「転職したいけどスキルがない」と感じる人が取るべきアクションプラン5選
働き方や仕事に対する考え方、価値観が大きく変わってきたことに伴って、ここ最近では転職することは、決して珍しい選択肢ではなくなってきています。
ただ、「社会全体として転職に寛容になってきたこと」と「自分が実際に転職できるか」は別問題でしょう。
これまでに転職を経験したことがなければ、転職に向けてどのように動くのが正解かも、わからないものです。
また、「特筆すべきスキルがない」と感じている方であれば、転職活動をうまく進められるかどうかも、不安でしょう。
この記事では、転職を検討する際の具体的なステップや、自分にスキルがないと感じているときに取るべき行動などについて、説明します。
転職活動を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
「転職したい」と考えたときにすべきこと
転職活動をする場合に、今の仕事を継続しながらなのか、退職してからなのかは、人それぞれでしょう。
ただ、いずれの場合でも転職活動が長引いてしまうのは、あまり望ましくないことが多いです。
前者の場合は業務の遂行に支障が出る可能性がありますし、後者の場合は収入がない(少ない)なかで転職活動を継続しなければなりません。
自分にとって理想的な転職先を見つけて、転職活動をなるべくスムーズに終わらせるためには、「転職理由の分析」および「転職市場の調査」が重要です。
転職したい理由を自分のなかでハッキリさせておけば、転職先を探す際に自分のなかで軸のようなものができるでしょう。
転職市場の調査をきちんと済ませておけば、どのような業界・分野を中心に転職活動するべきかの目星が付けやすくなります。
実際に転職活動を始める前に、時間をかけて「転職理由の分析」および「転職市場の調査」をおこなうことを意識しましょう。
転職したい理由を分析する
今の仕事を辞めて転職したいと考える理由は人それぞれですが、主に以下のような理由で転職を検討している人が多いと考えられます。
- 職場環境の不満からの転職
- 給与・待遇面の改善を目的とした転職
- キャリアアップを目指す転職
- ライフスタイルの変化からの転職
- 転職先分野への魅力からの転職
それぞれについて、詳しく説明します。
職場環境の不満からの転職
職場環境は、そこで働き続けるか否かの判断に大きく影響する要素のひとつです。
和気あいあいとした職場もあれば、お互いが数字を競い合う戦場のような職場もあります。
こういった職場はどちらが良い悪いということではなく、自分に合った職場で働くことが重要です。
お互いに協力しながら仕事を進めていきたいような、戦場のような職場では居心地が悪く感じるかもしれません。
反対に、成長やキャリアアップといった意識が高い方であれば、和気あいあいとした職場は生ぬるく感じるでしょう。
職場環境が自分に合っていないと感じることは、転職を意識する大きな動機になりえます。
給与・待遇面の改善を目的とした転職
生活の糧として仕事をしていく以上、給与や待遇が納得のいくものでなければ、その職場で働き続けることは難しいでしょう。
業務内容に給与や待遇が見合っていないと感じるようになれば、会社や仕事への愛着やモチベーションも湧かないものです。
転職をするにあたって、さまざまな企業の求人票に目を通せば、今よりも給与や待遇といった点で優れている企業に、数多く出会うはずです。
そういった企業への転職を目指すのは、社会人として当然の選択肢のひとつといえるでしょう。
キャリアアップを目指す転職
今の仕事にとくに不満はないものの、このまま仕事を続けていても将来が見えない、キャリアアップが望めないと感じている方もいるかもしれません。
そのような方がキャリアアップを目指すにあたって、転職は妥当な選択肢のひとつです。
今の職場ではこの先のキャリアを思い描けない、というような場合でも、ほかの会社や職場に移ることで、キャリアイメージを描きやすくなるというケースは多々あります。
キャリアアップを目指して転職する場合は、転職先の企業にそのまま留まるのではなく、再度転職する可能性も念頭に置いて、自身のキャリア形成をイメージするとよいでしょう。
ライフスタイルの変化からの転職
結婚や出産・介護などは、ライフスタイルが変化するきっかけになりやすいです。
ライフスタイルが変化すると、今までのように定時で働いたり、残業をバリバリこなすのが難しくなることもあります。
また、今までのような働き方しかできない職場だと、働き続けることが困難になることも考えられるでしょう。
フレックスタイムで仕事ができる、テレワークや在宅勤務などで出社せずとも仕事ができる、そういった職場に転職をする必要が出てくるかもしれません。
転職先分野への魅力からの転職
社会人になったばかりのころに興味を抱いていた分野と、社会人としてある程度経験を積んだ後では、興味を抱く分野が異なるということは、多々ありえます。
この場合、「興味・関心」といったことを原動力にして、転職を検討してみてもよいでしょう。
興味や関心が高い分野で仕事をしていくほうが、仕事へのモチベーションが高くなりますし、仕事をするのが苦になりにくいでしょう。
そういった姿勢は採用担当者にも伝わりやすいので、転職活動をうまく進めやすくなるといった効果も期待できます。
転職したい市場の調査
転職を検討する場合、転職先となり得る企業は星の数ほどありますが、主にどのような市場への転職を目指すかによって、転職活動の戦略も変わってきます。
転職市場を分類すると、主に以下のような市場に分けられるでしょう。
- 一般的な求人転職市場
- ハイクラス転職市場
- フリーランス転職市場
- 海外転職市場
- ベンチャー転職市場
それぞれの市場の特徴や、その市場を主な転職活動対象とする場合の戦略などについて、詳しく説明します。
一般的な求人転職市場
一般的な求人転職市場は、いわゆる求人サイトや求人誌に載っているような転職市場です。
転職市場としてはもっとも大きいと考えられるので、自分に合った求人を見つけやすいでしょう。
「仕事内容に不満はないものの、給与や待遇を少し改善してほしい」という希望があれば、業務内容を大きく変えずに待遇面は改善される、そのような求人を中心に検討するのも一案です。
求人も定期的に更新されるので、転職を意識し始めたときから継続的に求人サイトなどに目を通し、納得できる求人を見つけたタイミングで、転職活動をスタートさせるのがよいかもしれません。
ハイクラス転職市場
ハイクラス転職市場は、厳密に定義されているわけではありませんが、一般的には年収が高めに設定されている(800万円~など)求人が中心の市場を指します。
年収設定が高めであることから、転職希望者に対して求められる条件も多く、ある程度の経験やスキルを積んだ方でないと、転職を成功させることが難しくなると考えられます。
ハイクラス転職市場での転職を目指す場合は、1回目の転職で挑戦するのではなく、2~3回転職する計画を立てて、後半でチャレンジするのがよいかもしれません。
転職エージェントを利用して、キャリアアドバイザーと二人三脚で転職成功を目指すのもおすすめです。
フリーランス転職市場
フリーランス転職市場は、その名のとおりフリーランスとして働く場合に目指す市場です。
フリーランスとして働くためには、とくに就職・転職活動をする必要がないので、誰でもフリーランスになることはできます。
ただ、フリーランスになれることと、フリーランスとして生計を立てていけることは、まったく別の問題です。
定期的に仕事を請けられるようなルートがなければ、フリーランスとして独り立ちすることは難しいでしょう。
フリーランスとして働く自分に仕事を振ってくれる人がいる、前の職場での人脈やツテがある、仕事を受注できる見込みがあることを踏まえたうえで、フリーランス転向を判断するのがおすすめです。
海外転職市場
海外転職市場は、外資系の企業や日系企業の海外部門などで働く求人が中心の市場です。
海外で働くことになるため、英語は当然のこと、中国語などの外国語にある程度精通していることが求められることから、転職のハードルは高いです。
また、外資系企業の選考においては日系企業とは形式の異なる選考がおこなわれることもあります。
そのため、外資系企業の選考に精通している転職エージェントを利用するなどして、きちんと情報収集をおこなったうえで転職活動を進めるのが望ましいでしょう。
ベンチャー転職市場
ベンチャー転職市場は、ベンチャー企業で働く場合に目指す市場です。
ベンチャー企業への転職といっても、一般的な企業に転職を目指す場合の転職活動と、大きく変わるわけではありません。
ただ、ベンチャー企業のほうが採用活動に対しては柔軟で、SNSのDMのやり取りから転職先が決まったというようなケースも、数多く見られます。
そのため、気になる企業がある場合は正攻法で転職活動をおこなうのと同時に、代表者や選考担当者に直接アポイントメントを取ってみるのが、効果的な場合もあるでしょう。
転職までの具体的な5ステップ
転職したい理由を自分なりに分析できて、転職したい市場の調査を済ませたのであれば、あとは実際に転職活動を進めていくだけです。
転職活動を始めてから実際に転職するまでのステップは、おおむね以下のようになっています。
- 自己分析
- 自己PRの準備
- 転職先のリサーチ
- 履歴書・職務経歴書の作成
- 転職活動のアプローチ
それぞれのステップについて、詳しく説明します。
自己分析
自己分析は、転職活動をおこなうための第一歩です。
就職や転職を成功させるためには、働く人と企業のマッチングがうまくいくことが重要ですが、そのためには自分自身がどのような人であるかを、きちんと認識しておかなければなりません。
自己分析のやり方に関しては書物やネットなどに情報がたくさんあるので、そういったものを参考に進めるとよいでしょう。
他者と会話をしながらのほうが自己分析を進めやすいこともあるので、転職エージェントに登録して、キャリアアドバイザーの方に手助けしてもらいながら進めるのも、おすすめです。
自己PRの準備
自己分析が終わったら、その結果をもとにして自己PRを考えます。
自己PRは書類として提出する場合もあれば、面接などの場で直接聞かれることもあるので、どちらの場合でも対応できるようにしましょう。
自己PRを固めるためには、自分の強みを把握する必要がありますが、この過程は選考の場でおこなう自己アピールに説得力を持たせるために、非常に重要です。
そのため、自己PRに関しては転職活動を継続するなかで、常にブラッシュアップさせていくことを心がけましょう。
転職先のリサーチ
転職したいと考える理由および、自己分析によって把握した自分の強みを踏まえて、転職先として向いていると考えられる企業・企業群のリサーチをおこないましょう。
ネットなどで情報を集めるだけではなく、キャリアアドバイザーの意見を聞く、実際にその企業で働いている人に意見を求める、といったことも効果的です。
なお、転職先のリサーチは、自己分析や自己PRの準備と並行して進めていってもかまいません。
自己分析が進み、自分に対する理解が深まっていくことで、転職を希望する業界や市場が変わっていくことも考えられるからです。
履歴書・職務経歴書の作成
選考を進めるにあたっては、履歴書や職務経歴書などが必須なので、転職活動の合間を縫ってこれらの作成もおこないましょう。
これまでの経歴や積んできた経験などは変えようがありませんので、どの企業に対する書類でも、同じように作成すれば問題ありません。
ただ、自分の強みや自己PRなどにおいて、どういった点がアピールポイントになるかは、各企業で異なります。
そのため、そういった部分は使いまわすのではなく、それぞれの企業により刺さりやすいような形で書き分けることが重要です。
転職活動のアプローチ
実際に転職活動が始まって、面接やグループディスカッションなどが始まれば、選考の場で自分の強みやアピールポイントをしっかりと先方に伝えることを心がけましょう。
転職エージェントに登録している場合は、不安な点などをキャリアアドバイザーに伝えることで対策を考えてくれるため、最大限活用するのがおすすめです。
また、先ほども少し触れましたが、とくにベンチャー企業への転職を目指している場合は、正規とは異なる選考ルートからも転職できる可能性があります。
自分のできる範囲で、転職可能性を少しでも高められるようなアプローチをおこないましょう。
転職したいけどスキルがないと感じる方向けのアクションプラン5選
自分には特筆すべきスキルがないと感じている方のなかには、転職に魅力を感じているものの、なかなか一歩を踏み出せない方もいるかもしれません。
自分自身にスキルがないと感じている方は、以下に挙げるような行動を取ってみてはいかがでしょうか。
- 現職で身につけたスキルの確認
- スキルアップのための勉強
- 異業種交流会に参加
- 副業から経験を得る
- 転職エージェントに相談
それぞれについて、詳しく説明します。
現職で身につけたスキルの確認
自分自身のことを客観的に判断するのはなかなか難しいもので、自分では大したことのないスキルだと思っていたものが、転職市場では需要の大きいスキルだった、ということもありえます。
まずは、今の職場でどのような業務を担当したか、どのような経験をしたかを振り返って、身につけたスキルを確認してみましょう。
資格などのようにわかりやすい強みでなくとも、業務経験から得たスキルが重宝されるケースもありますので、これまで経験してきた仕事を事細かに思い出すことが重要です。
スキルアップのための勉強
上述したように、業務のなかで自然と身につくスキルもありますが、スキルを習得するためには、時間を割いて勉強することも重要です。
とくに転職を検討して、いろいろな業界や市場に関する研究を進めるうちに、どのようなスキルが歓迎されるかは、ある程度把握できているでしょう。
転職を目指す業界や市場に向けて、価値の高いスキルを中心に勉強することで、その業界・市場における自身の市場価値を効率的に上げることができます。
異業種交流会に参加
さまざまな業界・業種の人が集まって交流をおこなう、いわゆる「異業種交流会」に参加してみることも検討してみましょう。
ほかの業界・業種の人と話をするなかで、今の職場で身につけたスキルが、違う業界に転職しても通用するかどうかについて、何らかのヒントを得られるかもしれません。
自身が未経験となる分野の方と交流することで、その分野ではどのようなスキルが必要とされているかなど、情報収集の場として活用することもできます。
副業から経験を得る
スキルを習得するためには実践が何よりも大事ですが、今の本業に関係ないスキルであれば、仕事で実践することはできません。
ただ、最近ではクラウドソーシングなどを活用することで、さまざまな形で副業を実践できる環境が整っています。
副業レベルではありながらも、試行錯誤を重ねてスキルを磨いていくことで、本業としても通用できるスキルにまで昇華させることは可能です。
副業として始めてみることは、自身がその分野に適性があるかのチェックにもなるので、おすすめです。
転職エージェントに相談
転職活動をするにあたって、転職エージェントに登録する人は多いです。
転職エージェントに登録することで、各個人に担当のキャリアアドバイザーが付き、より効率的に転職活動を進められるようになるからです。
担当アドバイザーにスキルについて相談することで、自分では見い出せていなかった自身のスキルや可能性を、見つけ出してもらえることもあるでしょう。
そのほかにも、履歴書や職務経歴書の添削をおこなってもらえる、面接練習をしてくれるなどのメリットも享受できるので、転職活動でお悩みの方は転職エージェントの利用を検討してみるとよいでしょう。
今すぐ転職したい方におすすめな転職エージェント
転職エージェントは数が多く、それぞれのエージェントで得意としている業界も異なるので、どのエージェントに登録すればよいかと悩んでしまうことも考えられます。
今すぐ転職したい、転職について幅広いアドバイスがほしいとお考えの方には、以下に挙げる転職エージェントがおすすめです。
- リクルートエージェント
- マイナビエージェント
- doda
それぞれのエージェントの強みや特徴について、説明します。
リクルートエージェント
リクルートエージェントには、一般の求人サイトには掲載されていない非公開求人だけで、20万件以上(2022年8月時点)もの件数があります。
転職先の業界や業種を絞っていないため、まだ転職先を絞り切れていないという方でも、キャリアアドバイザーと相談しながら転職の方向性を決めることができます。
履歴書や職務経歴書といった書類の添削や、面接対策などの就職サポートが充実しているのも、大きな魅力です。
マイナビエージェント
マイナビエージェントのキャリアアドバイザーは業界ごとの専任制なので、各業界の事情に精通しています。
そのため、転職したい業界がすでに定まっている方であれば、キャリアアドバイザーによるサポートを受けることで転職活動をより有利に進められるでしょう。
キャリアアドバイザーとは別に、企業の人事担当者とやり取りしているアドバイザーも在籍しており、各職場のリアルな情報を把握できるのも魅力です。
doda
dodaには、キャリアタイプ診断やレジュメビルダーなど、転職活動に役立つツールが数多くあります。
また、「在宅勤務」や「服装自由」「残業20時間未満」といったような軸で求人検索をおこなうこともできるので、自分の希望に合った求人も見つけやすいでしょう。
さまざまなサポートを受けながら転職活動をおこないたい方にも、自分の希望条件を満たしている求人のなかから効率的に転職先を探したい方にも、おすすめです。
まとめ
「転職したい」と感じた場合は、転職したいと感じた理由および、どういった業界・市場に転職したいのかといった部分を、自分なりにしっかりと詰めることが重要です。
その過程をおろそかにしてしまうと、自己分析や転職先の選定が満足いく結果にならず、転職活動をうまく進められないでしょう。
転職活動を進めるにあたっては、「自分にスキルがあるのかどうか」を不安に感じることも多いです。
今の仕事で身につけたスキルを洗い出すなり、副業などをきっかけに新たなスキルを身につけるなりして、不安をなくした状態で転職活動に臨みましょう。
転職活動に対する不安をなくす、自分では把握できていないスキルを見い出してもらうという観点では、転職エージェントを利用するのもおすすめです。
履歴書や職務経歴書といった書類を添削してもらえたり、面接練習をおこなってもらえたりと、転職活動に対するさまざまなサポートを受けられるので、ぜひ転職エージェントへの登録を検討してみましょう。
不動産広告の営業マンを経て、現在はフリーランスのライターとして活動中。 クレジットカードやカードローンに関する知識を、公平な視点で分かりやすく伝えることを目指しています。 私生活でもいろいろなクレジットカードを使い分けながら、自分にとって最適な使い方を模索中。毎月貯まっていくポイントを見ながらその使い方を考えるのが、ひそかな楽しみ。 自分の実体験や気付きをもとにした、オリジナリティのある記事をお届けしたいと思っています。