看護師のキャリアアップとは?これからキャリアを積む方法を紹介

中学生、高校生の「なりたい職業」で常に上位にランクインしている看護師。そんな看護師の資格を取得しただけでは、看護師のキャリアは終了ではありません。
「どんなキャリアアップができるのだろう」
「どうやってキャリアップしたらいいのだろう」
と疑問に思われている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、看護師のキャリアアップの種類やキャリアアップする方法について詳しくご紹介します。
看護師の資格を活かし、ぜひ自分の働き方に合ったキャリアアップを目指してみてください。
看護師のキャリアアップとは
看護師として働く上で、キャリア設計をすることは非常に重要になります。
看護師の仕事は、医師の医療行為をサポートするだけではないからです。
看護師という資格を活かすことで様々な業務で活躍することもできます。
そのため、数年後だけではなく数十年後も踏まえた将来をしっかり考えて、「どのような看護師になりたいのか?」ということを考えることは非常に大切です。
具体的なイメージを固めるためにも、ここでは看護師のキャリアアップについて解説します。
看護師のキャリアを形成するもの
看護師のキャリアアップは大きく分けて2種類存在します。
1つ目は、病院内で様々な経験を積み、スキルアップしていく方法です。
例えば、これまでの経験を活かし、マネージメントの業務に携わる看護主任なども1つ目のタイプのキャリア形成です。
2つ目の方法は、看護師の資格やキャリアを活かした仕事につきキャリアアップする方法です。
ケアマネージャー臨床心理士など様々な職業が存在します。
自分がどのようなキャリアを形成していきたいのか、検討してみてください。
看護師のキャリアプラン
現在よりもさらに成長し、立場が上になることをキャリアアップといいます。
看護師の場合ですと、看護師長、看護主任の役職を連想すると分かりやすいと思います。
ただ、キャリアアップは一朝一夕では成し遂げられません。
一つ一つキャリアを積み重ねる必要があり、そのキャリアアップのための計画のことをキャリアプランといいます。
キャリアアップする上で、キャリアプランを設計することが非常に重要になってきます。
看護師のキャリアパスを利用したスキルアップでできること
キャリアパスを利用した看護師のキャリアアップについてご紹介します。
ちなみに、キャリアパスとキャリアプランは、キャリアを形成するための計画という点が共通点です。
ただ、キャリアパスは、病院や施設が働いているスタッフのキャリアを伸ばすための施策になります。この点が、キャリアプランと大きな性質の違いです。
キャリアパスのメリット
キャリアパスの最大のメリットは、病院や施設がキャリアを伸ばすために行っているという点です。
そのため、研修などのサポートが充実しているため、日常の業務をこなしながら成長することができます。
また、病院や施設が認めたキャリアアップの方法なので、給与のアップなどにつながりやすい点も魅力です。
キャリアパスを利用したステップアップ例
キャリアパスを利用したステップアップ例は大きく分けて2種類あります。
一つ目は、長く勤務を続けることで得られるスキルを活かしたキャリアアップです。
例えば、長く働いてきた経験を活かし、マネージメントを担当したり、様々な科で働いて経験を積んだりすることでキャリアアップを狙うことができます。
また、専門スキルを身に着けてキャリアアップを図ることも可能です。
たとえば、特定な分野を極め、認定看護師や専門看護師など資格を取得することもキャリアアップの手段になります。
自分に合ったスキルアップの方法は、どちらか検討してみてください。
看護師のキャリアアップで目指せる仕事とは
看護師のキャリアアップで目指せる仕事は大きく分けて下記の3点があります。
ここでは、それぞれの職業について具体的にどのような仕事や責任が生まれるかについて紹介します。
キャリアアップにつながる仕事
- スペシャリスト
- ジェネラリスト
- 管理職に就く
スペシャリスト
スペシャリストは、特定の分野で専門性を極めることでキャリアアップを目指します。
例えば、認定看護師や専門看護師などの資格を取得した看護師をスペシャリストとしている病院や施設は多いです。
大学で必要な講座を受講しなければいけないなど、受験資格の要件が厳しいため難しい資格とされています。
そのため、患者や医療補助などだけではなく、他の看護師や医療従事者にも影響を与えられるような看護師が多いのが特徴です。
ジェネラリスト
看護師の業界においてジェネラリストという業種は一般的ではありません。
ただ、特定の専門分野だけではなく、幅広い分野において経験を取得した看護師のことをジェネラリストとします。
総合病院などでは、一つの部署だけではなく、様々な部署を数年ごとに回り経験を積ませるという施策を行う場合もあります。
また、ジェネラリストは病院での看護だけでなく、幅広い現場での活躍も期待されています。
特に、在宅医療などの必要性が増加している中で、様々な患者さんの症状に対応できるジェネラリストへの注目度は高まっています。
管理職に就く
キャリアアップの方法として、管理職に就く方法も一般的です。
病院や施設の場合、看護部長、看護師長、看護主任などの役職があります。
ここでは、それぞれの管理職の業務内容、求められる資質についても詳しく紹介します。
看護部長
看護部長は一般的な会社の場合、部長にあたる役職です。
看護部全体の管理だけではなく、病院や施設の運営などに携わります。
看護師長として5~10年の実績が必要といわれているため、40代後半から50代以降の看護師が就くことが多いです。
業務の大半は、マネージメント業務です。
そのため、高度なリーダシップ力だけではなく、コミュニケーション能力なども必要となります。
看護師長
看護師長は在籍している部署だけではなく、各部署の統括を行う役職です。
スタッフが円滑に業務にあたれるように、技術的、精神的にもサポートします。
看護主任として数年の実績だけでなく、看護師として15年以上の臨床実績ガ求められる場合もあります。
看護師のマネジメントだけではなく、病棟看護の目標設定などの業務も担います。
看護主任
看護主任の主な役割は看護師長の補佐です。補佐だけではなく、看護業務がスムーズに行えるようにサポートすることもあります。
看護師として10年以上の経験が求められることが多いです。
施設の規模が小さい場合、看護主任という役職の設定がなく、「一般看護師」「看護師長」「看護部長」という段階で役職が上がっていくこともあります。
看護師がキャリアアップすることで得られること
キャリアアップするということは、決して容易なことではありません。
通常の業務にプラスして研修を受けたり、新たな部署で働いたりするなど、一定以上の負担があるのも現状です。
しかし、キャリアアップすることで得られることもあります。
ここでは、看護師がキャリアアップすることで得られることについて、詳しくご紹介します。
仕事に関する責任や裁量が大きくなる
キャリアアップすることで、仕事に関する責任や裁量が大きくなります。
1人でできることが増えてくるため、仕事に対する責任とやりがいが増えてきます。
また、仕事の裁量が増えると、業務を全体的に見る機会が増えます。
結果として、自分のキャリアアップに何が必要なのかという点や自分に適している業務は何なのかという視点を持つことができるようになるのもメリットです。
給与が増える
キャリアアップすると、給与が増えます。
看護師の給与は、勤続年数や勤務態度などにより、徐々に増えるのが一般的です。
そのため、なかなか給与が上がらないと悩まれている方も多いのではないでしょうか。
ですが、資格を取得したり、キャリアパスによってキャリアップした場合、大幅に給与が増えることもあります。
また、キャリアアップのために転職することで、給与を増やすことができます。
現在の職場では、あまり必要とされていない資格やスキルでも、それを活かす職場があれば、給与にも大きく反映される可能性があります。
キャリアアップをするためにする3つのこと
キャリアアップする際に、押さえておきたい3つのことについてご紹介します。
キャリアアップは決して簡単なことではありませんし、時間と労力が必要となります。そのため、少しでも効率よくキャリアアップする方法を検討することは非常に大切です。
情報収集をする
まずは、キャリアアップをするために必要な情報を収集しましょう。
キャリアアップは決して短期間で行えるものではありません。
そのため、準備をしっかりしておかないと、無駄な労力や費用がかかってしまうことがあります。
そのため、情報収集は非常に重要です。
既にどんな資格を取得したいか明確な方やキャリアプランが決まり準備段階の人もぜひ、情報収集してみてください。
自分に有利な情報を新たに取得することができ、効率よくキャリアアップすることもできるかもしれません。
セミナーに参加する
キャリアアップを検討されている方は、勉強することも大切ですがぜひセミナーに参加してみてください。
セミナーでは、最新の看護情報や専門的な知識を得ることができます。
また、知識が得られるだけではなく、セミナーで話を聞くことで自分がなりたい看護師のビジョンを明確にすることができるのも魅力です。
「やってみたい」というジャンルで活躍されている人の話を聞くだけでも、いい刺激になると思います。
最近では、オンラインでも気軽に参加できるセミナーもありますので、空いた時間を有効に活用してみてください。
どんな看護師になりたいかをイメージする
どんな看護師になりたいかをイメージすることも大切になります。
キャリアアップの方法を検討する際、自分の適性に合った方法を選ぶことが非常に重要になるからです。
そのためには、「将来どのような仕事をしたいのか」「どのような看護師になりたいのか」という点をより具体的にイメージしてみてください。
数年後だけではなく、ライフステージが大きく変わる十数年後から数十年後の未来も想像すると、よりリアルなキャリアプランにすることができます。
キャリアアップに必要な資格やスキルを紹介

キャリアアップするために、資格を取得したり、スキルを身に着けることは非常に重要になります。
ここでは、看護師のキャリアアップにおすすめの資格やスキルを紹介します。
受験資格や受験方法についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
認定看護師
認定看護師は、特定の分野で熟練した看護技術を有すると日本看護協会から認定された看護師のことです。
看護の専門性を広く知らせることができるようになることもあり、職場から受験することを勧められたという方も多いかもしれません。
受験資格は看護師免許取得後、実務研修が通算5年以上であり、そのうち3年以上は認定看護分野の実務研修が必要です。
2026年度からは新たな認定看護師の制度がスタート予定で、新たに特定行為研修が組み込まれる予定といわれています。
資格は、都道府県の看護協会や看護大学、看護大学のキャリアセンターで取得することができます。
教育機関によって、取得できる資格が異なりますので、事前にどの資格が取得できるのか確認しましょう。
専門看護師
専門看護師は、認定看護師よりもより多くの役割を担うスペシャリストです。
受験資格は看護師免許を持っており、実務研修が5年以上ある必要があります。
また、そのうち3年以上は専門看護分野の実務研修が必要です。
また、看護系大学の大学院で専門看護師教育課程を修了しなければいけません。
資格取得までの時間と費用がかかるため、難易度が高い資格ともいわれています。
試験は書類審査と筆記試験の2段階で認定審査が実施されます。
筆記試験は事例問題と総合問題の2パターンの出題方式です。
認定看護管理者
認定看護管理者は、病院や施設などの管理者として必要な知識を持っていると日本看護士協会から認定された看護師のことです。
受験資格には看護師免許を持っており、実務経験が5年以上必要になります。
また、日本看護士協会定めた510時間以上の講習を受講していること。大学院で看護管理に関する単位を修了する必要もあります。
認定審査を受験することで、資格を取得することができます。審査は書類審査と筆記試験からなります。
ケアマネージャー
ケアマネージャーは、介護を必要とする人に、介護プランを作成するのが主な仕事です。
単純にプランを作成するだけではなく、利用者と福祉サービスの橋渡しを担う非常に重要な仕事になります。
ケアマネージャーの受験資格は、2つあります。
1つ目は、医師、看護師、保健師などの規定の国家資格を持っており、その資格に関わる業務に従事し通算5年以上かつ900日以上働いている場合です。
2つ目は、相談援助業務を通算5年以上かつ900日以上行っている場合になります。
介護支援専門員実務研修受講試験を受験することで、資格を取得できます。
出題される分野は、介護支援分野と保健医療福祉サービスです。
臨床心理士
臨床心理士は、患者さんが抱える様々な精神的な問題などの相談にのったり、解決へ導くのが主な仕事です。
臨床心理士の受験資格は、協会が指定する第1種指定大学を修了、もしくは第2種指定大学を修了し、1年以上の心理臨床経験がある人。
臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した場合。
諸外国で、指定大学と同等以上の教育歴があり、日本国内で心理臨床経験2年以上がある人。
医師免許取得者で、取得後2年以上の心理臨床経験を有する場合などが受験資格となります。
資格試験は、一次試験の筆記試験、二次試験の面接です。
保健師
保健師は、健康診断や健康指導などを行うのが主な業務になります。
受験資格の大前提として、看護師免許が必要です。
さらに、下記の3つの条件のうちいずれか1つを満たす必要があります。
1つ目は、指定校で6ヵ月以上、保健師になるために必要な学科を修了した場合。
2つ目は、保健師養成所(指定養成所)を卒業した人。
3つ目は、外国の保健師学校を卒業または、外国の保健師免許を所有している場合。
保健師の資格試験の問題の難易度は決して高くないといわれていますが、受験資格の取得の難易度が高いのが特徴です。
特に看護師として働きつつ、必要な学科を修了するのは難しいため、最近では「看護師」と「保健師」の両方の受験資格が同時に取得できるカリキュラムが組まれる4年生看護大学も増えてきています。
年に1回実施される資格試験に合格することで、保健師の資格を取得できます。
試験内容は、公衆衛生看護学、疫学、保険統計学などから出題されます。
助産師
助産師は、出産の介助を行うだけでなく、妊産婦や新生児のケアなどを行う職業です。
受験資格は、看護師免許を取得後、専門学校や大学で1年以上必要な学科を修了する必要があります。
必要な単位を取得することで、受験資格を取得できますので、必ず大学を卒業する必要はありません。
年に1回実施される試験を受験することで、資格を取得することができます。
試験科目には、基礎助産学、地域母子保健および助産管理などが含まれます。
合格率は2020年から2022年と3年連続で99%以上と非常に高いのが特徴です。
ただその一方で、大学や専門学校への入学倍率が高かったり、実習や勉強の難易度が高いともいわれています。
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障碍者に生活しやすい環境を提案するのが主な仕事です。
学歴や国籍などによる受験制限はありません。
ただ、1級~3級まで存在し、1級を受験する場合のみ2級の合格実績が必要となります。そのため2級から受験することも可能です。
年に2回実施される試験に合格することで、資格を取得できます。
出題分野は「医療」「福祉」「建設」の3分野から中心に出題されます。
級が上がるにつれて徐々に専門的な内容が問われるようになるのが特徴です。
看護師辞めて違う仕事に行く前に確認したい転職サイト

キャリアアップのために、現在の職場を退職し転職を検討されている方も多いかもしれません。
ここでは、特に看護師の求人に特化した転職サイトを3つご紹介します。
転職サイトにより、看護師の求人数が大きく異なります。一般的な転職サイトだけでなく、看護師の転職に特化したサイトにも、ぜひ登録してみてください。
看護roo!
看護roo!は、看護師の求人がメインの転職サイトです。
サイト内には、看護師の求人だけでなく、看護師として働くための情報が満載で、利用者満足度が非常に高いのが特徴です。
また、2023年3月28日の時点で有効求人数が約43,000件。さらに非公開求人も非常に多く掲載されています。
看護師だけでなく、看護師の資格を活かした助産師や保健師の仕事も多数あるのでぜひ登録してみてください。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
看護師に特化した転職サイトの中で、公開求人数が多いのがレバウェル看護です。
サイト内では年収や労働条件などの求人情報だけではなく、現場で働くスタッフのインタビュー記事が掲載されています。
また、病院や施設内の画像なども非常に豊富に掲載されているため、その施設で実際に働く自分の姿をイメージしやすいのも魅力です。
マイナビ看護師
大手転職サイト・マイナビが運営する看護師の求人に特化した転職サイトが、マイナビ看護師です。
マイナビには全国20か所に地域の拠点があるため、首都圏や都心部だけではなく地方の求人も数多く掲載されています。
また、地域のアドバイザーと直接会って、キャリア面談をすることもできます。
転職で、どのようなキャリアを形成していくか相談できるので、ぜひ登録してみてください。
まとめ
この記事では、看護師のキャリアアップについて解説しました。
具体的なキャリアアップの方法やキャリアプランについても紹介しているので、自分に合ったキャリアアップの方法を検討できるはずです。
看護師のキャリアアップというと、病院や施設内でキャリアを積むというイメージが強いかもしれません。
しかし、新たな資格を取得したり、新たな職場で看護師の資格を活かすことでもキャリアアップできます。
数年後、十数年後は、どんな風になりたいか具体的に想像してみてください。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。