看護師が「辞めてよかった」と思える転職をするためには?転職理由やポイントを紹介
仕事をするなかで、仕事や職場に対する悩みや不満を抱えることは多いですが、それは看護師として働く場合も同じです。
今の仕事や職場に満足していない場合は、転職を検討するのもひとつの選択肢ですが、これまで転職をした経験がなければ、転職に対して及び腰になってしまうことも考えられるでしょう。
転職先として再び病院を選ぶのか、それともほかの施設や働き方を選ぶのかも、人によっては悩みどころかもしれません。
この記事では、看護師が職場を辞める理由や転職時に重視する要素、転職先としておすすめの職種などについて説明します。
転職時に利用すると便利な転職サイトのなかからおすすめのものも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
看護師が職場を辞めた理由は?多くの人が抱える悩みとは
看護師が職場を辞める理由は人それぞれですが、多くの人が理由として挙げる内容を確認することで、自身の職場環境を見直すきっかけになることもあります。
厚生労働省がおこなった「看護職員就業状況等実態調査結果」のデータをもとにして、看護師が職場を辞める理由として多くの人が挙げた理由を確認していきましょう(※)。
結婚・出産・育児のため
結婚・出産・育児は、職場を辞める理由として挙げられることが多いですが、それは看護師の場合でも同じです。
看護師の仕事はかなりハードなので、結婚によって生活環境が変わったり、出産・育児で家でも忙しい状態が続いたりといった状態で仕事を継続するのは、なかなか厳しいことも多いです。
結婚・出産・育児を理由に看護師を辞める方のなかには、「まだ働きたかった」という気持ちを抱えている方も多いかもしれません。
他施設への興味によるもの
自分が今勤めている職場よりも魅力的な職場を見つけた場合、そちらに興味を持ってしまい転職に至るということも考えられます。
今のところよりも待遇が良い、通いやすい、仕事にやりがいがあると感じれば、転職という選択肢を検討するのはごく自然なことでしょう。
また、病院から病院へ転職するのではなく、ほかの施設に転職することもあり得ます。
介護施設などは看護師としての経験を活かして働きやすいので、そういった職場に転職するケースもあるでしょう。
人間関係の問題
看護師は同僚の看護師はもちろんのこと、医師や患者・患者の家族など、さまざまな人と接点を持ちながら仕事をする必要があります。
そのため非常に密な人間関係のなかに身を置くことになりますが、ひとたびその関係が息苦しいものだと感じてしまえば、その職場で働き続けることはしんどくなるでしょう。
仕事自体は楽しいものだと感じていれば、人間関係をリセットするためにほかの職場への転職を検討するのは、現実的な選択肢のひとつです。
転職時に重視した要素は?
転職を検討する場合に転職先にどのような要素を求めるかは、転職を思い立った理由によって人それぞれだと思います。
先ほどと同じく、厚生労働省がおこなった「看護職員就業状況等実態調査結果」のデータをもとにして、看護師が転職先を決めるときに重視した要素を確認していきましょう(※)。
通勤の利便性
通勤の利便性は、仕事を無理なく続けるために重要なポイントのひとつです。
通勤に片道2時間かかる場合と自転車で10分程度の場合では、どちらのほうが体力的・精神的に余裕があるかは明らかでしょう。
通勤に多くの時間を割いているが、家の近くに今と待遇があまり変わらない職場があるという方は、転職を検討してみても良いかもしれません。
勤務時間・休暇
勤務時間が自分の希望どおりになるか、休暇が取りやすいかということも、職場選びでは重要な要素です。
看護師は体力的にハードな仕事だからこそ、取るべきときにきちんと休息を取ることができなければ、どんどん疲労が溜まっていき体を壊してしまうことになりかねません。
勤務時間や休暇の希望がとおりやすいかどうかは、その職場で十分な人数の看護師を確保できているかによるところも大きいので、確認できるようであれば事前に確認しておくと良いでしょう。
人間関係の良さ
先ほどお伝えしたように、看護師は密な人間関係のなかで働くことになるので、人間関係が良くなければなかなか仕事は長続きしません。
風通しが良くお互いに意見を言いやすい環境や、看護師・医者・患者がお互いにリスペクトを持って接し合えるような環境は、看護師として働きやすい職場といえます。
実際の人間関係は働き始めてみるまでわからないことも多いですが、その職場で働いている(以前働いていた)人が知り合いにいる場合、様子を聞いてみるのもありかもしれません。
給与額
仕事として看護師をおこなっている以上、給与額ももちろん重視すべき要素です。
一生懸命身を粉にして働いても、得られる給与がほんのわずかであれば、モチベーションも向上しないですし職場への愛着も湧かないでしょう。
転職を検討する場合は、今より多くの給与をもらえる職場を中心に探すのがおすすめです。
転職先におすすめの職種は?
看護師からほかの職種に転職したい場合、転職時にどのような要素を重視するかによって、検討すべき職種は変わります。
通勤の利便性は、それぞれの方のお住まいがどこかによって大きく変わるため省きますが、そのほかの要素(勤務時間や休暇、人間関係、給与額)それぞれを重視する場合におすすめの職種について、以下で紹介します。
勤務時間・休暇を改善したい人におすすめの職種
勤務時間や休暇を改善したい人におすすめの職種としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 一般企業や保育園に勤める看護師
- 保健師
- 治験コーディネーター
- ケアマネージャー
看護師は、病院ではなく一般企業や保育園などに勤める形で働くこともあります。
どちらの場合も基本的に夜勤や土日祝日の出勤はないので、看護師としての仕事をしながら、勤務時間や休暇を改善したい場合にはおすすめです。
保健師は、保健所や自治体の役所などに勤務して、公衆衛生や疾病予防などに携わる職業です。
国家資格である保健師資格を取得し、自治体がおこなう公務員試験に合格する必要はありますが、公務員として働くことになるので勤務時間や休暇には余裕が持てるようになるでしょう。
治験コーディネーターは、新薬開発の治験がスムーズに進むように、病院・製薬会社・患者のサポートをおこなう仕事です。
看護師として培ってきた経験やスキルを活かしやすいですし、仕事は基本的に平日の日勤のみです。
ケアマネージャーは、要介護状態にある人が適切なサービスを受けられるように、本人や家族と話し合ったうえでケアプランを作成する専門職です。
業務時間外の相談や呼び出しがないわけではありませんが、基本的には平日の日勤のみで土日祝日は休むことができます。
ケアマネージャーの資格を取得する必要があるため、少しハードルが高い点には注意しておきましょう。
人間関係を改善したい人におすすめの職種
人間関係を改善したい人におすすめの職種としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 医療事務
- 献血看護師
- 心理カウンセラー
医療事務は、医療機関における事務仕事をおこなう職種です。
医療費の計算やカルテの整理といった事務作業が主な仕事となるので、看護師ほど密な人間関係のなかで働くことはありません。
医療事務の資格は民間の資格なので、働くために取得が必須なわけではありませんが、取得しておいたほうが転職には有利に働くでしょう。
献血看護師は、献血ルームや献血バスなどで、献血および献血に付随する検査などをおこなう職種です。
一緒に働く同僚はある程度固定されますが、献血を受けに来る人は毎日変わるので、人間関係に悩まされることも少なくなるでしょう。
心理カウンセラーは、カウンセリングなどによって企業の社員のメンタルケアをおこなう職種です。
基本的に自分は頼りにされる立場ですし、常に同じ相手のケアをおこなうわけでもないので、人間関係で困ることも少ないはずです。
給与額を改善したい人におすすめの職種
給与額を改善したい人におすすめの職種としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- フィールドナース
- 美容クリニックの看護師
- 臨床開発モニター
フィールドナースは、医療機器メーカーなどに勤務して自社製品の営業サポートをおこなう職種です。
自社の医療機器を対外的に紹介するのが主な仕事で、「クリニカルスペシャリスト」や「クリニカルアドバイザー」と呼ばれることもあります。
看護師の資格や臨床経験のある人は重宝されやすいので、看護師から転職することでこれまでよりも多くの収入を得られる可能性が高いです。
美容クリニックの看護師は、美容クリニックに勤務して施術の介助や治療後の観察・指導などをおこないます。
ノルマが課せられる職場が多く、プレッシャーを感じることもあると思いますが、その分給料は高めに設定されていることが多いです。
臨床開発モニターは、治験を実施している医療機関が法律やルールを遵守して治験をおこなっているかを、確認する職種です。
薬剤師やMRなどから転職してくる方も多く、転職の倍率も高めですが、その分高収入が期待できる職種でもあります。
転職を成功させるための3つのポイント
看護師の方が転職を成功させるためのポイントとしては、主に以下のようなことが挙げられます。
- 不満点を改善できること
- 勤務条件を具体的に確認すること
- 職場の評判や雰囲気がわかる転職サイトを利用する
それぞれのポイントについて詳しく説明します。
不満点を改善できること
転職を検討しているからには、今の職場に何かしらの不満があることと思います。
その不満を解消できるようなところを転職先として選ぶことは、転職を成功させるための絶対条件です。
通勤時間が長いことに不満を感じているのであれば、家の近くを中心に検討すべきですし、夜勤が多いことにうんざりしているのであれば、シフトに融通が利きやすいところを中心に検討しましょう。
勤務条件を具体的に確認すること
病院や企業が出している求人票には勤務条件が記載されているので、それらをもとにして転職先を取捨選択することになります。
ただ、求人票に記載されている内容が現実の勤務体系に即していないようなことも、残念ながらないわけではありません。
魅力的な勤務条件のところに応募する場合でも、面接の場などで勤務条件を具体的に確認して、求人と現実の差がないことを確認するよう心がけましょう。
職場の評判や雰囲気がわかる転職サイトを利用する
転職先を検討するにあたって、職場の評判や雰囲気は重要な要素のひとつです。
それらは本来、実際に働いてみたりそこで働いている(働いていた)人に聞いたりしなければ、わからないことです。
しかし転職サイトのなかには、それぞれの職場の評判や雰囲気まで調べられるようなものもあります。
そういったサービスを利用して転職をおこなうことで、納得のいく転職先に出会いやすくなるでしょう。
職場の評判や雰囲気まで調べられる転職サイト3選
職場の評判や雰囲気を調べることができる転職サイトとしては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 看護roo!
- ナース人材バンク
- レバウェル看護
それぞれのサービスの特徴や強みを、詳しく説明します。
看護roo!
看護roo!は30年以上にわたる転職支援実績があり、特に医療職に関するキャリア支援が充実しています。
面接への同行もしてくれるため、直接聞きにくいことも代わりに聞いてくれたりと、しっかりとサポートを受けることができます。
初めての転職で不安な人やまずはプロに相談したい人にもおすすめです。
都市部の求人数が豊富なため、都市部に住んでいる方や都市部への転職を考えている方も多くの職場から選ぶことができる分、人間関係の良い職場も見つけやすいです。
ナース人材バンク
「ナース人材バンク」は看護師専門の転職サイトで、転職実績が高く利用者満足度も高い転職エージェントです。
公開求人だけではなく、一般には公開されていない非公開求人も多いので、転職先の選択肢を増やしたい人は登録しておいて損はありません。
ナース人材バンクでは北は北海道から南は九州まで、その地域を担当するキャリアアドバイザーが在籍しています。
担当者から、求人票だけではわからない内容など、詳しい情報を聞けるケースもあるので、満足度の高い転職が期待できるでしょう。
希望に合った求人について条件面だけでなく、職場の雰囲気や人間関係などもあわせて紹介してくれます。もちろん希望に合わない場合は断ることもできます。
またサイト上で求人検索をすると、地域ごとの全体的な求人の傾向を見ることができます。
他社で転職を考えている方も、一度覗いてみると転職活動に生かせる情報が知れるでしょう。
レバウェル看護
レバウェル看護の特徴は、10万件を超える圧倒的な公開求人数の豊富さで、できるだけ多くの求人を見たい方にオススメの転職サイトです。
年間4,000回以上の施設訪問による取材結果の一部が公開されており、取材結果を各施設の求人票から確認できます。
その施設で働く魅力や実際に勤務されている看護師へのインタビューなど、写真つきで詳細に紹介されています。
サイト内には「職場インタビューあり」求人が掲載されていますので、実際に働く前に、じっくり企業のことを調べたい方におすすめできます。
不満点を改善して「辞めてよかった!」と言える転職を
看護師が仕事を辞める理由は人それぞれですが、結婚・出産・育児のため、人間関係の問題といった理由で辞める人が多いです。
転職を検討する場合は、今の職場で不満に思っている部分(通勤時間や給料など)を解消できる職場に候補を絞ることで、納得のいく転職をおこなえるでしょう。
職場の評判や雰囲気などは実際に働いてみないとわからないことが多いですが、求人・転職サービスのなかにはそれぞれの職場の評判や雰囲気を調べられたり教えてくれたりするようなものもあります。
そういったサービスを利用することで、自分に合った職場に巡り合いやすくなるので、転職時にはぜひ利用を検討してみましょう。
不動産広告の営業マンを経て、現在はフリーランスのライターとして活動中。 クレジットカードやカードローンに関する知識を、公平な視点で分かりやすく伝えることを目指しています。 私生活でもいろいろなクレジットカードを使い分けながら、自分にとって最適な使い方を模索中。毎月貯まっていくポイントを見ながらその使い方を考えるのが、ひそかな楽しみ。 自分の実体験や気付きをもとにした、オリジナリティのある記事をお届けしたいと思っています。