ブランクのある看護師におすすめの復職先は?すべき準備や働きやすい求人の特徴も解説
出産や育児などをきっかけにブランクができたものの、もう一度看護師として復職したいと考える人は多いです。
しかし、ブランクの期間が長いほど「知識や技術が今でも通用するだろうか」「体力的にテキパキ働けるか心配」と不安なこともあるはずです。
そこでこの記事では、ブランクのある看護師におすすめの復職先を解説します。
合わせて、復職に向けて準備すべきことや、ブランクがあっても働きやすい求人の特徴も紹介します。
先に結論を伝えておくと、ブランクOKの職場を見つける時には、看護師転職サイトの「看護roo!」を使って求人を探すのがおすすめです。
看護roo!では「ブランク・未経験可」の求人を多数保有しており、あなたの希望条件に沿った職場を紹介してもらえます。
自分のペースで働ける職場に復職したい看護師の人は、看護roo!で復職先を探してみてください。
また、記事内ではほかにも、ブランクがあっても働きやすい求人の特徴を解説しています。ぜひ最後まで読んでみてください。
看護師はブランクがあっても復職できる?
厚生労働省の「看護職員の現状と推移」によると、2012年におけるブランクを抱える看護師は約71万人います。
そのうち、ブランクを抱えながらも看護師として再就業した人数は約14万人であることから、残りの約8割の人は復帰していないことがわかります。
ブランクのある看護師のなかには、出産や育児、家族の介護などをきっかけに、看護師の仕事を離れた人が多くいます。
ブランクの期間が10年や20年と長くなればなるほど、看護師として復職できるのかと悩む気持ちも大きくなるでしょう。
では、ブランクのある看護師が復職時に抱える悩みには、どのようなものがあるのでしょうか。次の章で詳しく紹介していきます。
ブランクのある看護師が復職時に抱える不安
ブランクのある看護師の人は、体力面や知識面など、様々な面で不安を抱えることが多いです。
なかでも、ブランクのある看護師の人が復職時に抱える不安を4つ紹介します。
- 知識やスキルが通用するか不安
- 職場に馴染めるか不安
- 体力がもたない
- 育児や介護との両立が難しい
ブランクのある看護師の人が復職時に抱える不安について、詳しく解説していきます。
知識やスキルが通用するか不安
医療の技術は日々進歩しており、看護師は常に最新の知識や技術を学ぶ必要があります。
しかし、看護師としてブランクがあると、最新の医療知識やスキルについていけるかどうか不安を抱える人も多いです。
ブランクが長いほど手技の勘が鈍り、採血や注射に自信がもてない人もいます。
特に、看護師として4〜5年ほどのブランクがある場合には、職場に新しい医療機器が導入されている場合もあります。
知識や技術の覚え直しに加えて、医療機器の使い方なども覚える必要があり、復職に対して不安も感じやすいでしょう。
職場に馴染めるか不安
ブランク明けですぐの頃は、職場に迷惑をかけないかと不安になる人もいます。
新しく看護職員が増えていたり、未経験の診療科で働いたりする場合には、周りの看護師の目線が気になる人もいるでしょう。
また、復職を機に新しい職場へ転職した場合も、その職場独自のルールに慣れる必要があり、うまく馴染めるか不安になるものです。
周りの看護師には自ら積極的にコミュニケーションをとることで、職場の雰囲気にも早く馴染めることでしょう。
体力がもたない
看護師の仕事は、患者さんのケアや病棟内の移動のように立ち仕事が多く、病棟内を歩き回る体力が必要です。
しかし、ブランクがあり、看護師の仕事から離れていると、以前のようにテキパキと働けないのではと不安を抱える人も多いです。
体力的な不安をカバーするためには、一日の動き方をきちんとスケジュール化し、動き方を整理しておくのが良いでしょう。
それでも体力的に不安な場合には、周りの看護師に相談し、分担して看護に取り組むのがおすすめです。
育児や介護との両立が難しい
出産や介護をきっかけにブランクができた看護師の人は、育児や介護と両立して働けるだろうかと不安に思う人もいます。
復職してすぐの頃は、働き方に慣れる必要もあり、残業が発生する場合もあります。
子どもが小さいために夜勤や残業が難しかったり、フルタイムでの勤務ができなかったりする場合には、そもそも復職自体を迷う看護師の人もいるでしょう。
ブランクのある看護師が復職に向けて準備すべきこと
ブランクのある看護師の人のなかには、再び看護師として働くことを考えている人も多いです。
ブランクのある人が復職後に活躍するためには、次の5つの準備をしておくことが大切です。
- セミナーや研修を受ける
- ボランティアに参加する
- 復職について家族に相談する
- 復職支援制度を活用する
- 看護師転職サイトを活用する
どれも復職するには欠かせないポイントなため、復職前には1つずつ準備を進めていきましょう。
それでは、ブランクのある看護師が復職に向けて準備すべきことについて、詳しく解説していきます。
セミナーや研修を受ける
看護師としてのブランクを埋めるために、まずはセミナーや研修に参加し、最新の医療について学びましょう。
日本看護協会やナースセンター、自治体などでは、看護師の復職をサポートするセミナーを実施しています。
採血や注射などの看護技術研修や、一次救命処置などのセミナーを受けられるため、手技に不安のある看護師の人でも、安心して勘を取り戻せるでしょう。
また、復職への不安を相談できるカウンセリングを受けられたり、受講生同士で交流できたりもします。
もし遠くまで足を運べない場合には、オンラインの研修に参加してみるのも良いでしょう。
復職を考えている看護師の人は、まずはセミナーや研修などで、少しずつ最新の医療について知識をつけていきましょう。
ボランティアに参加する
看護師を必要とする、ボランティア活動に参加するという方法もあります。
在宅看護のサポートや被災地支援など、ボランティア活動を通じて看護や医療に触れることで、看護師としての感覚を取り戻せるでしょう。
ただし、ボランティア活動のなかには、採血や救命措置などの高度な看護スキルが求められる業務もあります。
ボランティア活動を始める前に、ブランクがあることを正直に伝えておくと、周囲の看護師からの理解も得やすいでしょう。
復職について家族に相談する
育児や介護との両立を目指す場合には、復職について家族に相談し、理解してもらうことが大切です。
復職後は、今までとは生活リズムが大きく変わるものです。
家族のなかで家事や育児の分担をしたり、勤務スケジュールを相談したりしておくことで、働きやすい環境を整えられるでしょう。
復職支援制度を活用する
復職に向けて、ナースセンターの復職支援制度を活用するのもおすすめです。
ナースセンターは各都道府県に設置されており、ブランクがある看護師に向けて復職支援をしています。
復職支援制度では、職業相談を受けられるだけでなく、病院の最新情報や医療知識について学ぶ機会も得られます。
また、採血や点滴、注射などの実習も受けられるため、ブランクの長い看護師の人でも、復職に向けてスキルを身につけられるでしょう。
看護師転職サイトを活用する
ブランクのある人が復職する際は、看護師専門の転職サイトを活用するのがおすすめです。
看護師転職サイトでは、ブランクがある人でも働きやすい仕事を紹介してもらえます。
履歴書の添削や面接対策など、様々なサポートも受けられるので、ブランク期間が長くても、無理なく復職を進めていけるでしょう。
また、ブランクがある人が不安を感じやすいポイントとして「採用面接」が挙げられます。
面接では「なぜブランクの期間が10年と長いのですか?」「体力的に難しいのではないですか?」といった、少々答えにくい質問をされる可能性があります。
復職時の面接が不安な場合には、看護師転職サイトの「レバウェル看護」を使って求人を探すのがおすすめです。
レバウェル看護では、面接で気を付けるべきことを事前に教えてもらえたり、模擬面接をしてもらえたりします。
担当のキャリアアドバイザーに面接同行してもらえる場合もあり、面接でうまく話せる自信のない人でも、安心して復職先を見つけられます。
手厚いサポートを受けながら、教育体制の整った職場を見つけたい人は、レバウェル看護で求人を探してみてください。
ブランクのある看護師におすすめの復職先
ブランクを抱える看護師の方に向けて、おすすめの復職先を紹介します。
- クリニック・診療所
- 検診センター
- 慢性期病棟
- デイサービス
- 保育園
ここで紹介する職場は、いずれも緊急時の対応が少なく、患者さんの命に関わる医療行為も少ないため、ブランクのある人でも復職しやすいでしょう。
それでは、ブランクのある看護師におすすめの復職先を詳しく紹介していきます。
クリニック・診療所
クリニックや地域の診療所であれば、基本的に日勤のみで働くことができます。
診療時間があらかじめ決まっているため、残業も発生しづらく、家事や育児との両立もおすすめの職場です。
また、クリニックによっては「午前中のみ」「夕方のみ」といった働き方もできるため、ブランクのある人でも少しずつ仕事に慣れていけます。
過去に勤務経験のある診療科であれば、ある程度の知識やスキルも習得しているため、さらに復職しやすいことでしょう。
クリニックでの働き方については、以下の記事で詳しく解説しています。合わせて読んでみてください。
健診センター
健診センターも日勤のみで働けて、緊急対応は少ないため、ブランクのある看護師の人におすすめの復職先です。
土日休みで、残業も少ないため、ブランク期間が長い看護師の人でも働きやすいでしょう。
健診センターでは、問診や血圧測定、身体測定や採血などの決まった業務を繰り返しおこないます。
1日をとおして同じ業務をおこなうことから、ルーティンワークが得意な人に向いている復職先です。
ただし、採血スキルが必須なため、復職支援制度などを活用して、採血のスキルを磨いておくと良いでしょう。
慢性期病棟
ブランク明けに病院看護師として働きたい場合には、慢性期病棟への復職がおすすめです。
患者さんの容体が安定しているため、緊急対応が少なく、比較的穏やかなペースで勤務できます。
夜勤はありますが、着実に看護師として働く感覚を取り戻したい人に向いている職場です。
また、患者さんと関わる時間が長いため、コミュニケーションスキルも養いやすいのが特徴です。
病院によっては日勤のみの働き方も可能なので、ブランクがあっても無理のないペースで復職できるでしょう。
デイサービス
デイサービスも、ブランクのある看護師におすすめな復職先です。
デイサービスでは、基本的に介護士の仕事をサポートします。
採血や注射はなく、バイタルチェックや健康管理などの業務が中心なため、手技に自信がない方でも復職しやすいでしょう。
また、日勤のみで働けるため、育児や介護などとも両立させやすい復職先です。
ただし、看護業務は少ない点ため、将来的に病院への復職を考えている場合には、クリニックや慢性期病棟などの方が向いている可能性があります。
保育園
保育園は、土日祝休みで、夜勤もないため、ブランクのある人に向いている復職先です。
看護師の主な業務は、園児の健康管理や衛生管理になるため、医療行為が少ないのが特徴です。
ただし、保育園に在籍する看護師は1人である場合が大半なため、自分一人で仕事を進める必要がある点には注意が必要です。
小児科での勤務経験があれば、業務もスムーズに対応できるでしょう。
「保育園」「クリニック」などのブランク明けでも働きやすい職場を探す際には、看護師転職サイトの「マイナビ看護師」を使うのがおすすめです。
マイナビ看護師では、復職先の選び方や職場に希望する条件などを、プロのキャリアアドバイザーに相談できます。
また、研修制度の整った職場も数多く紹介してもらえるため、ブランクのある看護師の人でも働きやすい職場を見つけやすいのが特徴です。
ブランク明けでも働きやすい職場を見つけたい場合は、マイナビ看護師で職場を探してみてください。
ブランクのある看護師でも働きやすい求人の特徴
ここまで、ブランクのある人におすすめの復職先を解説してきました。
しかし、復職後の働きやすさは求人によっても異なります。
具体的には、ブランクのある看護師の人は、以下のような求人を選ぶと働きやすいでしょう。
- パートや時短勤務で働ける
- 託児所が完備されている
- 教育体制が整っている
- ブランクOKの記載がある
ブランクのある看護師でも働きやすい求人の特徴について、詳しく解説していきます。
パートや時短勤務で働ける
ブランクの期間が長い看護師の人には、パートや時短勤務での働き方がおすすめです。
パートや時短勤務であれば「午前中のみ」「週3日のみ」などの働き方ができるため、育児や看護と両立しながらでも働きやすいでしょう。
また、体力がもつか不安な人でも、パートや時短勤務で働くことで、少しずつ体を慣らしていけます。
職場によっては、パートから正社員へ登用できる場合もあるため、将来的に正社員として復職していきたい人にも向いている働き方です。
託児所が完備されている
出産や育児を機に休職していた場合は、託児所が完備されている求人に応募するのが良いでしょう。
託児所のある職場であれば、保育園への送り迎えが不要なため、出勤や退勤と兼ねて働くことができます。
また、子どもが体調を崩した際や、残業があった場合でも、すぐに迎えに行けるのもメリットです。
24時間体制で子どもを預けられる職場もあるため、働き方に合わせて上手に活用するのが良いでしょう。
教育体制が整っている
ブランクがあり、知識や看護技術に自信がない場合には、教育体制が整っている職場を選びましょう。
例えば、新人研修を丁寧に実施している職場では、その職場での働き方を基礎から教えてもらえます。
また、プリセプター制度を導入している職場であれば、先輩看護師から教育や指導を受けられるため、ブランクがあっても安心して復職できるでしょう。
ブランクOKの記載がある
求人に「ブランクOK」「ブランク可」などの記載がある場合も、復職先として選びやすいでしょう。
ブランクのある看護師を積極的に受け入れている職場では、教育体制が整っていたり、人員に余裕のある職場が多いです。
また、専門的な看護知識や技術を求められる可能性も少なく、ブランクのある人でも働きやすい傾向にあります。
「ブランクOK」で興味のある求人があれば、まずは応募してみるのが良いでしょう。
ブランクOKの職場探しにおすすめの看護師転職サイト3選
看護師専門の転職サイトのなかには、ブランクを抱える看護師のサポートが得意なところもあります。
ここでは、専属のキャリアアドバイザーから手厚いサポートを受けられる看護師転職サイトを3つ紹介します。
- 看護roo!
- レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
- マイナビ看護師
復職に不安を感じている人や、どのような職場を選べば良いかわからない人は、ぜひ看護師転職サイト活用してみてください。
それでは、ブランクOKの職場探しにおすすめな看護師転職サイトをそれぞれ紹介していきます。
看護roo!
看護roo!は、株式会社クイックが運営する看護師転職サイトです。
「ブランク・未経験可」の求人を多数掲載しており、研修制度が充実した医療機関を紹介してもらえるため、ブランクのある人でも安心して復職に臨めるでしょう。
また、履歴書の添削や面接対策などのサポートも無料で受けられます。
復職に関する相談も可能なため、ブランクが原因で復職が不安な看護師の人は、看護roo!で復職先を見つけてみるのがおすすめです。
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)は、レバレジーズメディカルケア株式会社が運営する看護師転職サイトです。
レバウェル看護では、転職した看護師を対象に「実際に働いてみてどうだったか」などのアンケートを取っており、求人を掲載している施設での働き方がわかります。
ブランクが長ければ長いほど「再就職してうまくやっていけるだろうか」と不安に感じるものです。
しかし、事前に職場の雰囲気を詳しく把握したうえで求人に応募できるため、復職に対する不安も解消しやすいでしょう。
また、希望する施設を伝えることで、アドバイザーが内情を詳しく教えてくれます。
復職時のミスマッチを防ぎたい看護師の人は、レバウェル看護で復職先を探してみてください。
マイナビ看護師
マイナビ看護師は、大手人材企業のマイナビ株式会社が運営する看護師転職サイトです。
「復職・ブランク可」の条件で求人を検索でき、自分に合った職場を見つけやすいのが特徴です。
また、マイナビ看護師では、ブランク明けの不安をキャリアアドバイザーに直接相談できます。
オンラインや対面で顔を見て相談できるので、復職に対する悩みも解消しやすくなるでしょう。
また、マイナビ看護師では入職後のサポートも提供しています。
復職したものの思うような働き方ができない場合は、キャリアアドバイザーに相談してみてください。
自分では解決できなかった悩みも、プロの意見から解決の糸口が見つかるかもしれません。
看護師のブランクに関するよくある質問
ここまで、ブランクのある看護師におすすめの復職先や、働きやすい求人の特徴を解説してきました。
しかし、長い間看護師の仕事から離れて復職するとなると、ほかにも気になる点や不安は多いものです。
そこでこの記事の最後に、看護師のブランクに関するよくある質問と回答を紹介します。
- 看護師のブランクは何年まで?
- 看護師はブランクがあっても働ける?
- 看護師の平均ブランク期間は何ヶ月くらい?
- ブランクを埋めるために学んでおくべきことは?
- 看護師がブランクを抱える理由は?
それぞれ簡単に紹介しますので、復職時の参考にしてみてください。
それでは、ブランクのある看護師に関するよくある質問と回答を、それぞれ紹介していきます。
看護師のブランクは何年まで?
看護師のブランクに何年までという決まりはありません。
看護師は国家資格であり、一度獲得していれば、いつでも看護師として働くことができます。
実際に、10年や20年などのブランクを経てから、看護師として復職する人もいます。
ただし、ブランク明けは体力が低下していたり、手技に不安を抱えたりすることが多いため、希望する働き方に合った職場を選ぶことが大切です。
看護師はブランクがあっても働ける?
ブランクがあると復職しづらくなることがあります。
たとえば、看護師の仕事を離れてから、ゆっくりとした生活リズムで暮らしてきた方なら、1日中走り回るような忙しい職場に、いきなり復職するのは難しいでしょう。
とはいえ、職場や仕事内容を選べば、ブランクを抱えていてもスムーズに復職することは可能です。
ここでは、ブランクを抱えている看護師におすすめの働き方を説明します。
ブランクがあってもすぐに復職できる場合
緊急時の対応が少なく、仕事量が多すぎない職場であれば、ブランクがあっても復職しやすいと考えられます。
例えば、デイサービスやクリニック、美容クリニックなどなら、夜勤もなく、仕事量が多すぎることもほとんどありません。
また、保健師の免許を持っている方なら、保健所や産業保健師の働き方もできます。
いずれも緊急時の対応は少なく、日勤のみで生活リズムを保ちやすいでしょう。
ブランクがあると復職が難しい場合
最新の医療知識や専門スキルが求められる職場は、ブランクを抱えた後の復職先としては向いていません。
まずは、クリニックなどで働きながら看護師として働く感覚を取り戻し、徐々に働きたい職場へと軸足を移していきましょう。
慌てずゆっくりと、自分のペースで看護師としてのキャリアを築いていく姿勢が大切です。
看護師の平均ブランク期間は何ヶ月くらい?
日本看護協会の「都道府県ナースセンターによる看護職の再就業実態調査」によると、看護師のブランク期間は平均31.3ヶ月(約2年7ヶ月)です。
ただし、ブランクの期間を過度に気にする必要はありません。
今までの臨床経験や、希望する条件をもとに職場を選べば、納得のいく復職先を見つけられるはずです。
ブランクを埋めるために学んでおくべきことは?
ブランクが長引くと、看護師として復職することに難しさを感じるようになるかもしれません。
特に医療知識や高度なスキルを必要とされる職場には、復職しづらいと感じるでしょう。
復職に不安がある時は、以下の内容を学び直してみてください。
- 日常生活援助
- 注射・採血
- フィジカルアセスメント
- 急変時の対応
- 各種検査方法
ブランク後に復職する場合には、あらかじめ看護の仕事を学び直しておくことで、自信をもって復職しやすくなります。
ブランクを埋めるために学び直すべきことについて、それぞれ紹介していきます。
日常生活援助
日常生活援助とは、患者さんの生活をサポートすることです。
車椅子に乗せること、食事や入浴の介助をすること、ベッドメイキングなどの療養環境を整えることなどが挙げられます。
いずれも看護師のスキルとしては基本的なものばかりですが、長くブランクがあるときには、スムーズに対応できないかもしれません。
教材を見直したり、家族を相手に練習するなどして、復習に努めておくと良いでしょう。
注射・採血
注射・採血は、看護師として毎日業務をおこなう方にとって、特に不安を感じることのないスキルです。
しかし、看護業務を離れていると、「患者さんに痛みを与えずにできるだろうか」と、不安に感じるかもしれません。
そのため、現場に立つ前は、復職支援制度やセミナーなどを活用して、学び直しに努めたいところです。
また、ブランクが長い場合は、注射や採血の手技が変更されている可能性もあるため、注意が必要です。
たとえば、かつては採血の際、患者さんに手を握ったり開いたり(クレンチング)してもらいましたが、現在では、検査値に響く恐れがあるため推奨されていません。
フィジカルアセスメント
フィジカルアセスメントは、患者さんの状態を把握し、急変や疾患の長考を早期発見するためのスキルです。
適切にフィジカルアセスメントができなければ、対応が遅れて命にかかわることもあるため、必ず習得しておく必要があります。
看護師として働いていたときは、問題なくフィジカルアセスメントできていた方でも、ブランクによってかつての感覚を忘れているかもしれません。
復職支援制度やセミナーなどを活用して学び直したり、看護学生時代のテキストを開いて、入念に復習しておくと良いでしょう。
急変時の対応
急変対応も、少しでも間違うと患者さんの命に関わることがあるため、学び直しが必要です。
的確な判断が求められるだけでなく、スピードも求められるため、ブランクが空いたことで対応できなくなっていることが懸念されます。
また、復職支援制度やセミナーなどを活用して学び直すときは、実習があるかに注目してください。
とりわけ、AEDの使い方や酸素投与の機器の扱い方などは、知識だけで学び直しても、実習を経ていなければスムーズに対応できない可能性があります。
各種検査方法
検査方法も学び直しが必要です。
検査方法や検体の取り扱いを間違えると、正しい結果が得られないだけでなく、検査をやり直すことになり、患者さんに負担をかけることにもなりかねません。
また、検査データの正常値なども頭に入れておくと、よりスムーズに検査業務をおこなえます。
テキストを読み直し、知識を身につけてから再就職に向けての活動を始めましょう。
看護師がブランクを抱える理由は?
看護師がブランクを抱える理由には、以下のようなものがあります。
- 結婚・出産・育児
- 病気や体調不良
- 家族の介護
- 配偶者の転勤
- 看護師以外の仕事への転職
看護師がブランクを抱える理由について、具体的に説明していきます。
結婚・出産・育児
結婚を機に、看護師を辞める人は多いです。
結婚後に仕事を続けていた看護師でも、出産・育児を機に仕事を辞めることは珍しくありません。
なぜなら、居住する地域によっては待機児童が多く、子どもを預けたくても預けられないケースがあるからです。
また、子どもが大きくなってから働こうと思っているうちにブランクが長くなり、看護師として働くことに不安を感じる方もいます。
病気や体調不良
病気や体調不良が原因で、看護師の仕事を一旦離れる方もいます。
看護師の仕事には体力が求められるため「体力が十分に戻ってから復職しよう」と考えがちですが、体力は目に見えて分かる部分ではなく、復職のタイミングも難しいところです。
仕事のブランクは、知らず知らずのうちに長引いてしまうものなので、復職の期日などを決めておくと良いでしょう。
家族の介護
家族の介護のために、看護師の仕事を辞める方もいます。
父母や祖父母だけでなく、義父母の介護が必要になり、仕事との両立が難しくなることもあるでしょう。
24時間の介護が必要なケースでも、要介護度や地域によっては、すぐに介護施設に入所できるとは限りません。
自宅で介護をしている間に10年ほど経ち、看護師としての復職が難しくなることもあります。
配偶者の転勤
配偶者の転勤により、看護師の仕事を辞めることがあります。
転勤先ですぐに看護師として復職しようとしても、慌ただしく過ごしているうちにブランクが長引き、復職しづらくなることも考えられます。
また、引っ越し先で思うような仕事が見つからないケースもあるでしょう。
社宅が辺ぴな場所にあることや、近くに働きやすそうな医療機関が見つからない、といった状況もあるかもしれません。
看護師以外の仕事への転職
看護師資格を取得し、看護師として働いてみたものの、自分には合わないと感じることもあります。
単純に別の仕事も経験してみたいという気持ちから、看護師以外の仕事にキャリアチェンジする方もいるでしょう。
いくつか別の仕事を経験した結果「やはり私には看護師があっている」と実感するかもしれません。
ただし、あまりにもブランクが長引くと「医療ミスをしてしまいそうで怖い」と感じ、復職をためらう可能性もあります。
まとめ
ブランクがあるときでも、セミナーや復職支援制度などを活用することで、復職のハードルを大きく下げることができます。
また、看護師専門の転職エージェントサービスに登録すれば、キャリアアドバイザーから、丁寧かつ専門的な復職サポートを得られるでしょう。
紹介した転職エージェントサービスはいずれも無料で利用できますので、ぜひ有効活用して、ブランクの不安を解消してみてください。
投資信託・株式の運用歴20年以上。相続問題が発生したことを機に、ファイナンシャルプランナー2級とAFPの資格を取得。 大学や省庁で研究活動をおこないながら、2014年度からはマネーやファイナンス、医学関係の執筆活動を開始。 ライフマネープランニングやIPO投資、金融詐欺の見分け方、ローン・クレジットカードの使い方などを得意テーマとしている。 現在メインで利用しているカードはアメリカンエクスプレスのプラチナ。招待制から申込制に変わって、ちょっと残念に思う毎日。