訪問看護師を辞める理由は?辞める前に試すべき対処法やおすすめの転職先も解説
訪問看護師は、患者さんに自分一人で対応したり、患者さんとじっくり向き合えたりとやりがいを感じられる仕事です。
しかし、その業務内容のハードさから、訪問看護師を辞めたいと思う人もいるでしょう。
訪問看護師を辞める前に、まずはなぜ辞めたいと思っているのか、どうすれば悩みを解決できるのかを把握することが大切です。
そこで、この記事では「看護師が訪問看護を辞める理由」についてお伝えしていきます。
また、訪問看護を続けるメリットとデメリット、辞める前に試すべき対処法も解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
- 訪問看護師を辞める主な理由は「業務内容がハード」「病棟の仕事との違いに慣れない」など
- 訪問看護師を辞める前には上司に相談すべき
- 訪問看護師を辞める場合は看護師転職サイトの活用がおすすめ
訪問看護師の離職率は高い
看護師のなかでも、特に訪問看護は辞める人が多いです。
日本看護協会が2011年7月に公表した「訪問看護の伸び悩みに関するデータ」によると、病院看護師の離職率が12.6%であるのに対し、訪問看護師の離職率は15.0%です。病院勤務の看護師よりも、訪問看護師の方が離職率が高く、辞めたいと思う看護師が多いことがわかります。
また、同データによると、訪問看護ステーション全体の7割で求人募集を出しており、訪問看護は離職率が高いと同時に、人材の確保が難しい分野でもあるといえます。
実際に、同協会が2021年11月に発表した「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」によると、訪問看護ステーションの求人倍率は3.26倍と施設種別で最も高いことから、人手不足が続いていることが推測されます。
看護師が訪問看護を辞める理由
訪問看護師を辞める理由は「業務内容がハード」「人間関係がうまくいかない」「病棟との仕事の違いに慣れない」など、様々あります。
患者さんの家を訪問するという特性上、訪問看護師ならではの辞める理由もあるでしょう。
ここでは、看護師が訪問看護を辞める理由を紹介していきます。
- 業務内容のハードさ
- オンコール対応による負担
- 収入面の不満
- OJT・研修が不十分
- 職場での人間関係
- 自分のスキル不足を感じる
- 将来のキャリアプランを描けない
- 病棟の仕事との違いに慣れない
- 患者やその家族とうまく関係を築けない
- 結婚や出産等のライフイベント
以下より順に、看護師が訪問看護を辞める理由について解説していきます。
業務内容のハードさ
訪問看護の看護師は、患者さんの家を一人で訪問し、対応しなければなりません。
緊急事態であっても、すべて自分一人で判断し、適切なケアを施す必要があるため、責任やプレッシャーを感じてしまう人も多いでしょう。
ほかの職場である程度の経験を積んだ看護師であれば、臨機応変に対応できるかもしれませんが、訪問看護を最初の職場とした場合、状況に上手く対応できず、自信を失ってしまうこともあるようです。
また、患者さんやその家族と密接に関わるため、回復を見込めない患者さんや、患者さんの死に直面することも、精神的に大きく負担となるでしょう。
訪問看護の仕事がきついと悩んでいる場合には、以下の記事も合わせて読んでみてください。
オンコールの負担
オンコール対応があると、休日でも気を張ることになるため、心身共に休むことができません。そのため、オンコールの負担も訪問看護を辞めたいと思う原因のひとつとなります。
先述の日本看護協会の調査によると、看護師の人数が「2.5~3人」の零細型の訪問看護ステーションでは、看護師ひとり当たりの月平均休日・夜間待機日数が15.6日でした。
月の半分をオンコール対応で待機しないといけないとなると、体力的にも精神的にも負担が大きく、訪問看護を辞めたいと考えるのも自然なことです。
また、同データの示すところによると、オンコール対応の負担は、事業所の規模と反比例しています。
つまりは、規模の大きな事業所ほど待機日数は少なく、規模の小さな事業所ほど待機日数が多いということです。
そのため、より規模の大きな事業所や、オンコールを代行業者に委託している事業所へ転職することで、負担を軽減できるといえるでしょう。
収入面の不満
訪問看護は、病院看護師とは異なり、夜勤がなく日勤のみです。
また、日本看護協会の「2014年 訪問看護実態調査報告書」によると、残業時間は平均で13時間27分と、そこまで多いわけではありません。
病院看護師と比べると夜勤手当が付かず、残業手当で補うことも難しいと考えられるため、収入面に不満を持つ訪問看護師もいるでしょう。
業界的にも人手不足で、訪問看護師一人当たりの業務負担も大きく、オンコール対応で休日も休まらない、それでいて収入面でも満足できないとなれば、辞める理由になり得るのも頷けるものがあります。
訪問看護師の給料については、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせて読んでみてください。
OJT・研修が不十分
訪問看護の現場は人手不足で、教育体制が整っていないところが少なくありません。
先述の日本看護協会の調査によると、新人の訪問看護師が、独り立ちするまでの訪問回数は、70%以上の事業所で5回未満でした。
1~4回の訪問のなかで、やるべき仕事をすべて覚えるというのは、新人の看護師にとっては困難であると考えられます。
また、新人看護師に対し、新人講習会などを受講させていないステーションが47.6%に上ることも明らかになっています。
このように、多くの事業所で十分なOJTや研修がないまま、新人看護師が独り立ちしなければならず、不安を抱えながら業務をおこなっているのが現状です。
職場での人間関係
厚生労働省公表している「訪問看護」によれば、訪問看護ステーションの平均職員数は4~5人程度です。
ほかの施設より比較的少人数であるため、大規模な派閥問題は起きにくいといえるでしょう。
ただ、少人数だからといって、人間関係が円滑になるとは限りません。
限られた人同士のコミュニケーションは、問題がなければ職場環境も快適に感じられますが、そうでなければ辛い思いをすることになります。
毎日顔を合わせる人に対して、苦手意識や何か思うところがあれば、転職を検討するのも自然なことでしょう。
自分のスキル不足を感じる
訪問看護師が退職を考える理由として、自分のスキル不足を感じることも挙げられます。
訪問看護の現場は、自分一人で患者さんの自宅を訪問し、必要なケアをすることが求められます。
病棟勤務の場合は、わからないことや判断に悩むことがあった際は周りの看護師に相談できますが、訪問看護だとそうはいきません。判断から対応までを自分一人で進める必要があるため、ある程度の臨床経験が求められます。
看護師としてのスキル不足が原因で、自分一人での対応が難しい場合に、訪問看護を辞めたくなる人もいるでしょう。
将来のキャリアプランを描けない
地域密着型のような小規模の訪問看護ステーションで働いている場合、訪問看護師の人数も少なく、役職者が固定されている場合も多いです。
このような場合、昇進やキャリアアップが望めないことから、訪問看護を辞めたいと考える人も多いです。
また、小規模な訪問看護ステーションでは、訪問看護師一人当たりの業務量も多くなる傾向にあります。定時外の残業が多かったり、休日も十分に休めなかったりする場合には、訪問看護師を辞めたいと考える理由にもなるでしょう。
病棟の仕事との違いに慣れない
病棟と訪問看護ステーションでは、看護師がおこなう業務内容も大きく異なります。
病棟では、基本的に医療設備が整っている環境で、それぞれの患者さんに合った看護をおこないます。それに対して、訪問看護は患者さんの自宅に伺うため、医療環境があまり整っていないなかで看護をする必要があります。
それぞれの患者さんによって自宅環境は異なるため、訪問看護師は臨機応変に対応することが求められます。しかし、その環境や仕事内容のギャップに慣れず、訪問看護師を退職したくなる人もいるでしょう。
患者やその家族とうまく関係を築けない
訪問看護ならではの仕事の特徴になりますが、基本的に訪問看護師は一人で患者さんの自宅に訪問するものです。
患者さんやその家族と性格が合わなかったり、うまく関係性を築けなかったりした時に、訪問看護の仕事が向いていないと感じる人もいるかもしれません。
加えて、病棟勤務とは違って周りに看護師がいない環境であれば、その不安や悩みを一人で抱え込んでしまう訪問看護師も多いでしょう。
そのような環境で勤務を続けているうちに、退職したいと考える訪問看護師もいるはずです。
結婚や出産等のライフイベント
結婚や出産等のライフイベントを機に、訪問看護師として働き続けるのは困難だと感じて辞める人もいます。
訪問看護師のハードな仕事に加えて、出産や育児と並行して働くのは並大抵のことではありません。
訪問看護師の仕事が好きな人でも、体力的な面で断念せざるを得ず、退職する人もいるでしょう。
訪問看護を辞めずに続けるメリット
訪問看護を辞めようか悩んでいる看護師は、一度立ち止まって、訪問看護を続けるメリットを確認してみましょう。
- 需要が伸びる業界でスキルを伸ばせる
- 規則正しい勤務形態が可能
- 患者一人ひとりと向き合える
メリットを知った上で、それでも訪問看護を辞めるかどうかを考えると、後悔しない決定ができるはずです。
需要が伸びる業界でスキルを伸ばせる
全国的に高齢化が進んでおり、これからは在宅で看護を受ける人が増加することが見込まれています。
そのため、訪問看護は今後も需要が伸びる業界と考えられるでしょう。
しかし、訪問看護師はまだまだ少ないのが現状です。今のうちに訪問看護のスキルを伸ばし、経験を積んでおくことで、将来的に看護師としての市場価値を伸ばせるはずです。
せっかく足を踏み入れた訪問看護で、もう少し頑張って続けるのも、長い目で見たキャリア形成の役に立つかもしれません。
規則正しい勤務形態が可能
訪問看護師は、病院看護師とは異なり夜勤がありません。日勤のみの勤務となりますので、規則正しいリズムを保てるでしょう。
また、パートなどの時短勤務や直行直帰といった、柔軟な働き方に対応してもらえる職場が多くあります。
ワークライフバランスを考えて働きたい人は、退職の前に、今の生活に合った勤務態勢に変更できないか、相談してみるのも良いかもしれません。
なかには、オンコールを専門の看護師に任せている、オンコール負担のない事業所もあります。
オンコールの負担で悩んでいる看護師は、訪問看護自体を辞めるのではなく、オンコールの負担が少ない事業所へ転職するのも一つの方法です。
患者一人ひとりと向き合える
病院で勤務していると、看護師一人が多くの患者さんを担当し、日々の対応や処置に追われるということが往々にしてあります。
ただ、看護師のなかには、患者さん一人ひとりと向き合い、寄り添った看護を提供したい、と感じる看護師も少なくないことでしょう。
訪問看護は、それを叶えられる分野です。訪問先では一人の患者さんとじっくり向き合い、患者さんやその家族の要望に耳を傾けることができます。
そのため、訪問看護は数ある看護職のなかでも、やりがいを感じやすい環境といえるでしょう。
訪問看護を辞めずに続けるデメリット
訪問看護を続けることには、以下3つのデメリットがあると考えられます。
- 一人での対応が求められる
- 医療スキル・知識を伸ばしにくい
- 患者やご家族との距離感が近くなる
ここでは、3つのデメリットをとり上げますので、ご自身の理想の働き方とマッチするかどうか、検討してみてください。
一人での対応が求められる
訪問看護師は一人で患者さんを訪問し、状況に応じて自分で判断・対応をしなければなりません。
そのため、判断に迷うようなことがあっても、すぐそばに相談できる看護師や医師がいないため、不安になるときもあるでしょう。
自分の判断や対応が間違っていなかったか、自問自答することもあるかもしれません。初めての事態に直面したときには、特にそう感じるでしょう。
現場に自分一人という大きな責任を担い続けることが、人によっては非常に負担に感じてしまうというのは、訪問看護の大きなデメリットといえます。
医療スキル・知識を伸ばしにくい
訪問看護を利用するのは、比較的病状の落ち着いている患者さんです。
末期がんの方など、医療依存度が高い患者さんもいらっしゃいますが、訪問看護では、日々の療養のケアをすることがほとんどです。
特に最新の医療を学ぶ機会は、病院に勤務している看護師よりも少ないでしょう。
そのため、訪問看護を続ける限りは、新しい医療スキルや知識を伸ばしにくいというデメリットが挙げられます。
患者やご家族との距離感が近くなる
訪問看護は患者さん一人ひとりとじっくり向きあえ、やりがいを感じやすい一方で、患者さんやそのご家族との距離感が近く、ときに対応に困ることもあるでしょう。
病院などの医療施設ではなく、患者さんのもとへ訪問して、個人宅で看護を提供するのが基本であり、ご家族が在宅されていれば、ご家族の前で処置を施すこともあります。
そのため、コミュニケーションが苦手な訪問看護師の場合は、そのような状況で仕事をしなければいけないことに、負担を感じるかもしれません。
患者さんだけでなく、ご家族への気遣いも必要なので、それをストレスに感じる方もいるでしょう。
訪問看護師を辞める前に試すべき対処法
訪問看護は、患者さんの自宅を訪問して必要なケアをおこない、その家族も含めて支援をする重要な役割があります。
ただ、そのハードな仕事内容から、訪問看護師を辞めたいと思う人もいるでしょう。
しかし、訪問看護の仕事をすぐに辞めるのではなく、辞める前にこれから紹介する対処法を実践してみてください。今のまま訪問看護の仕事を続けられるかもしれません。
- 休日にしっかりと休む
- 辞める理由を深堀りする
- 辞める前に上司・同僚に相談する
- キャリアビジョンを明確にする
- 転職先を比較・検討する
考えなしに訪問看護師を辞めるのではなく、これらの点を踏まえておくことで、後悔なく次のステージへ進めるようになるでしょう。
それでは、訪問看護師を辞める前に試すべき対処法について解説していきます。
休日にしっかりと休む
訪問看護の仕事を辞めずに続けるためには、休日にしっかりと休むことが大切です。
訪問看護は患者さんの自宅を訪問してケアをするという仕事柄、土日などの休日でも仕事のことを考えてしまいがちです。
しかし、休日は仕事から離れ、しっかりとリラックスをして疲労を回復させることが重要です。
自分の趣味に時間を使ったり、旅行に行ったりして休息をとりましょう。運動をしたり、普段より睡眠時間を多めに確保したりするのも、心身をリフレッシュできて良いでしょう。
辞める理由を深堀りする
訪問看護の仕事が辛いと感じるときに、勢いで辞めてしまうことは避けましょう。辞めたい理由を紙に書き出してみることで、自分の気持ちを整理できます。
まずは、訪問看護の何が辛いと感じているのか、理由を深掘りしてみてください。もしかすると仕事を辞めなくても、上司に相談することで改善できる内容かもしれません。
また、自分にとって負担に感じる点をはっきりさせておくことで、転職する際にも、適した職場を見極める助けになるでしょう。
辞める前に上司・同僚に相談する
訪問介護を辞める前に、今悩んでいることを上司や同僚にその旨を相談してみるのも良いでしょう。
もしかしたら、辞めたいと悩んでいる問題を解決できるかもしれません。
例えば、OJTや研修の充実度、オンコール対応の負担については、施設ごとに大きく異なるため、相談することで調整してもらえる可能性もあります。
仕事量が多すぎる場合にも、上司に相談することで、負担を軽減してもらえる可能性もあります。
また、悩みを聞いてもらうだけで気持ちが楽になり、もう少し頑張ってみようと思えることもあるでしょう。
一人で抱え込まず、訪問看護を辞めたいと感じたらまずは誰かに相談してみてください。
キャリアビジョンを明確にする
勢いで訪問看護を辞めてしまう前に、これからのキャリアビジョンを明確にしましょう。
今後、看護師としてどのような仕事をしていきたいと思っているのかを考えてみてください。
上述したように、訪問看護は将来的に、ますます需要が拡大していくことが見込まれる分野です。
例えば、給与が低いことを理由に訪問看護を辞めようと思っている場合でも、将来的に重宝されるスキル・実績を積むことで、収入を伸ばせるかもしれません。
転職先を比較・検討する
上司や同僚に相談しても状況が改善せず、訪問看護師として働き続けることが難しいとなった場合は、転職を検討するのも良いでしょう。
ただ、勢いで訪問看護師を辞めてしまうのではなく、転職先については入念に比較・検討すべきです。
事前に転職先を吟味しておくことで、転職後に後悔することや、転職先でのミスマッチを防ぐことができます。
また、訪問看護自体をやめるのではなく、看護観や働き方に合った訪問看護ステーションへ転職するというのも一案です。
オンコールの負担が少ない施設や、研修が充実している施設など、自分の希望に合う職場を探すのが良いでしょう。
訪問看護を辞めたい人におすすめの転職先
訪問看護師から転職する場合は、訪問看護業界の特徴でもある「夜勤なし」「残業少なめ」と似たような職場を求めている方が多いのではないでしょうか。
ここでは、訪問看護を辞める方向けに、おすすめの転職先を5つご紹介します。
- 一般企業
- 障害者福祉施設
- 老人ホーム
- クリニック・診療所
- 健診センター
それぞれの職場によって特徴が異なるため、あなたの希望条件に当てはまる環境を選ぶのがおすすめです。
以下より、訪問看護を辞める方におすすめの転職先を解説していきます。
一般企業
給与や福利厚生が手厚く、休みがしっかりとれる職場で働きたい方には、一般企業で働く産業看護師がおすすめです。
産業看護師の主な仕事は、社員の健康管理やメンタルヘルス対策、健康指導などであり、基本的にデスクワークです。
そのため、病院内を歩き回る病院看護師や、現場から現場への移動が多い訪問看護師と比べて、身体的にはラクであると考えられます。
また、産業看護師を置く企業は、従業員の健康面に配慮する余裕のある、大企業・上場企業であることが多いです。
産業看護師は、その企業の社員として雇われるため、同水準の給与・福利厚生を受けられるのは、大きなメリットといえるでしょう。
障害者福祉施設
緊急医療の現場や、ご高齢の患者さんを相手に仕事をする看護師の方は、時に患者さんの命に関わる場面に遭遇することもあるでしょう。
ただ、看護師のなかには、緊張感やプレッシャーのかかる仕事に悩みを持つ方もいるはずです。
そういった悩みが原因で、転職を検討されている方には、障害者福祉施設の職場がおすすめです。
なぜなら、障害者福祉施設の来院者は、基本的に病的に問題のない方が多く、看護師も医療ケアというよりは、介護が主な業務となるからです。
また、来院者の健康管理や薬の服薬管理なども担いますが、夜勤はないため、訪問看護師と同じく生活習慣を保ちやすいでしょう。
老人ホーム
訪問看護の業務において、それぞれの患者さんの個人宅へ訪問すること自体が負担だった人には、老人ホームへの転職がおすすめです。
理由としては、訪問看護を利用している方の多くは高齢の方であり、訪問看護の業務で培った経験が活かしやすい環境だからです。
医療の緊急事態に面することも少ないため、命に関わる処置という精神的なプレッシャーを軽減しながら働きたい人にも向いています。
クリニック・診療所
訪問看護で自分一人で判断・業務をこなすことを辛く感じていた人には、クリニック・診療所への転職がおすすめです。
なぜなら、クリニックや診療所では、大病院とは異なり緊急医療も少なく、基本的に医師の指示の下で動けるため、看護師の精神的な負担が軽減されるからです。
また、職場によっては「午前診療のみ」「午後診療のみ」といった、時間帯別の勤務も可能です。
そのため、家事や育児に追われる方、ワークライフバランスを重視する看護師にとっても、適した職場といえるでしょう。
健診センター
日勤のみで、定時に帰れる職場として人気なのが健診センターです。
健診センターは、基本的に受付時間が固定で、また予約制で検査人数が決まっているため、残業が発生することはほとんどありません。
主な業務内容は、問診・健診・採血・医師の補助などであり、健康な人を相手にすることが多いため、精神的な負担が少ないのが特徴です。
注意点としては、業務上大人数の採血をスムーズにこなす必要があるため、ある程度の採血スキルが求められる点が挙げられます。
訪問看護師が職場へ退職理由を伝える時のコツ
訪問看護師を辞めて転職したいと考える人のなかには、転職理由の伝え方に悩む人もいるかと思います。
そこで次に、訪問看護師が職場へ退職理由を伝える時のコツを紹介します。
- ほかに興味のある分野ができたことを伝える
- 訪問看護の仕事が合わなかったことを伝える
- やむを得ない事情で辞める場合は正直に伝える
職場を辞めるとはいえ、どうせなら最後まで円満な関係を続けて退職したいものですよね。
訪問看護師を辞める時には、ここで紹介するコツを踏まえて退職理由を伝えてみてください。
それでは、訪問看護師が職場へ退職理由を伝える時のコツを紹介していきます。
ほかに興味のある分野ができたことを伝える
訪問看護師が職場を辞める際には、前向きな退職理由を伝えることが大切です。
「ほかに興味のある分野ができた」のように前向きな退職理由を伝えることで、上司も退職を納得しやすくなるでしょう。
仮に、人間関係や研修の不十分さに悩んでいたとしても、職場側の問題を正直に伝えて退職するのは好ましくありません。
そのため、訪問看護師が退職する際には「興味のある分野で、新しいスキルを身につけるため」のように、前向きな転職理由を伝えてみるのがおすすめです。
訪問看護の仕事が合わなかったことを伝える
前向きな退職理由を伝えても納得してもらえなかった場合は、訪問看護の仕事自体が合わなかったことを合わせて伝えるのも良いでしょう。
ただし、この時も同様に「訪問看護の仕事を通して、ほかの職場で新たなスキルを身につけたいと感じた」というような前向きな内容は含めましょう。
前向きな退職理由を伝えていれば、職場側も自然とあなたの転職を応援してくれるはずです。
もし訪問看護の仕事が合わなかったと悩んでいる場合には、以下の記事も合わせて読んでみてください。
やむを得ない事情で辞める場合は正直に伝える
訪問看護の仕事が原因で体調を崩している場合や、家族の介護等の特別な事情がある場合には、正直に伝えて退職をするのが良いです。
体調を崩した状態で無理に働き続けると、かえって症状が悪化したり、仕事に支障が出たりしてしまいます。
このような場合は、理由を正直に伝えましょう。無理に引き留められることも少なく、円滑に退職できるはずです。
訪問看護を辞めたい人におすすめな看護師転職サイト3選
訪問看護を辞めて、新たな職場へ転職を考えている看護師に、おすすめの転職サイトを3社ご紹介します。
それぞれの転職サイトの特徴も合わせてお伝えしますので、自分に合ったサイトを見つけて、ぜひ活用してみてください。
- 看護roo!
- レバウェル看護
- マイナビ看護師
ここで紹介する看護師転職サイトは、どれも無料で利用可能です。
保有している看護師求人も転職サイトによって異なるため、悩んだ場合には3つすべてに登録して、多くの求人から自分に合った転職先を探すのも良いでしょう。
それでは、訪問看護を辞めたい人におすすめの転職サイトをそれぞれ紹介していきます。
看護roo!
「看護roo!」は、キャリアアドバイザーの質が高く、手厚い転職サポートが受けられることに定評のある看護師転職サイトです。
「日勤のみ」「休みが多め」の求人も数多く取り扱っているため、訪問看護の仕事と同じく、ワークライフバランスを重視したい看護師にも向いているでしょう。
また、訪問看護を辞める理由をアドバイザーに相談することで、自分でも気づけていなかった、転職の新たな方向性を提示いただけるかもしれません。
転職を成功させるために、まずは担当のアドバイザーに遠慮なく悩みを相談してみてはいかがでしょうか。
レバウェル看護
「レバウェル看護」では、約14万件もの求人のなかから、希望の条件に合う職場を見つけることができます。
公開されている求人に加えて、非公開求人も数多く扱っているため、条件や希望を登録しておくだけで、次々に求人を紹介してもらえるようになります。
特に、産業看護師や健診センターなど、募集人数の少なく倍率が高い職場は、非公開求人で取り扱われることが多いです。
そういった職場を希望している場合は、入職できる可能性をより広げるためにも、レバウェル看護を積極的に活用してみてください。
マイナビ看護師
「マイナビ看護師」では、転職先やキャリアに関する相談を無料でおこなうことができます。
このまま訪問看護を続けようか悩んでいる方、また未経験の分野にチャレンジしたいと考えている方は、ぜひ一度相談を検討してみて下さい。
また、クリニック・産業看護師・健診センターなど、プライベートを充実させやすく人気の高い職場を数多く掲載している点も、マイナビ看護師の特徴の一つです。
看護師の仕事は続けたいけど、もう少し負担を減らしたいという方は、一度マイナビ看護師に掲載されている案件に目を通してみてはいかがでしょうか。
まとめ
訪問看護は、行く先々の現場において、適切な処置・対応をすべて自分一人で判断する必要があります。
とはいえ、OJTや研修が十分におこなわれないまま独り立ちすることも考えられるため、慣れないうちは壁にぶつかって落ち込むこともあるでしょう。
ただ、その勢いのまま辞めることを決断するのは、避けねばなりません。
思い切って辞める前に、まずは休日はしっかりと休みましょう。訪問看護師はその仕事柄、休日にも仕事のことを考えてしまいがちです。普段の仕事で活躍するためにも、休日はリフレッシュをすることが大切です。
それでも辞めたいと思う場合は、上司や同僚に相談してみましょう。仕事量の軽減や、本当に辞めるべきなのかがわかるかもしれません。ほかにも、現職場と他職場のメリット・デメリットの比較など、打てる策をすべて試みてからでも遅くはないのです。
もし転職を検討する場合には、看護師転職サイトを使って転職先を見つけるのがおすすめです。きっとあなたの希望条件に沿った職場が見つかるでしょう。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。