芸術との新たな出会いを作るチケット定期便「recri」とは?株式会社recriに取材 PR

芸術との新たな出会いを作るチケット定期便「recri」とは?株式会社recriに取材

近年は便利でお得、そして生活を豊かにするサブスクリプションサービスが多数ありますが、「舞台や展覧会のチケット」が届くサービスが注目されているのをご存知でしょうか。

「日本サブスクリプションビジネス大賞2023」で特別賞を受賞した「エンタメ&芸術のチケット定期便 recri(レクリ)」は、芸術に触れたい人の好みや価値観、希望日時をもとにイチオシのチケットを届けるユニークなサービスです。

「recri」を運営するのは、東京都港区の株式会社recri。代表取締役社長 栗林嶺さんに、サービス開始の経緯やチケットの決定方法、ユーザーの声についてお話を伺いました。

お客さんと芸術業界をつなぐ「架け橋」を目指して創業

株式会社recri 代表取締役社長 栗林嶺さん

―本日はよろしくお願いします。まず御社創業の経緯や事業内容を教えてください。

私は前職で株式会社電通におり、クリエイターとして大企業からエンタメ分野まで幅広く活動しました。自分でも映像を撮っていて、仕事仲間や友人にも芸術業界の関係者が多くいたことが、株式会社recri創業の背景にあります。

役者やアーティストとして活動する友人たちを見ていて感じたのは、彼らの舞台やライブ、展覧会の「チケットが売れない」という業界全体の課題です。興味を持ちそうな人が多いエリアでチラシを配るといったアナログな手法で集客をしているケースが多く、マーケティングや集客の仕組みづくりがうまくいっていないと感じました。

一方、お客さん側にも「舞台や展覧会は敷居が高い」「芸術を楽しむには専門的な知識が要るのでは?」とハードルを感じている方が多く、興味はあってもなかなか足を運べないということが分かりました。

そこで、両者の新たな出会い方を作って架け橋になりたいと考えて始めたのが、エンタメ&芸術のチケット定期便「recri(レクリ)」です。

ー「recri」という言葉にはどのような由来がありますか?

人生を豊かにするものという意味を込めて、娯楽を表す「レクリエーション」から名付けました。また、このレクリエーションという言葉には「リ・クリエーション(再創造)」という成り立ちがあります。この点から、「芸術業界に新しい風を吹かせて再創造したい」という気持ちも込めています。

プロの目利きとデータのマッチングでチケットをおすすめ

届いたチケットを手に持ち眺める人の画像

ーチケット定期便「recri」の詳細をお聞かせください。

一言でいうと、「recri」は芸術鑑賞チケットのサブスクリプションサービスです。プロのセレクトとデータによるマッチングで、毎月50を超える候補から、おすすめのチケットを3つまで厳選して、お客様へ事前にお知らせします。

お客様はその3つから自由に選ぶことができ、確定したら「recri」が専用の封筒でお届けするという流れです。

チケットの対象は、大きく分けて「舞台」と「展覧会」の2つあります。「舞台」は演劇、ミュージカル、バレエ、落語、歌舞伎などが対象です。「展覧会」もアート展、企画展、美術館、博物館、フェスなど様々なチケットをお届けします。

―たくさんのチケット候補から届くのですね。プロのセレクトとマッチングについて詳しく教えてください。

まずは「recri」Webサイトで、お客様の価値観、芸術作品に対する好み、そして鑑賞したい日時を伺います。

「recri」には提携する演出家や役者、アーティストなど、第一線で活躍しているエンタメと芸術のプロフェッショナルである「ソムリエ」が多数いますので、ソムリエがセレクトしたエンタメをデータ化し、解説を付与してシステムにインプットしています。最後に、お客様のデータとこのエンタメデータを独自システムでマッチングして、送付チケットを決定するという仕組みです。

提案するチケットは、「recri」からお客様へのイチオシの1枚、そして次におすすめしたい2枚です。お客様ごとに最適なエンタメを提案しています。

―価値観・好みや行ける日程でおすすめすると聞くと、まるで自分の友人が勧めてくれるような流れですね。

まさにそんなサービスを目指しています。芸術に触れたい人、お客さんに来てもらいたいアーティストをつなぐ事業をしたいと考えた際、「友達から勧められた作品は胸に刺さることが多い」ということに気づきました。

人が誰かに何かを勧める時は、「あの人はこういうストーリーが好きだよな」「失恋したばかりだから落ち込んでいるかも」「最近ちょっと疲れていそう」というように、相手の価値観や置かれている状況を思って勧めるのではないかと思います。

そんな風にエンタメをお勧めする仕組みを作りたいという気持ちがあるので、生身の友達からのお勧めのようなサービスになるよう目指しているところです。

ーちなみに、自分の好みなどが考慮されることで、新鮮なエンタメに出会いにくくなるということはないのでしょうか?

その点はよく聞かれますが、「recri」は、お客様が「自分では選ばないけど好き」と感じられるエンタメを提案できるように、価値観まで深堀りしています。

例えば友達が「『スター・ウォーズ』が好き」と言ったら「SFが好きなのかな」と思うかもしれません。でも、もし詳しく聞いてみて「SFというよりも父と子や家族愛を描く物語が好きなんだ」と分かったら、その人の感性、価値観をより深く理解できますよね。

映画ではないですが、実は歌舞伎にも父子の絆を描いた演目があるので、その作品を友達が観たら心の琴線に触れるかもしれません。「recri」ではそんな風にお客様の好みや趣味の半径を少し広げられるように「提案を科学する」ことも目指していて、毎月のアンケートを通じてサービスをブラッシュアップし、新しい出会いの精度を高めています。

芸術をより楽しめるオリジナルの「解説レター」を同封

解説レターの画像

ー解説レターについても詳しくご紹介ください。

チケットを送付する際、作品の注目ポイントや楽しみ方が分かるオリジナルの解説レターを同封しています。私たちは興行主様から様々な話をお伺いするので、舞台裏やアーティストの声など、制作の裏側もお届けできるのがサービスの特徴のひとつです。

この取り組みをしているのには、お客様にとって良い体験になるようにというだけでなく、業界の方が持っている知識を活かす場所と収入が得られる機会を増やしたいという意図もあります。役者さんは本番で演じるだけでなく、本番までの間にもたくさんの稽古やトレーニング、勉強をしていますし、アーティストさんも作品制作の過程で長い時間練習を重ねているからです。

―プロならではの視点が得られる解説レターなのですね。内容の例もお聞きできますか?

例えば『ハムレット』『ウエスト・サイド・ストーリー』のように、歴史が長くて繰り返し上演されている作品は、時代や観客の違いによって演出が異なります。そのため「この時代にこの作品を観る意味」といった切り口で解説を付けることがありますね。

展覧会に関しても同様です。絵画そのものは代々守られてきた作品であっても、時代によってもたらす意味が違うことがあります。例えば2024年は、第一回の印象派展がパリで開催されてから150周年という節目のタイミングです。そうした背景を知っていると、なぜ印象派の作品が今たくさん展示されているのか分かりますよね。

「recri」は芸術とエンタメに触れたい初心者向けのサービスということもあり、演目や作品の内側を掘り下げるというよりも、その社会的背景や時代性に焦点を当てて解説することで「自分ともつながりがある」と感じられるようにしています。

没入型の演劇体験が好評。歌舞伎デビューを果たす会員も

チケットを持つ人の画像

ーこれまでに反響が大きかったエンタメの例をお聞かせください。

たくさんの好評をいただいていますが、特に佐藤隆太さんの一人芝居「エブリ・ブリリアント・シング」は反響が大きかったです。「イマ―シブ・シアター」と呼ばれる形式で、客席と舞台を分けずに、演者が観客を巻き込みながら公演をするというものでした。

上演中に役者がお客さんに話しかけたり小道具を持ってもらったり、お客さんに問いかけて返ってきた言葉が即興でセリフに入れられたり。そんな「没入型」の演劇体験が好評でした。「自分では見つけられなかった舞台だった」「recriを通じてこの舞台を観て人生が変わった」といったお声をいただいています。

役者さんと間近で話したり、触れ合ったりする機会だったということもあってすごく印象的だったのではないでしょうか。

―それは舞台に対するイメージが変わりそうですね!他にはどのようなお声がありますか?

歌舞伎を観に行った方から「いつか観に行きたいと思いつつ、どの演目を観たらいいかわからなかったけれど、recriのおかげでついに歌舞伎デビューできた」という喜びの声をいただくこともあります。

歌舞伎や落語といった日本の伝統的なエンタメを「観てみたい」と思っている方はたくさんいるのですが、たくさんありすぎて迷ってしまう方が多いようです。私たちがイチオシのチケットを届けるので、それを機にデビューされる方はたくさんいらっしゃいます。

鑑賞眼を養いたい人から、趣味を見つけたい人まで。多様な利用目的

チケットを眺める友達どうしの画像

ー「recri」ユーザーについてお伺いします。どのような理由で申し込む方が多いでしょうか。

「recri」のお客様は、割合でいうと20代後半から50代ぐらいまでの女性が多いです。申し込みの動機としては、30代後半くらいまでの方だと「芸術に全然触れていないから知りたい」という方、「友達に誘われて舞台を観に行ったことはあるけど、自分では選べないからもっと詳しくなりたい」「自分をもっと高めたい」という方に分かれる印象があります。

40代以降の方だと、趣味や好きなことを見つけたいと考えていて、「自分の世界を広げたい」「週末を充実させて人生を豊かにしたい」といった気持ちで申し込まれる方が多いですね。子育てがひと段落したことや、お仕事での行き詰まりなどをきっかけに新たな趣味や刺激を求め、芸術に期待して申し込んでくださる方もいらっしゃるようです。

―いろいろな目的のユーザーがいるのですね。御社としてはどう感じていますか?

芸術そのものに興味がある方だけでなく、自分の世界を広げるための「手段」としてとらえる方も多いということは、サービスを始めてみて得た発見でした。

でも、よく考えれば自然なことですよね。つらいことがあったときに映画を観たくなったり、音楽を聴きたくなったりする人は多いと思います。それと同様、「美術館に行ってちょっと心を落ち着けたい」という風に感じる方も多いのだと分かりました。

―「recri」でのエンタメ体験に求めているものは人それぞれなのですね。女性が多いとのことでしたが、男性ユーザーについては何か傾向がありますか?

男性ユーザーは、奥様との毎月のおでかけ先として活用するなど、パートナーの方と出かけるために登録される方が比較的多いです。

あとはビジネス的な視点で、アートを新規事業の開発や新しいアイディアを生み出すために活かしたいという方もいらっしゃいます。

―「recri」では、チケットの追加注文もできるそうですね。

家族や恋人、お友達などと一緒に鑑賞したい場合はお届け人数の追加ができ、舞台の場合は必ず連番のお席をご用意します。例えば「娘の分を追加で申し込みます」というお母様は結構いらっしゃいますね。

枚数を増やすとその分の料金はいただきますが、デフォルトで複数枚の設定にすることも、一度だけ枚数を追加することもできます。

ちなみに、面白いことに「recri」を長く使っているお客様同士がお友達になることもあります。好みが近いからか同じ舞台のチケットが何度か当たって顔なじみになり、終演後にお茶をしたり、ネット上で作品についてコメントし合っていたりする方々もいることは、私たちも想定していなかったので驚きました。

チケット送付時の封筒が目立つデザインなので、お客様にとっては『あの人もrecri使っているんだ』と目印になるようです。

「recri」の芸術鑑賞で「背中を押された」という声も

recriの封筒を手に会場へ向かう人の画像

ーユーザーからの反響で、印象的なお声がありましたら改めてお聞かせください。

一番印象に残っているのは「recriのおかげで、近況を訊かれたときに『最近、舞台を観に行っているよ』と言えるようになりました」というお声です。「recri」が毎月の楽しみを生んでいて、欠かせないサービスとしてご利用いただいていることを実感しました。

各作品や展覧会の力も、サービスの魅力を高めている大きな要素です。私たちは基本的にメッセージ性の強い内容を選んでいるため、性的マイノリティや戦争、社会課題を扱っている作品などを積極的に提案しています。「心を動かされた」「視野が広がった」「転職に関して背中を押された」といったお声もいただくと、とても嬉しいですね。

私たちは作品を選ぶのであって、制作しているわけではありませんが、興行主さんとの連携プレイがそういったご感想につながっているのだなと感じます。

―会員だけの特別な体験も用意されているそうですね。

興行主様とタッグを組んで、ミュージカルの舞台裏を見学するバックステージツアー、アートフェスで専門家による解説ツアーを実施するなど、会員限定の体験にご招待しています。長く「recri」を楽しんでくださっている方の継続理由のひとつですね。

価格以上のチケットを提供できる「recri」。エリア拡大も目指す

recriのロゴ

―今後の展望などありましたらお聞かせください。

「recri」は現在、基本的に関東を中心にサービス提供していますが、今後は地方にも広げていきたいと考えています。

また、現在は前々から予定を立てておくタイプのサービスですが、今後は当日急に時間ができた時にもチケットが入手できるサービスも提供できないかなと考えているところです。

従来、各エンタメのチケットはプラットフォームがバラバラであることが業界の課題で、「recri」は私たちが全てのチケットを集約することでその煩雑さを解消するサービスでもありますが、当日券なども集約できたら、さらに気軽にエンタメ・芸術を楽しめるのではないかと思います。

さらに、観光などで訪れた海外の方にも日本のエンタメ・芸術との出会いを提供するなど、様々なチャネルからユーザーを広げていけたらと考えています。

ー最後に、マネ会読者へのメッセージをお願いします。

映画や舞台を観てぐっと来たり、「この作品を先に観ていたら、あの人に違う言葉をかけることができたんじゃないか」と自分を省みたり、そんな経験は多かれ少なかれ皆さんあるのではないでしょうか。

私たちは、芸術に触れることで単純にわくわくすることも、思いがけず深い気付きを得られることもあり、人生が好転していくと信じています。舞台、バレエ、落語、展覧会、その他どんな芸術であっても、ぜひ人生に取り入れていっていただけたら嬉しいです。

現在、「recri」には2,400円の展覧会プランと7,900円の舞台プランがあります。特に舞台プランはメリットが大きいのですが、「recri」では興行主様のご厚意で、基本的にこの料金以上の価格のチケットをお届けできているのも特徴です。

舞台と展覧会のチケットが1回ずつ届く、初回2回のお試しプランもありますので、まずは気軽な気持ちで使っていただけたら幸いです。

―本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました!

株式会社recri CEO/代表取締役社長

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気になるけど、なかなか話しづらい。けどとても大事な「お金」のこと。 日々の生活の中の身近な節約術から、ちょっと難しい金融知識まで、知ってて得する、為になるお金の情報を更新していきます。

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