の『はらこ飯』をどうしても食べておきたい」という気持ちが勝って行ってみることに。
宮城県亘理郡亘理町に伝わる郷土料理としての「はらこ飯」は、鮭の煮汁でご飯を炊くため、ご飯の色は茶色である。(はらこ飯 - Wikipediaより)
亘理駅に到着。
この駅には城のような「悠理館」が駅をまたぐようにある。この中には図書館があるなど落ち着くお気に入りのスポットだ。
昼まで時間があったので駅周辺を歩いた。亘理の長閑(のどか)な風景がとても好きで、住んでいた当時も数ヶ月に一度は訪れていた。あと、今回は寄れなかったけれど、海を眺められる展望浴場「天海の湯」がある「わたり温泉 鳥の海」も素晴らしい。
さて、今回はらこ飯を食べに向かったのは「和風レストラン 田園」というお店。
注文してから約10分ほどで、念願の「はらこ飯」が!
亘理のはらこ飯は、ご飯が鮭の煮汁で炊かれているようで、ほんのり甘く良い香りがする。そのご飯の上に、ふっくらとした鮭とイクラがびっしりと敷き詰められている。
口に運ぶと、イクラが口の中でプチプチと弾けて、鮭の旨味と合わさってなんともいえない絶妙な美味しさに。朝も海鮮丼食べたじゃん……と思いつつ、好きなものは1日にいくら食べてもやっぱり美味い!
ああ、大満足。9月上旬〜12月中旬までという和風レストラン田園の期間限定のはらこ飯、この期間にもし仙台に寄る機会があれば是非おすすめしたい。
昼~夕方 「鯛きち」うす皮たい焼き130円、「やくらいビール」復興エール300円
はらこ飯を存分に楽しみ、仙台駅に帰ってきたら13時。天気が良かったから街中を歩いてみることにした。こちらは駅から近い広瀬通り。
途中で曲がれば愛宕上杉通りが。仙台の街はちょうど良い大きさで、道は広く緑が多い。「『杜の都』は歩くのが非常に楽しい街だ」そんなことを思いながら歩みを進める。
街には公園がいくつもあり、週末はイベントをやっていることも多い。愛宕上杉通りを進むと見えてくる「錦町公園」を通りかかったら、ちょうどビールのイベントが行われていたので寄ってみた。
東北の地ビールがたくさんあったので、一杯だけいただくことにした。せっかくだから宮城の地ビールを飲もうと「やくらいビール」のブースへ。飲みやすいとすすめられたのは「復興エール」。お値段は300円。確かにさっぱりとしていてフルーティでいいなあ。これは気に入った。そして何より、晴れた昼間に公園で飲むビールは格別だ。
錦町公園の芝生の上で存分にだらだらした後は、駅方面に戻ってアーケードをぶらぶら歩くことにした。すると、「鯛きち」という看板(写真左上)が目に留まった。
仙台に来たばかりのころに「なんて美味いんだ……」と感動したお店だ。「うす皮たい焼き」は相変わらずのおいしさだった。
当時、一番気に入っていたのが「クリーム」で130円。中の濃厚なクリームはとろとろで熱々。一番おいしい状態で食べてほしいと、常に焼きたてを用意しているそうだ。
たい焼きを食べたら、また先ほどの錦町公園の方面に向かって歩きはじめる。
ポークカレーが好きでよく通ったカレーの美味しい喫茶店「さふらん」がある雰囲気の良い曲がり角を通りすぎて、
宮城県庁の方へ。この風景が仙台らしくて好きだ。
こちらは、「勾当台(こうとうだい)公園」。以前働いていた一番町にあるオフィスビルから最も近い公園で、当時ここでよくお弁当を食べていた。
そこから定禅寺通りへ。
定禅寺通(じょうぜんじどおり)は、仙台市青葉区にある「杜の都・仙台」を象徴する並木道の1つであり、同市で開催される都市イベントの会場となることも多い道路である。仙台市都心部を東西に貫き、西公園通とのT字路から駅前通との変則四叉路までに及ぶ。(定禅寺通り - Wikipedia)
自
自分が仙台の中で一番好きな通りで、冬になれば「Sendai光のページェント」というイベントがはじまる。ケヤキの木に無数に灯るオレンジ色のイルミネーションは圧巻。今年も楽しみだ。
夕食まで時間があったから、図書館やミニシアターなどがある複合文化施設「せんだいメディアテーク」で本を読むことにした。ただ観光するだけでなく、のんびり過ごすこんな時間も贅沢だと思う。
夕食 仙台文化横丁の「八仙」 焼餃子+ご飯+スープ 780円
あっという間に17時になり、お腹も空いてきた。この日、夕食を食べに向かったのが「仙台文化横丁」だ。この文化横丁や壱弐参(いろは)横丁といった昔懐かしい「横丁」があるのも仙台のいいところだと思う。
素敵なお店が次々と現れるから、どこに入ろうか非常に悩ましいが、この夜は「八仙」へ。
以前仕事帰りに何度か行った、餃子が有名な中華料理屋。「餃子+ご飯+スープ」で780円。この安さでこのボリュームは魅力的。また、お店の人は愛嬌があって話すと楽しい人ばかりなので、家に帰ってきた……というわけじゃないけれど、行くたびになんだかほっとする。
餃子は皮が薄く、外側がパリッとしていて噛めば中から肉汁が溢れる。シンプルだけど、なぜか時々恋しくなる味。
「美味しい!」とお店の人に伝えると「ありがとう。次はいつ来るの?」と笑顔で返ってきた。「『Sendai光のページェント』のころかなあ」と言ったら「楽しみにしているね」と、壁に貼ってある手書きのメニューに、自分の名前と「ページェントのころにまた来る」と書いてくれた。こんなやりとりも優しい人が多い仙台だからこそかもしれない。
お土産 蔵王クリーミースプレッド 551円
帰りの新幹線の出発時間が近くなったので、お店をあとにして仙台駅へ。朝から塩釜〜亘理と遠出をして、昼からは仙台駅〜定禅寺通りまで歩き、最後に横丁まで寄れて、久しぶりに仙台を満喫できた。
旅の終わりにお土産屋さんで買ったのは「蔵王クリーミースプレッド」。牛たんとか笹かまぼことか「萩の月」も好きなのだけど、これが自分の一番好きな仙台のお土産。イチゴやバニラ、ブルーベリーとさまざまな味がある甘いチーズは、クラッカーにつけるという定番の食べ方はもちろん、パンとの相性も良い。食べたことがない人は是非一度試してみてほしい。
ということで、朝~夜にかけて「予算5,000円」で楽しめる、自分が好きな仙台の美味しいものと好きな過ごし方を紹介してみた。あらためて仙台は良い街だなあと実感した。
今回紹介したところは、いわゆる牛たんや温泉みたいな多くの人がイメージする「ザ・仙台」っていうものや場所ではないかもしれない。けれど、仙台はこんな楽しみ方もあるんだな、ということが伝われば嬉しい。仙台は、こういった何気ない過ごし方をしても、楽しいと思える街ではないだろうか。特に秋は涼しくなってより一層歩くのが気持ち良いはず。
次回は住んだことはないけれど、出張でよく訪れていた「金沢」の美味しいものと好きな場所を、出張の時に知り合った地元の人におすすめを聞きながら、紹介したいと思う。
【今回1日の食事に使った合計金額::4,881円】
※本記事に記載のものは2016年9月4日時点の情報です
※予算5,000円に含まれるものは食事代(全て税込金額)のみです
編集者&ライター。1987年神奈川県生まれ。ブログ「ウォーキング✕美味しいもの」では日々見つけた美味しいものや歩いた街について書いてます。