ハモ、練り物、ラーメンなどグルメ充実!徳島県小松島市のふるさと納税返礼品を取材
海から近く、かつては港町として栄えた小松島市。漁場に恵まれており、全国トップクラスの漁獲量を誇るハモをはじめ、魅力的な水産物や水産加工品がふるさと納税の返礼品としても並んでいます。
今回は、小松島市の人気のふるさと納税返礼品や注力している事業について、小松島市役所企画政策課主任の柿田圭裕さんにお話を伺いました。
教育や医療が充実した暮らしやすいまち、徳島県小松島市
―本日はよろしくお願いします。まずは、小松島市について教えていただけますか?
小松島市は徳島県の東部、紀伊水道に面しています。県庁所在地である徳島市と、青色発光ダイオードを製造する企業があることなどで知られる阿南市に挟まれた、人口約3万5,000人の小さなまちです。
徳島市へはJRで約25分とアクセス良好で、当市はベッドタウンとしての側面があります。また、徳島空港へは車で約50分、大阪へは約2時間半でアクセス可能です。
特殊医療病院がある当市は医師の数が多く、発達障害をもつ方が通う学園の高等部もあるなど、教育や医療が充実したまちとなっています。
たぬきにまつわるスポット、四国最大級の産直市。ユニークな見どころ多数!
ー小松島市ならではのスポットはありますか?
当市は徳島県内で最も面積が小さく、車があれば5〜6時間で大体の場所を見て回ることができます。元々港町なので、フェリーターミナルの他にコンテナターミナルもあり、最近では、大型の外国船籍のクルーズ船がよく訪れています。
また、小松島市にはたぬきにまつわるスポットがたくさんあります。
江戸時代の民話「阿波狸合戦」に登場するたぬきを祀っている金長(きんちょう)神社や、金長神社の近くにある小松島ステーションパーク内のニホンフラッシュたぬき広場には、高さ5m・胴まわり5m・重さ5トンの世界一大きなたぬきの銅像があります。
この銅像の前で手をたたくと、音に反応して銅像の背後の滝から水が流れるというおもしろい仕掛けもされていますよ。
同パーク内には、国鉄小松島線・小松島駅開業当時の駅舎を再現し、蒸気機関車を展示しているワークスタッフSL記念広場もあります。最近は子ども向けの遊具が新調され、土日は子連れの方を中心に賑わっています。
また、四国88ヶ所の18番札所恩山寺と19番札所立江寺があり、立江寺は宿坊として宿泊することもできる魅力ある場所です。歴史に興味のある方はとくに楽しめるスポットだと思います。
ーユニークなスポットがたくさんありますね。他におすすめの場所はありますか?
小松島市には、四国最大級の売り場面積を誇る産直市「あいさい広場」があります。
平日は地元の方々、土日は観光客を中心に賑わっており、特に土日の朝は列ができるほど多くの方が訪れる人気の市場です。夕方になるとほとんどの商品が売り切れてしまうため、午前中に行くのがおすすめです。
小松島市や周辺地域で採れた新鮮な商品が並び、お惣菜やお弁当、お土産も販売されています。
お弁当を買って公園で食べてから港や海を訪れたり、お寺を巡ったりといった楽しみ方もおすすめです。また、あいさい広場にはフードコートやコワーキングスペースも併設されています。
ちなみに、私のおすすめスポットは日峰(ひのみね)山です。標高約192mの山で、「阿波三峰」のひとつに指定されており、紀伊水道や鳴門・淡路方面、天気が良ければ和歌山地方も遠望できます。
車で山頂まで行くことができて、頂上広場には駐車場展望台が完備されています。ドライブコースや憩いの場として人気です。
ハモやしらす、ちりめんなど水産物・水産加工品が人気
―小松島市のふるさと納税では、どのような返礼品が人気ですか?
鮭や、全国トップクラスの漁獲量を誇るハモなどの水産物が人気です。紀伊水道のあたりに良い岩礁があり、魚がたくさん生息しています。
ハモは細かい骨が多数あるので、骨切りという作業をして、食べやすい大きさにカットした状態でお届けしています。この骨切りには非常にこだわっており、寄附者の皆様にもご満足いただけているポイントです。
ハモといえば湯引きやお吸い物で食べるイメージがあると思いますが、ぜひ鍋などさまざまな料理で楽しんでいただきたいです。小松島漁業協同組合が提供しているハモ商品は、スープが付いているものもあります。
―天然のハモ、ぜひいただいてみたいです!他の水産物についてもご紹介いただけますか?
和田島産のしらすやちりめんなどの水産加工品も人気です。こちらは和田島漁業協同組合から提供いただいています。
また、小松島市にはかつて10店舗以上の練り物業者がおり、今も竹の周りにすり身をまいて焼き上げた「竹ちくわ」や、白身魚のすり身にお店秘伝のスパイシーな味付けをして揚げ焼きした「フィッシュカツ」が名産品です。
フィッシュカツは、少しあぶってビールのおつまみにしたり、小さく切って焼きそばやお好み焼きに入れたりして、徳島の方は日常的に楽しんでいます。
老舗店のポン酢や醤油、行列ができるラーメン店の中華そばもおすすめ
ー柿田さんのおすすめの返礼品はありますか?
まず、明治30年から続く濱醤油醸造場の醬油やポン酢です。同店は素材からこだわって国産のものだけを使い、じっくりと時間をかけて熟成させています。
その味が認められ、全国で厳選された商品だけが並ぶ全日空羽田空港国際線ラウンジ内のダイニングでも「すだちポン酢」が採用されています。
2つ目は、岡本中華の中華そばです。岡本中華は地元の方だけでなくラーメンファンの方から広く知られているお店で、土日は行列ができるほど人気です。
返礼品としてスープやチャーシューもセットになったものが提供されているので、遠方の方もぜひ味わっていただければと思います。
ふるさと納税をきっかけに生まれた好循環
―小松島市にふるさと納税をされた方からの感想をお聞かせください。
「クルージングで寄港した際に徳島県の魅力にふれて感動し、寄付させていただきました」「幼少期は徳島県内に住んでおり、親の実家に行く際はいつも小松島市から出ていったのを覚えています。懐かしくて寄付しました」といった声をいただいており、大変ありがたく思います。
また、返礼品を提供しているお肉屋さんには「ふるさと納税以外でも購入するには、どうしたら良いでしょうか」と寄付者の方からお電話があったそうです。
このように、小松島市に縁がある方や観光をきっかけに寄附をしてくださった方もいる一方、「ふるさと納税で初めて小松島市を知りました。応援しています」といったメッセージをいただくこともあります。
ふるさと納税をきっかけに関係人口が増え、再度小松島市を訪れてくださったり、別の形で支援してくださったりと、好循環が生まれていると感じています。
定住人口の維持・増加を目指し、住民が満足できるまちづくりを
ー今後の目標やご計画がありましたらお聞かせください。
小松島市では、定住人口の維持・増加に力を入れて取り組んでいこうと考えています。
隣の徳島市が人口約25万人、阿南市が約8万人であるのに対し、小松島市の人口は約3万5,000人です。将来的な人口減少は避けられず、消滅の危機にある都市だと考えています。
そのような状況下では、現在当市に暮らしている方々が幸せになれるように取り組んでいくことが必要だと感じています。
とくに仕事と子育てが両立しやすい環境づくりは重要ですが、地方ではなかなか整備が進んでいない部分もあります。また、子育て以外にも親の介護がある、希望の求人がないなど、さまざまな理由で働けない方が小松島市にはたくさんいます。
そこで、地方にいながら多様な働き方ができて、一定の収入が得られるよう、オンラインで仕事をするために必要なリスキリングの支援を行っています。
具体的にはセミナーの開催、ITスキル習得支援、インターンシップの機会提供等を行い、企業とのマッチングも支援しています。
また、教育事業にも力を入れています。例えば、小学校ではダンスが必修科目となりましたが、学校の先生方が子どもたちにダンスの楽しさを伝えるのは簡単ではありません。
それなら、本職のダンサーを講師として迎えようということで、マドンナさんのバックダンサーも務めたケント・モリさんに講師になっていただきました。ビデオ教材やオンライン授業を活用しながら、ダンスの楽しさを伝えていただいています。
都市圏ではなくても、今は色々な方とつながり、さまざまな機会を生み出せる時代です。広い世界を見ながら、小松島市で学び育った記憶を子どもたちに大切にしてもらえたらと思います。
単なる子育て支援や高齢者支援、まちの活性化というよりは、人を育て、人と人をつなぐ取り組みをしたいというのが小松島市の考えです。
ふるさと納税を通じて小松島市のことを知ってくださった方々に、小松島市が取り組んでいる事業についても知っていただくことができれば、新たな展開が期待できると思います。
―最後に、マネ会読者へメッセージをお願いします。
ふるさと納税は単に特産品を購入するだけではなく地域を応援できる側面もあり、普通の買い物にはない面白さがあると思います。
地域のことも調べてみると、思いがけない発見や出会いがあるかもしれません。ふるさと納税を通した出会いを、ぜひ楽しんでいただければと思います。
―本日は、貴重なお話をありがとうございました!
小松島市役所 企画政策課 主任
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。