銀行員からの転職は難しい?おすすめの業界や転職を成功させる方法を解説
結論からいって、銀行員からの転職は決して難しくはありません。
しかし現職がなんであれ、年齢や転職先の業界および職種によって、転職の難易度は変わります。
そこで今回は、さまざまな視点から銀行員の転職にフォーカスし、転職市場における年代別の評価から、おすすめの転職先まで解説していきます。
転職活動を効率よく進めたい方は、ぜひご一読ください。
銀行員の主な転職理由
銀行員からの転職が難しいのではないかと不安でいるのなら、「転職を思い留まるべきだろうか」といった悩みも抱えているのではないでしょうか。
転職活動をするべきかどうかを判断するうえで重要なのは、転職理由と理想のビジョンを明確にすることです。
あいまいな理由やビジョンのまま動き出しては、転職先を決めるための指針がブレ、自分の判断に自信を持てなくなってしまいます。
あと一歩、転職に踏み切れないのであれば、ここで銀行員の主な転職理由を確認し、自分の気持ちを再確認してみましょう。
- ノルマがつらい
- 人間関係のストレス
- プライベートを確保しづらい
- 仕事に魅力を感じない
- 金融業界の衰退に対する不安がある
ノルマがつらい
「ノルマがつらい」という転職理由は、営業業務のある職種全般でよく挙げられます。
そのため特に新人のうちは、種類の多さに圧倒され、プレッシャーから大きな精神的ストレスを感じやすい傾向にあります。
結果、「営業職は向いていなかった」と考える方は少なくないでしょう。
このケースでは、ノルマがない、もしくはノルマがゆるい職種への転職を希望する方も多く見受けられます。
人間関係のストレス
人間関係のストレスに関しては、銀行員に限った話ではなく、どのような業界や職種であっても、転職理由としてよく挙がります。
銀行ならではの人間関係の特徴としては、体育会系ノリと評されることが多いでしょう。
上下関係に厳しく、上司に対する徹底したあいさつや飲みの席でのお酌を求められるといった旧態依然とした職場も多いといいます。
また、ノルマの関係もあり、同僚との関係がギスギスしてしまい、「常に上司や同僚の顔色を窺わなくてはいけない環境に疲れてしまった」といった話も、銀行員からの転職理由としてはよくあります。
プライベートを確保しづらい
銀行員は取り扱う商品がとても幅広いうえ、取得が必須の資格も多くあるため、業務時間外も勉強に費やす方が多い傾向にあります。
また、親睦を深めるための飲み会や社員旅行、地域貢献のためのボランティア活動などを重んじる職場が多く、休日返上となるケースも少なくありません。
結婚や出産を意識するようになったタイミングで改めて人生設計を立て直し、プライベートに時間を割ける職種への転職を考える方は多いでしょう。
仕事に魅力を感じない
銀行員の仕事には、慣れてきたころに飽きを感じてしまう方も少なくありません。
お金を扱う特性上、正確性を強く求められることから、単調なルーティン作業が多いためです。
銀行員のやりがいといえば、顧客からの喜びの声や、ノルマ達成といった営業における要素が大きいでしょう。
地道な事務作業が苦手かつ、営業業務にもやりがいを見出せない場合には、仕事に対する意欲が減退しやすいといえます。
金融業界の衰退に対する不安がある
安定性の高さから銀行を就職先として選んだ方の中には、近年の金融業界に不安を感じ、転職を考える方がいます。
特に近年の大手銀行による大幅な店舗削減および人員削減の動きには、リストラに対する不安をあおられ、転職を選ぶ方が後を絶ちません。
ネットバンキングの普及やFintechの導入による業務の自動化は、銀行が抱える課題を解決するうえで必要なことでもあるため、一概に悪いことだとはいえないでしょう。
しかし、時代の移り変わりに伴い、収益の要である融資の需要が低下していることもあり、「将来性がない」と銀行に対して見切りをつける方が増えています。
銀行員からの転職は難しい?年齢は影響するのか
冒頭でも触れたとおり、銀行員からの転職は一般的に難しくはありません。
ここではその理由と、年齢による転職への影響についてざっくりと解説します。
銀行員からの転職は可能
銀行員の仕事の経験は、転職に有利に働くこともあります。
同業種や近しい職種であれば、保有資格をそのまま役立てやすいため、即戦力として期待されるでしょう。
銀行員という肩書きを持つ人材に対し、多くの人は正確性や信頼性を期待してくれます。
特に大手銀行の銀行員であれば、ネームバリューから好印象を持たれやすいでしょう。
裏付けられる根拠とともにこれらの強みをアピールできるのであれば、転職先はさまざま選べます。転職先の具体例については、後述します。
銀行員も若い方が転職に有利
年齢が若いほど転職はしやすいといいますが、これは銀行員であっても同様です。
若いうちはポテンシャル採用が基本となるため、これまでの経験に関係なく、さまざまな業界および職種にチャレンジしやすいでしょう。
一方、年齢を重ねるごとに即戦力であることが求められようになり、上の年代になればなるほど実務能力はもちろん、リーダーシップやコーチングスキルといったマネジメント能力など、求められる能力や経験数が増えます。
転職のハードルを下げたいのであれば、なるべく早い段階で転職活動を始めることをおすすめします。
【年齢別】銀行員の転職市場での評価
銀行員の転職市場における評価は、年齢によって大きく異なります。
20代、30代、40代以降の順に市場評価をチェックしたうえで、自分の現状と照らし合わせてみてください。
20代の銀行員からの転職はポテンシャルが求められる
20代はまだ社会人経験が短いことから、現在の実力よりもポテンシャルが重視されます。
特に新卒入社後1~3年ほどで転職するという「第二新卒」の方は、柔軟性が高く、新人教育がしやすいと考えられていることから、採用ニーズが高い世代です。
転職先の業務に対する適性を正しくアピールできれば、未経験の業界や職種であっても採用の可能性が十分にあります。
30代の銀行員からの転職は即戦力として期待される
30代の人材に対し、多くの企業は即戦力であることを求めます。
転職先の業務に通じるこれまでの経験や保有資格、実績といったものがあればあるほど、選考は有利になるでしょう。
また、30代も後半になると、マネジメント力が求められるようになります。
個人の実績はもちろんのこと、チームを率いて生んだ実績や、部下の指導経験などもアピールできると、より好印象を与えられるでしょう。
40代以降の銀行員からの転職はマネジメント経験が求められる
40代以降の転職は、管理職から管理職といった、いわばハイクラス転職が一般的です。
40代以降に新人教育を施すことはまず難しいと考えられることから、入社後すぐにほぼすべてを任せられるような人材を企業は求めるためです。
また、40代以降を対象とした求人は数少ないため、長年のマネジメント経験や確固たる実績をアピールすることが重要です。
このような傾向は年齢が上がれば上がるほど強くなるため、転職を希望しているのであれば早めの対策と行動をおすすめします。
銀行員から転職するのに向いている業界
銀行員からの転職に向いている業界は、以下の5つです。
- 金融機関
- 公務員
- 経営コンサルティング
- M&A業界
- IT業界
以下で銀行員におすすめされる理由のほか、注意点まで解説します。
金融機関
同業界、同職種の金融機関であれば、これまでに培ったノウハウを生かせます。保有資格や実績が多ければ多いほど、転職成功率を高められるでしょう。
同じ金融機関であっても、メガバンクと地方銀行、さらには信託銀行や証券会社、外資系金融機関、政府系金融機関など系列はさまざまあります。
系列によって取り扱う商品が異なるほか、職場によって待遇も異なるため、「転職してみたら悩みや不安が解消された」という方も少なくはありません。
金融機関は年収が比較的高い傾向にあるため、「年収をキープしたい」という方は、金融機関への転職をまずは検討してみましょう。
- これまでのノウハウを生かしたい人
- 銀行の仕事内容そのものは好きであった人
- 年収をキープしたい人
- 体育会系のノリが合う人
- 勤勉な人、向上心が高い人
公務員
公務員は「ノルマからは解放されたいが、安定性は捨てたくない」といった方への転職先として、おすすめです。
業務内容としては銀行員と同様に正確性や信頼性が強く求められるため、銀行員時代の事務作業に適性を感じた方ほど向いているでしょう。
職種にもよりますが、公務員は勤務時間や休日がきっちりと決まっていることも多く、銀行員から公務員の転職では「プライベートを確保しやすくなった」という声もよく聞かれます。
ただし、公務員試験に合格しなくてはいけないため、思い立ったらすぐに転職とはいきません。
職種や地域ごとに受験可能年齢が定められていることも踏まえ、まずはどの職種にチャレンジするのかをよく検討しましょう。
- 安定性を求める人
- ノルマから解放されたい人
- 事務作業を好む人
- プライベートを確保したい人
経営コンサルティング
銀行の将来性を案じている方や、年功序列ではなく実力主義の職場環境を求める方には、経営コンサルティングがおすすめです。
経営コンサルティングは、銀行員時代の経験が生かしやすく、特に法人営業を担当していた場合には、企業の財務状況を読み取るスキルや提案力が役立つでしょう。
また、コンサル経験を積むことは、キャリアの幅を広げることにもつながります。
コンサル経験は問題解決能力や、マネジメント能力、経営者目線といった汎用性の高いスキルを鍛え上げられることから、転職市場において高い評価を得やすいためです。
ゴールではなく、キャリアパスの一環として経営コンサルティングを選ぶのもひとつの選択肢でしょう。
- 実力主義の環境に身を置きたい人
- いずれは独立を考えている人
- さらなる転職を考えている人
- クライアントに対して密接にサポートしたい人
M&A業界
近年は銀行でもM&A関連の問題に立ち会うケースが増えていますが、そのなかで興味を引かれたのであれば、M&A業界への転職を検討してみてもよいでしょう。
日本国内はM&Aの需要が高く、将来性も見込めることから、ほかに比べて平均年収がかなり高いのも、この業界の特徴です。
M&Aの需要が急激に高まった2000年当初に比べると大型の案件は減っていますが、ビジネスモデルの変革が求められる企業は日本全体にまだまだ多くあります。
案件数自体は今後も伸び調子であると予想されているため、将来性のある業界への転職を考えている方にはうってつけでしょう。
なお、銀行員として身に着けてきたスキルも役立ちますが、より幅広い分野の知識が必要とされます。
銀行員時代、学ぶことが苦でなかったという向上心の高い方には、特におすすめの業界です。
- 銀行員の仕事に対して将来性に不安を感じていた人
- 今よりも年収をアップさせたい人
- 勤勉な人、向上心が高い人
- 銀行員時代にM&A関連の業務に触れていた人
- スケールの大きな仕事がしたい人
IT業界
Fintechを手掛ける企業では、金融業界の経験者は需要が高いため、転職しやすいでしょう。
特に法人営業を担当していた場合には、各企業の代表や役員との折衝経験がアピールポイントとして有効です。
金融業界の問題点をよく理解したうえで企画や開発、または営業に携われる人材だと好まれるでしょう。
なお、IT業界は慢性的な人手不足に悩まされているため、「未経験可」としている求人が多く見られます。
IT業界は日進月歩の業界であるため、次から次へと新しい知識や技術を身に着けていかなくてはいけません。
M&A業界同様、向上心が高く、学ぶことが好きな方には特におすすめです。
- 銀行業務のなかで業務効率化について考えることが多かった人
- システムの企画、開発または営業に興味がある人
- 実力主義の環境に身を置きたい人
- 勤勉な人、向上心が高い人
- 未経験の職種に挑戦したい人
銀行員からの転職を成功させる方法
銀行員からの転職を成功させられるかどうかは、これまでに培った経験やスキルを十分にアピールできるかにかかっています。
ここでは法人営業と個人営業の2つに分けて、アピールポイントとして使いやすい要素を解説します。
法人営業(融資営業)の経験がある場合
銀行員時代に法人営業を担当していたのであれば、経営者が営業対象者であったことをアピールしましょう。
このときポイントになるのは、どのように営業していたのかを詳細に分かりやすく話すことです。
法人営業の銀行員がどのような業務にあたっているかを詳しく知っている人は少ないため、「経営者に営業していた」という事実だけでは、強みが伝わりにくいためです。
まず、ノルマ達成率をはじめとした数字上の成果はもちろんのこと、PL・BSの分析や分析結果に基づく融資の提案、企業担当者へのヒアリング経験などもアピールポイントになります。
金融業界への転職であれば、細かな説明は不要であるケースも多いため、実績のアピールを優先するのが効果的です。
個人営業(外回り営業・窓口営業)の場合
法人営業に比べると業務内容の想像しやすい個人営業ですが、こちらも詳細に説明することが大切です。
どのような情報(預金や家族構成など)を基に商品の提案を考えていたのか、顧客との信頼関係を構築するうえでどのような工夫をしていたのかなどをアピールしましょう。
根性があることをアピールするよりも、ロジカルな営業テクニックを持っていることをアピールできたほうが、再現性の高さを評価され、選考には有利に働くでしょう。
銀行員からの転職には転職エージェントがおすすめ
銀行員から転職を目指すのなら、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントは求職者の希望に合った転職先を探してくれるのはもちろん、面接日や入社日の調整、年収交渉まで代行してくれます。
転職活動の効率を大きく高められるので、働きながらやスキルアップをしながらなど、多忙な方には特に強い味方になってくれるでしょう。
なお、転職エージェントをうまく活用するためには、担当アドバイザーとの相性が大切です。
転職エージェント選びに悩んだときは、複数の転職エージェントに登録してみて、相性のよいアドバイザーを厳選してみましょう。
リクルートエージェント
「リクルートエージェント」は、業界トップの求人数を保有する転職エージェントです。
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非公開求人も含め、「豊富な求人から自分に合う転職先を厳選したい」という方は、ぜひリクルートエージェントの利用を検討してみてください。
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理想の転職をかなえるためにじっくりと時間をかけたい方には、dodaをおすすめします。
マイナビエージェント
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特化型エージェントの分類は、下記のとおり多数あります。
- IT・Webエンジニア向けエージェント
- 営業向けエージェント
- ものづくり・メーカー業界向けエージェント
- 金融業界向けエージェント
- 販売・サービス業界向けエージェント
- クリエイティブ職向けエージェント
- 会計士専門エージェント
- 税理士専門エージェント
- 看護師専門エージェント
- 薬剤師専門エージェント
- 保育士専門エージェント
- 医師専門エージェント
マイナビエージェントの手掛ける特化型エージェントは、これでもまだ一例です。
ほかにもハイクラス転職の専門エージェントや、エリア別の特化型エージェントなど多数あります。
各特化型エージェントには、当該業界やエリアの転職に熟知した専任アドバイザーが在籍しています。
転職先の希望がある程度固まっている方にはマイナビエージェントがおすすめです。
まとめ
銀行員からの転職は、決して難しくはありませんが、一概に簡単とはいえません。
転職を希望する業界や職種、各々の年齢や経験、スキルによって、転職難易度は大きく異なるためです。
だからこそ転職を成功させるためには、自分の市場価値を見極め、効果的な自己PRを考える必要があります。
転職エージェントでは経験やスキルの棚卸しから転職活動をサポート。そのうえで客観的かつ転職のプロ目線で、キャリアプランを提案してもらえます。
理想の転職先が定まっている方も、まだ迷っている方も、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
ライター歴8年、編集歴3年。クレジットカードやローンなど金融関係を筆頭に、エンタメや美容などさまざまなジャンルで活動中。クレジットカードは、メインカードとして楽天カードを保有。そのほかに普段の買い出し用にイオンゴールドカードや、家電量販店用に100満ボルトカードなどサブカードも複数保有。普段の買いものはほぼすべてクレジットカードにし、貯まったポイントを本やゲームなど趣味に使うのがルーティンとなっている。