商売繁盛のサポート役!鎌倉商工会議所にインタビュー PR

商売繁盛のサポート役!鎌倉商工会議所にインタビュー

神奈川県鎌倉市は、豊かな海・山の自然と歴史的な遺産や神社仏閣などで知られ、観光地として人気のエリアで、小売業や飲食業など商売を営む人も多くいます。

今回は、鎌倉商工会議所で経営指導員を務める中小企業支援課長の斎藤暁さんから、「小規模事業者持続化補助金」の申請支援や活用事例についてお伺いしました。

販路開拓に活用する「小規模事業者持続化補助金」

鎌倉商工会議所の外観画像

―本日はよろしくお願いします。まず鎌倉商工会議所には、どのくらいの会員事業者がいらっしゃるのでしょうか。

斎藤さん:当所会員数は緩やかに増加しており、現在は2,000を超えています。鎌倉地区には小売業や飲食業、サービス業を営む方が多く集まっていますので、会員さまもそれらの業種が8割ぐらいを占めています。

―「小規模事業者持続化補助金制度」の概要を教えてください。

斎藤さん:小規模事業者持続化補助金は、販路の開拓を目的にした補助金制度です。事業者が販路開拓に利用できる対象経費を国で補助しています。

おそらく一般の方には、補助金、助成金、給付金、協力金などの違いがややわかりにくいのではないでしょうか。

一言でいうと、「補助金」は受け取るために審査があって、受かる場合と受からない場合があります。一方、助成金や給付金、協力金は「要件に一致しているかどうか」がポイントで、申請内容が要件に一致していれば受け取れるものです。

たとえば「売上が何%低下」というように売上減を要件とした給付金であれば、該当する申請者全員に給付金が支払われます。

しかし補助金の場合は要件一致ではないため、「この補助金をどのように活用したいか」を示す申請書類が審査され、審査に通って初めて補助金を受け取れます。

―補助金は誰でも受け取れるわけではないのですね。

斎藤さん:そうですね。また、補助金の場合は事業に使ったお金が全額補助されるわけではありません。

たとえばケーキ屋さんが販路開拓のために冷蔵庫が必要で、代金が150万円だとします。

補助金制度の場合、この150万円が丸々受け取れるわけではなく、支払った金額の3分の2、4分の3といった補助率となるのです。あるいは50万円や100万円など、補助上限額が決まっている場合もあります。

小規模事業者持続化補助金では、申請する類型によって補助率・補助上限額が異なるものの、3分の2の補助率・50万円の補助上限額がベースです。

生産性やリピート率の向上につながる設備導入

飲食店で使われる真空梱包機の画像

―小規模事業者持続化補助金は、どのように活用されるケースが多いのでしょうか?

斎藤さん:以前は、お店のPRを目的としたホームページ制作費用の申請が多かったように思います。「販路開拓上の課題としてお店のPRができていないから、ホームページを作りたい」ということですね。

近年は、機械装置等費で利用されるケースが多いと感じています。

たとえば、食材を真空パックにできる真空梱包機の導入費用として補助金を利用され、実際にこの装置が役立っているというお話が多いです。

お肉やお魚、ソース類などを真空パックにすれば、保存しやすくなりますよね。飲食店だと忙しいときと時間に余裕があるときの差が激しいので、時間があるときに食材を仕込んで真空パックに保存しておけば、忙しいときに仕込み作業をせず使えて、業務の平準化になるようです。

最低限の調理設備があれば飲食店自体は始められますが、それだけでは生産性が上がらず、食材のロスも発生します。そうした課題を機械の導入で解決できれば、もっと売上も伸ばせますが、お金がかかるのでなかなかすぐには踏み込めないのが実情です。

「導入すれば便利だけど、お金の問題で手が届かない機械」に対し、補助金を利用して生産性を上げるケースが多いと感じます。

―ほかには、どのような費用科目の申請が多いですか?

斎藤さん:最近、申請が多いのは店舗の改装などに使える「委託外注費」です。

鎌倉は観光客が多く、インバウンド需要もある地域ですが、もし訪れた飲食店のトイレが和式だったらどうでしょうか。

すごく雰囲気が良くて、料理のおいしいカフェでも、トイレが古かったり使いにくかったりすると印象が変わってしまいますし、知り合いにも勧めづらくなります。

和式トイレは女性客や海外からのお客さん、団体客などから敬遠される要素なので、洋式にする、温水洗浄便座を取り付けるといった改装は、相当数の事業者様が実施されましたね。こうした改装はリピート率の向上につながります。

また、バリアフリー化工事も委託外注費の対象です。車椅子の方は、段差があることで入店しにくいことがあります。鎌倉はさまざまな方がいらっしゃるので、誰に対しても優しい街であってほしいと思います。

「商売繁盛」をサポートするのが商工会議所

鎌倉商工会議所 斎藤様がお話されている画像

―申請をされる事業者の方に対して、補助金の使い道を提案されることもあるのでしょうか。

斎藤さん:事業者の方からのご相談内容に対して「この補助金の対象になりますよ」「この対象経費で利用できますよ」とお伝えして、申請を支援するケースはあります。

また、我々は事業者の販路開拓、商売繁盛に注力する立場ですので「その申請内容で本当に成果につながるのか」を考えていただけるようにしています。

たとえば、ただホームページをリニューアルするだけではお客さんを増やすことにつながりません。毎日ホームページを更新する、SNSと連携して情報発信するなど、具体的な展開が必要です。

先ほどお話したように、小規模事業者持続化補助金は全額補助される制度ではありません。3分の2は補助金が出ますが、残りの3分の1は事業者様による投資となります。そして補助金は税金から出ているお金です。そのことを考えるとなおさら、補助金活用には費用対効果がなければいけません。

事業者自身が投資し、それを国が税金で支援する以上、商売繁盛に結び付かなければ商工会議所がお手伝いする意味がないと考えています。

継続的に役立つ補助金活用がおすすめ

―コロナ禍になって、相談や支援内容に変化はありましたか?

斎藤さん:外出自粛や飲食店の営業時間短縮があると、経済活動が止まって売上がストップします。それでも家賃は発生しますし、人件費も払わなければなりません。

収入はなくなるのに経費は出ていくため、資金繰りについての相談が非常に多かったです。

持続化補助金のなかでもコロナ対策に特化した、コロナ特別対応型の補助金ができました。「非対面」がひとつのキーワードとなり、飲食店ではテイクアウトやデリバリー対応をする目的で申請されるケースが多かったと感じます。

ただ、当所としてはテイクアウトやデリバリー展開のために補助金を使うのをあまり積極的に提案しませんでした。この分野はすでに大手企業が全国的なサービスを展開していて、いわばレッドオーシャンです。

また、テイクアウトは飲食店からすると手間がかかるわりに単価が高くないのですが、コロナ禍でお客さんが来られないという理由でやらざるを得ませんでした。苦しい状況をしのぐための、一時的な方策なのです。

代わりに、テイクアウトやデリバリーの需要が落ち着いたあとでも飲食店本来の仕事に役立つ機械設備の導入を提案しました。先ほどの真空梱包機を使えばテイクアウト用にパックできるだけでなく、食材の保存手段としても使えて、生産性の向上になります。

敷居を下げるため、利用者の声を掲載

鎌倉商工会議所ホームページにあるお客様の声 見出し画像

―鎌倉商工会議所のホームページでは、事業者へインタビューされた「会員(お客様)の声」を掲載されています。いつ頃から始められたのでしょうか。

斎藤さん:ホームページをリニューアルした2年前からです。

「会員の声」を載せることで、我々の活動や事業者向けの制度を知っていただき、商工会議所を利用していただく敷居を下げるのがこの企画の目的です。

世間一般の認識として、商工会議所という存在は、名前を聞いたことがあっても何をやっているかよくわからない団体ではないでしょうか?

事業者の方々も、商工会議所が何をしてくれる存在なのかわからないというのが本音だと思います。

でも、身近な方が「商工会議所を利用してすごく助かった」「こんな補助金が使えて、楽になった」とインタビューで話していたらどうでしょうか。

「うちにも紹介してほしい」「自分も補助金が使えるのではないか」と興味をもつきっかけになるのではないかと思います。

―それでインタビュー形式にされたのですね。

斎藤さん:我々が語るのではなく、支援をさせていただいた事業者の方に語ってもらうことに意味があります。

商工会議所の職員が活動内容や補助金制度をお話したり、ホームページに制度紹介の記事を掲載したりするよりも、普段から親しくしている人から「商工会議所に相談してみたら良かったよ」と聞くほうが興味をひかれますよね。

また、これから事業を始めようとする方が先輩経営者の事例を見れば相談しやすくなるでしょう。

事業の主人公である事業者の黒子・サポート役として、商売繁盛を支援する商工会議所があります。その事業者が、本来知るべき補助金制度を知らないでいるのは、我々がちゃんとPRできていないからだと思います。

―掲載を始められて、変化や気づきはありましたか?

斎藤さん:掲載を始めた頃から、問い合わせ件数は増えているように感じています。また、ほかの職員が担当した支援内容を見て「いい支援をしているな」と思うときもあります。

インタビューでは最後に「あなたにとって鎌倉商工会議所はどのような存在ですか?」とお聞きしているのですが、なかには「奥さんです」「お兄ちゃんです」と、家族のようにとらえている方がいらっしゃるのがおもしろいところです。

何でも話せて頼れる存在で、いないとちょっとつらい。つかず離れずの距離感よりはもう少し身近な存在。そんなふうに我々のことを見ていただいているようで、ありがたいですね。

インタビューをさせていただくことで、より丁寧に支援をしていかないといけないと、あらためて気が引き締まる思いがします。

悩みを抱え込まず、商工会議所を活用してほしい

斎藤様がお話されている画像

―この記事を読まれた読者に向けて、メッセージをお願いします

斎藤さん:事業者の皆さんには、もっと商工会議所を頼っていただきたいと思っています。

事業内容や経営方針の根幹はご自身で考えていただく部分ですが、「何をどうしたらよいかがわからない」などと悩まれたときは、抱え込まずぜひ我々に相談してください。

「自分がやる商売なんだから、全部自分でやらなくちゃ」と考えていらっしゃる方が多いのですが、相談いただければ、補助金申請をはじめとしてさまざまな支援ができます。

商工会議所は利用しないともったいないですし、我々が存在する意味がなくなってしまいます。

相談することで悩みが軽くなり、新しい提案から解決策が見えることもあるでしょう。商工会議所は地域に必ずありますし、利用することで商売繁盛につながると思いますので、ぜひご相談ください。

―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

鎌倉商工会議所 中小企業支援課長

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気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。

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