クレジットカードの手数料は加盟店と消費者の2種類! 交渉すれば手数料が下げられるって本当?
クレジットカード決済のサービスを利用するためには手数料を負担しなければいけません。しかしこの手数料は誰がどのくらい負担するのか、複雑になり理解できていない人もいるでしょう。
クレジットカードの手数料には主に加盟店側が負担するものと、消費者側が負担するものの2種類があります。クレジットカード決済の導入には手数料を負担しなければなりませんが、加盟店側も消費者側もキャッシュレスになり決済が便利になります。
キャッシュレス化も進む昨今ではクレジットカード決済を導入する店舗は増えています。ここでは、クレジットカードの手数料の解説をおこない、おすすめのクレジットカードの紹介をします。
クレジットカードの手数料には主に2つの仕組みがある
クレジットカードの手数料といっても、その仕組みには2つの種類があります。加盟店側が支払う手数料と消費者側が支払う手数料の2種類です。
基本的な仕組みとして、クレジットカード決済をした場合の手数料は加盟店側が負担しています。したがって、消費者側はクレジットカードでの決済をおこなった際に手数料を支払う必要はありません。
しかし、消費者に対しても手数料が発生する場合もあります。消費者がクレジットカードで決算をした後、支払いをリボ払いや分割払いに変更すると手数料が発生します。
この手数料に関しては消費者が負担しなければならず、支払い方法によって手数料の金額も多少異なります。
加盟店側が負担するクレジットカードの手数料とは
クレジットカード決済サービスを利用するためには、加盟店が決済代行会社かカード会社と直接契約をする必要があります。加盟店側は契約した会社に手数料を支払うことで、店舗でのクレジットカードでの決算が可能になるのです。
加盟店側が負担するクレジットカードの手数料は、会社の規模や売り上げによって異なります。小規模な店舗では売り上げの4%~10%のクレジットカード手数料を負担しなければなりません。
加盟店側は決済代行会社やカード会社に手数料を支払うことで、クレジットカードでの支払いサービスを消費者に提供することができるようになるのです。
クレジットカード決済を導入するメリット
クレジットカード決済を導入することは手数料が発生するため、加盟店の売り上げが減ってしまうデメリットがあります。
しかしながら、手数料が発生するデメリットがあったとしてもクレジットカード決済を導入することは、加盟店に多くのメリットをもたらし結果的に利益を増やすことにつながります。
キャッシュレス化は日本政府も推進する方針であり、今後はクレジットカード決済の需要も増えてくると予想されます。日本国内のクレジットカードの保有率は84%以上あり、クレジットカードでの決算の金額は年々上昇してきています。
ここからは、クレジットカード決済を導入するメリットを紹介します。
メリット① 「現金を持っていない」お客様にも販売できる
クレジットカード決済を導入していれば、「現金を持っていない」お客様にも商品やサービスの販売ができます。
人によっては現金を持ち歩かない人や、目の前の商品を購入したくても持ち歩いている現金が足りずに購入をあきらめてしまう人もいます。
後払いが可能な仕組みになっているクレジットカードであれば,商品やサービスを購入することができるのです。さらに、海外からの観光客などは多くの現金を持ち歩かず、クレジットカードでの支払いが中心となります。
そのためクレジットカード決済を導入しておけば、こういった消費者へも融通を利かし、商品やサービスを販売することができるのです。
メリット② 高額な商品も売れやすくなる
クレジットカードを導入することのメリットの一つとして、高額な商品も売れやすくなるという点が挙げられます。
クレジットカード決済を導入しておくと、消費者側の支払い方法が手持ちの現金だけに限定されることが無くなります。
たとえば、高額な商品を消費者が購入したいという場合でも、現金支払いのみに限定されていると購入にまで至らないこともあります。しかし、現金支払いのほかにクレジットカードでの支払い方法もあれば、消費者は商品を購入しやすくなるのです。
クレジットカード決済の導入は消費者の支払い方法を増やすため、高額な商品も売れやすくなるのです。
メリット③ 売上の管理が容易になる
クレジットカード決済の導入により、売上の管理が容易になるメリットもあります。
クレジットカード決済の履歴はすべてコンピューターに記録されているため、売上の計算はパソコンで行うことが可能になります。パソコンでの売上管理は計算を容易にするだけではなく、正確性もそなえています。
現金での決算方法を採用していると、売上金と実際に販売した商品とを照らし合わせなければなりません。現金での決済はつり銭の渡し間違いや人為的な計算ミスが起こりやすく、すべての採算が合わなければ何度もやり直さなければなりません。
そのため、経理担当者への負担が多くなってしまいます。クレジットカード決済の導入はこういった経理の負担も軽減できるため、不必要な人件費の削減にもつながるのです。
メリット④ 強盗や従業員の不正などの盗難被害を防げる
クレジットカード決済の導入は強盗や従業員の不正などの盗難被害を防ぐことができます。
現金での決済の場合は、レジにつり銭や売上金を一時的に保管しておかなければなりません。そのため、万が一強盗が入った場合にはレジにある現金をすべて奪われてしまうことになります。
また、従業員によってレジ金を不正に持ち出される被害も発生します。こういった盗難被害は、店舗の売上に甚大な影響を及ぼします。クレジットカード決済を導入していれば、レジに用意する現金は最小限に抑えられます。
当然のことですが、クレジットカードの決済は売上金を盗難されることがありません。そのため、クレジットカード決済は現金の盗難被害を防ぎ売上を守ることができるのです。
交渉は可能?加盟店で異なるクレジットカードの手数料
加盟店の職種によってクレジットカード手数料の割合は異なっています。なぜなら職種によって売上も違いますし、水商売のように突然手数料の回収が困難になってしまう場合もあるからです。
具体的な手数料としては夜の水商売などの加盟店は10%、飲食店では5%、小売店では4%、デパートでは2%、コンビニでは1%となっています。
ただし、クレジットカードの手数料に関しては、手数料を下げる交渉も可能だと言われています。とくに売上高が多ければ、全体として負担する料金も多くなるため手数料を下げられるのです。売上高の多い店舗は、クレジットカード会社と交渉をしてみましょう。
客に手数料を負担させることは規約違反
加盟店側がクレジットカードの手数料を客に負担させることは規約違反になります。
一部の飲食店や水商売系の店は、客から売上の数%分をカード手数料として利用代金に上乗せして請求する店舗もあります。売上からクレジットカードの手数料を引かれてしまうと利益が下がってしまうため、客に手数料を負担させて利益を維持しようとするのです。
しかし、これはクレジットカード会社との規約に違反するものであり、客側は手数料の負担を断ることができます。
客に手数料を負担させていることが発覚した場合は、クレジットカードの決済をおこなうことができなくなることもあります。客に手数料を負担させることはやめましょう。
海外では手数料の上乗せが合法の場合もある
日本国内では代金にクレジットカード決済の手数料を上乗せすることは規約違反となりますが、海外では合法の場合もあります。
たとえばオーストラリアでは、加盟店の手数料を利用者に請求してもよいという条例があります。そのためオーストラリアの店ではクレジットカード・サーチャージとして、数ドル程度の定額を加算するところや、1%~6%程度の手数料を利用金額に加算するところもあります。
したがってオーストラリアに滞在中、利用代金にクレジットカード手数料が上乗せされて請求されていても拒否することはできませんので注意が必要です。
また海外では通貨が違うため、クレジットカード決算時に為替利用料を手数料として支払うこともあります。海外でのクレジットカードを使用する際は、手数料の制度も日本と異なるため事前に確認が必要です。
J-デビットやスマホQR決済の手数料は
現在ではクレジットカード以外にもJ-デビットやQR決済も可能な店舗が増えています。
J-デビットは基本的に手数料が無料になりますが、年会費として500円を支払わなければならないものもあります。また、消費者がクレジットカード同様に「分割払い」や「リボ払い」を選択すると手数料がかかります。
加盟店側はクレジットカード決済導入と同様に、サービス利用の手数料を支払わなければなりません。
コンビニや百貨店をはじめとして、PayPay(ペイペイ)や楽天PayなどのスマホQR決済が可能な店舗も増えてきています。スマホQR決済の場合、消費者側が支払う手数料は無料となります。
店舗側に関しては決済時に0%~3.75%の手数料がかかります。
消費者側が負担するクレジットカードの手数料とは
クレジットカード決済のサービス手数料は基本的に加盟店側が支払うことになります。
しかし、消費者側もクレジットカードの支払方法によっては手数料を負担しなければなりません。消費者が手数料を支払わなければいけない支払い方法は「分割払い」と「リボ払い」の2つです。
クレジットカード1回払いの場合はすべて手数料無料になります。また、クレジットカードによっては2回払いまで手数料無料になるものもあります。
消費者側の手数料を交渉によって下げることは難しいため、ほぼ無理だと考えた方がよいでしょう。クレジットカードの支払いができなくなった場合は、弁護士が間に入って交渉をすることもあります。
しかし、カード会社や信用情報機関に記録が残り、今後のクレジットカードの発行やローンをすることが難しくなるため得策とはいえません。
分割払いの方法と手数料
分割払いは支払い回数を設定し、無理なく返済できる決済の仕組みです。分割払いは1件ごとの支払いに明細に対して手数料がかかります。
たとえば10万円の商品を10回に分割して支払った場合、1回の支払いは1万円にプラスして手数料がかかります。ここでは手数料を15%として、支払いのシミュレーションしてみましょう。
支払い元金 | 100,000円 |
---|---|
手数料 | 15% |
支払い手数料 | 6,776円 |
支払い合計金額 | 106,776円 |
以下は、支払回数を10回に分割した際に支払う金額と、支払い後の残高を表にまとめした。
支払い回数 | 返済金額 | 支払い後残高 |
---|---|---|
1回 | 10,477円 | 90,550円 |
2回 | 10,699円 | 80,982円 |
3回 | 10,699円 | 71,295円 |
4回 | 10,699円 | 61,487円 |
5回 | 10,699円 | 51,556円 |
6回 | 10,699円 | 41,501円 |
7回 | 10,699円 | 31,320円 |
8回 | 10,699円 | 21,012円 |
9回 | 10,699円 | 10,575円 |
10回 | 10,707円 | 0円 |
ただし、分割の回数に関してはクレジットカードによって異なるため、自身の都合で自由に回数を決められるわけではありません。
リボ払いの方法と手数料
「リボ払い」を選択すると月々の返済金額を一定にできるため月々の支出の管理がしやすいメリットがあります。リボ払いは利用残高に対して手数料がかかる仕組みになっています。
たとえば10万円の商品をリボ払い月々1万円で支払った場合、1回の支払いは1万円と利用残高の合計に対して手数料がかかります。ここでは手数料15%として支払いのシミュレーションをしてみましょう。
支払い元金 | 100,000円 |
---|---|
手数料 | 15% |
支払い手数料 |
6,647円 |
支払い合計金額 | 106,647円 |
以下に、リボ払い月々1万円で支払った場合の返済金額と支払い後の残高を表にまとめました。
支払い元金 | 返済金額 | 支払い後残高 |
---|---|---|
1回目 | 11,069円 | 90,000円 |
2回目 | 11,065円 | 80,000円 |
3回目 | 11,016円 | 70,000円 |
4回目 | 10,860円 | 60,000円 |
5回目 | 10,762円 | 50,000円 |
6回目 | 10,614円 | 40,000円 |
7回目 | 10,508円 | 30,000円 |
8回目 | 10,381円 | 20,000円 |
9回目 | 10,245円 | 10,000円 |
10回目 | 10,127円 | 0円 |
上記の返済パターンとは異なり月々の返済金額を1万円にして11回目の支払日に手数料をまとめて支払う場合もあります。
「繰り上げ返済」をすれば手数料を削減できる
クレジットカード手数料は「繰り上げ返済」をすることで、負担する金額を削減することができます。
クレジットカードの利用はたとえ「分割払い」や「リボ払い」を選んだ場合でも、お金に余裕がある時は多めに返済をすることができる仕組みがあります。
ボーナスを受け取った時のようにお金に余裕がある時は「繰り上げ返済」を利用するべきです。なぜなら「分割払い」も「リボ払い」も早めに返済すればトータルで支払う手数料が少なくなるからです。
「分割払い」や「リボ払い」を利用して手数料を支払う必要が出たときはなるべく早めに返済をするようにしましょう。
クレジットカード決済の手数料は課税対象なのか
クレジットカード決済の手数料は基本的に課税対象とはなりませんが、場合によっては課税関係が生じる場合もあります。
加盟店がクレジットカード会社と直接契約をしている場合は、カード売上代金をカード会社に譲渡するという取引となります。そのため、カード決済の手数料に関しては非課税となります。
一方で、カード決済代行会社を通じた契約の場合は、直接カード会社に譲渡されるわけではありません。そのため、システム利用料のような名目とした場合に課税対象となる場合もあります。
したがって、カード決済代行会社を利用している場合は、課税対象になる場合があります。契約内容を確認し課税対象になるかどうか確認しておきましょう。
手数料が気になるなら年会費無料のクレジットカードを持とう
消費者側が負担するクレジットカードの手数料が「分割払い」や「リボ払い」を選択した場合に発生することは、これまでに説明した通りです。
ただし負担する手数料の総額はどちらを選択したとしてもほとんど変わりません。クレジットカードはカードの種類によって年会費が異なります。
クレジットカードの手数料や年会費など、無駄な負担費用を抑えたいのであれば年会費無料のクレジットカードがおすすめです。ここからはおすすめのクレジットカードを紹介します。
JCB_W
- 年会費、永年無料
- いつでもポイント2倍
- 安心・安全セキュリティー
年会費初年度 | 無料 |
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年会費2年目〜 | 無料 |
ポイント還元率 | 1 〜 10.5% |
発行スピード | モバ即入会で最短5分(※) |
国際ブランド |
|
電子マネー |
|
- 付帯サービス
JCB_Wは年会費永年無料で、ETCカードの発行や年会費も無料のクレジットカードです。そのため、無駄な負担金額をおさえることができるおすすめのクレジットカードです。ここからは実際に使用している口コミを紹介します。
JCB_Wを選んだ人の多くは年会費無料という点にメリットを感じているようです。
年会費を気にすることなく所持することができるので、安心して利用することができるようです。
楽天カード
- 年会費永年無料
- 新規入会&利用でポイントがもらえる
- 安心のセキュリティ
年会費初年度 | 無料 |
---|---|
年会費2年目〜 | 無料 |
ポイント還元率 | 1~3% |
発行スピード | 7営業日程度 |
国際ブランド |
|
電子マネー |
|
- 付帯サービス
楽天カードは年会費無料で利用できるクレジットカードです。ポイントの還元率も高く、利用していればお得にポイントを貯めることもできます。ここからは実際に楽天カードを利用している人の口コミを紹介します。
楽天カードを使用している多くの人は年会費が無料であるだけではなく、ポイントがすぐに貯まっていく点にメリットを感じています。
楽天カードは通常のポイント還元だけではなく、各種のイベントや使用場所によってポイントの加算が多いです。ポイントを貯めたい人にはおすすめのクレジットカードです。
三井住友 クラシックカード
- 最高2,000万円の海外旅行傷害保険
- 毎日のお買物でポイントが貯まる
- カード紛失盗難の際も安心のサポートサービス
年会費初年度 | 1,375円(税込) |
---|---|
年会費2年目〜 | 1,375円(税込) |
ポイント還元率 | 0.5%~7% |
発行スピード | 最短3営業日 |
国際ブランド |
|
電子マネー |
|
- 付帯サービス
三井住友 クラシックカードは初年度の年会費が無料ですが、付帯している海外傷害旅行保険は最高2,000万円とお得なカードとなっています。
次年度から年会費1,250円が発生しますが「マイ・ペイすリボ」に入れば2年目以降の年会費も無料となるおすすめのクレジットカードです。ここからは実際に使用している人の口コミを紹介します。
三井住友カードを利用している人の口コミによると、年会費無料であるにも関わらず、各種のサービスが充実していることに満足している人が多いようです。
とくに海外によく行く人にとっては、海外旅行保険が充実していることにメリットを感じていることが多いようです。
クレジットカードの手数料のまとめ
クレジットカードの手数料には加盟店側と消費者側が負担する手数料の2種類があります。手数料は加盟店の職種によっても異なり、売上高の多い店はカード会社と交渉して手数料を下げる交渉ができると言われています。
クレジットカード決済の導入はサービスの利用による手数料の負担が発生しますが、メリットが多く結果的に加盟店の利益を伸ばすことにつながります。
一方消費者側は「分割払い」「リボ払い」を選択した場合に、手数料を負担することになります。しかし、この手数料は「繰り上げ返済」を行うことで、負担金額を最小限におさえることが可能です。
無駄な手数料や年会費の支払いを避けたい場合は、年会費無料のクレジットカードを選択するようにしましょう。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。