八女茶、蜂蜜、フルーツなど多様な返礼品!福岡県八女市のふるさと納税ご担当者に取材
福岡県八女市といえば、「八女茶」の産地としてご存知の方は多いでしょう。しかしお茶だけが八女の特産品ではなく、良質な蜂蜜や季節ごとに実るフルーツ、伝統工芸品など、さまざまな魅力を発信しています。
今回は、八女市商工・企業誘致課の平島さんに、八女市の特色とふるさと納税返礼品、寄附金の使いみちについてお話を伺いました。
八女茶の名産地、福岡県八女市
―本日はよろしくお願いします。まず、八女市の概要と特色を教えてください。
八女市は福岡県内の1市3町2村、計6つの自治体が合併してできた市です。面積が福岡で2番目に広く、そのうち6~7割が中山間地域で、非常に緑豊かな土地となっています。
市内には江戸後期から昭和初期の古い町並みが残っており、伝統工芸品の八女提灯や八女福島仏壇、多数残る古墳などからも、歴史の長さを感じられます。
―おすすめの観光名所やイベントはありますか?
ゴールデンウィークや新茶の時期は、「八女中央大茶園」がおすすめです。小高い丘に展望台があり、360度のパノラマで広大な茶畑を眺められます。
「Green Monster」というカフェもあって、できたての煎茶や八女茶ソフトクリームも味わえますので、八女に来られた際はぜひ足をお運びいただきたい場所です。
イベントとしては、八女市本町の福島八幡宮境内で9月に開催される「八女福島の燈籠人形公演」がおすすめです。
3月には、同地区で「ぼんぼりまつり」も1ヶ月ほど開催されます。八女では古くから雛人形を作り続けており、このおまつりでは約100軒の家や商店が、江戸や明治時代の「箱びな」や現代のおひなさまを飾ります。
八女市の人気返礼品を紹介!蜂蜜やフルーツ、アイスなど多種多様
―つづいて、八女市のふるさと納税について伺います。まず、返礼品ではどのようなものが人気でしょうか?
まず、八女茶の産地ですので、たくさんの事業者さんにお茶の返礼品を出していただいています。
お茶以外の当市のふるさと納税で一番人気なのは、蜂蜜です。
八女市には山を越えると熊本県に至る立花町という地域があり、その山間で養蜂が盛んです。良質な蜂蜜がふるさと納税返礼品としても好評となっております。
ほかにも肥沃な土壌を活かした農業が盛んなので、いちごの「あまおう」や梨、みかん、シャインマスカットなど、季節のフルーツを定期便でお届けする返礼品が人気となっています。
―平島さんからのおすすめ返礼品はありますか?
八女市の黒木町に「手作りアイスクリーム工房 みるく畑くりやま」というアイスクリーム屋さんがあります。
ここでは元酪農家の方がアイスクリームを作っていて、福岡県産の牛乳や八女茶、八女市産のフルーツなど、こだわりの素材を使ったアイスクリームが食べられます。
まるごと「八女のアイスクリーム」といえるおいしいアイスクリームですので、ぜひ皆さんに知っていただきたいですね。私は子どものころから食べていまして、ミルク味がお気に入りです。
現代的なデザインの提灯もおすすめ
―八女市にはいろいろな伝統工芸品があるとのことでしたが、ふるさと納税返礼品としてもご用意されていますか?
返礼品では、八女提灯の職人さんが生み出したインテリア提灯がおすすめです。手のひらサイズの小さな提灯で、八女手すき和紙を使用しています。
近年はお家の仏壇も小型化していますので、八女の素材を使いながらもモダンなデザインの提灯が生まれています。伝統を受け継ぎながら、時代に沿って伝統工芸も変わっていっているということをぜひ知っていただきたいですね。
―提灯と聞くと一般的には渋い印象がありますが、とてもかわいらしいデザインなのですね。
普段はベッドルームに置いて、お盆の期間は盆提灯として使用できます。今は無地の提灯のみですが、今後は柄付きのものも出品する予定です。
地元ベーカリーのパン詰め合わせも好評
―ほかに、おすすめの返礼品があればご紹介ください。
地元のパン屋さん「隆勝堂」が出品されているパンの詰め合わせもおすすめです。
職人手焼きのパンが冷凍で約17個届くのですが、フードロス解決の観点の取り組みでもあるので、パンの内容は毎回届いてからのお楽しみです。
パンのおいしさはもちろんですが、「今回はこんなパンが入っていた!」というわくわくが味わえることも楽しみに寄附してくださっている方も多くいらっしゃいます。
寄附者から届くあたたかいメッセージ。寄附金は職人支援にも活用
ー八女市へふるさと納税をされた方からのメッセージがありましたらお聞かせください。
八女市出身の方や、八女市にゆかりのある方から寄附をいただくことが多いので、当市の自然やお茶づくりなどについてメッセージをいただくことがあります。
例えば、八女の上陽町を流れる星野川は、ホタルが飛び交う綺麗な川であることで有名です。寄附者の方から「ホタルの飛ぶ川を守れるように寄附金を使ってください」といったお声をいただくととても嬉しいですね。
また、コロナ禍に寄附件数が増えたのですが、「コロナ禍が明けて八女市に遊びに行ける日を心待ちにしています」「ぜひ八女に行ってみたいです」といったお声も大変励みになりました。
―とてもあたたかいメッセージですね。集まった寄附金はどのように活用されていますか?
例えば、八女市ふるさと納税の使いみちで一番よく選ばれる子育て関連の事業では、幼稚園・保育園で提供する食事の補助に寄附金を活用しています。また、小中学校の教育的DX推進のために、コンピュータ・タブレットの整備事業に使わせていただいたこともありました。
ほかには、後継者不足が深刻な伝統工芸産業において、後継者育成のための補助金にふるさと納税の寄附金を充てさせていただいています。
―後継者育成のためとは、例えばどのように活用されているのでしょうか。
先ほどご紹介した提灯は、職人の道を歩み始めてすぐに自分が作った提灯をお店に出せるわけではありません。
それに、本物の材料を使わないと勉強になりませんので、修行期間に八女市に住む費用や材料費などの助成をしています。
まちと事業者、そして未来につながるふるさと納税へ
―八女市のふるさと納税について、今後の展望などありましたらお聞かせください。
寄附金は、当然市の重要な財源になりますし、寄附金が集まれば集まるほど、ふるさと納税の返礼品事業者になっていただいている方々のためにもなります。
一方で、伝統工芸の育成事業や、八女茶の普及のための事業に活用していくことも重要です。
事業者の方々の直接的な利益になるだけでなく、事業者が取り組んでいらっしゃることをさらに発展させるような、好循環な活用もしていきたいと考えています。
また、市の課題として高齢化が進んでいる状況があります。ふるさと納税はECサイトのような側面もありますので、事業者にふるさと納税へ目を向けていただくことで、若手の方が活躍しやすくなり、市内で就業する方も増えるのではないでしょうか。
―最後に、マネ会読者の皆さんへメッセージをお願いします。
八女市はお茶やフルーツ、蜂蜜、伝統工芸に関連したイベントなど、四季折々に特色を感じていただけるまちだと思います。
移住定住の促進にも力を入れているため、補助金も充実しています。八女での暮らしに興味がある方も、ぜひふるさと納税を通じて、そして実際に八女市を訪れて、その魅力を感じていただけると嬉しいです。
―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。