看護師の転職方法5選|転職の進め方6ステップと失敗しないためのポイントを解説
転職活動をするにあたり、何から始めていいのか分からず、悩む看護師は少なくありません。「仕事を辞めたい」という気持ちが先行して転職した結果、不満や後悔が残るケースもあります。
後悔しない転職を実現させるためには、転職方法と進め方が重要です。直接応募やハローワークの利用、転職サイトなど看護師の転職方法は様々あります。そのなかで自分に合った転職方法を選択できるかどうかが大きなポイントになります。
そこで今回は、おすすめの転職方法や基本的な転職の進め方6ステップ、転職に失敗しないための重要なポイントについて紹介します。転職活動の大事な第一歩を踏み外さないよう、転職方法を参考にしていただき、納得がいく転職の実現を目指しましょう。
看護師の失敗しない転職方法5選
看護師の転職方法は主に5つあります。それぞれの転職方法にメリットやデメリットがあるため、理解したうえで自分に合った転職方法を選択しましょう。
- ハローワークやナースセンターで探す
- 病院のホームページなどで採用情報を探す
- 知り合いに紹介してもらう
- 看護師転職サイトを利用する
- 新聞やフリーペーパーから求人を探す
自身の状況や転職におけるニーズなど、さまざまな側面を考慮して転職方法を決めると良いでしょう。ここからは、失敗しないための看護師の転職方法について、5つの転職方法を詳しく解説します。
ハローワークやナースセンターで探す
看護師の転職方法として、各都道府県に配置されている「ナースセンター」や厚生労働省が管轄する「ハローワーク」を利用して求人を探す方法があります。
ナースセンターは、看護師の人材確保促進のための無料職業紹介団体です。主に看護職への求人情報の提供や就業相談、メンタルヘルス相談などを実施しています。医療技術の講習会など、ブランクがある看護職の方が復職を目指せるよう研修を開催しています。
ナースセンターで働く職員全員が看護職経験者であり、求職者に寄り添った具体的なアドバイスや求人紹介をしてくれるのが特徴です。
また、ハローワークは全国544ヶ所に設置されており、都市部だけでなく地方でも多くの求人を扱っています。
ハローワークは公的機関であり 、担当者も中立的な立場で転職サポートをしてくれるため、気軽に相談しやすいメリットがあります。履歴書などの応募書類の書き方や面接対策などのサポートもおこなってくれます。
病院のホームページなどで採用情報を探す
看護師の転職方法として、病院や施設のホームページの採用情報から求人を探す方法もあります。働きたい職場が明確に決まっている場合には、直接Webサイトから求人情報を確認するのがおすすめです。
職場によっては、企業理念や求める人物像、職場内の写真などの情報をホームページに掲載していることも多いです。
職場の雰囲気もイメージしやすくなるため、もしほかの方法で転職活動を進めていく場合でも、一度ホームページで情報収集してみましょう。
注意点として、ホームページには採用情報を載せていない病院や施設もあります。看護師が転職する際には、職場をホームページの情報だけで判断せず、様々な求人媒体から情報収集することをおすすめします。
知り合いに紹介してもらう
同僚の看護師や先輩看護師など、知り合いから転職先を紹介してもらう転職方法もおすすめです。信頼できる人からの紹介となれば、一般公開されている求人情報より信ぴょう性も増し、安心感があります。
また、実際にその職場に勤務している看護師にしか分からないような内部事情も事前に把握できる可能性があり、ミスマッチを防ぐこともできます。
病院や施設側も、見ず知らずの看護師を採用するよりも、職員からの紹介という安心感のもと採用できるメリットがあります。最近では「リファラル制度」を導入する職場も多く、紹介での看護師の採用を促進しています。
注意点としては、転職の結果や内容によっては、紹介者との人間関係に影響してしまう可能性もあります。
また、もし魅力を感じない条件だった場合、断りづらくなるといったデメリットもあります。信頼できる看護師からの紹介だからこそ、慎重に検討する必要があります。
看護師転職サイトを利用する
看護師の転職方法には、看護師専用の転職サイトに登録して、無料の転職サポートを受ける転職方法もあります。
看護師の仕事や、業界を熟知したキャリアアドバイザーによるサポートを受けながら、効率的かつスピーディーに転職活動を進められます。
求人の紹介をはじめ、履歴書の添削や面接対策など、転職のポイントを踏まえて転職のプロからアドバイスを受けられます。初めての転職で不安が多い看護師でも、心強い味方になるでしょう。
場合によっては、複数の転職サイトを利用するのもおすすめです。また、希望条件に近づけるための条件交渉を代理でおこなってくれるため、より好条件での転職を実現したい看護師にも非常に有効です。
新聞やフリーペーパーから求人を探す
新聞やフリーペーパーを用いて求人を探すことも出来ます。
この方法のメリットは、主に地元密着型の情報が手に入る点にあります。新聞の求人広告は、特に地元の病院やクリニックの求人情報が多いため、地元で働きたい方には適しています。
また、日々更新されるため、常に新しい情報を得られます。
しかし、デメリットがあることにも注意しましょう。新聞やフリーペーパーの求人情報は、掲載される情報量が限られているため、掲載内容も短く、詳細な情報が得られないことが多いです。
具体的な使用例としては、新聞の求人広告を見つけ、その中から気になる病院の情報を取り出すというものです。その後、直接病院に問い合わせたり、自身で病院の評判を調べるなどして、情報を追加する必要があります。
新聞やフリーペーパーを用いた求人探しは、手軽さと地元密着型の情報が魅力ですが、情報量や詳細性に欠けるというデメリットがあることを理解しておくべきです。そのうえで、他の情報源と組み合わせて利用すると、より良い転職活動がおこなえます。
看護師が転職するための6ステップ
看護師の平均的な転職活動の期間は、内定を獲得するまでおよそ1ヶ月程度です。仕事をしながら転職活動をする看護師もいるため、転職活動にどのくらいの時間を掛けられるかを考慮しながら期間を決めると良いでしょう。
特に、初めての転職の場合、何を基準にスケジュールを立てて良いか分からないという看護師も多いです。まずは、転職活動のおおまかな流れを理解し、全体のイメージを把握しましょう。
- 希望する勤務条件を考える
- 求人を探す
- 求人に応募する
- 選考を受ける
- 内定をもらう
- 退職の手続きをする
ここからは、看護師が転職するための基本的な6つのステップを紹介します。
希望する勤務条件を考える
最初におこなうことは、転職先に求める勤務条件を決めることです。希望条件を明確にすることで、ある程度求人を絞り込めるため、スムーズな転職先選びが可能になります。
希望条件を決めるポイントは、自身の転職動機を明確にすることです。例えば「給料が安い」という理由で転職を考えたのであれば、新しい職場に求める条件は「前職以上の給与」であることが分かります。
自分がなぜ転職したいのかを考え、その理由から自分が何を求めているのかを分析してみましょう。
また、希望条件が複数あるケースも多いです。あまり多くの希望条件で求人を探しても、すべての条件をクリアする職場を見つけるのは難しいです。
希望条件に優先順位をつけ、転職をとおして実現したい条件から順にリストアップするのがポイントです。
求人を探す
希望の勤務条件を明確にできたら、その条件をもとに希望に沿った求人を探します。実際に求人情報を確認してみることで、希望条件がさらに具体的になることもあります。
また、様々な求人から情報収集をすることで、待遇面などの比較ができます。求人を探す方法として「自分で探す方法」「転職サービスを利用する方法」の2つがあります。
自分で探す方法では、Web求人サイトやホームページで探す方法、都道府県ナースセンターやハローワークを利用する方法などがあります。
転職サービスを利用する方法では、担当のキャリアアドバイザーが求職者から希望条件をヒアリングし、希望に合った求人を紹介してもらえます。どちらの方法にもメリット・デメリットがあるため、自分に合った方法で求人探しをおこないましょう。
求人に応募する
希望条件に合う求人を見つけることができたら、応募書類を作成しましょう。応募書類は主に履歴書と職務経歴書があり、応募先の病院や医療機関から指定されたものがあれば、それを提出します。
また、応募書類に指定のフォーマットや細かい指示などがある場合は、必ず指示に従って作成しましょう。
応募する方法として、郵送やメールで送る場合もあれば、対面で手渡す場合もあります。また、訪問してそのまま職場見学をしたり、採用面接を受けたりするケースもあります。
そのため、応募時に職場を訪問する際はフォーマルな服装にするのがベターです。
選考を受ける
書類選考に通過したら、いよいよ面接による選考を受けます。応募書類の内容に沿った面接対策をするために、提出する履歴書や職務経歴書はコピーしておくと良いでしょう。
面接本番でスムーズな受け応えができるよう、さまざまな質問を想定して答えるべき内容を整理しましょう。余裕があれば応募先の病院や施設の情報収集をし、その内容に対して質問を考えておくと、意欲を示せるでしょう。
面接において、志望理由や自己紹介は必ず聞かれるため、効果的なアピールができるように準備しておく必要があります。ほかにも、明るい表情で前向きな姿勢やモチベーションの高さをアピールしましょう。
面接に自信がない人は、転職サイトのキャリアアドバイザーに相談し、面接対策をサポートしてもらうのがおすすめです。
内定をもらう
内定の結果連絡は、郵送や電話でおこなわれるのが一般的です。
内定を貰った場合は、すぐに返事をすることがマナーです。応募先の施設により異なりますが、面接を受けてから採用結果の連絡までは1〜2週間程度であることが多いです。
もしほかに受けた職場の選考結果を確認してから返事をしたい場合は、先方へ返事を待ってもらえるか問い合わせる必要があります。ただし、返事の期限は長くても1週間を目安にすることを心得ておきましょう。
退職の手続きをする
内定の承諾をした後は、現在の職場へ退職の意思を伝えます。法律上は退職日の2週間前までに退職の意思表示をすれば問題ありませんが、職場に就業規則などの規定があればそれに従いましょう。
また、2週間後に辞めるとなれば、業務の引き継ぎや看護師の補充等の対処が間に合わず、職場の負担が大きくなりかねません。円満な退職を希望するのであれば、退職日の1〜2ヶ月前までには退職を申し出ると良いでしょう。
業務の引き継ぎも退職前の大事な役目です。引き継ぎの際は、これまで自身がおこなってきた業務を細かく洗い出します。最終出勤日から逆算したスケジュールを立てて、後任の看護師への共有・指導をしましょう。
書類の受け取りや備品等の返却、ロッカー内の整理なども計画的に済ませておくことで、スムーズな退職ができます。
看護師が転職に失敗しないための重要なポイント
看護師が転職活動を始めるにあたって、事前準備もなしに進めてしまうと転職後のミスマッチの原因になりかねません。
転職に失敗しないためにも、重要なポイントを抑えたうえで転職活動に臨みましょう。
- 転職時期から逆算して準備を始める
- 転職の目的を明確にする
- 自分のスキルと経験を洗い出す
- 求人が豊富な時期は転職が成功しやすい
これらのポイントを踏まえて転職を始めることで、転職活動をスムーズに進められるだけでなく、ミスマッチを防いで失敗しない転職の実現に大きく近づくでしょう。
それでは、看護師が転職に失敗しないための重要なポイントについて、それぞれ解説していきます。
転職時期から逆算して準備を始める
看護師が転職活動のスケジュールを組む際には「逆算」方式で準備を始めるのがおすすめです。
新しい職場の入職日をゴールとして考えるのでなく、まず入職日を設定するところから始めましょう。
入職日から現在にかけてのステップごとのスケジュールを立てることで、転職活動を計画的に進められます。
特に、看護師が在職中に転職活動をする場合は、仕事が忙しくなると転職活動が後回しになりがちです。明確なゴールを決めた状態でスケジュールを組むことで、転職活動もスムーズに進められるでしょう。
転職の目的を明確にする
看護師の転職で大切なことは「なぜ転職をするのか」という転職の目的を明確にすることです。転職目的や希望条件を明確にすることで、応募先を絞ることができ、情報収集を効率的に進められます。
反対に、転職目的が明確になっていないと、数ある求人のなかから自分の希望に合った転職先を見つけるまでに、多大な時間を要します。
また、希望条件に合わない職場に転職してしまう可能性も高くなります。
まずは看護師を辞めたい理由や不満を整理することで、自分が求めている条件や転職の目的を明確にすることから始めましょう。
自分のスキルと経験を洗い出す
看護師が転職する際には、自分が今までに培ってきたスキルや経験を振り返っておくことも重要です。
転職活動では、自分がどんな人間であり、何が長所で何が短所であるかなどの自己分析は欠かせません。
志望動機や自己PRの際には、これまでにどのような業務を経験し、どのようなスキルを身につけたかを伝えることも、選考を通過するための重要なポイントとなります。
スキルや経験を把握することで、履歴書や職務経歴書の作成がスムーズになるだけでなく、面接で話す内容を整理できるメリットがあります。
そのため、自分のスキルや経験を洗い出し、言語化して他人に伝えられるように整理しましょう。また、それらを把握しておくことで、看護師が転職先を選ぶ際の基準にもなります。
求人が豊富な時期は転職が成功しやすい
看護師の求人が豊富な時期を見極めることも、転職を成功させるための重要なポイントです。
求人数は月ごとに変動があります。多くの医療機関が人員の増強や入れ替えをおこなう時期に転職活動をおこなうことで、自分の条件にマッチする求人を多く見つけられ、選択肢を広げることができます。
例えば、特定の診療科に興味があり、働ける医療機関を探していた場合であっても。求人数が少ない時期だと希望する求人があまり見つからない場合があります。
1月頃など求人数が多い時期に求人サイトを見てみると、募集をかけている医療機関も多いため、希望に沿った特定の診療科に転職できる可能性も高くなります。
求人が豊富な時期を見極め、そのタイミングを利用することで、自分の希望にぴったりの職場を見つけやすくなります。
看護師の転職成功率が高い時期について、下記の記事も参考にしてみてください。
看護師の転職方法は転職サイトがおすすめ!
ここまで看護師の転職方法としてさまざまな方法を紹介してきました。それぞれの転職方法にメリットがありますが、総合的におすすめな転職方法は「転職サイトを有効活用すること」です。
転職が初めての看護師や、何度か転職を経験している看護師でも、転職活動において手厚いサポートを無料で受けられるためです。
そこで、ここからは看護師の転職におすすめの転職サイトを3つ紹介します。
- 看護roo!
- レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
- マイナビ看護師
それでは、看護師の転職方法におすすめの転職サイト3選をそれぞれ紹介していきます。
看護roo!
看護roo!は、医療職のキャリア支援に強みを持つ株式会社クイックが運営する転職サービスです。30年以上にわたる転職支援実績があり、転職サポートのほかにも、看護師に役立つ関連サービスを複数提供しています。
面接に関するサポートに力を入れているのが特徴で、専任のアドバイザーから面接の対策や履歴書作成のサポートをしてもらえます。また、面接でよく聞かれる質問の傾向まで教えてもらえるため、面接に不安を持つ看護師にはとても心強いサービスです。
また、47都道府県の求人を取り扱っており、特に都市部の求人数が豊富なことも特徴のひとつです。都市部に住んでいる看護師や、都市部への転職を考えている看護師にもおすすめできる転職サイトといえるでしょう。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
レバウェル看護は、14万件以上の圧倒的な求人数を誇る看護師転職サイトです。全国の求人に対応しており、都市部だけではなく地方の求人も多いのが特徴です。
都市部からの地方転職にも活用できるため、Uターン転職を検討している看護師にもおすすめできるといえます。また、年間4,000回以上の病院・施設訪問を実施しており、キャリアアドバイザーが保有する情報は充実しています。
診療科ごとの人間関係や職場の雰囲気、働き方に対する考え方など、求人票には載らない内部情報を事前に把握することができるため、転職後のミスマッチを防ぎやすいでしょう。
あらゆる情報収集をしたうえで慎重に転職活動を進めていきたい看護師にも使いやすい転職サイトです。担当のアドバイザーとのやりとりはLINEから気軽に取れるため、電話で連絡するのが苦手な看護師におすすめです。
マイナビ看護師
マイナビ看護師は、人材派遣や転職サポートで高い知名度を誇る株式会社マイナビが運営する看護師転職サイトです。
医療転職全般に携わっているため、医療機関とのつながりが強く好条件の求人が集まりやすい特徴があります。全国21ヵ所に相談会場があるため、地方在住の方やUターンを考えている方も対面での転職相談が可能です。
また、キャリアアドバイザーに依頼することで、病院を逆指名できる制度もあります。希望の病院があった場合、病院名を伝えることで採用枠を作ってもらえないか直接交渉してもらうことができます。
理想の職場への転職に対して強い意志がある看護師にも心強いサポートです。
まとめ
この記事では、看護師の主な転職方法や、具体的な転職活動の進め方、転職前に考えておくべきポイントについて紹介しました。
看護師の転職方法は複数ありますが、進め方の基本や踏まえるべきポイントは、どの転職方法でも共通して重要です。転職活動を始める前に、必ず事前準備をしたうえで取り掛かるようにしましょう。また転職方法においても、自分に合った転職方法を選ぶ必要があります。
それでも、どの転職方法が自分に合っているのか分からないという看護師も少なくありません。少しでも不安や自信がない看護師は、まずは看護師転職サイトの利用をおすすめします。
看護師転職サイトに登録したからといって、必ず転職しなければならないわけではありません。一部のサービスだけ利用したい場合でも、看護師転職サイトを利用して転職活動を進めることは可能です。
また、複数の看護師転職サイトを同時に利用する方法もおすすめです。転職は人生において大事なイベントです。あらゆる転職方法を試してみて、後悔のない転職を実現させてください。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。