クレジットスコアとは?アメリカでの個人信用情報の仕組みをわかりやすく解説します!

クレジットスコアとは?アメリカでの個人信用情報の仕組みをわかりやすく解説します!

日本ではクレジットカードの申し込みをすると、カード会社は申込者のクレジットヒストリーから信用情報を調査します。クレジットヒストリーとはクレジットカードの利用履歴のことで、過去のクレジットカードの利用状況や返済履歴などのことをいいます。

アメリカでは「クレジットスコア」をもとに信用情報を調査するのですが、こちらの記事ではクレジットスコアについて詳しく解説していきたいと思います。クレジットスコアはクレジットカードをつくる際の審査にとても大きな影響を与えます。

クレジットスコアの評価を下げてしまう要因から、評価を上げる方法まで、クレジットカードを利用される方にとって必要な情報となっていますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

クレジットスコアはアメリカで個人の信用度を表した数値

クレジットスコアとは、個人のお金に関わる信用度を数値で表したものです。この数値を見れば、この人はお金に関してどれくらい信用できるかがわかるようになっています。

アメリカではクレジットカードや住宅ローンなどの審査の際に、クレジットスコアの数値を元に信用調査をおこないますが、金融界だけではなく就職試験や入居審査にも大きな影響を与えることがあるといわれています。

アメリカで数十年前から取り入れられているクレジットスコアですが、個人の信用をはかるうえで重要な物差しとして絶大な効力を持っています。ゆえにクレジットスコアが人生を左右するといっても過言ではないでしょう。

アメリカの情報機関について

アメリカの信用情報機関の主な3社です。

アメリカの信用情報機関
  • エキファックス(Equifax)
  • エクスペリアン(Experian)
  • トランスユニオン(TransUnion)

アメリカではクレジットカードをつくる際、クレジットカード会社が上記の信用情報機関へ信用評価などの情報を要求します。その際にもちいられるのがクレジットスコアです。

クレジットカードの利用履歴から、消費者ローンや住宅ローン、携帯電話、公共料金、家賃などの利用や返済に関する履歴が信用情報機関で集計され、独自の算出方法で個人の信用評価を格付けするクレジットスコアを割り出しています。

クレジットスコアの算出方法は?

では、クレジットスコアの算出方法について解説していきます。クレジットスコアは「FICOスコア」という手法で、300点から850点で採点をします。点数が低いほど信用力が低いとみなされ、クレジットカードをつくる際やローンを組む審査の際にハードルが高くなります。

アメリカでは「FICOスコア」が高いほど、ローンが組みやすくなるだけではなく、預金金利が高く設定されたり、ローン金利が低く設定されるなど生活に大きな影響を及ぼします。

次に、FICOスコアの点数配分について解説していきます。

FICOスコアの5つの要素

FICOスコアは下記の5つの要素で点数が算出されます。

FICOスコアの5つの要素
  • 返済履歴(Payment History)
  • 借入残高(Amounts Owed)
  • 信用履歴の長さ(Length of Credit History)
  • 新規借り入れ(New Credit)
  • クレジットの種類や構成(Credit Mix)

以下で、詳しい内容について解説していきます。

返済履歴(Payment History)

これまでの返済履歴から、月々の支払がきっちりおこなわれているかについて採点されます。返済履歴はFICOスコアでの採点に最も影響を与えるカテゴリーで、全体の35%をしめています。

月々の返済が遅れることによって、延滞利息がかかるだけではなくクレジットスコアに大きな影響を与えてしまうため、支払はきっちりおこなうことが大切です。

借入残高(Amounts Owed)

クレジットカードには利用限度額が設定されていて、その限度額以上は利用できないようになっています。Amounts Owedは、所持している全クレジットカードの合計利用限度額のうち何割まで利用しているかについて計算されます。

利用限度額ギリギリまで利用していることによって、信用度が低くなりクレジットスコアは上がりません。クレジットカードの利用は限度額の半分以下、30%くらいでとどめておくのが理想的といえるでしょう。

クレジットカードをまったく利用していない、利用限度額が100%残っている状態は、クレジットスコアが上がらないのでご注意ください。

信用履歴の長さ(Length of Credit History)

クレジットカードを利用している年数のことです。つまりクレジットヒストリーの長さで、利用歴が長いほど信用が増します。

クレジットカードをはじめてつくる場合は、クレジットヒストリーがなくても発行できるものを選び、信用履歴をつくってから他のカードを発行するようにしましょう。

新規借り入れ(New Credit)

New Creditは直近の短期間でどれだけのクレジットカードを発行したかという点について調べられます。クレジットカードの発行数が多いほど信用度が低くクレジットスコアも低くなります。

なぜなら、クレジットカードを大量に発行し、すべて利用限度額まで使い切って逃げるという懸念があるからです。

クレジットの種類や構成(Credit Mix)

所持しているクレジットカードの種類や、ローンの種類についての指標です。クレジットカードやローンの種類や量が多いほどクレジットスコアが低くなります。

FICOスコアの目安

ではFICOスコアの目安について解説していきます。信用機関により計算方式などが違うため一概にはいえませんが、スコアの目安としては以下の通りです。

点数 評価
760点~850点 EXCELLENT
725-759点 VERY GOOD
660-724点 GOOD
560-659点 FAIR
280-559点 POOR

点数が高いほど、信用度が高くクレジットカードやローンの申請が通りやすくなります。逆に点数が低いと審査に通る確率が低くなっていきます。

クレジットスコアは金利などにも影響してくるので高いに越したことはありません。後ほど、クレジットスコアを下げてしまう要因やスコアアップの方法について解説していきます。

アメリカ人のスコア平均

アメリカでのクレジットスコアの平均は、680点~700点といわれています。また年代別によって平均値が変わるのですが、年齢が上がるほど平均の値が上がるようです。

クレジットカードを所持している平均枚数は1人あたり3.1枚で、クレジットカードの平均残高は$6,194となっています。アメリカはクレジット大国といわれており、数ドルの支払いでもクレジットカードでおこない現金を持ち歩かない主義の人が多いようです。

クレジットスコアを下げる要因は?

アメリカで生活していくうえでとても重要となるクレジットスコアですが、点数を下げてしまう要因には何があるのでしょうか?クレジットスコアに悪影響を及ぼす要因についてまとめました。

クレジットスコアを下げる要因
  • クレジットカードやローンの支払いの遅延
  • クレジットカードの利用限度額まで使い切る
  • 短期間に大量のクレジットカードを申し込む
  • クレジットカードをキャンセルする
  • 自己破産や差し押さえ

まず、一番大きな要因となるのは支払いの遅延や滞納です。その上自己破産などを起こすことによって、クレジットスコアを大きく下げてしまいます。

後は、クレジットカードを短期間のうちに大量に発行することや、利用限度額ぎりぎりまで使うことは、返済を放棄して逃げてしまうことを懸念されてしまうため、クレジットスコアに悪影響となります。

クレジットカードをキャンセル(退会)することによって、信用履歴が短くなってしまい、スコアを下げてしまう可能性があるのでご注意ください。

FICOスコアの数値が高いメリットは?

アメリカではクレジットスコアが生活のすべてを左右するといわれているほど重要視されています。その理由として、クレジットスコアの数値が高いほど、ローンなどに通りやすいだけではなく預金利子やローン金利にまで影響するからです。スコアが高いというだけで低金利で住宅ローンなどを組むことができるので大変有利となります。

他に、クレジットカードの利用限度額が高く設定されることもあるようです。クレジットカードやローンに限らず、就職や入居審査の際にもクレジットスコアがもちいられることもあるということなので、クレジットスコアが低いと生活にかなりの制限がかかってしまうことが考えられます。

クレジットスコアを上げる方法

ではクレジットスコアを上げるにはどのようにすればいいでしょうか?スコアアップの秘訣について解説していきます。

クレジットスコアを上げる方法
  • 支払いは期日までにきっちりおこなうこと
  • クレジットカード利用限度額の20%~30%以内におさえる
  • クレジットカードを短期間で大量に発行しない
  • クレジットカードはできるだけ長く利用する

クレジットカードの支払期日に気を付け、長く利用することがとても重要です。全く利用せず持っているだけではスコアは上がらないので、少額でも毎月利用がある方が望ましいです。

ただし、あまりに利用額が多いと利用限度額を使い切ってしまうので、注意が必要です。後、クレジットカードを短期間に何枚も発行しないようにすることも大切です。新しいクレジットカードをつくる際は、半年以上あけましょう。

以上のことを半年から1年くらい気を付けることで、クレジットスコアを上げることができる可能性がおおいにあります。

アメリカのセキュアド・クレジットカード について

セキュアド・クレジットカードとは、あらかじめ払い込んだ預金を担保に、預金残高の範囲でしか利用できないクレジットカードのことをいいます。セキュアド・クレジットカードはクレジットスコアがなく、クレジットカードがつくれない方がスコアを構築するのに適したカードです。

自分の預金内でしか利用できないため、普通のクレジットカードより審査が甘いので簡単につくることができるといわれています。セキュアド・クレジットカードである程度クレジットスコアを構築して、新しいクレジットカードをつくるというパターンが多いようです。

クレジットスコアまとめ

以上、アメリカにおけるクレジットスコアの情報と、日本の信用情報機関について解説しました。日本での導入も遠くない未来と考えられているクレジットスコアですが、スコアを上げるための必要な知識をしっかりつけて、高い数値を維持することが大切です。

意外と知られていない、クレジットカードの利用における信用をなくしてしまう点に気を付けて、キャッシュレスライフを楽しんでいただきたいと思います。この記事が円満なクレジットカードの利用の手助けになることを願っています。

食品や雑貨商品などを扱うライター・編集を経て、マネ会を担当。クレジットカードのポイント還元や特典だけでなく、各カード会社の戦略やマーケティングにも興味あり。普段使っているクレジットカードはJALカードで、実家への帰省の際には、貯めたマイルを特典航空券に交換している。ヤフオクやヤフーショッピングで買い物をする際には、ヤフーカードも使用。体を動かすことが好きで、定期的にジムで筋トレ。機会あれば、山へハイキングに出かけ、帰りの温泉を楽しむ。

…続きを読む