献血看護師の平均給料は?仕事内容や働くメリットやデメリット、向いている人の特徴も解説
「献血看護師の給料はいくら?」
「献血看護師の仕事が大変で辞めたい!」
「献血看護師として働くメリットは?」
献血ルームや献血バスで働く献血看護師は、業務の範囲が広い一方で、病院勤務より給料が低めなこともあり、大変な面があります。
しかし、日勤のみで残業が少なく、休みもとりやすいなどのメリットも多いため、プライベートを重視する人にとっては働きやすい環境でしょう。
この記事では、献血看護師の平均給料や、仕事内容について解説します。
合わせて、献血看護師として働くメリット・デメリットも紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
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また、記事内ではほかにも、献血看護師に向いている人・向いていない人の特徴や、働く時の注意点も解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
献血看護師の平均給料
日本赤十字社の「東京都赤十字血液センター 採用情報」によると、献血看護師の平均給料は22万2,000~35万円です。
この月給に加えて、通勤手当や時間外手当、さらに年2回の賞与が支給されます。
1回当たりに支給される賞与が月給の3ヶ月分と仮定すると、献血看護師の平均年収は約333万~525万円と算出できます。
経験が少ない看護師の場合は、平均年収は350万円前後からスタートすることでしょう。
なお、社会保険料等が2割ほど控除されることを考えると、献血看護師の月の平均手取り額は約18万〜28万円、年間の平均手取り額は約266万〜420万円と考えられます。
ただし、献血看護師の給料は勤務先の地域や経験年数等によっても異なるため、上記の金額はあくまでも参考程度に留めておくのが良いでしょう。
非常勤の時給は約1,300円〜1,800円
パートやアルバイトなど、非常勤の献血看護師として働く場合、時給1,300円〜1,800円ほどの求人が多いです。
看護師資格を活かして働ける非常勤の求人としては、時給が高い傾向にあります。
献血看護師に興味のある人は、非常勤として働いてみることで、ある程度の給料をもらいながら業務の流れを学べるでしょう。
病院勤務の看護師との比較
厚生労働省が実施した「令和4年賃金構造基本統計調査」をもとに、看護師全体の平均年収を算出すると、以下のとおりです。
職種 | 平均給料 | 平均年収 |
---|---|---|
看護師全体 | 31万8,000円 | 約508万円 |
献血看護師 | 22万2,000〜35万円 | 約333万〜525万円 |
上記の表からわかるとおり、看護師全体と比較すると、献血看護師の平均年収は低い傾向にあります。
これは、大半の看護師が夜勤をしており、夜勤手当が支給されているためです。
一方で、献血看護師は日勤のみで働けて、残業も少ないことから、平均年収が低めになるのも理解できるでしょう。
また、献血看護師は日本赤十字社の所属であり、住宅手当・地域手当・扶養手当・通勤手当等の手厚い福利厚生に加えて、退職金などの制度も整っていることを考えると、安心して働ける職場ともいえます。
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献血看護師の仕事内容
献血の流れをもとに、献血看護師の仕事内容をご紹介します。
献血看護師がどのような役割を担うのか、具体的にイメージしてみましょう。
- 受付・問診・検査
- 採血・献血業務
- 記録・搬送・資材管理
献血看護師の仕事は、上記のような流れで進みます。
それぞれの仕事内容について、詳しく解説していきます。
受付・問診・検査
受付担当者が不在の職場では、看護師が受付業務を担当します。
受付時には問診表を確認し、献血者の健康状態や海外への渡航歴などを確認します。
また、献血できない8つの項目に該当していないかを念入りに確認することが重要です。
採血・献血業務
献血の前には、病院と同様に少量の採血をおこないます。
採血を通して、ヘモグロビン濃度や血液型、感染症等を検査し、問題がなければ献血を始めます。
献血では、短時間で採血を済ませるために、17〜18Gほどの太めの針を使用します。予防接種などで使用する針よりも痛みを伴うため、ある程度の採血スキルが求められるでしょう。
献血には「全血献血」と「成分献血」の2種類があり、全血献血では約10~15分で、200mlまたは400mlの血液を採取します。
一方で、成分献血は40〜90分かけて、最大600mlの血液を採取し、遠心分離機械で血液を分離させます。機械の操作や、採取した血液の管理、器材管理も看護師の業務です。
そして、献血看護師の大切な仕事の一つが、緊急時の対応です。
献血中や献血後に、貧血や低血圧などの症状で体調の悪い人が出た場合、看護師には素早い対応が求められます。
また、献血後は、献血者に水分補給と10分以上の休憩を促します。献血者の体調に異変がなければ、1人の献血業務が完了します。
記録・搬送・資材管理
献血が完了したら、献血結果に関する記録をつけます。
内出血や迷走神経反射の有無などを記録しておくことで、次回以降の献血の参考にできます。
また、採取した血液を搬送用バッグに梱包し、製造部門へ搬送するのも看護師の役割です。
そのほか、業務で使用する検査機器や資材の管理、補充等もおこないます。
献血看護師として働くメリット
献血看護師として働くことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、献血看護師として働く8つのメリットをご紹介します。
- 夜勤がなく、日勤のみで働ける
- 残業が少ない
- 休日が多く、休みも取りやすい
- 研修や教育体制が整っている
- 多くの人を助けているやりがいを感じられる
- 精神的なプレッシャーが比較的軽い
- アルバイトから始められ、正職員登用制度もある
- 日本赤十字社で働くため雇用が安定している
献血看護師の仕事に興味を持っている方は、自分のライフスタイルに合っているかをチェックしてみましょう。
夜勤がなく、日勤のみで働ける
献血ルームや献血バスの勤務時間は日勤の時間帯のみで、夜勤はありません。そのため、不規則な勤務体制による体調不良を避けられます。
また、家事や育児と仕事を両立させたい看護師やプライベートを充実させたい看護師にとっても魅力的な勤務体制です。
残業が少ない
献血ルームや献血バスへ、献血を希望する人が押し寄せてしまうなどの場合を除き、残業になることはほとんどありません。定時に退勤できることが多い職場です。
献血バスの場合は、イベント会場へ行くことも多いため、撤去作業に少し時間がかかってしまい、残業になることはありますが、長時間の残業が発生することはありません。
病院勤務の看護師と比較して休日が多い
献血看護師の年間休日は120日ほどあります。それに加えて、慶弔休暇・育児休暇・産前産後休暇などの特別休暇も取りやすい環境です。
土日が出勤の週もありますが、毎週ではなく、土日に出勤した週は振替で平日が休みになります。
病院勤務の看護師と比較して休日が多く、仕事とプライベートのオンオフを切り替えて働けるのは、献血看護師ならではの特徴です。
研修や教育体制が整っている
献血看護師は研修や教育体制が整っているので、献血業務が初めての看護師でも安心して働けます。
採血の手順に関するマニュアルもあり、決められた手順どおりに仕事を進めていけます。また、プリセプター制度が採用されているので、慣れるまではマンツーマンで指導を受けられます。
事故防止のための研修など、研修制度も充実しています。
多くの人を助けているやりがいを感じられる
献血によって得られた血液は血液製剤となり、輸血などの治療を必要とする患者さんのもとに届けられています。
多くの人の命を助ける業務に関われているというのは、献血看護師として仕事のやりがいに繋がるでしょう。
精神的なプレッシャーが比較的軽い
献血ルームや献血バスには、健康な人が訪れます。
献血中や献血後に、貧血を起こして気分が悪くなる人の救急対応などはおこないますが、命に関わるような医療行為はほとんどありません。
そのため、重病の患者さんを看護しなければならないといった精神的なプレッシャーは比較的軽く、精神的な負担の少ない職場です。
アルバイトから始められ、正職員登用制度もある
献血看護師は、非常勤の職員も募集しています。
育児や介護などの事情により、勤務日に融通が利く働き方がしたい人や、いきなり正社員として働くことに不安がある人は、アルバイトから始められます。
また、アルバイトとして入っても、2年以上働くことで正職員へ登用できる制度もあるため、将来的に常勤職員として働くことも可能です。
日本赤十字社で働くため雇用が安定している
献血看護師は、日本赤十字社の社員として働くため、正職員は公務員に準ずる待遇を受けられるメリットがあります。
また、献血看護師は雇用が安定しているだけでなく、充実した福利厚生を受けられます。
さらに、全国に施設があるため、もし引っ越さなければならないとしても退職する必要はなく、全国どこででも仕事を続けることが可能です。
献血看護師として働くデメリット
献血看護師として働くことには、多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
具体的なデメリットは、以下の5つです。
- 勤務先を自由に選ぶことはできない
- キャリアアップが難しい
- 病院勤務と同じように人間関係に悩みやすい
- 土日や祝日に仕事が入る
- 夜勤がない分給料が低い
これらのデメリットも踏まえたうえで、献血看護師として働くかどうかを考えるのが良いでしょう。
それでは、献血看護師として働くデメリットを解説していきます。
勤務先を自由に選ぶことはできない
献血看護師は日本赤十字社で勤務することになりますが、勤務先は自由に選べません。献血ルームで勤務することもあれば、献血バスで勤務することもあります。
応募の際に希望の勤務地を伝えることはできますが、必ず希望どおりになるとは限りません。
また、献血バスでの勤務日には、バスの出発時間によっては出勤時間が早くなることもあります。
キャリアアップが難しい
献血看護師の仕事内容はルーティンワークです。採血の技術は磨けますが、そのほかの新たな看護技術を学びづらい環境です。
看護師として幅広い知識や最新の技術を身につけたい人やキャリアアップを目指している人は限界を感じやすいかもしれません。
病院勤務と同じように人間関係に悩みやすい
献血ルームや献血バスでの勤務は、少人数が一つのチームとして働きます。
そのため、チームのなかに苦手な人や気が合わない人がいると、病院勤務と同じように人間関係にストレスを感じる可能性があります。
献血看護師は、採血した血液などをダブルチェックするため、二人一組で仕事をします。
シフトによっては、苦手な人と組む日もあり、献血看護師の仕事が辛いと感じるかもしれません。
土日や祝日に仕事が入る
献血ルームは土日祝も開いているため、土日や祝日に出勤することもあります。
ただし、週休2日制なので、土日や祝日に出勤がある週は、振替で平日が休みになります。
家族や友人と予定が合わせづらい週があることは、事前に理解しておく必要があるでしょう。
夜勤がない分給料が低い
献血看護師は日勤のみで働くため、夜勤手当は支給されません。
そのため、冒頭でも説明したとおり、献血看護師の平均年収は低くなりやすいです。
高い給料を求める人にとっては、献血センターでの勤務は向いていない可能性があるでしょう。
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献血看護師に向いている人の特徴
献血看護師のメリットとデメリットを踏まえた上で、どのような人が献血看護師に向いているのか、3つの特徴をお伝えします。
- 病院勤務よりも仕事の負担を軽くしたい人
- キャリアアップよりも働きやすさを重視する人
- 要領よく仕事ができる人
自分が献血看護師に向いているかどうかを確かめてみてください。
病院勤務よりも仕事の負担を軽くしたい人
病院勤務では、不規則な勤務形態や長時間の立ち仕事から、体調に不安を感じる人もいるでしょう。
また、命を預かる仕事へのプレッシャーを感じている人や、仕事の負担を軽くしたい人には、献血看護師が向いています。
日勤のみで残業も少なく、健康な人を相手に働けるため、肉体的にも精神的にも負担を軽くしやすいでしょう。
また、次から次へと新しい知識や技術を学び続けるよりも、決まった手順の仕事を続けていきたい人にとっても、ルーティンワークができる献血業務は向いているといえます。
キャリアアップよりも働きやすさを重視する人
ワークライフバランスを重視して働きたい人にも、献血看護師はうってつけの仕事です。
繰り返しになりますが、献血看護師は夜勤がなく、残業も少ないうえに休日も多いのが特徴です。
仕事とプライベートのオンオフを切り替えて、プライベートを充実させたり、家事や育児と両立させたりしたい人にとって、献血看護師は理想の働き方がしやすいでしょう。
要領よく仕事ができる人
献血ルームや献血バスでの仕事は、さまざまな業務内容をテキパキと進めていく必要があります。少人数で仕事を回していくので、みんなが要領よく仕事をしなければなりません。
また、献血中や献血後に気分が悪くなってしまう人がいるため、ほかの業務で忙しくても、しっかりと様子を観察できる広い視野があることも大切です。
献血看護師に向いていない人の特徴
たくさんのメリットがあるとはいえ、献血看護師として働くことに向いていない人もいます。
ここでは、3つの献血看護師に向いていない人の特徴をご紹介します。
- 高い給料を貰いたい人
- 他人とのコミュニケーションが苦痛に感じる人
- 細かな気配りが苦手な人
転職してから後悔することのないように、自分に献血看護師が向いているかどうかを見極めるようにしましょう。
高い給料を貰いたい人
献血看護師は夜勤手当や残業手当がほとんどないため、手取りの給与は病院勤務と比較すると少なめです。
労働時間が長くても、給与は高い方が良いという人には献血看護師は向いていません。
収入面を重視したい人は、ほかの職場を選ぶ方が良いでしょう。
看護師の給料が高い職場については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせて読んでみてください。
他人とのコミュニケーションが苦痛に感じる人
ドナーは治療が必要な患者さんではなく、ボランティアで献血に来てくれているため、「お客さま」として丁寧に対応しなければなりません。ときとして、質の高いサービスが求められることもあります。
接客の要素もある仕事なので、他人とのコミュニケーションに苦痛を感じる人は向いていません。
また、少人数の職場のため、人間関係を円滑にするためにも、同僚とのコミュニケーションも欠かせません。
細かな気配りが苦手な人
献血看護師の仕事には、お客さまをもてなす接客の側面もあるため、ドナーへの細やかな気配りも必要です。
たとえば、採血前や採血後に水分補給ができているか、採血中はトイレに行けないため、採血前にトイレを済ませているかなどにも、気を配る必要があります。
また、少人数で働くため、一緒に働いている人が助けを必要としてたら、すぐに気づいてあげれると、仕事はスムーズに進みます。
そのため、細やかな気配りが苦手な人は、一緒に働く人の負担が大きくなってしまい、ドナーにも目が行き届きにくくなるため、献血看護師には向いていないといえます。
献血看護師として働くときの注意点
働いてみてから「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないため、献血看護師として働くときの注意点を2つご紹介します。
- 幅広い業務をおこなう必要がある
- ルーティンワークが多い
これらの注意点を把握した上で、献血看護師として働きたいかどうかを決めるようにしましょう。
幅広い業務をおこなう必要がある
献血看護師の仕事には、検査や採血以外にも幅広い業務が含まれています。
受付業務を代行することもあれば、問診票をチェックしたり、献血者へ水分補給を促したりします。もちろん、笑顔で対応することも忘れてはなりません。
抜針後は、出血が止まっているかを確認し、注意事項を知らせます。採血後には、貧血や低血圧などの体調変化がないかも観察が必要です。
また、迷走神経反射の有無・内出血などのトラブルの有無など、次回以降の献血で注意すべき点を記録することも、看護師の大切な仕事です。
器材の管理や物品管理、パソコン操作、献血バスでの撤去作業など、看護師に求められる業務内容は多岐にわたります。
ルーティンワークが多い
献血看護師の業務はルーティンワークが多い点も、事前に理解しておく必要があります。
様々な業務を求められるものの、1日を通して同じような業務を繰り返すことが多いです。
さらに、新たな看護知識やスキルを身につける機会も少ないため、キャリアアップを目指している人には、献血看護師は向いていない可能性があります。
献血看護師やこれから目指す人におすすめの転職サイト
現役で献血看護師をしている人や、これから献血看護師を目指す人におすすめの看護師転職サイトを3社ご紹介します。
- 看護roo!
- レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
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それぞれの特徴をお伝えしますので、自分に合った看護師転職サイトを活用して、転職を成功へと導きましょう。
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献血看護師は働きやすさを重視する看護師に人気の求人なので、もしサイト上に求人が出ていなくても、非公開求人として保有している可能性もあります。
献血看護師を目指す人は、登録していて損のないサイトといえるでしょう。
まとめ
献血看護師として働く大きな魅力は、夜勤がなく残業が少ないことです。生活リズムが整いやすく、仕事とプライベートのオンオフを切り替えて働けます。
また、正社員になれば日本赤十字社の職員として、公務員に準ずる待遇を受けられるため、安定性の面でも群を抜いています。
しかし、キャリアアップの目指す人には物足りない職場かもしれません。ルーティンワークでは刺激が少なくて飽きてしまう人や、人とのコミュニケーションが苦手な人は、長く続けるのが難しいと感じることでしょう。
働きやすさを重視して転職を考えている人は、看護師転職サイトを活用することで、自分の希望に合わせた働き方のできる職場を多くの選択肢のなかから紹介してもらえます。
気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。