農業と工業のまち、茨城県古河市とは?ふるさと納税の人気返礼品についてインタビュー
茨城県古河市は、関東の中心に位置する、農業と工業が盛んなまちです。ふるさと納税の返礼品は、耐熱ガラス製品やスナック菓子、お米、新鮮なバラの花束、卓球のラケットなど、多種多様な返礼品がそろっています。
今回は古河市の魅力とふるさと納税について、古河市ブランド戦略室の稲垣さんと倉持さんにお話を伺いました。
交通の利便性が高く、自然も豊かな茨城県古河市
―本日はよろしくお願いします。まず、古河市の地理的な特徴や特産品など、概要をご紹介いただけますか?
倉持さん:古河市は茨城県内で一番西側に位置しており、東京まで電車で約1時間の距離です。人口は約14万人で、県内で6番目に多い自治体にあたります。
関東の中央に位置しており、栃木県と埼玉県との県境にありますので、他県へのアクセスの良さも特徴です。
特産品については、花桃が有名です。春には、古河公方公園で約2週間、「古河桃まつり」が開催されます。
8月は渡良瀬川の河川敷で花火大会、12月には「提灯竿もみまつり」という一風変わったお祭りもあります。
提灯竿もみまつりは、市内各団体が、20メートル近い竹竿の先につけた提灯を激しく揉み合いながら、相手の提灯の火を消し合うお祭りです。
「関東の奇祭」と呼ばれており、来場された方からも「面白かった」という声がよく聞かれます。
工場数が多い古河市。ガラス製品や定番菓子の返礼品が人気
ー古河市のふるさと納税について伺います。まず、人気の返礼品を教えてください。
倉持さん:茨城県は工場立地件数が全国1位で、古河市でもさまざまな製品が製造されています。
ふるさと納税では、まず耐熱ガラスメーカーHARIOの製品が人気です。HARIOの耐熱ガラス「HARIO Glass®︎」は茨城県古河市にある日本唯一の耐熱ガラス量産工場で製造しています。
コーヒードリッパーや、フタがガラスでできたIH対応ご飯釜、保存容器など、調理器具を中心に高品質の製品が多数あります。
近年はキッチン用品だけでなく、ネックレスやピアスといったアクセサリーも、特に女性から多くお申し込みいただいています。
倉持さん:食品では、ヤマザキビスケットのチップスター、ギンビスのたべっ子どうぶつなどが人気です。チップスターは地域限定の味も用意しています。
また、古河市は農業も盛んで、お米など農産物もよくお申し込みいただいています。
―どのような方が、そうした返礼品を申し込まれていますか?
稲垣さん:HARIOのアクセサリーは、プレゼント用として選ばれる方が一定数いらっしゃるようです。スナック菓子は、「昔から好きで、懐かしくなった」方もいれば、お子さんやお孫さんのために選ばれる方もいらっしゃいます。
全体的には、老若男女問わず喜ばれる返礼品が揃っていると思います。
美しいバラ、卓球ラケット、骨ごとさんまなどユニークな返礼品も
―古河市ならではのユニークな返礼品はありますか?
倉持さん:古河の三和地区では農業が盛んであり、特にバラの名産地として知られています。
ふるさと納税でもバラの花束を農家から直送でお届けしており、お申込みいただいた寄附者からその新鮮さと美しさ、ボリュームについて大変好評をいただいています。リピーターになってくださる方もいらっしゃるほどです。
バースデープレゼントとして、母の日の贈り物としてなど、イベントごとに合わせてお申込みされる方もよくいらっしゃいます。
あとは、文化庁から「100年フード」に認定された鮒(ふな)の甘露煮も古河市の名物です。
倉持さん:古河市は渡良瀬川や利根川の流域にありますので、昔から多種多様な川魚がよく獲れる地域で、鮒の甘露煮もこうした背景から発展して郷土料理として根付きました。
魚関連では、「骨ごとさんま」「骨ごといわし」もおすすめです。骨までやわらかいため、丸ごと食べられます。完全無添加で、古河市で学校給食でも長年愛されてきました。味がよく染みているので、ご飯のお供にもぴったりです。
倉持さん:また、古河市には卓球総合用品メーカーのニッタク(日本卓球)の工場もあるため、卓球用品も返礼品として用意しています。例えば、伊藤美誠選手が長年愛用してきたモデルのラケットなどです。
―古河市は卓球人口も多いのでしょうか?
倉持さん:盛んな印象はあります。ラージボールという通常より大きいボールを使った卓球を楽しむ社会人やシニア世代も多いですし、年齢を問わず卓球を楽しむ方が多いですね。
栄養価が高いサジージュースもおすすめ
―ほかにおすすめの返礼品がありましたら教えてください。
稲垣さん:最近は、有機栽培の農産物やお米などを選ばれる方が増えてきていると感じます。そうした健康に気を遣っていらっしゃる方には、サジージュースがおすすめです。
サジーはオレンジ色の小さな果実をつけるグミ科の植物で、鉄分を豊富に含むなど、非常に栄養価が高いことで知られています。
古河市ではモンゴル原産のサジーを市内の工場でジュースに加工しています。飲み方はストレートで飲むほか、水やお湯、炭酸飲料などで割っていただくのもおすすめです。
寄附金の使い道は7つ。過去にはEVバス導入の実績も
―古河市ふるさと納税では、寄附者の方からどのような感想が寄せられていますか?
倉持さん:例えばバラを提供していただいている事業者の方には、寄附者の方々から感謝や応援のレビュー、お手紙がよく届いています。寄附者の方から感動が伝わってくると、私たち職員も非常にうれしいです。
―集まった寄附金は、どのように活用されていますか?
倉持さん:古河市では、下記7つのテーマから寄附金の使い道を指定していただけます。
市民協働
地域のみんなで古河をつくる
健康福祉
互いに支え合う古河をつくる
教育文化
人が育ち文化の息づく古河をつくる
産業労働
活力と賑わいのある古河をつくる
生活環境
安全で快適な古河をつくる
都市基盤
魅力的で利便性の高い古河をつくる
市長にお任せ
6つのテーマのいずれかに振り分け
倉持さん:令和5年度は、例えば「都市基盤」のテーマにおいて、市内を循環する7コースを運行するバス事業でEVバスを導入しました。
車体の鮮やかなブルーは、車窓から見える青空と、市を象徴する渡良瀬川及び利根川の二大河川を表現しており、シルバー・ブラックは疾走感と可能性に満ちた未来感を表現しています。
古河の魅力を、まずは市民が知ること。そこから外へとつなげたい
―古河市のまちづくりやふるさと納税について、今後の展望をお聞かせください。
稲垣さん:ふるさと納税でいただいた寄附金について、寄附者の皆さんへ還元していくような使い道も考えていきたいと考えています。
また、古河市は農業と工業の両方が盛んですので、まだまだ知られていない返礼品もあります。古河市全体の魅力を発信していきながら、ふるさと納税を活用して、古河市をもっと知っていただけるようにしたいですね。
倉持さん:事業者の皆さんの魅力を伝えることや地域振興が、ふるさと納税の趣旨だと思います。その結果、寄附額が伸びることも目指していますが、まずは古河市の存在を市外の皆さんに知っていただける機会を増やしていきたいです。
―「こがくらす」というブランディング活動も展開されていますね。ムービーがとても素敵でした。
倉持さん:「こがくらす」は、市民一人ひとりの心の中にある古河の良いところを、みんなで共有しながら市内外に発信していく活動です。
ブランドムービーは、まず市民の皆さんが「古河ってこんなところだよね」と気づき、発信につなげていく目的で制作し、動画大賞・総務大臣賞を受賞しました。
古河市のブランド戦略は、古河の魅力を内側から外側へ広めていこうというものなので、今後は外への発信にも一層注力したいと思います。
―最後に、マネ会読者の皆さんへメッセージをお願いします。
稲垣さん:古河市には、目立つ観光資源があるわけではありません。ただ、東京に近い一方で農業が盛んなので、おいしい野菜がすぐに手に入るなど、「暮らす」土地としては、とても住みやすい場所です。
倉持さん:情報発信を通じて、古河市の魅力や事業者さんを知っていただくだけでなく、その先には古河市を実際に訪れる方、関係人口を増やしていくのがブランド戦略のゴールです。ふるさと納税もその一助になればと思います。
―本日はご紹介いただき、ありがとうございました!
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