大人気みかん、郷土料理、城主体験まで!愛媛県大洲市のふるさと納税返礼品を取材
愛媛県西部に位置する大洲(おおず)市は、一級河川・肱(ひじ)川がもたらす肥沃な土で育てられた特産品や、秋の風物詩「いもたき」、そして城下町の名残を残す古き良き町並みで知られるまちです。
同市のふるさと納税では、糖度が高く瑞々しい食感のみかん「紅まどんな」や、郷土料理「いもたき」、地元銘菓「志ぐれ」など、大洲市の味覚が堪能できる返礼品のほか、大洲城に泊まれる宿泊プランなど、体験型の返礼品掲載にも力を入れ、持続可能な観光地づくりを進めています。
今回は大洲市役所総合政策部企画情報課 主査の西浦さんに、大洲市のふるさと納税返礼品についてご紹介いただきました。
大洲藩六万石の城下町として栄えた、愛媛県大洲市
―本日はよろしくお願いします。まず、大洲市の特色を教えていただけますか?
大洲市は愛媛県の西部に位置しており、市の中央には肱川という一級河川が流れております。
この肱川を中心に、当市はかつて大洲藩六万石の城下町として栄え、交易やアユ漁が非常に盛んでした。今も歴史的な建造物や昔ながらの町並みが残っています。
市の中心には大洲城という観光名所もあり、夜はライトアップされて幻想的な雰囲気を楽しめます。
アクセスに関しては、東京・大阪・福岡・名古屋など主要な都市から、愛媛県庁所在地である松山空港への直行便があります。松山から大洲市へはJRなどを利用して1時間から1時間半ほどで到着します。
―大洲城の周辺は桜景色も美しいようですね。
そうですね。桜の時期には屋台も出店して、大洲城のあたりは多くの人でにぎわうスポットになります。
「いもたき」や「大洲のうかい」など歴史ある料理・行事が魅力
―大洲市では、どのようなイベント・行事が催されますか?
2025年で合併20周年になる当市は、城下町、海、山、川などのエリアから構成されており、それぞれ海の幸、山の幸、川の幸などいろいろなものが楽しめることが特長の一つです。
毎年9月初旬から10月中旬頃には「いもたき」という料理を食すイベントがあり、こちらも肱川沿いの河原で開催されます。いもたきは、藩政時代から大洲市内で食べられてきたといわれている、大洲市の郷土料理です。
メインの食材は里芋で、肱川の恵みによる農産物です。それというのも、肱川は洪水によって氾濫することもあるのですが、里芋は水害に強く、また肱川が肥沃な土を運ぶため、おいしい里芋が育つのだそうです。
この大洲市産の里芋はとてもねっとりとしていて、滑らかな食感が特長です。鶏肉やこんにゃく、シイタケなどと一緒に煮込んで、醤油ベースで味付けをしたものがいもたきとなります。
当市では秋になると、大人数で集まって河原でござを敷いて、いもたきを囲みながらお酒を飲むのが定番です。
昔は「お籠(こも)り」という親睦行事が年に2回あり、集まった人々はいもたきを囲みながら地域の相談事を話し合っていたそうです。
夏には肱川で「大洲のうかい」という観光行事が毎年6月1日から9月20日の期間に行われます。夜にかけて肱川の上流から下流の方に下り、鵜匠さんが鵜を操って魚をとる様子を見学しながら食事ができます。かがり火も焚かれますので、幻想的な雰囲気を楽しんでいただけます。
「紅まどんな」、「野菜の定期便」が人気!大洲市のふるさと納税返礼品
ー大洲市のふるさと納税について伺います。どのような返礼品が人気でしょうか?
まず、愛媛県の特産品であるみかんは人気があります。特に愛媛県のみで栽培を許されたオリジナルの品種「紅まどんな」は外側の皮が非常に薄く、ゼリーのようなプルプルとした果肉で、すごく甘いのが特長です。
紅まどんなは糖度が高く酸味は少なく、カットしたらすぐに食べられるので、大洲市のふるさと納税では一番人気となっております。首都圏の方からお申込みいただくこともありますし、大洲市出身の方がご家庭用や贈答用にお申込みされることもあります。
また、大洲市は一年を通じて多品目の野菜が育つ地域です。ふるさと納税では野菜の定期便も大変好評をいただいており、事業者さんは毎回さまざまな野菜を送っていらっしゃっています。
温めるだけで食べられる「いもたきセット」もおすすめ
―他に、おすすめの返礼品はありますか?
大洲市内の複数の事業者さんが提供されている、お鍋で温めるだけで食べられるいもたきセットがおすすめです。
今年も予約受付を開始しており、9月から11月にかけて順次発送していきますので、大洲の味覚が詰まった一品をぜひ味わっていただけたらと思います。
いもたきは、学校の給食や家庭でもよく食されていて、店舗によっても様々なこだわりがあります。皆さんにも「推しのいもたき」を見つけていただけたら嬉しいです。
大洲銘菓の「志ぐれ」は、毎日のおやつや手土産にぴったり
―大洲市の皆さんが日常的に召し上がるお菓子も返礼品にあるそうですね。
小豆と米粉、餅粉等を使った「志ぐれ」という銘菓があり、江戸時代頃から愛されてきたといわれています。
食感としてはういろうと羊羹の中間ぐらいで、とてもモチモチしており、甘さが控えめなので、私はちょっと小腹がすいたときに志ぐれを食べることが多いです。手土産に志ぐれを選ぶことも多いですね。
大洲市内に現在10軒ほど志ぐれの専門店があり、「パン屋さんより志ぐれ屋さんのほうが多いのではないか」といわれるくらい、地域に根付いたお菓子です。
お店によって、栗が入っているものや抹茶と一緒に蒸しあげられているものなど、さまざまな志ぐれがあるのも魅力です。
JAL特製オリジナルビーフカレーも大好評
―他におすすめの返礼品はありますか?
羽田空港国際線と成田空港国際線のJALラウンジで提供される「JAL特製オリジナルビーフカレー」というメニューがあるのですが、このカレーは大洲市で製造されており、ふるさと納税では、「JALふるさと納税」の限定返礼品として掲載しています。
牛肉がゴロゴロとたくさん入っているスパイシーな美味しいカレーを、ご自宅で簡単に温めて食べられます。ファンの方が多い、大変人気の返礼品です。
古民家を再生したホテルや、大洲城に泊まれる体験型の返礼品も
ー体験型の返礼品もあるそうですね。詳しく教えていただけますか?
大洲市に残る登録有形文化財・古民家を活用した分散型ホテル「NIPPONIA HOTEL 大洲城下町」の宿泊券や、日本初の「お城に泊まれる宿泊券」などがあります。
古民家を再生したホテルが建てられた背景として、当市に残る城下町の町並みに、空き家が増えている状況がありました。
持ち主の高齢化や相続の問題で空き家になってしまっているのですが、そのまま残しておくと危険なため、更地や駐車場になる場所が増えていたのです。
江戸から昭和期の風情あるこの町並みが急速に失われてしまうという状況に対し、城下町の雰囲気を残しつつ、活気のあるまちをつくるため、当市は金融機関や地域DMO、地元・県外の事業者さんらとの連携を開始し、官民連携による歴史的な資源を活用した持続的なまちづくりを進めています。
城下町エリアに点在する古民家等の歴史的資源を改修しホテルやショップへと活用しており、当時の趣を感じるお部屋かつ地産地消の食事を楽しめると好評です。
空き家を活用して持続可能な観光地を作っていくこの取り組みは、世界の持続可能な観光地の国際認証団体の一つであるグリーンデスティネーションズが開催した「ザ グリーンデスティネーションズ ストーリーアワード」においても「世界の持続可能な観光地」文化・伝統保全部門で世界1位を受賞しました。
―歴史ある町並みを守りながら進める新たな観光まちづくり、素敵ですね。お城に泊まれるという返礼品は、どのような体験ができますか?
大人2名様が、天守及び国指定重要文化財のふたつの櫓(やぐら)を含む大洲城に1泊2食付きで宿泊できます。ただ泊まって食事をしていただくだけでなく、お殿様やお姫様になったような気持ちで過ごしていただく体験になっているのがポイントです。
まず入城(チェックイン)の後には、宿泊者自ら城主として甲冑を身にまとい、たくさんの「家臣」が一緒にお供をして入城し、大洲藩鉄砲隊による祝砲でお迎えいたします。
夜には大洲の伝統芸能と、当時の城主が食べていたであろう献立を現代の技術を加えて再現したお殿様御膳を大洲城で楽しみ、翌朝は国の重要文化財「臥龍山荘」での朝食を堪能できるという宿泊プランです。
臥龍山荘は、明治時代に木蝋の交易で財を成した豪商が建てられた別荘で、美しい庭園も魅力です。普段は飲食ができない場所ですが、この宿泊体験プランでは特別に貸切で朝食と呈茶体験をしていただけます。
このお城に泊まる宿泊プランは、年間を通じて様々な方にお楽しみいただいており、ふるさと納税返礼品としてもお申し込みをいただいています。
寄附金の使途は7つの事業から指定できる
ー大洲市ふるさと納税の寄附金の使いみちについて教えてください。
現在、大洲市では寄附金の使い道として次の7つがあります。
- 肱川をはじめとする自然環境との共生に関する事業
- 子どもの未来に関する事業
- 文化の保全継承、活用創造に関する事業
- 健康・安心の福祉に関する事業
- 地域コミュニティと市内産業の活力創造に関する事業
- デジタルも活用した「幸せ・安心・誇りある」ふるさとづくりに関する事業
- 大洲市民文化会館建設に関する事業
5の「地域コミュニティと市内産業の活力創造に関する事業」には、防災対策・安全対策も含まれます。
6は現在当市が進めているデジタルトランスフォーメーションの事業で、デジタルを活用して市民の利便性の向上や地域経済の活性化を図る事業に充てさせていただきます。
7については、「大洲市民文化会館」の建設費用に活用させていただきます。コンサートや講演会、成人式などを開催する現在の大洲市民会館は、建物の老朽化が進んでいます。そこで、新たに「大洲市民文化会館」を建設し、令和11年に開館する予定です。もし寄附金の使途で迷われたら、こちらもご検討いただけますと幸いです。
進化をつづける大洲市。観光客・出身者両方に魅力を届けたい
ー大洲市ふるさと納税、そしてまちづくりについて今後の展望をお聞かせください。
今後もふるさと納税を通じて、多くの方に大洲市の魅力や取組みを知っていただきたいと考えております。
私自身も大洲生まれ・大洲育ちなのですが、働き始めてから、このまちの魅力や美味しいものについて改めて知ることができました。大洲市出身で、今は市を離れていらっしゃる方も、まだご存知でない大洲市の魅力が多々あるのではないかと思います。
大洲のまちは、日々進化しておりますので、観光客の方だけでなく、市外にお住まいの大洲市出身の方にも、ふるさと納税を通じて情報発信を行い、足を運んでいただけるきっかけ作りを進めていきたいです。
大洲の魅力が詰まったさまざまな返礼品をご用意していますので、ふるさと納税をされる際は、ぜひご覧いただき、気になるものをお申込みいただけたらと思います。
ー本日はご紹介いただき、ありがとうございました!
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。