「ものづくり」と「クルマ」のまち豊田市の魅力を発信!豊田商工会議所の取り組みをご紹介
愛知県豊田市は、世界でも有数の企業「トヨタ自動車」の所在地である一方、四季折々の美しい自然が楽しめる地域資源に恵まれたまちです。
豊田商工会議所は、そんな豊田市で地域の商工業を支える施策をおこなっています。
「商工会議所」と聞くと、簿記や珠算、販売士などの検定試験をイメージされる方も多いのではないでしょうか。実は、商工会議所は地域内の商工業の総合的な発展を目的とした、さまざまな事業を実施しています。
この記事では、豊田商工会議所が実施しているさまざまな事業のなかから、「豊田ものづくりブランド」と「ラリーへの挑戦」、「とよたビジネスフェア」についてご紹介します。
「ものづくり」と「クルマ」のまち豊田市と豊田商工会議所
豊田市は、愛知県の北部に位置するまちです。人口は約41万人(2022年3月時点)であり、愛知県で最も広い面積を持っています。
豊田市の特長は、世界をリードする「ものづくり」中枢都市であり、トヨタ自動車など自動車産業を中心とした「クルマ」のまちでもあります。
豊田商工会議所は、豊田市内の商工業者を会員とする地域総合経済団体であり、地域経済の発展・活性化や中小企業の経営サポートなど、さまざまな事業を実施しています。
例えば、下記の3つの事業です。
- 豊田ものづくりブランド
- TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ in 豊田への挑戦
- とよたビジネスフェア
今回は、この3つの事業に焦点をあて、豊田商工会議所が取り組む地域支援活動をご紹介します。
豊田ものづくりブランドとは?
「豊田ものづくりブランド」とは、自動車産業で培った豊田市内の中小企業・小規模事業者の優れた技術・製品を認定することで、企業の発展・雇用促進と、地域のものづくりレベルの向上とイメージアップを図ることを目的としたブランドです。
豊田ものづくりブランド推進協議会には、豊田商工会議所をはじめ豊田市や豊田市内の企業が参加しており、ブランド認定された中小企業や小規模事業者に対し、技術・製品の販路開拓を支援しています。
なお、市区町村名を冠したブランドには、大阪府東大阪市の「東大阪ブランド」、東京都大田区の「大田ブランド」などがあり、どちらもものづくりのまちとして有名です。
豊田市の「ものづくり」のイメージを中小企業支援へとつなげたい
豊田市の製造品出荷額等は約15兆円で、全国では2002年から18年連続第1位を獲得しています。この規模は、1つの市で都道府県の上位もうかがえる水準です。
背景にあるのは、自動車関連産業が集積し、築きあげられた強固な産業基盤です。この強固な産業基盤のもと、豊田市にはさまざまな「ものづくり」の技術や知見、高度に専門化した精密機械技術が存在しています。
「豊田ものづくりブランド」には、豊田市のもつ「ものづくり」の技術をブランド化し、豊田市に対して多くの方が抱くイメージを活用することで、中小企業の支援や地域アピールへとつなげる狙いがあります。
豊田ものづくりブランドに認定されるためには
豊田ものづくりブランドの認定対象は豊田市内の製造にかかる優れた技術や製品です。とくに、すでに実用化されていて、市場に投入済みまたは市場に投入予定のものが対象となります。
審査料は無料となりますが、応募資格には資本金や従業員の数など一定の条件があります。
ここでは、豊田ものづくりブランドの認定の視点とブランド認定特典・支援、豊田ものづくりブランドに認定された技術・製品を紹介します。
認定の視点とブランド認定特典・支援
豊田ものづくりブランドの認定は、申請のあった案件ごとに以下の視点から総合的に判断されます。
- 市場性や革新性はあるか
- 競合との差別化が図られているか
- 認定特典を十分に活かせるか
ブランド認定された企業には、見本市への共同出展やロゴマークの使用許可などさまざまな特典・支援があります。
直接支援 |
・展示会への共同出展 ・販路拡大に対する取り組み |
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間接支援 |
・ロゴマークの使用許可 ・商工会議所、市、支援機関などの広報媒体への掲載 ・マスコミ、企業などへのPR支援 ・パンフレットへの掲載 ・大学合同企業説明会への参加 |
豊田ものづくりブランドには補助金制度がある点も魅力です。県外で開催される見本市や展示会に出展する場合、交通費などの一部が補助されます。
また、豊田ものづくりブランドに認定されると、「豊田市中小企業経営力高度化事業補助金『販路拡大事業』」の上限が加算される特典もあります。
豊田ものづくりブランドに認定された技術・製品
豊田ものづくりブランドでは、2014年の制度立ち上げから、毎年多くの技術・製品がブランド認定されています。
2021年には、新たに下記の8つの技術・製品がブランド認定されました。
新明工業株式会社 | 自動複合材修復用加工装置 OMNI-3 |
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トヨキン株式会社 | 自動車産業の資源循環を支え、環境分野で社会へ貢献する金属リサイクル技術 |
豊田化工株式会社 | クロマトグラフィー用球状シリカゲル『グラフィーシル』 |
株式会社フカデン | ドローン用有線給電システム |
株式会社豊栄商会 | 吊下げアルミインゴット装入装置 |
三井屋工業株式会社 | 成形端材を主原料とするリサイクル処理技術『MPS』 |
株式会社ミフネ |
剛性と低コストが両立する板鍛造技術 |
株式会社メック | 金型いじりの強い味方! 反転くん |
例えば、新明工業株式会社の「自動複合材修復用加工装置 OMNI-3」は、加工の難しい炭素繊維複合材(CFRP)を熟練した技能がなくても、自動かつ短時間での作業を可能としています。
そのほか、長時間のドローン飛行に貢献する「ドローン用有線給電システム」や鋳造工場の省力化、省スペース化に資する「吊下げアルミインゴット装入装置」など魅力的な技術・製品ばかりです。
豊田商工会議所は、このようなブランド事業をつうじて、地域の産業の活性化につながる事業を実施しています。
「クルマのまち」豊田市でのラリーへの挑戦
豊田商工会議所は「クルマのまちとよた」として自動車やラリー競技への愛着、企業の郷土愛醸成を目的とし、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ in 豊田へ参加しています。
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ in 豊田の魅力とは
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジは公道(主に林道)で走行時間を競うラリー競技です。2000年に開始された前身のTRD Vitz Challengeを含めると、21年の歴史をもちます。
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジの特徴は、参加者の約半数がラリー初心者な点です。安全かつ手軽にエントリーできるビギナー向けのラリーであり、女性の方にも参加しやすくなっています。
2021年は全12戦が実施され、2021年11月6日(土)~7日(日)に最終戦のラウンド12が豊田市でおこなわれました。
豊田商工会議所はトヨタのスポーツカー「GR YARIS」で参戦。ドライバーは全米ラリー選手権で優勝経験のある村瀬太選手、コ・ドライバーは梅本まどか選手が務めました。
ラリーへの挑戦でクルマのまちに元気を
豊田商工会議所によるTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ in 豊田への参加は、2020年につづき2度目の試みです。
この試みは、地域の魅力発信や活性化を目指す「とよた元気プロジェクト」の一環となっています。
新型コロナウイルスの影響を大きく受ける豊田市に、「クルマのまち」らしい明るい話題を届けたい想いが込められています。
車両「WE LOVE とよた号」は市内で自動車販売・整備業を営むアールエスタケダなどが整備し、車体には協賛する会員各社のロゴマークが貼付されました。
とよたビジネスフェア
とよたビジネスフェアは、2008年に発生したリーマンショックによる世界的な経済不況を乗り越えるべく、2009年から開催されているビジネスフェアです。
とよたビジネスフェアは、豊田市と豊田商工会議所の共催で開催されています。豊田市では初となるビジネスマッチングイベントです。
2009年度から数えると、2019年度の新型コロナウイルス感染症の影響による初の中止をはさみ、今年度で13回目を迎えます。
豊田市内、周辺地域の優れた技術・製品を作り出している製造業を中心に、小売業・サービス業・公共機関・支援機関など幅広い事業者や団体が出展する総合展示会となっています。
とよたビジネスフェアの開催内容
とよたビジネスフェアでは、企業や団体などによるブース展示や特別展示のほか、講演会やセミナーも開催されます。
また、地元高校生や大学生を対象とする企業研究イベントも同時開催される総合的なビジネスイベントです。
とよたビジネスフェアは入場料が無料、出展料は市内事業者や商工会議所会員は50,000円、そのほかの事業者は70,000円となっています。
今年度は「とよたビジネスフェア2022」として3/10(木)、3/11(金)に約100社・団体で開催されました。(前回実績は来場者3,560名(2日間)、出展数112社・団体)
「サステナブルな未来をつくるために」の開催テーマのもと、SDGsやカーボンニュートラルを意識し、未来へ向けた多くのビジネス発信がなされました。
豊田市の「わざ」と「こころ」を支える豊田商工会議所
豊田商工会議所では、「豊田ものづくりブランド」や「TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ in 豊田」への参加、「とよたビジネスフェア」などをつうじ、豊田市内で活動するさまざまな商工業者を支援しています。
豊田市に息づくものづくりの「わざ」と、それを支える豊田市の方々の「こころ」。上記の事業は、これらの大切なものを支える取り組みです。
豊田商工会議所では、そのほかにも人材発掘や能力開発事業、経営や融資の相談事業、まちづくりプロジェクトなどさまざまな事業を実施しています。興味のある方は、ぜひこちらのサイトもご覧になってください。
食品や雑貨商品などを扱うライター・編集を経て、マネ会を担当。クレジットカードのポイント還元や特典だけでなく、各カード会社の戦略やマーケティングにも興味あり。普段使っているクレジットカードはJALカードで、実家への帰省の際には、貯めたマイルを特典航空券に交換している。ヤフオクやヤフーショッピングで買い物をする際には、ヤフーカードも使用。体を動かすことが好きで、定期的にジムで筋トレ。機会あれば、山へハイキングに出かけ、帰りの温泉を楽しむ。